株式会社クリプタクト
共同創業者 代表取締役 アミン アズムデ
私たちクリプタクトは、暗号資産取引をされている投資家の方のための支援プラットフォームを提供しています。昨年12月のクリスマスイブには、「tax@cryptact」の無料提供を始めました。これは、暗号資産取引をしている方の確定申告の支援をするサービスです。暗号資産の税務申告計算はとても複雑なものですが、「tax@cryptact」は、すべて自動で計算してくれます。
さらに、税理士会計士のプロ向けの税務申告計算サービス「taxpro@cryptact 」、また正確にデータに基づいたポートフォリオ管理ができる「portfolio@cryptact」 の提供も始めています。私たちの目標は、暗号資産の投資家が必要とするすべてのサービスをワンストップで提供することです。12月13日には、暗号資産マーケットの独自視点のレポートサービス、reports@cryptactも正式に開始しました。
暗号資産取引の税務申告計算は、もはや個人では計算ができないほど複雑なものになっています。なぜなら、暗号資産は暗号資産間で取引ができてしまうからです。Aという暗号資産で、Bという暗号資産を買うことができる。1ユニットのAが0.8ユニットのBに当たるという交換レートが決まっていれば、取引ができてしまいます。では、この人はAをいくらの日本円で購入して、Bはいくらの日本円にあたり、最終的にいくらの日本円の利益を出したのでしょうか。納税は日本であれば日本円でしなければなりません。
このような暗号資産間の取引をひとつひとつ法定通貨である日本円や米ドルに換算して、利益計算をしなければなりません。これはものすごく煩雑な作業になります。
「tax@cryptact」は、交換レートを自動的に取得し、このような税務申告計算を日本円、米ドル、ユーロなどの法定通貨に落とし込んで自動計算してくれるのです。
ひとつの暗号資産だけをひとつの交換所だけで日本円で購入しているというのであれば、自分でエクセルなどを使って税務申告計算をすることも不可能ではありません。しかし、「tax@cryptact」の現在のユーザー数3万2000人のデータを分析すると、利用している交換所の数は平均で3.3カ所、扱っている暗号資産の種類は全体で2200種類を超えています。こうなると、個人で計算することはほぼ不可能です。
ビットコインが登場して10年になります。今までは暗号資産取引で利益が出ても、税金は払わないという状況でした。税務当局も把握のしようがなかったからです。しかし、暗号資産経済圏が大きくなり、利益を出す投資家も増えてきました。そうなると、税務当局も注目をし始め、昨年12月には国税庁から税務申告に関するガイドラインが発表されました。
利益が出たらやはり納税はきちんとした方がいい。それが暗号資産市場の健全性にもつながっていきます。「tax@cryptact」は、今後、ガイドライン、ルールが変わっても、すぐに対応できるように、モジュール化構造になっています。現在、日本、米国、欧州の税務申告に対応ができています。
アミン社長は、「求めるエンジニアは、スタートアップマインドを持った人」として、「私たちからタスクを与えられ、それをやるというのではなく、自分からシステムの方向性やソリューションを導いていける人と働きたい」と話していた。
私は米国の大学で学んでいる時に、日系人の素晴らしい先生と出会うことができ、縄文や弥生の文化に惹かれ、交換留学生として日本にきました。その時に、日本の風土や人々に触れ、日本で生きていきたいと思うようになったのです。米国に戻り、大学を卒業すると、日本で働きたいと思い、ゴールドマン・サックス証券の日本法人に入社しました。エンジニアとして採用されましたが、社内でジョブチェンジをして、ファンドマネージャーとして働いていました。
ところが、人工知能というテクノロジーが登場して大きなショックを受けたのです。私が1社の情報をエクセルに入力して分析している間に、人工知能は50社ほどの分析を完了してしまう。私が分析をしている間に、どんどん株価が動いてしまう。もうかなわないと思いました。長期の投資であれば人間にしか判断できない部分があるので、人工知能と戦うことはできますが、短期の投資では人間はもう人工知能に勝てません。絶望的な気持ちになったのです。
それで、もう一度ITの世界に戻ろうと思いました。その時に、暗号資産やブロックチェーンに惹かれていったのです。しかも、日本は、暗号資産やブロックチェーンを積極的に受け入れている国です。日本のような先進国で、技術力もあって、きちんとした規制もできる国でなければ、暗号資産は定着しません。日本で、暗号資産関連のビジネスをやりたい。上司も積極的にリスクを取りにいけと応援してくれました。それでクリプタクトを起業することになったのです。
現在、共同創業者が3名。エンジニアが1人。合計7名のスタートアップです。人手は欲しいですが、社員数をいきなり大きくするつもりはありません。1年後に、15名から20名の会社になっていれば、私としては相当大きな組織になったなと感じます。限られたリソースの中でも最大限の成果を出しに行く。 そういう組織でありたいと思っています。
クリプタクトのキーワードは、ITと金融なので、エンジニアが半分、金融のプロが半分という構成にしたい。そのために、エンジニアが圧倒的に不足しています。
求めるエンジニアは、スタートアップマインドを持った人です。発想力、想像力を効率よく成果物に落とし込んでいける人にきていただきたいですね。私たちからタスクを与えられ、それをやるというのではなく、自分からシステムの方向性やソリューションを導いていける人。そういう人でないと、スタートアップで働くのは難しいと思います。
端的に言えば、GitHubのリボジトリを充実させている方にきてほしい。それを見れば、その方がどのようなエンジニアであるか、私たちもすぐに評価できます。
社内の公用語は、日本語または英語です。いずれかひとつでも問題ありません。国籍、人種はまったく問いません。ただ、当面は日本発のベンチャーとして力をつけていくために、日本にコミットしている方を希望します。将来的にはグローバル展開も視野に入れていますが、それは次の段階だと考えています。
私たちクリプタクトは、既存サービスの開発を進めながら、同時にさまざまな開発を進めています。交換所をやるつもりはありませんが、それ以外の支援サービスはすべて手がけていきたい。直近では、投資家に提供するコンテンツ、ニュースやレポート、学習教材などの提供も準備してします。
また、将来的には独自のブロックチェーンネットワークを構築するために、他社とパートナーシップを結んで、共同研究も始めています。
私たちは暗号資産の将来を信じています。暗号資産は、どの伝統的な金融資産とも相関性が低いことが特徴です。例えば、日本の株式と米国の株式は相関性が高い。米国株が下がると日本株も下がるという関係にあります。こういう相関性の高い金融資産ばかりでポートフォリオを構成するのは得策ではありません。分散値が低すぎて、リスクが大きくなってしまうからです。下落するときは、ポートフォリオ内のすべての資産が連動して下落してしまう。
ところが、どの金融資産とも相関性が低い中立的な暗号資産をポートフォリオに組み入れることで、ポートフォリオ全体の分散が大きくなり、全体のリスクを小さくできるのです。(詳細:https://grid.cryptact.com/reports/0002.html) このようなことから、いずれ、多くの投資家、機関投資家が暗号資産をポートフォリオに組み入れることになっていくでしょう。
私たちクリプタクトは、暗号資産とブロックチェーン技術の将来性を信じて創業をしました。暗号資産とブロックチェーン技術の未来を信じられるエンジニアの方に、ぜひ私たちクリプタクトに加わっていただきたいと思っています。
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