更新日:2025/05/20
この記事のまとめ
販売職の仕事は接客やレジ打ちだけでなく、在庫管理やレイアウトの検討など多岐にわたります。やりがいのある仕事ですが、販売職ならではの苦労もあるため、販売職への転職を考えているのなら、具体的な仕事内容をしっかりチェックした上で検討しましょう。
本記事では、販売職が担当する主な仕事内容や、やりがいと魅力、苦労や厳しさ、販売の仕事に就くために知っておくべきことについて紹介します。販売職に向いている人の特徴も説明しているのでぜひ参考にしてください。
目次
販売職が担当する仕事は、接客やレジ打ちの他、在庫管理や品出し、店内のレイアウトの検討、清掃、シフト管理・売上管理など複数にわたります。営業時間内の仕事だけでなく、開店前後など営業時間外に行う業務も多いので注意しましょう。ここでは販売職が日常的に行う主な仕事内容を5つに分けて解説します。
店舗を訪れたお客様に商品やサービスの説明・案内をしたり、お客様からの質問や問い合わせに応じたりする接客は、販売職のメインとなる仕事です。お客様とコミュニケーションを取りながら、「どのような商品・サービスを求めているのか」「どういった悩み・問題を抱えているのか」を正確に読み取り、適切な提案を行うスキルが要求されます。
また、お客様が商品やサービスを購入した際、レジで金銭の授受を行ったり、商品を梱包したりするのも販売職の担当です。特にレジ打ちは金銭を取り扱うため、慎重さや正確性が求められます。
販売職における在庫管理とは、店舗が保有する商品の在庫を管理し、過不足のない状態を維持する業務のことです。在庫は過剰に抱えると店舗の負債になり、逆に少な過ぎると売り切れ状態が慢性化し、お客様のニーズに応えられない可能性があります。多過ぎず少な過ぎず、適切な量の在庫を管理するには、個々の商品ごとのニーズを的確に把握し、無駄のない発注を心掛ける必要があります。
また、バックヤードに保管している在庫を売場に出したり、商品の乱れを整えたりする品出し作業を行うのも販売職の仕事です。
商品が魅力的に見えるよう、陳列棚やショーウィンドウのレイアウトを工夫するのも販売職の仕事の一つです。同じ商品でも、見せ方を変えると印象ががらりと変化するため、センスの見せ所でもあります。
レイアウトは一度決めれば終わりというわけではなく、季節や流行などに合わせて適宜見直しが必要です。例えば、初夏にはレジ前や入口付近などにレジャーやクールビズを連想させるアイテムを配置する、お客様が立ち止まりやすい場所にトレンド商品をディスプレイする、といった工夫が求められます。レイアウトを考えるには知識やセンス、経験が重要であり、販売職に就いた後も日々学び続ける姿勢が大切です。
商品の販売を行っている店舗は不特定多数のお客様が出入りするので、わずか一日でも汚れやごみがたまります。店内の衛生状態が悪いとお客様に不快な思いをさせかねないため、開店前や閉店後に店内の清掃を行うのも販売員の仕事です。具体的な作業内容は、掃除機やモップを使って床を掃く、棚やラック、レジカウンターを拭き掃除するなどです。
独立した店舗の場合は、トイレの清掃も行います。いくら店内がきれいでも、トイレが不衛生だと「店の管理が行き届いていない」と判断され、負のイメージを持たれることがあるので注意しましょう。
販売職としてある程度のスキルと実績を積み、店長や支店長などへキャリアアップすると、従業員のシフト管理や売上管理といった管理業務を担うことになります。
シフト管理では、従業員の希望や人件費の予算も踏まえつつ、いつ・どのくらいの人材を配置するかを考えなければなりません。適切なシフト管理を行えば、コストを抑えつつ利益を挙げられるため、売上・業績アップが期待できるでしょう。
また、商品をいくらで、どのくらい売ったかをデータとしてまとめる売上管理を行うのも店長や支店長の仕事です。ただデータをまとめるだけでなく、その結果を分析し、売上目標を達成するにはどうすればよいか、アイデアや計画を立てるのも重要な業務です。
販売職の魅力は、直接お客様とコミュニケーションを取るため、仕事の成果や評価を体感しやすいところです。また、販売業を通して対応力などのスキルを磨けることや、キャリアアップによって仕事の幅が広がるところもポイントです。以下で、販売の仕事で感じるやりがいや魅力について詳しく説明します。
販売職の大きな特徴は、お客様と直接話しながら商品やサービスを提案できることです。お客様のニーズにぴったり合った商品を紹介して喜ばれたり、直接「ありがとう」と感謝の言葉を掛けられたりすると、モチベーションも上がりやすいでしょう。
中には、商品だけでなくスタッフの接客が気に入ったという理由でリピーターになってくれるお客様もいるので、「自信がついた」「自己肯定感が高まった」という人も多いようです。
お客様のニーズや一人ひとり異なるので、さまざまな人との接客を繰り返すことで、対応スキルが養われます。ここで言う対応スキルとはコミュニケーション能力やヒアリング力、提案力、トーク力などのことで、業種や職種、公私を問わず重要視される能力です。
臨機応変に対応できる力が培われれば、販売職としてのスキルアップやキャリアアップを目指せるのはもちろん、将来他の職種に転職する際にも役立てられるでしょう。
販売職として実績や経験を積み重ねると、店長や支店長、あるいは本部の管理・販促部として、経営にも携われるようになります。すると、新たに管理能力や企画力、プロモーション能力など、さまざまなスキルが身につきます。
販売スタッフとは異なる視点で仕事に従事することの新鮮さを味わえるのはもちろん、経営側の視点を持つことによって、マーケティングや企画職などにキャリアチェンジという道も拓けるようになるでしょう。
販売の仕事には多くのやりがいや魅力がある反面、販売職ならではの苦労や厳しさもあります。よい面ばかり見て転職すると後悔することになりかねないので、ネックになる点もきちんと把握しておきましょう。ここでは販売の仕事で苦労すること、気をつけたいことを3つご紹介します。
販売職は、接客中はもちろん、そうでないときも立ちっぱなしでいることがほとんどです。休憩中以外はあまり座れないので、足腰に負担が掛かりやすく、下半身の疲れやむくみに悩まされている方は少なくありません。
また、品出しやレイアウト変更で重い荷物を運ぶことも多いため、腕力や体力も必要です。特にセール期間中は商品の大量発注を掛けるので品出し業務の負担が大きくなる上、多くのお客様が来店するので、心身ともに疲れ切ってしまうこともあるようです。
販売職の多くはシフト制を導入しており、カレンダー通りに休みを取るのは困難です。特に小売店のかき入れ時となる休日は平日よりも多くのスタッフが必要となることが多く、土日や大型連休に休みを取るのは難しいといわれています。そのため、「なかなか友達と遊べない」「家族旅行に行けない」という悩みを抱えている方も多いようです。
一方で、他の人と休みのスケジュールがずれているぶん、観光やレジャーで混雑に巻き込まれにくい、平日割引を利用できるといった利点もあります。
販売の仕事はお客様から直接感謝やお礼を言われるケースが多い反面、面と向かってクレームを言われることもあります。店舗側に責任がある真っ当なクレームだけでなく、時には理不尽なクレームや悪質な言いがかりをつけられることもあるので、ストレスを感じることもあるでしょう。
また、トラブル対応を誤ると店舗のイメージや評価が落ちて売上や業績に悪影響をおよぼすこともあるため、プレッシャーを感じる 人もいるようです。多くの店舗ではクレームを受けたときのマニュアルが完備されていますが、お客様の言い分に合わせて臨機応変に対応しなければならない点は精神的な負担になるでしょう。
販売職は未経験でもチャレンジできる職業ですが、業務を円滑にこなし、キャリアアップしていくためには、さまざまなスキルが要求されます。
ここでは、販売職に向いている人に共通している3つの特徴を分かりやすくまとめました。
販売の仕事では、お客様に対して積極的に声を掛けたり、商品やサービスの説明をしたりするので、コミュニケーション能力は必須です。人と話すのが好きな方や、他人と良好な関係を築くのが得意な方、会話のキャッチボールをスムーズに行える方は販売職向けでしょう。
一方、人と接するのに抵抗がある方や、会話を続けるのが苦手な方は、販売の仕事に就くと慢性的にストレスを感じる可能性があるので、検討し直してもよいでしょう。
傾聴力とは、相手の話に耳を傾け、その内容を理解したり、隠れたニーズを把握したりする能力のことで、別名ヒアリング力とも呼ばれています。
販売の仕事では、いかにお客様のニーズをくみ取り、適切な提案を行うかが重要なポイントになるため、聞き上手に徹しなければなりません。また、ただ話を聞くだけでなく、お客様の悩みや要望に寄り添い、共感を示すことで、相手が安心して話せる環境を作っていくことも大切です。人の話を聞くのが好きな方や、共感力が高い方、相手の話から隠れた要望を探すのが上手な方は販売業に適しているでしょう。
小売業の売上は、流行やトレンドに大きく左右されます。例えば、トレンド商品を目立つところに陳列していれば高い集客効果を見込めますし、流行の商品を多数発注しておけば売上や業績のアップを期待できます。ただ、トレンドは短いスパンで入れ替わるので、常にアンテナを張り巡らせ、いち早く流行をキャッチしなければなりません。そのため、観察力やリサーチ力に長けている方、世の中の流れや動きに対して敏感な方は販売職の適性があるでしょう。
販売の仕事に就・転職したいのなら、必要とされるスキルや、志望先の情報について事前に下調べしておくことが大切です。同じジャンルの販売業でも、経営方針や理念、コンセプトは店舗によって異なるので、待遇のみで比較しないよう注意が必要です。ここでは販売の仕事に就く前に知っておきたいことを2つご紹介します。
基本的に、販売職への就職や転職に特別な資格は必要ありません。無資格・未経験でも就職や転職が可能なので、異業種から販売職に転向する方も少なくないようです。
ただし、先述したように販売職にはコミュニケーションスキルや傾聴力、対応力などさまざまなスキルが求められます。適性のない方がいきなり販売職に就くと、心身に大きな負担が掛かる可能性があるため注意しましょう。
また、販売士検定や接客サービスマナー検定など、販売の仕事に関連する資格や検定の取得を目指すと、スキルアップに役立ちます。
就職・転職活動では、その企業・店舗を選んだ理由の説明を求められます。相手が納得するような志望動機を提示するには、ブランドコンセプトや企業の経営方針、理念などをよく理解した上で、論理的に説明することが大切です。ブランドや店舗のコンセプト、理念は企業・店舗によって大きく異なるので、ホームページや雑誌、会社が発行しているパンフレットなどを熟読し、それぞれの特色をきちんと把握しておきましょう。
販売の仕事は、接客・レジ打ちから品出し、レイアウトの検討まで多岐にわたります。さらにキャリアアップすると、シフト管理や売上管理なども任されるようになるので、やりがいを感じながら仕事に従事できるでしょう。
ただし、販売職に就くには相応のスキルが求められるので、販売業への転職を目指すのなら、自分自身のスキルを振り返るとともに志望先のコンセプトや理念の理解に努めましょう。
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