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ワクワクしなくちゃ、お菓子じゃない!!
電通、Gong chaでの経験活かし、
パパブブレの"飴づくり"の魅力をより光らせたい

株式会社PAPABUBBLE JAPAN
代表取締役CEO 越智 大志

ワクワクしなくちゃ、お菓子じゃない!! 電通、Gong chaでの経験活かし、パパブブレの ワクワクしなくちゃ、お菓子じゃない!! 電通、Gong chaでの経験活かし、パパブブレの
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住 所 東京都千代田区神田三崎町3丁目5-9
URL https://www.papabubble.jp/
株式会社PAPABUBBLE JAPAN代表取締役CEO 越智 大志
新卒で株式会社電通に入社し、「通信キャリアブランドのコミュニケーションプランニング」「移動通信事業会社の新規事業戦略設計」「渋谷駅前再開発エリマネ コンセプトメイク」をはじめとしたプロジェクトを手がけ、20年間にわたって広告ビジネスの第一線で実績を積んだ後、台湾発祥のグローバルなティーブランドである株式会社ゴンチャ ジャパンに入社。CMOとしてデジタルを中心とした高度なマーケティング導入をリード。そこでの実績が高く評価され、PAPABUBBLE JAPANのCEOへと就任。
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20年間にわたる電通でのビジネス経験で「事業設計の重要性」を実感

――まずはこれまでのご経歴をお聞かせください。

もともと私は電通にて新卒入社の22歳から40歳まで、約20年間にわたって広告ビジネスの中に身を置いてきた広告マンでした。

そこでは数百億円に上るような大きな規模のビジネスを手がけ、その中でも大手通信キャリアをクライアントとしたチームに9年間にわたって所属し、移動通信サービスブランドの再構築を中心としたプロジェクトに携わってきました。

当時、そのクライアントはブランディング戦略で他社に立ち遅れており、当時のトップから電通に対して「ブランドを再構築してほしい」という依頼があり、私もプロジェクトへ参加。そこで新しいコーポレートスローガンの立案とそれにもとづく新ロゴやデザインの刷新、四マス広告およびデジタル広告を中心としたプロモーション戦略までをトータルにリードしました。

それによってブランドイメージが刷新されたことで消費者の認識に大きな変化が生まれ、結果として7年連続でCM好感度No.1を獲得するという結果を生み出すことができました。

当時は、そのキャリア担当チームの主要セグメントのいくつかでチーフを務めていたことから主軸的な役割を担うことができ、広告マンとして非常に大きな手応えを感じることができたとともに、大手企業のブランドが変化することで世の中への影響がどう変容していくかを目の当たりにできた点でとても貴重な学びを得ることもできました。

――それは大きな功績ですね。

そこで確かな結果を出したことと、長きにわたってそのクライアントのプロジェクトで主軸的な役割を担い続けていたことから、当時のトップから「新たにスポーツ事業に参入したいと思っている。協力してほしい」と直々に指名を受け、新たなプロジェクトに取り組むことになりました。

通信キャリアとしてのスポーツ事業のあり方や、具体的な取り組みやビジネス化のプランについて何度も話し合いの場を設けさせてもらい、プレゼンを重ねながらクライアントと一緒になって“あるべきスポーツ事業のかたち”を模索していった結果、競合キャリアとは異なるかたちのスポーツ事業を生み出すことができ、クライアントに貢献することができました。

――そうした一連の経験で「得たもの」とは?

「ビジネスを踏まえた事業設計の重要性」ですね。マーケティングやプロモーションといった手段よりも一レベル上の目線にビジネスの事業設計があり、それを踏まえたフレームワークにもとづいた検討と実施を通じてクライアントに貢献できたことがきっかけとなり、自分の中で「こうした上流目線でビジネスを考えてみたい」という思いが芽生えました。

電通で20年間にわたって積み重ねてきた実績、そして培った知見やノウハウを活かし、事業戦略や事業設計といった次のステージへと進むべきタイミングなのではないか、という思いが強くなっていきました。

グローバルティーブランド「Gong cha」のCMOに転身、DX化を推進し成長路線を築く

――そこで最初の転機が訪れるわけですね。

そうですね。次なるステージへの思いが高まっていたタイミングで、台湾発祥のグローバルティーブランド「Gong cha」の日本法人であるGong cha Japanからとある縁でお声がけをいただきました。

求められたのはCSO(最高戦略責任者)として、現状の事業課題を見直し、デジタルを中心としたより高度なマーケティングのしくみを導入したり、ブランディング戦略を推進したりしていくことにありました。これらは電通で培った知見やノウハウをフルに発揮できる領域であることから、自分が貢献できる部分も大きいのではないかと考えました。

最終的な決め手となったのは、尊敬するプロ経営者の方がトップを務めていたことが大きいですね。グローバルなコンピュータ機器メーカーやエネルギー開発企業、大手ファストフードチェーンはじめ、錚々たる企業の経営を担ってきた人物ということで、こうした日本屈指の経営者のもとで経営を学べることに大きな魅力と価値を感じ、電通を退職してGong cha Japanの一員になりました。

――そしてGong cha Japanに新たな事業戦略をもたらすことになるわけですね。

というより、当時のGong cha Japanには、マーケティングをドライバーとすることによるビジネスの戦略的な成長設計がなく、まずはその重要性を説いてまわるような働きかけからスタートしていきました。

しかし現実はそう簡単にはいかないもの。「こういったマーケティングを導入すれば、ビジネスがこんな風に変化します」と説明しても、当初はその価値や効果に対して懐疑的な雰囲気がありました。デジタルマーケティングのしくみを取り入れることで売上がどれぐらい上がるか、といった比較的短期目線での利益のみに関心が集まりがちで、「デジタルがビジネスをどう変えていくか」といった未来のビジョンに対する関心はあまり強くはないと感じました。

――そこが最初にぶつかった“壁”ですか?

そうですね。新しい仕組みを取り入れるにあたっては、新しい取り組みを理解してもらい、それを導入し、推し進めていく、という3段階のステップを踏むことになるのですが、各ステップでどうしてもブレーキがかかってしまうような状況でした。

そのためにはCSOだけでなくCMO(最高マーケティング責任者)も自身が兼務することによって強烈に推進力をもって改革をリードしていく姿勢が必要であり、場合によってはかなり強引に推し進めていくようなバイタリティも必要でした。そこが最初に苦労した部分ですね。

また、Gong cha Japanは“外食チェーンのプロ中のプロ”が集まっている集団であり、それが新たな取組をスポイルする要因にもなっていました。例えば世界的なコーヒーチェーンの日本法人で店舗開発に従事していた方や国内トップクラスのコーヒーチェーンのオペレーション開発を手がけてきた方はじめ、カフェ業界で長きにわたって活躍してきたプロたちが集結していたことで、それぞれが自分たちの経験値にもとづく方法論に寄ってしまい過ぎる部分があり、なにか改革案を掲げようと思っても、なかなかスムースに進まないもどかしさを感じたことも事実です。

しかし、Gong cha Japanの成功と発展を願う気持ちは誰もが一緒であり、皆がカフェ業界のプロフェッショナルなので、こちらがやりたいことの妥当性や効果をしっかり説明し、伝えることができれば、それが明後日の方向を向いたものではなかぎり拒否されるようなことはありません。石が転がりだすまでは時間がかかるけど、一度転がりだしてしまえば一気に弾みがついて進んでいく感じで、そこからは比較的順調に事が進んでいきましたね。

――デジタル化を推し進めるにあたっての苦労は?

これは別の意味で大変でした(笑)。

デジタル化のしくみを導入するとは言っても、ソフトウェア的な資産はないので、すべてゼロスクラッチで作り込んでいく必要がありました。これが一つ。

また、デジタルのしくみを導入しても、最終的にはそれがちゃんと店舗のオペレーションやスタッフにまできっちりと落とし込まれて、確かな効果を上げていくためのしくみとして機能しなければならない。この点も苦労を感じた部分の一つでしたね。

これを全店舗に浸透させるには、みんなの力が必要であり、すべての店舗にデジタル化のメリットや使い方を理解してもらう必要がある。そのためには各店舗を回ってスタッフ一人ひとりと向き合いながら一つひとつの操作やメリットを説いて回る一つがありました。

さらにGong cha Japanの場合は、FC店舗の比率が高かったことで、新しいしくみを導入するにあたっては、社内でコンセンサスを取った後、FCオーナーにも了解を得ていく必要があり、この点にも苦労を感じました。

たとえば「モバイルオーダーを導入したい」となったら、それを管理するCRM(顧客関係管理システム)なども併せて導入する必要があり、それによってどのように店舗とお客様がつながり、関係性を発展させて再来店を促進させていくか、といった効果を社内、社外、FCオーナー、店舗スタッフとすべての関係者に伝え、理解してもらうための啓蒙や社内周知活動を行う必要がありました。

また、デジタルゆえに導入初期のトラブルは付き物で、なにかトラブルが発生するたびに当該店舗へと駆けつけ、その原因を究明の上改善を行う、といったことを繰り返しながら、完成度向上に努めていきました。

――それによってGong cha Japanのビジネスにどんな変化が訪れましたか?

Gong chaは注文が入ってから規定時間内に提供ができないと、氷が溶けて早い段階で味が希釈されてしまうなど商品に影響が生じ、それによって店舗全体のオペレーションにまで影響が波及してしまいます。従来はこうした緻密なオペレーションを人間の経験値でさばいていたのですが、これを「モバイルオーダー」というスマホで注文・支払い・管理を行うことのできるシステムを導入することでより確実に遂行することができるようになりました。

それにともない、従来の紙のスタンプカードからモバイルスタンプによるポイント管理になったことでお客様が感じる利便性が向上し、自分たちでも驚くほどの勢いで会員数が増えていきました。

また、集客に関しても モバイルオーダーシステムを通じてお客様にリプライを送ることで来店頻度を上げることができたばかりか、CRMと連動させることで顧客情報の管理・分析をより高いレベルで行えるようになり、それによって課題が可視化され、具体的な改善策を講じやすくなったことも手伝い、目に見えて集客や販売に大きな成果が現れました。

もちろん、このシステムは私がGong cha Japanを離れた後も進化を続けながら引き継がれていることから、Gong cha Japanにとっての成長のドライバーとなるとともに、次のステップへと向かうとてもいいインフラを根付かせることができたと自負しています。

「パパブブレの最大の魅力はお客様体験を重視していること」

越智社長はパパブブレの魅力について、「お客様体験をとても大切にしている点」と話し、「飴を作る職人のパフォーマンスを含むエンターテイメントを手作りの飴とパッケージとして売るスタイルがさらなる可能性を秘めている」と語る。

先代CEOと意気投合しパパブブレへ、魅力あるブランドをより際立たせるのが使命

――そこでの実績を買われ、パパブブレの経営を担うことになったのですか?

経緯としては、日本最大手のベンチャーキャピタルであるJAFCOのパパブブレ担当でパパブブレの取締役でもある小林正隆さんから「パパブブレの代表を担ってみてはどうか」と打診を受けたのがきっかけです。

以前は電通にて数百億円単位のビジネスを手がけていたことから、パパブブレとはビジネスの規模感が大きく異なる点で、自分の力が本当に活かせるのか不安もあり、同時に自分がこれまで培ってきた経験を活かせるのはここではないのではないか、という気持ちも強かったのが正直な気持ちでした。小林さんの考えも同じで、いったんお断りする、という流れになりました。

――一旦は流れた話だったのですね。

しかし、パパブブレのビジネス自体はとてもユニークで面白いと思っていたことと、当時Gong cha JapanのCMOとして、「Gong chaとパパブブレのコラボみたいな展開があったら面白いんじゃないか」ということも考えていました。

例えばパパブブレの店内でGong cha味のキャンディを売ったり、逆にGong chaの店内でパパブブレのキャンディを販売してもらったりするなど、互いがアライアンスを組んで高め合っていくような展開ができたら、もっと世間の人々に関心を持ってもらえるのではないか、と考えていました。

そんな青写真を小林さんにお話させていただいたことがきっかけで、当時のパパブブレ代表であった横井智さんに興味を持っていただき、面談の機会を設けていただくことになったのです。

そこでは私の転職の話は抜きにして、純粋にコラボレーションに関する話で盛り上がり、結果として横井さんや小林さんにもGong cha Japanにお越しいただき、かなり具体的なコラボレーション商品企画の相談をするまでに発展していきました。

それによって横井さんや小林さんに「越智さんは面白いことを考える人だ。ぜひ、パパブブレに来てもらった方がいいんじゃないか」との考えをもってもらい、パパブブレの代表という新たなステージへと挑戦する気持ちが固まりました。

――越智社長から見て、パパブブレのどんな部分に魅力や可能性を感じましたか?

一番はお客様体験をとても大切にしている点です。

店舗を舞台にお客様に商品を売るだけでなく“体験”を売っていくというパパブブレのビジネスはGong chaとも共通する部分があり、そこに限りない可能性と魅力を感じましたね。

「手作りの飴を売る」というよりは、飴を作る職人のパフォーマンスを含むエンターテインメントをパッケージとして売る、というスタイルは、お店で毎日お茶を一から煮出した上で、お客様に様々な楽しみ方でご提供するGong chaのスタイルと同じものです。そんなお客様をワクワクさせるブランドということで、自分が電通やGong cha Japanで学んだマーケティング手法やブランド構築ノウハウを活かせる部分は多々あると感じました。

一方でいくつか課題を感じたことも事実です。

とても素敵で独自性に富んだブランドである反面、デジタル領域やマーケティング手法などにおいて、もっと尖らせ、光らせる必要を感じました。

――それこそが越智社長の経験をもっとも活かせる領域であると。

そうです。これらすべてが整備され、機能している会社であれば私の出番はありませんが、それらが整っていないのであれば私は大きく貢献できる。これはビジネスマンとして大きなチャンスだと思いました。

私が代表を務めることになったばかりのパパブブレはデジタル改革前のGong cha 同様、顧客データの取得やデジタルマーケティングが完全ではなく、「いつ、どんなお客様が訪れ、どんなものをお買い上げいただき、何度リピート頂いているのか」といった部分が不透明な状況でした。ということで私が代表に就任し、真っ先に取り組んだのがそうした「お客さまとブランドをデジタルでつなぐ」、そういったデジタル領域の改革です。

併行してもう一つ取り組んでいるのが、横井さんはじめ、これまでの経営者が築き上げてきたパパブブレのブランドをより際立たせることです。繰り返しになりますが、パパブブレの商品やパフォーマンスを含めたブランドはとても魅力的であり、それが最大の武器だと思っています。

ならば私は、そのいい部分を磨き、より光らせていくのが使命の一つであると信じ、パパブブレならではのエンターテイメントと商品をかけ合わせたブランドとしての魅力向上に向けた取り組みに大きく力を入れています。

国内では初代が菅野清和さん、次が横井さん、そして三代目が私と経営者が変わってきました。

まずは菅野さんが中野で創業し、10店舗を超えるまでに成長させ、次いで横井さんがより洗練されたパッケージングやセントラルキッチンの構築などインフラ面を整え、個店を会社にしていきました。その中でコロナ禍が到来し、非常に厳しい状況の中で横井さんが3年間のコロナ禍を乗り切り、私にバトンタッチしてくださった。横井さんが個店から会社としてのパパブブレを築いたのならば、私はそれを確固たるブランドにしていくことが最大の使命だと思っています。

――電通における広告ビジネス、Gong cha JapanでのCMO、そしてパパブブレの代表と、ステージが変化してきた訳ですが、その中で大切にしている信条はありますか?

「逃げない」ということですね。

電通時代はクライアントビジネスがメインということで、期待に沿えない部分があったり、ノベルティを製作するにあたっての発注ミスや納期遅れがあったり、あらゆる部分でトラブルが発生し、そのリカバリーに奔走していました(笑)。

委託先や協力会社のミスなども含まれるため、すべて私たちに原因がある訳ではないのですが、そんな状況で「私たちのせいじゃない」などと弁解しても事態は好転しないし、何よりもクライアントの信頼を裏切ることになる。そんなときこそ、その状況から逃げることなく、クライアントにもとにお伺いの上、事情をしっかりと説明した上で謝罪し、代替案を出して次へと繋げていくことが大切であることを学びました。

それによって事態が好転したり、逆にクライアントからより厚い信頼を寄せられたりするような結果へと繋がっていくような経験をいくつもしてきましたね。もちろん、失敗やミスはないに越したことはないのですが(笑)。

――デジタル化への取り組みは?

私がパパブブレの一員となった5日後にはすべての店舗のレジをCRMとの親和性の高い機種へと入れ替え、POSとCRMを連動させ、顧客情報の収集から管理、分析までをシームレスに行うためのインフラを整えました。これに現在開発中のCRMおよびオーダーシステムを載せ、本格的なデジタル化を図っていく予定です。ここらへんは私の得意な領域であり、Gong cha Japanで高い効果を発揮したノウハウもあるので、比較的短期間で全店舗にフィットさせていくことができると思っています。

従業員全員が高い熱量を持って「目指すべきお店」を追求

――先ほど、「これまで先代たちが築き上げてきたブランドをより光らせていく」という話がありましが、具体的にはどのような取り組みを行っているのですか?

私がトップに就任して、すぐに「ブランド室」を設置し、社員たち主導のもとブランド再構築に取り組んでもらっています。その際、社員すべてと向き合い「パパブブレってどんな会社?」「どんな部分で勝負しているの?」「これから先、何をすべきなの?」といったことをあらためてみんなで考えてもらい、改革を進めてもらっています。

具体的には「自分たちってなに?」という原点へ立ち返ってパパブブレという企業を見つめ直し、さまざまな角度からの顧客分析を行った上で、「PAPABUBBLEのブランド価値」をみんなに考えてもらっています。

「伝統の飴細工」「職人によるハンドメイドのお菓子」「オープンキッチンで飴作りを見せる“街の小劇場”」というパパブブレ独自の価値こそがブランドであり、それを世の中に提供していくのが我々のビジネスである、という大原則を社員全員が意識することで、次のステージへと駆け上がることができる――それを起点に「次に何をすべきか」といったことをみんなで考えている段階です。

――越智社長が理想とするブランド像は?

たとえばコーヒーチェーンを例に取れば、単価を安く設定し、FC展開で全国に大量出店を行うような「合理的なブランド」がある一方で、プレミアム感を全面に押し出し、高単価でも高い集客に成功している「"徹底的に突き抜けて"成功したブランド」もある。これはコーヒーチェーンに限らず、デジタル家電メーカーやアミューズメントといった分野にも同様のブランド戦略で成功している企業はいくつもあります。

私たちが目指すのはまさにそんなブランドです。すでにパパブブレは「伝統の飴細工」「職人によるハンドメイドのお菓子」「オープンキッチンで飴作りを見せる“街の小劇場”」という特徴にもとづく顧客体験を提供できる状況にありますので、これをさらに突き詰め、高いレベルで人々がワクワクするような顧客体験を創っていくことに心血を注いでいくつもりです。

世間一般の常識から言えば、飴という商品に600円以上の価格は高すぎる、という認識があるかもしれない。しかしパパブブレは伝統の飴細工を職人がハンドメイドで作り、それを街で人々に見せながら体験とともに提供していくことで600円、700円、それ以上という値段が成立する。そういった本当にパパブブレならではの価値とそれにもとづくブランドを、社員一人ひとりにあらためて真剣に考えてもらい、「目指すべきお店」のイメージを固めていってほしいと思っています。

――安売りはしないと。

実際に職人などお店のスタッフたちには、安売りする必要はないし、自分たちが安いものを提供する存在だと思ってほしくない、といったことを言っています。

我々のお店がブランドとして魅力的であれば、自然とお客様が集まるものだし、利益が生まれていく。社員たちには「なぜ、パパブブレの飴がこれだけの値段なのか体現してほしい」というブランド・アンバサダーとしての自覚をもって行動してほしい、ということを伝えています。

――社員の方々の反応はいかがですか?

かなり高い熱量をもってパパブブレのブランディング改革を考えてくれており、そこを起点に活発に「目指すべき目標」への思いをそれぞれが発信してくれるようなったと感じています。

たとえば社内では「2025年を目安に海外進出しよう」という声が活発に上がっており、「まずはタイやシンガポールなどのASEAN諸国に出店しよう」「そのためには何をすべきか」といった具体的なプランや戦略を踏まえた意見を述べてくれるメンバーもいます。

さらに「最終的には上場までいこう」という声も上がり始めました。余談ですが、パパブブレはスペイン・バルセロナで誕生し、世界約20カ国で展開するグローバルなアートキャンディーチェーンなのですが、実は店舗数が一番多いのが日本なのです。すでにそんな位置にいるので、「自分たちがグローバルのブランドヘッドクォーターになるんだ!」くらいの気持ちをもってそれぞれが仕事にあたっています。もっとも今段階でスペイン側が認めてくれている訳ではありませんが(笑)。

あとは「働き方改革」への取り組みなどもはじめています。

個人的に経営者と従業員という関係があまり好きではなく、「パパブブレは、みんなの、みんなによる、みんなのための会社にしたい」ということを常日頃から言い続けています。

先に述べた「海外進出」や「上場」といった目標を成し遂げるには、社員、経営者、株主みんなの熱量が必要です。そんな高い熱量をもって仕事に取り組める環境を整えていくことが私の仕事の一つであり、主に「やりがい」「報酬」「居心地」などの面から環境整備を行い、ワンチームとなれる会社を実現していきたいと思っています。

――パパブブレの社員構成についてお聞かせください。

パパブブレは若い世代の社員が多く、しかもプロパーの比率がとても高い組織です。
それが私にとっては白いキャンパスのように映り、何色にも染まっていける可能性の大きさを感じています。それをどんな色に染めていくかは、私ではなく社員たち自らです。若い世代ならではの感性や価値観を発揮し、自由にパパブブレを染めていってほしいと願っています。

ちなみにパパブブレには「ワクワクしなくちゃ、お菓子じゃない」というスローガンがありますが、これも若手社員たちが考えたものです。先ほど「私がトップに就任して、すぐにブランド室を設置した」とお話しましたが、そのブランド室が中心となって自分たちの価値を考え、それにもとづいたブランドの再構築を進め、その過程の中から「ワクワクしなくちゃ、お菓子じゃない」というスローガンが生まれました。私は一切口出ししていません。これからも、そんな社員主導の活躍の場はもっと増えていくでしょう。

――どんな方に新たな仲間となってほしいですか?

我々の事業、ブランドに共感してくれる人、というよりは、やりがいを将来に対するビジョンを自分の内に抱いていて、会社にも貢献しつつ、自分自身の成長や価値向上に全力で取り組めるような人に仲間になってもらいたいですね。

究極に求めているのはプロのプレイヤーです。しかし最初からプロのプレイヤーとしての経験値を備えている人はいないので、「プロのプレイヤーになってやる」という思いや情熱が強い人が理想です。今はアマチュアでもかまいません。そして個々の経験は拙くてもいい。そこに「強い思い」があれば、パパブブレを通じてきっとプロのプレイヤーになることができるはずです。

パパブブレはまだまだ小さな会社です。そんな点に「ここは自分が活躍できるフィールドがたくさん手つかずで残っている」と野心に燃えた人でもいい。そんな“自己成長に飢えた”人が仲間になってくれれば心強いですね。

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