株式会社cart
代表取締役 Co-Founder&CEO 橋本雅治
取締役 Chief Operating Officer 越智幸三
住 所 | 東京都渋谷区神宮前5-27-8 Los Gatos2F |
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URL | https://naturacart.com/ |
橋本:私たちcartは、ボーダレスなECプラットフォーム「ナチュラカート(naturacart)」を運営しています。世界中のナチュラルオーガニックな食品、サプリメント、コスメなどを日本にいながら購入できるサービスです。
越智:開始当初は、海外在住の日本人が優れたナチュラルオーガニック製品を見つけて出品し、それを日本の消費者とマッチングさせるC2Cサービスでしたが、現在では海外のメーカー、卸業者、さらには日本国内で輸入ナチュラルオーガニック製品を扱う商社、小売店なども出品をして、世界中のナチュラルオーガニック製品がワンストップで購入できるECプラットフォームになっています。
橋本:ナチュラルオーガニックの分野では、日本は残念なことに後進国なんです。ところが、消費者の方の意識が低いわけじゃないんですね。むしろ、日本の消費者の意識は高い。それでも後進国になってしまっているのは、製品の供給が圧倒的に少ないからです。
例えば米国だとホールフーズ・マーケットがあって、ナチュラルオーガニック製品を手軽に買い求めることができます。でも、日本では、相当探さなければ見つからない。日本にも求めている人はたくさんいるのに、買う場所がない、製品が見つからないという状態。需要に対して、供給が追いついていない。この状況を変えようというのが私たちのナチュラカートです。
越智:ナチュラカートで扱っている製品の約8割は、他のECや小売店では売っていないものです。私たちが扱える理由は、EC技術を使い、個人輸入の仕組みを使っているからです。
橋本:世界で当たり前のように販売されているナチュラルオーガニック製品が、日本では売られていないという不思議なことが起きています。ひとつは規制の問題です。例えば、コスメでは薬機法の規制を受けます。海外メーカーが日本市場に参入しようとすると、たとえ各国でオーガニック認証を受けた商品でも、新たに日本独自の規制をクリアする必要があります。しかし、それには莫大な費用がかかり、長い時間がかかってしまいます。
食品もそうです。日本で農業をするには農薬を使うのが当たり前になっていて、それで産業構造ができあがっているので、無農薬のオーガニック農業や、その作物を使った加工品などのビジネスが育ちにくい状況があります。
さまざまな規制は、消費者を守るために重要なものですが、新しいトレンドに対応するのに時間がかかる。それで化学薬品を使った化粧品はOKなのに、天然成分を使った化粧品がNGというような歪みも起きているのです。
越智:こういった規制に「合法的」に縛られないのが、ナチュラカートの仕組みです。規制は日本の法人を対象に適用されるのですが、海外の出品者から日本在住の個人が直接購入すること自体は対象になりません。海外旅行に行って、ご自分で製品を買って、日本に持って帰るというのと同じことです。
橋本:ナチュラカートが扱っているナチュラルオーガニック製品は、海外では広く販売されているものばかりです。しかも、出品をしているのは海外在住の日本人の個人、あるいはプロの日本人バイヤーの方です。そういう日本人の方が日本人の視点で、製品を選んで出品をしているので、安全性に問題があるような製品はありません。海外メーカーに出品をしてもらうときは、私たちがしっかりとそのメーカーを調査して、製品の安全性についても吟味をしています。
越智:今の日本の消費者の方は、ものすごくよく情報を集めています。例えば「粉ミルク オーガニック」と検索して、私たちのナチュラカートにたどり着く方も多いですし、その分野で定評のある海外ブランド名を直接検索してたどり着いている方もたくさんいます。
特に妊娠された女性、小さなお子さんがいらっしゃる家庭の方は感度が高いと思います。家庭の中で食生活の傾向が変わる時期でもあり、小さなお子さんには安全な食べ物を与えたい。そこで、みなさんいろいろな方法で情報を調べられている。
橋本:それと健康志向ですね。ジム、ヨガ、ランニングをされる方は運動だけじゃなくて、体に入れるものもナチュラルオーガニックにしたいと考えている方が多い。ごく普通の家庭でも、いつの間にか亜麻仁油を使っていたり、ブラウンシュガーを使っているということは珍しくなくなっています。
そういう日本人の意識の高まりと、世界の優れたナチュラルオーガニック製品をどうやって結びつけるか。それが今、私たちが挑戦していることです。
橋本CEO(右)は、「ナチュラカート(naturacart)」について、「「いいものを体に入れる」に私たちはフォーカスして、社会的な意義の大きな事業である日本人のウェルネスに貢献したい」と話す。
越智:私たちはプラットフォーマーなので、多角的な情報が入ってきます。また、海外のメーカーや工場とのつながりも生まれています。さらに、ナチュラカートを運営する中で、消費者はどのような商品に反応をするか、どれを買うのかという情報も持っている。そこで、今、プライベートブランド製品の生産に挑戦しています。私たちのリサーチ結果に基づいて、日本の消費者に合った製品を海外メーカーに生産してもらい、それをナチュラカートで販売していただくという仕組みです。ナチュラルオーガニック製品はどうしても価格が高くなりがちですが、このようなPBの仕組みを作ることで、いいものを安く提供できるようになります。
また、越境ECを運営している企業と提携して、物流をシェアする試みも始めています。ナチュラカートでは、出品者が個別に国際宅配便などを使って、購入者まで送り届けるのが基本ですが、どうしても配送料が高額になりがちです。越境EC企業と物流をシェアすることで、配送料についてもできるだけ安くする挑戦をしています。
橋本:リアル店舗の展開も構想しています。と言っても、私たちはプラットフォーマーですから、そういうPB製品の生産や物流、小売を自前でやるのではなく、ノウハウを持ったパートナーと提携する形で、ナチュラカートのサービスの質を上げていきたいと考えています。
現在のナチュラカートは、ナチュラルオーガニック市場に特化していますが、ウェルネスが私たちの目指すべき市場だと考えています。健康を保つには3つの方法しかありません。「いいものを体に入れる」「運動する」「睡眠をとる」です。この3つのうちの1つである「いいものを体に入れる」に私たちはフォーカスして、日本人のウェルネスに貢献したい。これは社会的な意義の大きな事業であるとも思っています。
越智:今、私たちの社員数は9名。これからも少数精鋭でいくので、社員数をどんどん増やしていくというつもりはありませんが、やるべきことが多いので、エンジニアは常に不足しています。
cartはIT企業ですが、数字を伸ばすことが目的ではなく、ユーザーの生活をどれだけ豊かにできるかが目的です。なので、ユーザー視点での発想ができる人にきていただきたいですね。例えば、よくECサイトで、メールやプッシュ通知がたくさん来るサービスがあります。あれは、コンバージョン率を上げるための方法としては優れていますが、ユーザー体験という面ではどうでしょう。ユーザー体験をより良くすること、ひいてはナチュラカートというブランドの価値を高めていく視点で発想できるエンジニアや事業リーダー達と一緒に事業を作っていきたいと思います。
橋本:失敗を恐れない人がいいですね。cartは失敗を推奨します。失敗をするから新しいものが生まれるのですから。人生は1勝をあげればじゅうぶん。でも、その1勝の裏側に9敗がある。チャレンジをした上での1勝9敗は立派です。失敗を恐れて0勝0敗の人はcartには向かないと思います。
株式会社cart 代表取締役 Co-Founder&CEO 橋本雅治
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