現職に将来性を期待できない、ワークライフバランスに問題を感じているなどの理由で転職を検討するのは一般的です。しかし、30代でこれといったスキルがなく、好条件で転職するのは難しいのではないかと考えている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、スキルなしの30代男性が転職するときに覚えておきたいことを詳しく紹介します。できるだけよい条件で転職するためにも、転職活動を始める前に基本的なポイントを確認しておきましょう。

スキルなしの30代男性が好条件で転職するのは難しい

転職市場において30代の方に求められるのは、即戦力として活躍するために必要なスキル・経験です。そのため、特別なスキルがない30代男性が好条件で転職するのは難しいといえるでしょう。ここでの「スキルなし」とは、転職先で自分が有しているスキルが通用しない場合を指すものです。

ただし30代で異業種・異職種に転職する方も増加しており、転職市場も変化しつつあります。スキルなしでの転職が不可能というわけではないため、何らかの理由で転職を検討しているのであれば早めにチャレンジするのがおすすめです。

30代男性がスキルがなくても転職を考える3つの理由

異業種・異職種への転職を30代になってから検討する理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、スキルなしで転職することを考えるようになる主な3つの理由を紹介します。転職後のミスマッチを防ぐためにも、自分がなぜ転職したいと思っているのか、転職先にどのようなことを求めているのかを明確にしておきましょう。

1.在籍中の企業に何らかの不満がある

現職への不満が原因で転職を検討することもあるでしょう。主な理由には下記のようなものがあります。

• 評価制度に問題があって自分の成果を正しく評価してもらえない
• 長時間労働が常態化していてワークライフバランスに影響が出ている
• やりたいと思っている仕事に挑戦できない

成果がきちんと評価されないために給与が上がらなかったり、健康に影響が出るレベルの長時間労働に陥っていたりすることもあるでしょう。在籍中の企業で問題を解決できないときは、転職が有効な選択肢です。

2.業界そのものに将来性を感じられない

社会の変化や技術の進歩に伴い、業界そのものに将来性を感じられなくなることがあります。主に以下のような場合が該当するでしょう。

• IT技術の進歩に伴って機械化される可能性が高い仕事
• ニーズの変化で商品・サービスの需要が低下している
• 時代の変化に応じて対応しようとしない

業界全体が縮小し続けていて将来の展望が見えなくなったときに、将来性がある異業種への転職を考える方は少なくありません。

3.将来につながるスキルを習得できない

状況によっては、在籍中の企業で働き続けても将来につながる有用なスキルを習得できないと感じることもあります。下記の状態に陥っていると、特にそのように感じやすいでしょう。

• ルーティンワークが多くスキルアップできない
• 最新技術の活用に積極的でない

30代から定年まで、今後も数十年以上働き続けていく必要があります。そのため、将来性のあるスキルの習得を目指して転職を検討する方もいます。

スキルなしの30代男性が転職で意識したいポイント

高く評価されるスキルを有していない30代男性が転職するときは、よりよい条件で採用してもらうために意識しておきたいことがいくつかあります。ここでは、転職を考え始めた段階で明確にしておきたい3つのポイントを見ていきましょう。転職を成功させるためにも、時間を確保してひととおり確認しておくことをおすすめします。

これまでのキャリアをきちんと振り返る

転職を決断したら、最初にこれまでのキャリアを振り返ってみましょう。過去に携わったプロジェクトの詳細を書き出し、自分が何をしたのか、どのような経験を積んだのかを可視化します。

自分にはスキルがないと思っていたとしても、キャリアを振り返る段階でアピールできるスキルが見つかることもあるでしょう。応募先企業から高く評価されそうな経験を積んでいることに気づく場合もあります。

また、自分では価値がないと思っていたスキル・経験が企業側から高く評価されるケースも少なくありません。本当に自分にはスキルがないのかを見極めるためにも、時間を取って考えてみましょう。

異業種・同職種への転職を中心に考える

現在携わっている業種に将来性を感じられないために転職する場合は、異業種・同職種への転職を中心にすることをおすすめします。自分には転職で活かせるスキルがないと思っていても、同職種での経験を高く評価してくれる可能性があるためです。

異業種・異職種を目指すよりも転職難易度は低いといえます。まずは将来性に期待できそうな業種で、これまでの経験を活かせそうなポジションの求人がないか探してみましょう。

条件に優先順位を定める

30代スキルなしでの転職を目指す場合、転職先の条件に優先順位を定めることが大切です。スキルが不足していると選べる転職先が限られるため、条件を取捨選択しないと応募できる企業自体がなくなってしまいます。

しかし、条件を緩めすぎると転職後のミスマッチにつながる点に注意が必要です。まずは自分が転職先に求める条件を書き出します。書き出した条件に優先順位をつけ、譲れないものと諦めてもよいものに分けましょう。そのうえで、譲れない条件を満たす転職先を探すことでミスマッチを防ぎやすくなります。

30代男性がスキルなしで異業種への転職を成功させるコツ

比較的難易度が高い異業種への転職ですが、可能な限り成功率を高めるにはどのようにすればよいのでしょうか。ここでは、30代男性がスキルなしで異業種に転職するときに覚えておきたい2つのポイントを紹介します。自分がどのような状況に置かれているのかを客観的に判断することが大切です。

報酬がダウンする場合があることを理解する

即戦力として活躍できるスキルがない状態で異業種へ転職する場合、報酬がダウンする可能性が高いといえます。転職先の企業で早期に結果を残しにくいためです。

したがって、ある程度の報酬ダウンを受け入れると転職先の選択肢が広がるでしょう。たとえ一時的に報酬がダウンしたとしても、転職先で経験を積んでスキルを高めれば将来的な報酬アップに期待できます。

未経験者を幅広く採用している業界を選ぶ

急速な需要の高まりなどを理由として未経験者を幅広く採用している業界を選べば、30代スキルなしの転職でも比較的成功しやすいでしょう。

求人情報をチェックするときは、「未経験者歓迎」などと記載されているものを探すことをおすすめします。そのような求人であれば、異業種・異職種への転職であったとしても採用を獲得しやすいでしょう。

30代スキルなし男性が転職するのにおすすめの業種・職種

30代スキルなしの男性が転職を成功させるには、どのような職種を選ぶとよいのでしょうか。ここでは、需要が高く未経験者を対象にした求人が多い4つの職種を紹介します。転職先を探しているときは、下記で紹介する職種の中に自分が望むキャリアプランを実現できそうなものがないか探してみるとよいでしょう。

接客業・販売業

小売店をはじめとした商業施設で接客・販売を担当するスタッフは慢性的な人手不足に陥っており、未経験者を積極的に採用しています。そのため、接客業・販売業の仕事は30代スキルなしでも比較的転職しやすいといえるでしょう。

また、30代以降の年代をターゲットにした商品をメインに展開している店舗であれば、年齢が強みになることも考えられます。他人とコミュニケーションを取るのが得意な場合には、接客業・販売業を目指してもよいでしょう。

マーケティング

商品やサービスの展開に欠かせない職のひとつがマーケティングです。マーケティングは高度なスキルが求められるものの、異業種・異職種転職が多い職種でもあります。転職先は、事業会社のマーケティングチームもしくは他社から依頼を受けてマーケティングサービスを提供する専門会社の主に2種類です。

30代以降の転職ではデータ分析や販促活動の経験・実績が求められる傾向にあるものの、営業やマネージャー経験がある方は転職できる可能性が高まります。

企画職

経営企画や商品企画などの企画職を目指すのもおすすめです。未経験で転職するのは難しいものの、現職で営業や販売、商品開発などの経験があれば転職できるチャンスはあります。

企画職は異業種・異職種からの転職が多い傾向もあり、上記の経験があれば検討してみてもよいでしょう。自分が出した案が商品に採用される可能性があるなど、やりがいが大きい仕事でもあります。

ITエンジニア

IT業界は継続的に拡大しており、そこで働くITエンジニアの需要も高まっています。長期的に活躍できる業界を探しているのであれば、ITエンジニアを目指すのも選択肢のひとつでしょう。ただし、未経験からITエンジニアを目指すには、事前にプログラミングスキルを習得しておく必要があります。

まずはWeb業界やSIer業界など、目指す分野を詳しく決めましょう。分野が決まったら、その分野でどのようなプログラミング言語が主流なのかを確認します。そのうえでプログラミングスクールに通うなどして、スキルを習得しましょう。スキル習得後は、未経験者を対象にした求人を探して転職します。

• 関連記事
• IT・エンジニアの職種図鑑｜システムエンジニア

運輸業

物流や人の移動を根底で支える運輸業も、全体的に人手不足に陥っています。運輸業は労働集約型の産業で、携わる人材が不足すると十分なサービスを提供できません。ドライバー不足で荷物が運べなくなる可能性があると耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

自動運転などのテクノロジーである程度の解決を目指しているものの、人の力が必要なくなるわけではありません。特に運送業界やタクシー業界は人手不足を解消するために未経験者にも採用の戸口を大きく開いていることが多いため、30代スキルなしでの転職先としておすすめです。

30代スキルなし男性は転職エージェントに相談しよう

厳しくなりがちな30代スキルなしでの転職ですが、少しでも有利な条件を引き出すためにも転職エージェントに相談することをおすすめします。ここでは、転職エージェントに相談する2つのメリットを見ていきましょう。これらのメリットを享受するには、転職活動を始める段階で転職エージェントに相談することが大切です。

プロのキャリアアドバイザーのサポートを受けられる

転職エージェントを利用すると担当のキャリアアドバイザーがつき、二人三脚で転職活動を進めます。キャリアアドバイザーは転職市場や各業界の様子を熟知していて、最新の情報に基づいたサポートを受けられるのがメリットです。

転職サポートには応募書類の添削や模擬面接も含まれ、受けることで自信を持って選考に臨めるようになります。ひとりで転職活動を進めるよりも有利に進められるようになるため、積極的に転職エージェントを活用しましょう。

非公開求人を紹介してくれる場合がある

それぞれの転職エージェントには、登録したユーザーにのみ情報を公開する非公開求人を保有しています。非公開求人は転職エージェントに登録しなければ出会えない求人情報で、転職における選択肢を広げてくれるものです。

多くの求人から自分のキャリアプランを実現できそうな企業を選ぶためにも、早めに転職エージェントを活用することをおすすめします。非公開求人の中にこれまでの経験や実績を高く評価してくれる企業があれば、より好条件で転職できる可能性もあります。

まとめ

30代スキルなしの男性の転職難易度は高いものの、転職できないわけではありません。転職を成功させるためにも、選考準備を徹底してキャリアプランを実現できる転職先を探しましょう。また、転職エージェントのサポートを受けると自分だけで転職活動を進めるよりも有利に運べるため、より転職成功率を上げられます。

マイナビエージェントでも、各業界の実情を熟知したキャリアアドバイザーがベストな転職を実現できるようサポートしています。各業界に特化したサービスを展開しているほか、非公開求人も扱っているため、理想の転職を実現したい方はぜひ一度ご相談ください。