ギバーテイクオール株式会社
代表取締役 CEO 河野 清博
住 所 | 東京都港区麻布十番1-5-26 |
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URL | https://givertakeall.com/ |
私たちギバーテイクオールは、注文住宅購入を検討している方と住宅メーカーをマッチングさせるサービス「auka」(アウカ)を運営しています。マッチングするだけでなく、弊社でオペレーターと呼んでいる担当者がマンツーマンでつき、成約までサポートします。
サービス提供エリアは、熊本から始まり富山など9エリア。今期中に21エリアに増えますが、大都市ではなく地方が中心です。これらの地域は注文住宅を当たり前のように建てるエリアで、8割が注文住宅であり、建売住宅の購入は2割程度です。大手ハウスメーカーのシェアも25%程度、75%は地域の住宅メーカー、工務店が請け負います。
1つのエリアはだいたい県の大きさと同じ程度ですが、各エリアに平均300社ほどの住宅メーカーがあります。住宅メーカーすべてを検討してどこに注文するかを決めるのは大変です。これをお手伝いして、住宅購入希望者の負担を減らすのがaukaです。住宅メーカーからはお客様がご成約になるまでフィーを頂戴しない完全成功報酬型のビジネスモデル。一方、住宅購入希望者の方は無料で利用することができます。
住宅購入希望者の悩みは、住宅メーカーが多すぎることだけではありません。この業界は、価格情報がほとんど出回りません。ですので、見積もりをつくってみないといくらかかるのかがわからないのです。「坪◯◯万円から」という目安はあるものの、これも注文内容によって大きく変わります。
さらに、家を建てるには土地探しと住宅ローンと住宅メーカー探しの3つを同時並行で進めなければならないことも大きな負担です。本来は、まず住宅ローンの審査が済んで、予算がはっきりしてから土地と住宅を探すことができればいいのですが、それができにくいのです。住宅に予算をかけすぎると、適切な土地が見つからないという問題が起きたり、住宅と土地が決まったのに住宅ローンの審査が通らず、予算を下げて、最初からやり直したり、などということが起こります。
注文住宅を建てるというのは不可逆的な決断です。建ててしまったらもう元に戻すことはできません。失敗したから売却してやり直すというのは、注文住宅の場合簡単なことではありません。多くの住宅購入者にとって、そこで一生暮らすことを前提とした、人生の重要な意思決定なのです。
しかも複雑な条件の中で意思決定をしなければなりません。この一連の流れの中、2ヶ月から3ヶ月ほどで決めなければならないのが一般的です。住宅を建てることはできても、納得をしているのか、正しい意思決定をしたのかという観点で見ると、誰も答えが出せないということになります。
これをオペレーターがマンツーマンでつくことで、納得がいく住宅購入をしていただくまで寄り添うのがaukaです。
河野社長によると、住宅購入には「情報収集コスト」「調整交渉コスト」「信用調査コスト」「意思決定コスト」の4つの「決断コスト」があり、これらのコストをゼロにすることがギバーテイクオールのミッションだと話す。
私は、10年ほど住宅不動産業界の経営コンサルタントをしていました。経営コンサルタントの仕事は住宅メーカーなどをクライアントとして、販売を促すお手伝いをすることです。その経験から、住宅購入希望者の方は大きな悩みを抱えているのに、コンサルタントの立場ではそれを解決することができないことに気がつきました。
例えば、性能に強みを持っている住宅メーカーがクライアントの時は、住宅購入希望者に「家は性能がいちばん」と思っていただけるように、コンサルティングを行います。一方で、クライアントがデザインに強みを持っている時は、「家にとって性能よりも、デザインが重要」というコンサルティングしなければなりません。
コンサルタントの立ち位置では限界がある。住宅産業をマクロな視点で変革していける立場にならないと、住宅購入希望者が抱えている本質的な問題は何も解決ができない。そう思うようになりました。それでギバーテイクオールを起業することに挑戦したのです。
私たちギバーテイクオールのミッションは「人生の決断コストをゼロにする」です。このコストには4つあると考えています。
1つ目が、どのような住宅メーカー、土地があるのかを調べる「情報収集コスト」。2つ目が住宅メーカーとの交渉、土地購入のための不動産会社との交渉、住宅ローンを組むための銀行との交渉や調整をする「調整交渉コスト」です。
3つ目が、注文をする前に、住宅メーカーの信用度を調べる「信用調査コスト」。そして4つ目が、誰にも相談しない場合に必要となる「意思決定コスト」となります。すべての材料を揃えても、人はその意思決定が正しいのか不安になります。ここで「あなたの意思決定は正しいです」と背中を押す人が必要となります。
この4つのコストは、多くの場合、住宅購入希望者が自ら背負うことになります。それぞれのコストを個別に代行するサービスはありますが、4つのコストすべてを肩代わりするサービスは、auka以外にはありません。aukaは、この4つのコストすべてをテクノロジーの力とオペレーターの力でゼロにします。
aukaの相談を受ける時は、最初に32問のアンケートに答えていただきます。これが重要なのです。aukaには、すでにたくさんのお客様の成約情報が蓄積されているので、アンケート結果が似ている過去の事例からアドバイスができるようになります。
例えば、若くてまだ収入が少ない方の多くが、注文住宅を購入するのは難しいと感じているのではないでしょうか。しかし、aukaにご相談をいただければ、同じような収入、同じような年齢、同じような条件の方で、実際に注文住宅を購入された方の事例が見つかります。オペレーターはこのような過去の複数の実例に基づいてご相談に乗り、アドバイスをしていきます。
住宅メーカーを選ぶ時にも、過去の似た条件の方の住宅メーカーに対する満足度がわかっていますので、購入を希望される方に不満が生じる可能性の少ない住宅メーカーをご紹介できます。
人間というのは面白いもので、aukaのオペレーターが「この住宅メーカーがおすすめです」というだけではなかなか心が動きません。しかし、「あなたと条件がよく似ている人たちはこの住宅メーカーを選んでいます」と言われると心が動き、決断ができるようになります。
最初に、注文住宅には価格情報がほとんど出回らない問題があると指摘しました。しかし、私たちaukaは、条件が似ている人が具体的にいくらの注文住宅を購入したかのデータを持っています。世の中に出回らない価格データや意思決定の履歴データを持っていることが、私たちギバーテイクオールの競争優位の源泉になっています。今後、相談件数が増えるごとにデータが蓄積され、私たちの持つデータの価値はどんどん上積みされていくことになります。
現在は、提供エリアを拡大することと、住宅ローンや保険等のお金に関するご相談ができるようになることに集中しています。例えば、住宅ローンの保証会社などと連携をして、住宅購入希望者の方に、事前にいくらぐらいまで住宅ローンが組めるのかを提示するシステムを構築しようとしています。先に予算を確定させるので、土地探し、住宅メーカー探しが非常にスムースになります。
その後は、ギバーテイクオールのミッション「人生の決断コストをゼロにする」に基づいた事業を展開していきます。住宅購入だけでなく、その後の人生の重要な意思決定をお手伝いするサービスです。
例えば、私自身、このまま東京で暮らすのか、親の介護を考えて故郷に戻った方がいいのか悩み始めています。いろいろな選択肢があり、なかなか決めることができません。その時知りたいのは、私と似た条件の方がどのような決断をしているかです。私より先に問題に直面した方がどういう意思決定をしたかを知ることで、私も楽になります。そういう意思決定に関する情報が流通することで、深く悩む人がいなくなる世界を目指しています。
人生の大きな意思決定にはどのようなものがあるか、これからじっくりと考えていきたいと思っていますが、多くの方の人生にとって、最初に大きな意思決定をするのは住宅購入であることが多いと思います。ですから、aukaは相談サービスを受けたらそこで終わりでというサービスではなく、aukaが出発点になって、残りの人生をフルサポートしていくようなサービスに育てていきたいと思っています。
現在の弊社の体制は、お客様のご相談業務をするオペレーターが8人。ビジネスサイドが3人。エンジニアであるCTOが1人という構成です。提供エリアは今期中に21エリアに増えるので、オペレーターは16名体制になる予定です。また、喫緊の課題は社内にエンジニアチームを構築することで、現在のCTOを中心として30名規模のチームを構築している最中です。
オペレーターの方は優秀な人材を着々と採用できています。オペレーターは北海道から福岡まで点在していますが、全員が完全テレワーク、完全在宅勤務です。面接もリモート面接ですし、研修もリモートで行います。住宅に関する専門知識は研修で身につきますので、なくてもかまいません。実際、オペレーターの半数は住宅業界の未経験者です。
必要な情報は、すべてオペレーター用の管理画面に表示させる仕組みを構築しています。その情報を、お客様の心を動かすような形でお話ができるスキルが重要で、面接ではそこを見ています。また、フルリモート勤務ですので家庭との両立もしやすい環境ですが、一方で、自律的に仕事ができることも重要です。
エンジニアは、イシュードリブンで思考できる方を求めています。イシュードリブンとは解決策よりも課題設定重視という意味です。特にリーダー級以上のエンジニアには、このイシュードリブン思考が身についていることを重視しています。
例えば、以前は、オペレーターの相談予約は、スケジュール帳のような画面に、お客様が時間を指定するという方式でした。しかし、オペレーターから改善要求が出てきました。相談が連続してしまうことがあって、インターバルが取れないというのです。これを「オペレーターの方が忙しくなって困っている」という定義なら、改善の優先度は低いと言えます。
しかし、オペレーターがインターバルを取れないということは、疲労して接客品質が下がる、お客様の資料を事前にしっかりと読み込むことができない、という問題が発生し、お客様との最初の接点である重要な業務の品質を損なってしまうと定義すれば、最優先で解決しなければならない問題ということになります。
私たちはスタートアップ企業なので、解決しなければならない課題は山のようにあります。その中で、本質的な課題を定義して優先順位をつけ、貴重な時間を大きな改善に結びつけられる考え方がイシュードリブンです。
エンジニアチームに関しても、完全テレワーク、完全在宅勤務でチームをつくっていこうと考えています。今では、オンラインで十分なコミュニケーションができるので、対面で働くことの必要性は特に感じていません。それだけに、イシュードリブンのような思考あるいは企業文化のようなもので全員が結ばれていることが重要だと考えています。
社名のギバーテイクオールのギバーとは与える人のことです。対語になるのはテイカーで搾取をする人のことです。組織というのは大きくなると、テイカーの人が有利に立ち振る舞うことができるようになるという構造になりがちです。
私はそこに挑戦をして、弊社が大きな組織になっても、ギバータイプの方がのびのびと働ける会社にしたい。互いに与えあうことができる信頼に満たされた組織にしたい。テイカータイプの方の中で、真に活躍していたギバーの評価が上がらない会社ではなく、ギバータイプの方が物心両面で評価される会社にしたい、という意味を込めて、ギバーテイクオールという社名にしました。
私たちギバーテイクオールの考え方に共感される方に、加わっていただきたいと思います。
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