更新日:2024/02/21
この記事のまとめ
未経験からITエンジニアを目指す場合、プログラマーからキャリアを始める形が一般的です。しかし、未経験からプログラマーへの転職が可能かどうか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、未経験でプログラマーを目指すときの転職方法や習得するとよいスキルを紹介します。プログラマーに転職するときのプロセスやコツを事前に押さえておくことで、スムーズに転職活動を進められるようになるでしょう。
目次
プログラマーとは、プログラミング言語を用いてコンピューターを動かすためのさまざまなシステムやソフトウェアを作る仕事です。プログラムは、コンピューターに対してどのような動きや表示をするかを伝える役割を果たすものです。
プログラマーが作り出すシステムやソフトウェアは、身の回りのあらゆるところで使われています。ゲームやスマートフォン、テレビなどの一般的なものから、物流システムや金融システムといった企業が使用するものまで、プログラマーが作成したプログラムで動いているものはさまざまです。
プログラマーの仕事は、システムエンジニアがシステムを設計した仕様書に基づいてコーディングするのが基本です。開発段階では、コーディングだけではなく設計上の問題や発生したバグに対処することもあります。何度もテストを繰り返し、スムーズに動作するプログラムを作り上げていく仕事です。
未経験でもプログラマーへの転職を実現するのは可能です。
ITを取り入れていない企業を探すほうが難しいといえるくらいに、ITは日常に溶け込んでいます。一方で、IT技術の発展に対応するための人材は不足している傾向にあります。そのため、IT関連の企業には未経験者を積極的に採用しているところもあります。ただし未経験者とは多くの企業で「実務」の未経験者を指すため、プログラミングの知識がなければ転職するのは難しいでしょう。
しかし、裏を返せばIT関連の資格を取得していたり、独学でもプログラミングを学んでいたりすれば評価してもらえる可能性があります。30代以降の未経験者となると転職は厳しいのが現実ですが、可能性はゼロではありません。
転職するには、自分でITについて学ぶことが必要です。ある程度のスキルを学習していれば、前職の「業界知識」やマネジメント能力など、社会人経験に相応するスキルを評価して採用されることも考えられるでしょう。年齢を理由に諦める必要はありません。
プログラマーとして働くうえで求められるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。主なスキルをいくつか紹介します。
プログラミング言語を用いて、プログラムを実装していくのがプログラマーの仕事です。そのため、プログラミングの知識が必要です。
プログラミング言語は数多く存在しており、それぞれに得意分野があります。未経験であれば、基本的なプログラミングの知識を学習し、それを活かせる企業を探すとよいでしょう。未経験者に対して大きく門戸を開いている企業であれば、入社後に研修を受けられることもあります。
プログラミング言語の知識のほかにも、プログラミング言語の命令によって発生する言語の特性や、プログラムの効率的な問題解決のためのアルゴリズムの理解、プログラムに不具合が起こったときの原因調査とデバッグに関する知識など、学ばなければならないことは多いでしょう。
プログラマーは常にひとりでプログラムを書き続けているように思われがちですが、プログラミングや開発プロジェクトはチーム単位で進めていくことが基本です。
システムエンジニアをはじめとしたほかのメンバーとともに、コミュニケーションを取りながら仕事を進めていかなければなりません。相手の言葉をきちんと理解し、自分の伝えたいことも明確にしながら綿密な意思疎通を図ることで、結果的には開発の効率化へとつながります。コミュニケーションスキルもプログラマーとしての資質のひとつといえるでしょう。
プログラマーの仕事はプログラムをひたすら書くとともに、システムの精度をより高めるためのテストが欠かせません。つまり、小さなバグも見逃さないように繰り返し綿密なテストを実施することが求められます。
そのため、集中力を途切れさせることなく、コツコツと粘り強く作業を続けられるのもプログラマーに求められる特性のひとつです。
未経験でプログラマーへの転職を目指している方は、きちんと準備を整えてから転職活動に取り組むことが大切です。ここからは、プログラマーへの転職を志すようになってから実際に転職するまでの流れをステップごとに紹介します。自分が望んでいるキャリアプランを明確に思い描き、一歩ずつ転職活動を進めていきましょう。
一口にIT業界といっても、関わる職種や仕事の内容は多岐にわたります。自分が目指すプログラマーという仕事がどのような立ち位置にあるのかを理解するためには、IT業界全体を大まかに理解していなければ難しいでしょう。
これから飛び込もうとするIT業界についての知識を得ておくことは、今後の自分の働き方をしっかりイメージするためにも大切です。
未経験の状況からプログラマーを目指すということは、それなりの覚悟や、やりたいことがあるのではないでしょうか。自分がどのようなプログラマーを目標としたいのかをはっきりさせておくことは、今後のキャリアプランを決めるために必要です。
前述のように、プログラマーには業界や分野によって多様な働き方があり、それに伴って使用するプログラミング言語も変わります。スキルや経験を積めばプログラマーに限らず、システムエンジニアなどへのキャリアアップも考えられます。
何をどう学んだらよいのかを明確にするためにも、プログラマーとしての目標をはっきりと立てておいたほうがよいでしょう。
プログラマーが扱うプログラミング言語は携わる分野・プロジェクトによってさまざまです。そのため、自分が目指している分野でどのようなプログラミング言語が主流なのかをリサーチし、需要が高い言語を学びましょう。
自分が学ぶべきプログラミング言語が決まったら、学習用の書籍やWebサイト、プログラミングスクールを活用して学習します。学習コストを抑えたいのであれば書籍やWebサイトを活用して独学し、効率的に学びたいのであればプログラミングスクールに通うのがよいでしょう。
必要なプログラミングスキルを習得したら、スキルレベルを示すためにポートフォリオを作成します。プログラマー未経験者が転職を目指す場合は、自分が就職したい分野で活躍するのに必要なスキルを有することを証明するために有効です。
たとえば、Webプログラマーを目指していて何らかのWebアプリケーションを制作した実績があれば、選考の場でアピールできるでしょう。ポートフォリオを作成することでスキルレベルをアピールできるだけでなく、熱意ややる気を示すことも可能です。
プログラマーの求人には、経験者のみを対象にしたものもあれば未経験者に対して門戸を開いているものもあります。未経験からプログラマーを目指すのであれば、未経験者を対象にしている求人を探して応募することが大切です。
さらに、入社後の研修が充実している企業を選べば、よりスムーズに実務に移行できるでしょう。転職先の候補となる企業を見つけたら、募集対象や研修環境を詳しくチェックし、問題なく働けそうか確認することをおすすめします。
入社したいと思った企業に採用してもらうためにも、選考対策は念入りに実施しましょう。一般的に、選考の初期段階では書類選考が実施されます。履歴書や職務経歴書などの応募書類を通じて、習得しているスキルや熱意などをアピールしましょう。
書類選考に通過したら、面接に備えて対策を進めます。面接で聞かれがちな質問を想定して回答を準備したり、模擬面接を受けて練習したりするとよいでしょう。
これらの準備を自分ひとりで進めることが難しいと感じる場合には、転職エージェントに相談するのもひとつの方法です。転職エージェントを利用すれば応募書類の添削や模擬面接を行ってくれるため、転職活動をよりスムーズに進められるでしょう。
プログラマー未経験者がこれからスキルを習得して転職を目指すのであれば、需要が高いプログラミング言語を学ぶことをおすすめします。需要が高いプログラミング言語は求人数も多く、未経験者でも比較的採用されやすいためです。
ここでは、これからプログラマーを目指す方が習得しておくとよいプログラミング言語を5つ紹介します。自分が転職したい分野で求められている言語があるのであれば、その言語を選ぶとよいでしょう。
オブジェクト指向言語のひとつで、さまざまなプロジェクトで幅広く使用されているのが「Java」です。Webアプリやスマホアプリ、業務システムなどの開発に使用されているため、Javaを使いこなせるようになればプログラマーとしてさまざまな分野で活躍できるでしょう。
OSに依存せずに動作することや処理速度が速いなどの特徴があるため、大規模な開発にも用いられているのが特徴です。数あるプログラミング言語の中では習得難易度がやや高いものの、需要の高さを考えると学習する価値は十分にあるといえるでしょう。
「Python」は、Web開発においてバックエンドプログラミングや工学シミュレーション、統計解析などの分野で用いられています。産業用ロボットの開発やAI開発、ブロックチェーン分野をはじめとした比較的新しい分野にも用いられているため、将来有望なプログラミング言語のひとつともいえるでしょう。
コードがシンプルで分かりやすく、学習難易度が低めなのがPythonの特徴です。また、フレームワークやライブラリのラインアップも豊富で、幅広い用途に活用できるのも魅力的なポイントといえるでしょう。
統計解析に特化していて、ビッグデータの解析やテキストマイニングをはじめとしたデータサイエンス分野で活用されているプログラミング言語が「R」です。統計解析に必要な処理を実行するために記述しなければならないコードが短いという特徴があり、取得難易度が低めなのが魅力といえるでしょう。
RはデータサイエンスやAI開発の分野でPythonと併せて使用することが多いため、セットで学習することをおすすめします。処理速度に関しては、処理の内容によってRが速かったりPythonが速かったりする都合上、一概にどちらが有利であるとはいい切れません。
「JavaScript」はブラウザ上で実行できる特徴を持つオブジェクト指向のプログラミング言語で、Web開発においてフロントエンドプログラミングに使用されています。WebサイトやWebアプリの開発で重要な言語であるため、Webプログラマーを目指すのであれば優先的に学ぶとよいでしょう。
JavaScriptはコードが短いために書きやすく、習得難易度も低めです。ただし、JavaScriptを使いこなすにはスタイルシート言語やマークアップ言語に関するスキルも求められます。いずれもWebプログラマーとして必要なスキルであるため、セットで学習するとなおよいでしょう。
「PHP」もJavaScriptと同様にWeb開発で使用される言語ですが、主にサーバーサイドで使われるのが特徴です。一例として、リアルタイムで更新する必要があるWebサイトを制作したり、CMSシステムを開発したりするのに使われています。
PHPもJavaScriptと同様に習得難易度が低めのプログラミング言語に分類されるため、Webプログラマーを目指すのであればセットで学習するのがおすすめです。
プログラムはさまざまな場所で使われています。そのため、業界や扱う分野により、プログラマーとしての役割も変わるといえるでしょう。ここでは、業界別にプログラマーの仕事内容を紹介します。
SIer(エスアイヤー)はシステムインテグレーターのことで、企業のシステム開発・構築などを一手に引き受ける企業を指します。自社にエンジニアを在籍させ、システム開発から運用・保守までを自前で行っていたところを、すべてお任せという形で請け負うのがSIerです。
企業のシステムやネットワークの開発・構築から保守・運営までをすべて引き受けることから大規模なプロジェクトが多いのが特徴です。業務の工程や役割の細分化がされているため、未経験のプログラマーでも取り組みやすく、大規模なプロジェクトに携われる可能性があるのも魅力といえるでしょう。
社内システムのプログラマーは、企業内の情報システムの構築や運用が主な仕事です。実際には、プログラマーとしての仕事だけではなく、要件定義や設計といった上流工程の担当や社内のIT関連の相談役といった仕事もあります。
Web系のプログラマーは、ショッピングサイトやSNSなど、WebアプリやWebサイトなどの制作現場で活躍します。PHP、Ruby、Perl、Java、JavaScriptなどのプログラミング言語を中心に使用します。また、HTMLやCSSの知識も求められるのが一般的です。
ゲーム業界のプログラマーは、家庭用ゲーム機のゲーム、スマートフォンのゲームアプリやオンラインゲームなどの制作を担当します。Webサイトや通常のアプリケーションと比べると、動きをつけたり、場面の移り変わりを行ったりするゲームの制作には、専門的な知識が必要とされます。
使用言語は、コンソールゲームやPCゲームの開発であればC言語やC++、スマートフォン向けのゲームアプリにはJavaやObjective-C、Swiftなどを使用します。分野やプロジェクトによって使用言語は多種多様なため、どのような言語が使われているか調査して学習する言語を決めましょう。
IoT(Internet of Things)の普及が進んでいることも影響してニーズが高まっている組み込み系プログラマーは、機器類や自動車などに組み込むシステムを開発します。使用されている代表的なプログラミング言語は、C++やJavaです。
プログラマーになりたいと考えている方は、将来性があるのか気になるのではないでしょうか。プログラマーの将来性は、自分がどのようなキャリアプランを描いているかによって変わるといえます。
IT業界全体に焦点を当てると、これからも発展を続けていくだろうと想像できます。現状ではIT人材が不足しているため、さらに需要が高まっていくことも想像に難くないでしょう。
AIやブロックチェーンも広く使われていますが、これらもプログラムで動いています。新しいIT技術が生まれる際には、システムを動かすためのプログラムが必要です。そのプログラムを扱えるのがプログラマーなので、これからも発展する職種のひとつといえるでしょう。
基本的なキャリアパスは、プログラマーを生涯続けられるスペシャリストを目指す道とマネジメント能力やコミュニケーション能力を武器に、ITコンサルタントや管理職にキャリアチェンジする道があります。
プログラマーといっても、業界によって扱う言語や提供内容が異なるため、キャリアの方向性と自分が目指したい具体的な職種によって、あなたの将来が変わってきます。
プログラマーは、未経験者がITエンジニアを目指す際の入り口になる職種です。必要なスキルを習得して準備を整え、未経験者を対象にしている求人に応募すれば比較的転職しやすい職といえるでしょう。
プログラマーへの転職を成功させるには、自分が目指す分野で求められているプログラミング言語を習得することが大切です。さらに、転職エージェントの力を借りつつスキルレベルやキャリアプランに応じた企業を選ぶことも求められます。
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