更新日:2023/07/07
さまざまな業界で人手不足が叫ばれる昨今、需要が増加しているのが人材派遣業です。人材派遣業の中でも、営業職は多くの企業やスタッフと関わるやりがいのある仕事といわれています。しかし、「きつい」という声もよく聞かれるため、「続けられるか心配」という人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、人材派遣会社の営業職の仕事内容や1日のスケジュールについて解説します。また、気になる年収相場や仕事の実態もまとめました。人材派遣会社の営業に転職しようと考えている方は、自分に向いている仕事かどうか検討してみてはいかがでしょうか。
目次
人材派遣会社の営業が担う仕事は「新規開拓業務」「ルート営業業務」「マッチング業務」の3つです。営業の業務内容は業界によって大きく異なるため、人材派遣会社ならではの仕事内容を確認しましょう。ここでは、人材派遣会社の営業の仕事について解説します。
スタッフの派遣先を見つける新規開拓業務を担います。新規顧客に対してヒアリングをし、人材派遣の活用を提案したりコンサルティングをしたりするのが主な仕事です。業績が好調な企業ほど多くの人材を必要とするため、企業情報をリサーチし、顧客獲得を狙いましょう。
電話でアポイントを取ってから直接訪問して営業するのが一般的ですが、飛び込み営業を基本としている企業も少なくありません。新規開拓は決して簡単ではなく、いかに取引先の心をつかむかが大切です。企業の方向性や業界の状況を調査するといった下準備も営業の仕事に含まれます。
すでに契約を結んでいる顧客へのルート営業も営業の仕事です。顧客の要望を聞いたりスタッフの増員を提案したりする以外にも、顧客からスタッフに対して不満が出ないようにスタッフの育成をします。
また、派遣されているスタッフが働きやすいように、サポートやフォローをするのも営業の仕事のひとつです。スタッフの相談に乗ることやアドバイスを求められることもあります。
顧客の希望や条件に合った人材を登録スタッフの中から選出することをマッチング業務といいます。マッチングがうまくいかなければ、顧客にもスタッフにも不満が生じるでしょう。そうしないためには、顧客とスタッフの双方に対してこまめなヒアリングが必要です。
信頼関係が構築されている顧客には、ただ希望を聞くだけでなく、よりプラスになると判断して希望とは異なるマッチングを提案することもあります。
人材派遣会社の営業は主に以下のスケジュールで働きます。なお、あくまで一般的な営業のスケジュール例です。
9:00......出社、打ち合わせ、テレアポ
10:00......外回り営業
12:00......昼食
13:00......外回り営業
17:00......帰社、打ち合わせ、事務作業
19:00......退社
人材派遣会社の営業は外回りが多いため、営業先の都合や状況に合わせて時間が大きく前後します。営業に必要な情報をリサーチする時間も捻出しなくてはなりません。ただし、外回り営業がメインであることは、働き方の自由さにもつながります。「何時に休憩するか」「どこで休憩を取るか」といった選択肢を広げやすいのは利点といえるでしょう。
人材派遣会社の営業として業績を上げたいのであれば、コツを押さえることが重要です。人材派遣会社の営業は飛び込み営業が多いことから、「数打てば当たる」といったイメージがあるかもしれません。しかし、実際は収集データを元にした計画的な営業が求められます。コツを押さえて効率よく営業しましょう。
派遣社員を雇うと、企業はコストがかかります。コストがかかる要件に対して企業は慎重になるため、コスト以上の利益が得られると納得してもらわなくては契約に結びつきません。
そこで大切になるのが、企業の市場動向や業績の調査、課題の把握です。企業や業界のことを十分に理解していてこそ、企業が「契約してもよい」と思える提案を生み出せるでしょう。
すでに契約している顧客でも、相手の希望をただ聞いているだけでは不十分です。企業が持つ課題の中には、顧客が認識しているものもあれば、そうでないものもあります。潜在的な課題を解消する提案ができれば、顧客から確かな信頼が得られるでしょう。
潜在的な課題の解消は根深いことも多く、一筋縄ではいかないかもしれません。しかし、うまくいけば大きな成果につながるため、必要に応じて提案型営業をしてもよいでしょう。
営業のコツやスキルばかりを考えて、身だしなみをいい加減にすることは避けましょう。人材派遣会社では飛び込み営業も多いため、見た目の印象が成功を左右します。好印象を与えられるように、身だしなみを整えたうえで営業先の担当者と対面するのが基本です。
清潔感があるように髪や爪、衣服を整えるのはもちろん、所作にも気をつけましょう。ふとしたときの所作は素が出やすいため、日ごろから丁寧な所作を意識するのがおすすめです。
人材派遣会社の営業に向いているのは、メンタルが強い人やポジティブな人です。人材派遣会社の営業は営業職の中でも飛び込み営業が多く、断られるケースも少なくありません。ときには、怒られることもあるでしょう。
ストレス耐性のない人や深く考え込んでしまう人は、やりがいよりストレスが大きいため、向いていません。人材派遣会社の営業は、次へ次へと気持ちを切り替えられる人におすすめです。
人材派遣会社の営業の年収相場は、400万~500万円程度です。ただし、インセンティブ制度を採用している企業が多いことから実際には人によってバラつきがあり、成果次第では年収1,000万円を超えるケースもあります。
転職によって年収がアップするかどうかは個人差が大きく、マイナビ調べでは、アップした人が58%、ダウンした人が42%という結果でした。成果さえ出せれば大幅に年収がアップするという営業職の特徴が色濃く出ている仕事といえるでしょう。
人材派遣会社の営業は新規営業で断られることが多く、スタッフのサポートもしなくてはならないため、ほかの営業職と比べてきついように感じるかもしれません。ここでは、人材派遣会社の営業の実態とやりがいについて解説します。自身に合う仕事かどうか、改めて検討してみてください。
人材派遣業界はここ十数年で需要が一気に増えたため、競合が多い業界です。競合に負けないように社員にノルマを課し、テレアポや飛び込み営業を積極的にするよう指示している人材派遣会社も少なくありません。その結果、ノルマ達成のプレッシャーに耐えられず、辞めてしまう人もいます。
また、参入障壁が低い業界であることから働く環境が整備されていない企業もあるため、人材派遣会社の営業に転職するのであれば企業の見極めも重要です。
派遣スタッフが無断欠勤や備品の破壊といった不祥事を起こした場合、営業担当が代わりに顧客に謝罪しなければなりません。派遣先の営業時間によっては、夜中や休みの日に駆けつける場合もあります。
また、派遣スタッフは給料がよく採用数も多いため、軽い気持ちで入ってくるスタッフが少なからずいるのが難点です。「平気で遅刻をする」「言うことを聞かない」「怒ったらすぐに来なくなる」といったスタッフがいると、人材育成のきつさを感じるかもしれません。
営業でもスタッフ育成でもきついと感じることが多い人材派遣の営業ですが、顧客とスタッフのマッチングが成功すれば双方から感謝されます。成果が報酬に直結する点でも、やりがいを感じられる仕事といえるでしょう。
また、いままで一切関わりのなかった業界や大手企業と取引をすることもあります。見聞が広がることは、キャリアパスにもつながるでしょう。
人材派遣会社の営業に転職すると、どのようなメリットが得られるのか気になる方もいるでしょう。たとえば、体力やストレス耐性が身についたりコミュニケーション能力が向上したりする点は大きなメリットです。また、法人営業の経験を積めば、次の転職でも役立つでしょう。ここでは、人材派遣会社の営業に転職するメリットを3つ紹介します。
人材派遣会社の営業は多くの企業を訪問することで、肉体的にも精神的にも体力が培われるのがメリットです。また、外回り営業がメインであることから、自分で考えて行動する「行動力」が身につきます。ほかにも、テレアポや飛び込み営業ではストレス耐性が鍛えられるでしょう。
これらの能力は一般的な会社勤めではなかなか磨きづらい能力です。人材派遣会社の営業だけでなく、ほかの仕事に転職した際にも役立つでしょう。
人材派遣会社の営業は、顧客に対する営業スキルやヒアリングスキルが磨けます。さらに、派遣スタッフとも密に関わることが多いため、日常的な会話スキルや相談・アドバイスのスキル、育成スキルといったさまざまなコミュニケーション能力が身につくでしょう。多くの企業や人を見ることから、物事や人の本質を見極める力も育つかもしれません。
人材派遣会社の営業に就くと、法人営業の経験が積めます。知識だけでは得られない現場ならではのテクニックが学べるでしょう。たとえば、法人営業は個人営業以上に明確な利益を顧客に伝える必要があるため、数字やファクトをもとにした論理的思考力が身につく傾向があります。
また、人材派遣会社の営業は、営業成績を提示しやすいのが特徴です。さらなるキャリアアップや将来的なキャリアチェンジに役立つでしょう。
人材派遣会社の営業の仕事は、主に「新規開拓業務」「ルート営業業務」「マッチング業務」の3つです。営業職の中でも「きつい」という声が多く、激務のイメージがあるかもしれませんが、基盤の整っていない中小企業が乱立していることによる影響も少なくありません。
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