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家族信託サービス『おやとこ』で高齢者の"資産保全"を
家族の信頼の中で実現、
"司法書士×テクノロジー"で超高齢社会の課題に挑む

トリニティ・テクノロジー株式会社
代表取締役 磨(みがき) 和寛

家族信託サービス『おやとこ』で高齢者の 家族信託サービス『おやとこ』で高齢者の
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住 所 東京都港区新橋2-1-1 山口ビルディング1階
URL https://trinity-tech.co.jp/
トリニティ・テクノロジー株式会社代表取締役 磨(みがき) 和寛
立教大学法学部卒業。大学時代にバンドを結成し、1年間休学して全国ツアーを行うほどの音楽好き。大学卒業後に司法書士の資格を取得し、都内の都内司法書士事務所に勤務した後、29歳で「司法書士事務所トリニティオフィス」開設。その中で事業承継、家族信託、不動産コンサルと対応領域を広げるかたちで「司法書士法人トリニティグループ」を設立した後、「人×テクノロジー」をテーマに財産管理・承継に関連したサービスを提供する「トリニティ・テクノロジー株式会社」を設立。現在に至る。
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バンド活動をやり切った後、その情熱をより社会貢献できるものに注ぎたいと起業

――まず現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

大学時代はラップとロックをかけ合わせたミクスチャーというジャンルの音楽をメインとしたロックバンドを組み、CDを作ったり、大学を2年間ほど休学して全国ツアーを行ったりするなど、かなり音楽にのめり込んでいました。

ただ、その中で「自分にとって音楽は自己満足の世界ではないのだろうか?ならばそこの情熱を外側に向けていくことで社会貢献が果たしたほうがいいのではないだろうか」という思いが芽生え、それが起点となって「20代のうちに社会や人々に貢献できる事業を始める」という目標を立てました。

そうなると“自分の武器”となるものが必要。そこで大学に復学し、法律の勉強に全力で打ち込み、27歳で司法書士資格を取得しました。都内の司法書士事務所に1年半勤務した後、29歳で「司法書士事務所トリニティオフィス」を開設しました。

――当初の目標通り、20代での起業ですね。

当初は渋谷で、とある企業のオフィスの一角を間借りするかたちで個人事務所を開設し、司法書士として主に商業登記手続きの代行などを手掛けていました。

顧客基盤なども整ってきたことで個人事務所から「司法書士法人トリニティグループ」へと拡大を図り、さらにサービスの幅を広げたいと考え、近接する領域のスペシャリストとして弁護士および行政書士に加わってもらい、「弁護士法人トリニティグループ」、「行政書士法人トリニティグループ」を設立しました。

こうした法律に関する総合力を武器に、家族信託や相続・生前サポート、事業継承対策といったといったコンサルティングサービスや、企業法務、M&Aの法務、訴訟・トラブル対応などの士業サービスを展開し、世の中の幅広いニーズに応えてきました。

――その後に新型コロナウイルスが感染拡大を始めたのですね。

そうです。感染拡大防止策として国や自治体によってさまざまな業種業態に対する自粛ムードが高まる中でなにか新しい気付きを得たいと考え、高野山まで行って護摩行体験を行いました。

高野山と言えば弘法大師・空海が開いた真言密教の聖地。没後1,200年以上経過しているにも関わらず、高野山にはその教えを受け継いだ1,000名以上の僧侶がいて、仏様の智慧を活かし、人々に寄り添い続けている。

そしてそんな空海の教えに触れようと国内はもとより世界中からたくさんの人々を集め続けている。時代を超えても人々が集まり、大きな影響を与え続ける――社会貢献のための仕組みづくりに深く感じいりました。

――高野山での護摩行が新たな気づきを与えてくれた。

空海はあの時代におけるイノベーターであり起業家ともいえるかもしれません。1,200年間以上にわたって人々に影響を与え続けられる仕組みを作ったからです。

そんな空海の生き様と自分とを照らし合わせることで、自分の小ささを再認識し、「もっと大きい場所で挑戦すべきだ」と思い至りました。それが2020年8月のことで、その2ヶ月後の2020年10月にトリニティ・テクノロジーを設立しました。

「司法書士×テクノロジー」で高齢者の資産保全を図る『おやとこ』

――事業内容について詳しくお聞かせください。

我々の専門領域である司法書士の仕事に「テクノロジー」をかけ合わせたサービスを提供するのがトリニティ・テクノロジーです。

司法書士は、対面で実際にお客様と接するという原則のようなものがあったり、実際に印鑑を押印する場面が多々あったりと、アナログな慣例が多く残る世界でした。

「テクノロジーはエンジニアに任せ、我々は人間でしか提供できないサービスを提供しよう」という考え方をする人も多く、2020年時点でもDX化に取り組んでいる同業者はごくわずかでした。「だったら我々がやってみよう」と立ち上げたのがトリニティ・テクノロジーです。

――具体的にはどのようなサービスを展開しているのですか?

軸となるのが家族信託の『おやとこ』です。これはスマートフォンを用いた資産管理サービスで、世界でも類を見ないほどの「超高齢社会」(※)を迎えている日本の現状と今後を見据えて立ち上げたものです。

(※ 65歳以上の人口が、全人口に対して7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれ、現在の日本は「超高齢社会」にあたる)

現在、日本では高齢者の方々が認知症によって判断能力を失うことで資産を凍結されるケースが増えています。それによって介護費用を捻出するために自宅を売る必要が生じたり、さらにそんな高齢者を狙った詐欺なども横行しており、深刻な社会的な課題となっています。

『おやとこ』は認知症などによる資産の凍結から家族を守るサービスだと言えます。元気で判断能力があるうちに預金や不動産を頼れる家族に託し、管理・処分を任せる「家族信託」という仕組みがありますが、『おやとこ』はそれをスマートフォンで行えるようにしたサービスです。

専用のアプリケーションで信託したお金などの資産を管理することができ、いつでもアプリ内で財産を確認できるので安心して信託を行うことができます。

家族信託では、信託帳簿の作成や管理内容の報告といった法律上の義務が生じ、これが大きな負担となりますが、『おやとこ』では、これら面倒な手続きをスマートフォン上で行えるので家族の負担も大きく軽減することができます。

――それは画期的なサービスですね。

日本では、「家族に精通した専門家が少ない」「信託に関する継続したサポートを受けにくい」という現状があるのですが、『おやとこ』では、アプリケーションを通じて家族信託の実績豊富な専門家から随時サポートを受けたり、継続的に相談したりする、といったこともできます。

さらに銀行口座やクレジットカード、各種電子マネーと連携しているので、収支情報の自動取り込みが行えるのも大きなポイントです。これによって煩わしい帳簿の作成・報告も簡単に行えるようになります。

――そもそも『おやとこ』をはじめようと思ったきっかけは?

もともと我々はトリニティ・テクノロジー設立以前から、相続に関するサポートをサービスとして提供していましたが、その中で「親が認知症になって口座が凍結された」「親が寝たきりになって何十年も預金がおろせない」といった相談を受けることが少なくありませんでした。

そうした相談が徐々に増えていく中、2016年に銀行が民事信託に対応した預金口座の取り扱いを開始するようになり、それを一つの追い風に、まずは不動産と預金の信託に関するサービスを開始しました。

2006年の信託法の改正によって家族信託自体は行える法的整備が行われていましたから、法定なインフラは整っていました。だったら我々が「家族信託サービス」という実務的なインフラを整備すべきだと思いましたね。

――それが先の『おやとこ』へとつながっていく訳ですね。

そうですね。最初のお客様はご家族を持つご高齢の男性で不動産の信託をお願いされました。後にそのお客様は認知症が進行し、寝たきりになってしまいましたが、我々の家族信託サービスによって不動産を凍結されることなくスムースに売却することができました。

ご家族からは「磨さんと出会わなければ大変なことになっていた。ありがとう」と声を震わせながら感謝され、「これは社会的に非常に意義のあるサービスとなる」と強く確信しました。

――超高齢社会が加速する中でとても重要なサービスですね。

こうした認知症を患われた方の財産管理を行う上では、2000年から施行された「成年後見制度」というものがありますが、これは家族ではなく、裁判所の判断で選任された「法定後見人」が財産管理を行う点で、家族に財産管理を託す「家族信託」とは大きく異なります。

この「後見人制度」は、本人(一家の父親など)の判断能力が大きく低下してからでないと後見人制度利用の申し立てが行えず(法定後見制度の場合)、この点においても本人が元気で判断能力があるうちから利用できる「家族信託」とは違うのです。

さらに費用に関しても本人が亡くなるまで後見人や成年後見監督人に対してお金を払い続ける必要があり、経済的にもご家族は大きな負担を強いられます。

――『おやとこ』ならば、そういった問題を解決できると。

高齢問題や認知症対策としての財産管理を考えた場合、どうしても「成年後見制度」だけでは補完しきれない部分があります。

それに対する民間の知恵として生まれたのが「家族信託」という仕組みであり、それをもっと使いやすくしたサービスが私たちが提供する『おやとこ』だと言えるでしょう。

「メンバーの情熱が短期間での家族信託『おやとこ』ローンチを可能に」

磨社長は、「集まってくれたメンバーの新しいチャレンジへの情熱が強かったからこそ、短期間で家族信託サービス『おやとこ』をローンチすることができたと思っています」と、トリニティ・テクノロジーの熱い企業文化を語ってくれた。

家族信託サービス『おやとこ』で高齢者の“資産保全”を家族の信頼の中で実現、“司法書士×テクノロジー”で超高齢社会の課題に挑む

社会的課題の解決をテーマに積極的に新しいチャレンジを重ねていく

――企業経営やサービスを提供していく上で大切にされていることは?

お客様や社会にフォーカスしてサービスを考えたとき、「それが本当に求められているものなのか」を第一に考えています。そして「人々が求めるもの」を突き詰めて考えていくと「“人々の不安を取り除く”」をテーマとしたサービスを提供していくべきだ」という結論に至りました。

正直なところ、「儲かる」ことは二の次で、あくまでも本当に人々が不安に思っていること、それをどう解消するかを見つめ続けた結果、生まれたのが『おやとこ』というサービスになります。

――トリニティ・テクノロジーの立ち上げはスムースに行ったのですか?

司法書士法人トリニティグループにいたメンバーに声がけしたところ、15名ほどの人間が賛同してこちらへ移ってくれることになりました。しかしいずれも士業やコンサルタントが中心であり「テクノロジー」の領域に対応できるメンバーはいませんでした。

我々は家族信託や財産管理の専門家ですが、システム開発はできません。そこで外部の会社からエンジニアを招いて、プロダクトを担当するチームを作ることにしました。

チームを作る上では、SNSなどを通じて積極的にCTO(最高技術責任者)クラスの方にアプローチを行い、「一緒にやりませんか?」とお誘いさせていただき、ZoomなどのWeb会議ツールを用いて面接を行う、といったことを繰り返しました。その中で出会ったのが現取締役CTOである大谷(※)でした。

(※ トリニティ・テクノロジー 取締役COO兼CTO 大谷真史氏)

ヘルステック・ネット型リユース・M&A仲介などの会社でCTOとしてサービス開発やプラットフォーム開発を手がけ、それ以外にもさまざまな会社でCTOや技術顧問を担うなど、申し分ない実績を持っていました。

そこで熱烈なラブコールを送ることを繰り返し、当社の一員となってもらいました(笑)。さらにそんな大谷のもとに次々とエンジニアが集うかたちでエンジニアチームが生まれ、そこからわずか3ヶ月程度で『おやとこ』のシステムを作りあげてくれました。

――企業としてのカルチャーは?

士業の事務所として連想されがちな“堅い”イメージとは対極にある「どんどん新しいことにチャレンジしていこう」という挑戦的なカルチャーを持った会社だと思っています。

だからこそ超高齢社会における財産管理という社会的課題に正面から向き合い、それを解決へと導く『おやとこ』という前例のないサービスを生み出すことができたと思っています。

実際にトリニティ・テクノロジー立ち上げの際にも「FinTech(フィンテック)×テクノロジー 」という新しいチャレンジに心を踊らせた仲間が集ってくれましたし、その情熱が強かったからこそ、短期間で『おやとこ』をローンチすることができたと思っています。

メンバーは30代が中心の比較的フレッシュな組織ですが、全員に共通しているのは「正しいことをやりたい」という意識を強く持っていること。 従って、本当に人や社会にメリットのあるものだけを扱うことに強くこだわっています。

――人間的な温もりを重んじる組織ということなんですね。

そうなりますね。先日、実際に弊社のサービスを利用してくださったお客様へ のインタビューを実施したのですが、その中でもっとも多く寄せられた意見が「親身な対応」「深く寄り添ってくれる」といった人間的な部分に対する評価でした。

我々の目的はコンサルテーションやシステムを提供することではなく、それらを通じてお客様に 「安心」を提供することにあります。そんな意識を共通の思いとしてメンバーそれぞれが抱いているからこそ、お客様から先のような評価をいただくことができたのでしょう。

――『おやとこ』の反響はいかがですか?

おかげさまで毎月多くのご相談をいただいています。

「認知症による資産凍結」という日本社会が直面する社会課題に対するサービスだけに、テレビや新聞、雑誌等さまざまなメディアに取り上げられる機会も多いです。

2022年3月には、『おやとこ』にリニューアルする前の『スマート家族信託』が、日本経済新聞社・金融庁共催のスタートアップコンテスト「FIN/SUM 2022」におけるスタートアップコンテスト「インパクトピッチ」にて、SBI GROUP Awardを受賞することができました。

そんな我々の取り組みに横浜銀行様が共感してくださり、去る4月に同行と業務提携を結び、金融機関におけるお客様への家族信託組成サポート などもスタートさせました。

『おやとこ』は超高齢社会におけるインフラとなり得るサービス

――大きな反響を呼んでいる理由は何なのでしょうか?

手前味噌ですが、『おやこと』は、「認知症による資産凍結」という日本社会が直面する大きな課題に対して、重要な役割を果たす超高齢社会におけるインフラとなり得るものだと考えています。

さらに、頼れる家族がいないおひとりの高齢者の方々に向けた『おひさぽ』も提供しています。

『おひさぽ』は、おひとりの高齢者の方が安心して暮らすことができるよう、見守り・身元保証・財産管理・死後事務などのサービスを提供し、家族の代わりにずっと寄り添うサービスとなっています。

――それ以外のサービス展開としては?

全国の士業の方々に向けた『TRINITY LABO.』という会員制のコミュニティも展開しています。

これは家族信託・相続等を中心とした業務に携わる専門家たちのコミュニティで、相続・事業承継等の「専門家セミナー」、実践力を高める「エキスパート講座」をはじめとした専門家向けのセミナー/講座のほか、実際の相談案件にまつわる悩みや不明点を相談・質問できる「相談サロン」、業務で必要となる各種ツール類の提供などを通じ、同じ社会的課題と向き合う専門家をサポートしています。

――それによって、同じ社会的課題と向き合う全国の専門家と一緒に「“ずっと安心”の世界」をつくっていくと。

「認知症による資産凍結」という課題は、超高齢社会が加速し、2人に1人が50歳以上という“超超”高齢社会へと突入していく中でより深刻な社会問題へと発展していくでしょう。よって、我々も15年先、20年先、それ以上と長期的視野でサービスを考え、全国の専門家と一緒にこの問題に向き合っていく必要があると思っています。

――今後の展望としてはいかがでしょうか。

ある大手銀行様との提携による『スマホde相続』というサービスを6月にローンチ。これは相続に関する諸手続きに関するサービスで、相談から見積もり・手続きの依頼・その進捗確認・税金計算はじめ、相続に必要なさまざまな手続きや確認・管理をスマートフォンで行えるようにしたものです。

さらに司法書士・税理士・弁護士といった専門家とコミュニケーションを行えるようになっており、困ったことがあればいつでも相談することができるなど、ご利用になられる方に深く寄り添ったサービスだと言えます。

日本では年間約140万人の人々がなんらかの理由で亡くなっていますが、多くの場合、遺産などの相続に関する手続きの必要が生じます。

しかし相続人は大切な人を失い悲しみにくれる中で葬儀法要などを行い、心身ともに疲れている中、複雑で難解な相続手続きと向き合わなければなりません。そうした心労に寄り添い、その負担を和らげたいとの思いから立ち上げたサービスです。

――相続の領域においてもトリニティ・テクノロジーならではのサービスを提供していくと。

さらにその先の展開として、Fintechにおける決済領域にもサービス展開を図っていきたいと考えています。

前述の横浜銀行様、他の大手銀行様との提携など、銀行に近いポジションにいることも我々の強み。それゆえ銀行とのAPI接続などを利用することができ、それを利用して資産などアセット管理につながるサービス展開を考えています。

それによって相続や資産管理においても、さらなる安心を人々に提供できると思っています。そしてこれからも「“ずっと安心”の世界をつくる」という我々の不動の思いをテーマに、家族信託や相続などのエイジテック(AgeTech)とアセット管理などのFintechとをかけ合わせ、今後も社会的課題解決に向けたサービスの創造と提供に取り組んでいくつもりです。

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