更新日:2024/06/28
この記事のまとめ
キャリアアップやミスマッチなど、さまざまな理由で転職を検討する20代の方がいます。しかし、転職すると年収が下がるのではないかと不安な方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、20代の転職と年収の関係や年収が下がる理由、年収を下げないための方法、後悔しない転職を実現するコツについて解説します。この記事を読めば、満足度の高い転職を実現できるようになるでしょう。
目次
20代の方が転職した際に年収が上がるか下がるかはケースバイケースです。まずは株式会社マイナビが実施した「転職動向調査2023年版(2022年実績)」(2022年12月調査)を基に、20代で転職した方の年収がどのように変動したかを見ていきましょう。
全体の傾向を知ることで、自分が転職した場合に年収がどのように変化するか予測しやすくなります。転職が自分の年収に与える影響を理解したうえで、実際に転職するかどうか判断することが大切です。
参照:「転職動向調査 2023年版(2022年実績)」(2022年12月調査)|株式会社マイナビ
20代で転職した場合の年収を転職前後で比較すると、男性で44.9%、女性で27.4%が年収アップを実現しています。一例として、20代男性の転職前後の年収水準をまとめると以下のとおりです。
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300万円台前半の方が減少している半面、350万円以上の方が増加していることが分かるでしょう。上記より、20代での転職で年収アップを実現できる可能性は十分にあるといえます。
一方で、転職によって年収が低下した20代の方がいるのも事実です。同調査によると、20代男性の15.7%、20代女性の24.7%が、転職前に比べて年収が低下したと回答しています。年収が増加したと回答した方の割合よりは少ないものの、転職により年収が低下する可能性があることは押さえておく必要があるでしょう。
なお、ほかの年代に目を向けると、30代男性の16%、30代女性の16.5%、40代男性の18.9%、40代女性の16.2%が転職によって年収が下がっています。未経験の職種へ挑戦したり、スキルや経験が企業の求めるレベルに達していなかったりする際には転職で年収が下がる可能性が考えられます。
20代の方が転職をした際に、どのような理由で年収が下がるのかを詳しくチェックしていきましょう。代表的な理由は以下の3つです。自分が予定している転職が以下で紹介する条件のいずれかに該当するのであれば、年収が低下するリスクがあることを意識しておきましょう。
未経験職種への転職ではこれまでに培ったスキルや経験を活かせないため、年収がダウンしがちです。20代はポテンシャルを評価される傾向にあり、未経験職種に転職しやすいのがメリットのひとつといえます。しかし、未経験転職を検討しているのであれば、年収ダウンのリスクがあることを覚えておく必要があるでしょう。
未経験職種への転職で年収ダウンのリスクを可能な限り避けたいのであれば、同業界・異職種への転職を検討することをおすすめします。一例として、IT業界内でITエンジニアから営業に転職するケースが該当します。業界経験があることが評価されれば、年収ダウンのリスクを低減できるでしょう。
業界によって平均年収は異なります。そのため、転職先の業界が現職の業界よりも年収水準が低い場合は、転職によって年収がダウンするリスクがあるため注意が必要です。
異業種転職かつ転職先の年収水準が低いなど、複数の条件が重なると年収が大きくダウンする可能性も考えられます。年収ダウンのリスクを下げたいと考えているのであれば、年収水準が高い業界を目指すのがおすすめです。
自分が保有しているスキルや経験・資格に対する評価が低い場合も、年収がダウンする可能性があります。一例として、宅地建物取引士の資格は不動産業界では高く評価されますが、IT業界への転職で評価されることはほぼありません。
未経験職種への転職でこれまでのスキルを活かせない場合は、年収ダウンのリスクがあることを理解したうえで判断しましょう。同職種への転職でも、これまでに十分なレベルのスキルを培っていない場合は評価が低くなる可能性があります。
なんらかの理由で転職を検討していて年収を下げたくないと考えているのであれば、以下で紹介する4つのポイントを意識しましょう。それぞれどのようなことに注意するとよいかを紹介します。
転職活動の進め方しだいで年収アップを実現することも可能であるため、さまざまな要素を考慮しつつ早い段階で方向性を定めるのがおすすめです。
年収アップを実現したいのであれば、評価制度として成果主義を掲げている企業やインセンティブ制度が充実している企業を選ぶとよいでしょう。成果主義やインセンティブ制度を導入している企業であれば、自分が出した成果に見合った報酬を得られます。日々の業務に注力して年収アップを目指したい方にとって魅力的な環境です。
ただし、成果が報酬に直結する環境は、継続的に成果を出せなければ年収がダウンすることを意味します。メリット・デメリットがあることを理解したうえで判断しましょう。
業界によって年収水準は異なるため、年収アップを転職の主目的とするのであれば年収水準が高い業界を選ぶことが大切です。日本国内における年収水準は、厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」をチェックすると分かります。
同調査内には産業別の賃金を掲載している部分があるため、そこを確認して自分が転職したいと思っている業界の年収水準を参考にするのがおすすめです。
参照:令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況|産業別にみた賃金|厚生労働省
20代の転職ではポータブルスキルが重視される傾向にあるため、選考では積極的にアピールしましょう。ポータブルスキルは業界・職種・企業を問わず発揮できるスキルの総称で、課題解決力やマネジメントスキル・コミュニケーションスキルなどの総称です。
企業の選考担当者は、20代の転職者に対して必要なビジネススキルを有している点を高く評価し、将来性に期待して採用を決断する傾向にあります。これまでの経験を通じてポータブルスキルを習得していることをアピールできれば、高く評価されやすくなるでしょう。
転職においては、きちんとしたエビデンスに基づいて給与交渉することで年収アップを実現できる可能性があります。そのため、入社前(契約前)にきちんと給与交渉するのがおすすめです。
給与交渉のタイミングは、選考が完了して内定が出てからオファー面談が行われる前までが適切です。タイミングを間違えると交渉が難しくなる点に注意しましょう。自分の経験やスキル、これまでの実績を考慮してどの程度の年収を提示するかを事前に考えておくとスムーズです。
転職先企業や業界全体の給与水準など、参考になる情報をリサーチしておけば適切な範囲内で希望年収を提示しやすくなります。
自分が希望する業界の年収水準が低いなど、転職することで年収が下がるリスクが高いケースもあります。そのようなときは、転職するかどうかを決断するにあたってどのようなことを考えればよいのでしょうか。
年収ダウンの可能性を受け入れてもよいか迷っているときは、以下で紹介する3つのポイントを総合的に考慮して判断するのがおすすめです。
一時的に年収がダウンするとしても、将来的に年収が上がる可能性が高いのであれば転職を決断しやすくなるでしょう。異業種転職で年収がダウンするものの、スキルアップしたり資格を取得したりすることで大幅な年収アップに期待できる場合が代表的な例です。
そのため、目先の年収だけでなく長期的な見込みをチェックするようにしましょう。長期的に考えて現職にとどまるより高い年収を実現できるのであれば、一時的な年収ダウンを受け入れるのは選択肢のひとつといえます。
転職先で経験を積んでスキルアップすることでキャリアアップできるのであれば、一時的な年収ダウンを受け入れやすくなるでしょう。そのためには、転職を考え始めた段階で将来のキャリアプランを明確に思い描き、転職先で実現できるかどうかを考えることが欠かせません。
自分が想定しているキャリアプランを実現するには、どのように努力すればよいかも併せて考えることが大切です。習得するとよいスキルを明らかにし、継続的に学習することをおすすめします。
いまの仕事内容に不満を抱いており、転職で本当にやりたいことができる場合も一時的な年収ダウンを受け入れやすくなります。年収アップが転職の主目的ではないからです。
そのため、現職でミスマッチを感じていて、年収ダウンの可能性がある転職を受け入れるかで迷っているのであれば、転職により自分が本当にやりたいと思っていた仕事に携われるのかを考えてみましょう。年収ダウンを上回るメリットがあると感じるのであれば、転職を決断するのもひとつの方法です。
転職を検討しているのであれば、年収面以外にもさまざまなポイントを総合的に考慮して後悔しない結果につなげることが大切です。ここでは、後悔しない転職を実現するためのポイントを4つ紹介します。
自分に向いている業界・職種はどのようなものか、転職活動においてなにを重視すればよいか迷ったときは、ひとつずつ確認してみましょう。
年収アップ・キャリアアップを目的としているのであれば、これまでの経験や培ったスキル、自分の強みを可視化するところからスタートしましょう。自分の経験やスキルを活かせる転職先なら、やりがいを見いだせてミスマッチを防げるためです。
まずは職歴やスキルをひととおり書き出します。20代の転職ではポータブルスキルも重視されるため、コミュニケーションスキルやマネジメントスキル・ビジネススキルをアピールできる内容も書き出すとよいでしょう。スキルや経験を書き出したら、それらを活かせる業界・職種がどのようなものかを考えます。併せて選考においてアピール材料になる要素がなにかをチェックすることが大切です。
転職したいと考えたら、早い段階で転職目的と次の職場で実現したいことを明確にしましょう。「これまでのITエンジニア経験を活かし、上流工程を担当するディレクターにキャリアアップする」など、可能な限り具体的に実現したいことを設定します。
実現したいことが定まったら、次に転職先に求める条件を明確にすることが必要です。「これまでのスキルを活かして上流工程にチャレンジできる企業」「社内でディレクターやマネージャーへのキャリアパスを用意している企業」など、譲れない条件を明確にしましょう。重視する条件を明確にすることで、転職目的を実現できる企業を選びやすくなります。
転職するときには、目先の仕事内容だけでなく5年後や10年後といった長期的なキャリアを意識しましょう。転職目的と同様に、「マネジメント経験を積み、プロジェクトマネージャーを経由してITコンサルタントを目指す」など明確にイメージすることが大切です。
長期的な目標を明確にすると、転職後にどのようなことを意識して日々の業務に取り組めばよいかが見えてくるようになります。
年収アップを主目的として転職するのであれば、企業が提示している給与の内訳も忘れずにチェックしましょう。額面だけ見ると十分であるものの、内訳を見ると基本給が低く手当が多いケースがあります。
上記に該当する場合は、手当の支給対象にならないと予想以上に年収が低くなる可能性があるため注意が必要です。手当制度の見直しで年収が低下するリスクもあります。
転職活動では、企業探しや企業・業界研究、応募書類の作成、面接対策などやらなければならないことが多岐にわたります。限られた時間で多くのことを行う必要があり、ひとりで活動していると大きな負担を感じたり不安を感じたりするでしょう。
自分の目的に適した転職先を探してミスマッチを予防するためにも、転職するときはできるだけ早い段階で転職エージェントに相談するのがおすすめです。以下で転職エージェントに相談する3つのメリットを紹介します。
転職エージェントには各業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、自分が目指す業界の最新情報に基づいてきめ細やかなサポートを受けられます。ひとりで転職活動を進めているだけでは分からない業界の動向や企業の情報を入手できるのは大きなメリットです。
キャリアの振り返りやスキル・経験の棚卸しもサポートしてもらえるため、より有利に転職活動を進めることにもつながります。転職活動について少しでも不安を感じる方や有利に進めたい方は、積極的に転職エージェントを活用しましょう。
面談を通じて明らかになったスキルや経験・強みをどのようにアピールすればよいか教えてもらえるのも、転職エージェントを活用する大きなメリットです。
客観的な視点に基づくアドバイスにより、自分では気づかなかったアピールポイントを把握できることもあります。応募書類の添削や模擬面接を通じて明らかになったアピールポイントを、応募先企業に対してどのように伝えれば効果的かを教えてもらえるのもメリットです。
入社前の年収交渉を転職エージェントに依頼できるのも大きなメリットです。自分で交渉しようと思っても、妥当な水準がどの程度なのか、なにをアピールすれば交渉に成功しやすいのか分からないケースもあります。
キャリアアドバイザーは職種や経験・スキルを考慮して妥当な年収水準を割り出し、企業側と交渉してくれます。自分で交渉するのが難しいと感じている方は転職エージェントを頼りましょう。
20代の転職では年収アップを実現できる可能性が高いものの、未経験職種への転職を検討している場合などは年収が下がる恐れがあります。転職により年収が下がりそうな場合には、将来的な年収アップの可能性や仕事のやりがいなどを総合的に考慮して判断するとよいでしょう。
後悔しない転職を実現するには、早い段階で転職エージェントを頼るのがおすすめです。マイナビエージェントでは各業界の様子を熟知したキャリアアドバイザーが、転職を成功に導くサポートを提供しています。ひとりで転職活動を進めるのが難しいと感じている方や、少しでも有利に進めたいと考えている方はマイナビエージェントにぜひご相談ください。
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