更新日:2025/08/08
この記事のまとめ
新しい環境への期待を胸に転職したところ、理想と現実のギャップに戸惑うことは少なくありません。給与や職場環境、仕事内容などさまざまな面で想定と異なることに気づき、転職の決断を後悔している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では転職で後悔する理由、その苦しみから抜け出すための具体的な対処法について解説します。後悔しない転職先を探すためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
転職したことを後悔する方は少なくありません。実際、株式会社マイナビの「転職動向調査2025年版(2024年実績)」(2024年12月調査)によると、「前職を退職したことを後悔している」と回答した方の割合は全体の13%にのぼりました。また、「転職に満足していない」と回答した方の割合も全体の18.4%にのぼっています。
転職で後悔する理由は、人によって異なります。再び転職して後悔する事態に陥るのを避けたいのなら、後悔につながる要因を理解したうえで適切な対策を講じることが大切です。
転職によって後悔する理由は多岐にわたりますが、共通しているのは給与や労働時間、仕事内容、評価制度、社風など労働条件・労働環境に理想と現実のギャップが生じている点です。ここでは、転職で後悔する主な理由を9つ紹介します。
「転職したのに給料が思っていたより低い」と後悔する方は少なくありません。この問題には、主に3つの原因が潜んでいます。まず、提示された給与と手取り収入を勘違いするケースです。面接時に示された金額は総支給額であり、実際に受け取る手取り額は社会保険料や税金が引かれるため大幅に少なくなります。
次に、基本給の昇給ペースが遅いことも後悔につながります。入社時の給与には満足しても、その後基本給が思うように上がらないと長期的には不満が募ってしまいかねません。
また、転職活動時に希望年収を控えめに伝えてしまうと、本来期待していた給与より低い条件でスタートすることになり、後悔につながる要素となります。
高い給与に魅力を感じて転職したものの、想定していた以上に労働時間が長く、ワークライフバランスが崩れてしまうことも後悔につながる要素です。「基本給は上がったが、毎日終電まで働かされる」「休日出勤が常態化している環境で体調を崩してしまった」といった事例は珍しくありません。
転職前に確認できる求人情報だけでは、実際の労働環境を把握することは難しい面もあります。しかし、入社前に労働条件通知書を詳細に確認することや、面接時に残業の実態や休日出勤の頻度について質問することで、後悔のリスクを減らせます。給与の高さだけに目を奪われず、ワークライフバランスを含めた総合的な労働環境を考慮して転職先を選ぶことが、後悔しない転職を実現するポイントです。
希望する仕事内容と実際の業務とのギャップは、転職後の大きな後悔につながる要因となります。「事務職として採用されたのに、気づけば営業活動がメインになっていた」「自分の専門スキルを活かせる部署だと思ったのに、まったく別の業務を任されている」といった事例は少なくありません。
このような後悔を避けるためには、面接時に担当予定の具体的な業務内容や部署異動の可能性について質問することが重要です。
仕事で成果を上げても正当に評価されないことは、転職後の大きな後悔要因となり得ます。「いままでの経験を活かせると聞いていたのに、入社してみると新人のような扱いをされた」「成果を出しても給与にまったく反映されない」「新卒と中途で評価制度が異なり公平でない」など、評価に関する不平不満は枚挙にいとまありません。
この後悔を防ぐためには、面接時に評価制度について詳しく質問することが重要です。「どのような成果が評価されるのか」「評価基準はどのように設定されているか」「中途入社者のキャリアパスはどうなっているか」などを具体的に確認しておくことで、入社後のミスマッチを防げます。
転職後にキャリアアップが難しいと感じることも、後悔につながる要素のひとつです。「スペシャリストを目指していたのに、ゼネラリスト一辺倒のキャリアパスしかなかった」「キャリアパスが不明瞭で将来像が描けない」といった不満は少なくありません。
キャリアに関する後悔を防ぎたいなら、面接時に中長期的なキャリアパスについて具体的に質問することが重要です。「どのようなスキルアップの機会があるか」「専門性を高める制度はあるか」などを確認しておくことで、入社後の期待と現実のギャップを最小限に抑えられます。
転職後に直面する大きな後悔のひとつが「社風になじめない」問題です。「給料の高さだけで選んだが、社風が合わず短期間で辞めてしまった」といった声は珍しくありません。
多くの転職者は給与や業務内容に目を向けがちですが、社風や職場の雰囲気は日々の仕事満足度に大きく影響します。面接時に上司となる人と直接話す機会を設けてもらったり、可能であれば社内見学をさせてもらったりすると、社風が合わずに悩むリスクを軽減できます。
転職後に人間関係がうまくいかないことは、大きな後悔要因となります。新しい職場では一から人間関係を構築する必要がありますが、すでに関係性ができ上がっている環境になじむまでには時間がかかります。業務内容の違いだけでなく人間関係の構築にも苦労すると、辞めたいと感じる要素となりかねません。
転職後の人間関係の問題を防ぐには、面接時に職場の雰囲気や社内コミュニケーションについて質問することが効果的です。
転職先の将来性に不安を感じることも、後悔につながる要因です。「転職時は売り上げがよかったが、いまでは大幅赤字となって給料が下がった」「業界自体が頭打ちで、先行きが不安」といった状況では転職したことを後悔しかねません。
こうした後悔を防ぐためには、転職先選びの際に中長期的な視点で企業や業界を分析することが重要です。企業の財務状況や市場での競争力、成長戦略などを詳細に分析し、将来性を見きわめてから入社するか判断することも大切です。
転職後に「前の職場のほうがよかった」と後悔する経験は珍しくありません。たとえば、仕事内容や職場の雰囲気、ワークライフバランスなど、前職で恵まれていた環境を転職後に実感することがあります。
このような後悔を避けるためには、転職前に冷静な比較検討をすることが重要です。具体的に何が不満で転職したいのか、現職のよい点は何かをリストアップしましょう。そして転職先を選ぶ際には、不満点が改善されるかどうかだけでなく、現職のよい点を維持できるかどうかも確認することが大切です。
転職によって後悔する理由はさまざまですが、適切な対処法を知ることで状況を改善できる可能性があります。ここでは、仕事内容・待遇・職場環境それぞれの後悔に対する具体的な解決策を見ていきましょう。転職で感じた不満や失望感から立ち直るためには、状況を客観的に分析し、改善の糸口を見つけることが大切です。
仕事内容に対する後悔には、聞いていた仕事内容と違うという場合と、自分が思い描いていた仕事内容と現実の仕事内容にギャップがある場合の2種類があります。
前者の場合は、まず、直属の上司に相談をしましょう。採用側と現場の管理監督者の間で意思疎通がうまくいっていない可能性もあります。なぜこのようなギャップが生まれたのか、原因を探って改善を求めていく必要があるでしょう。
一方、後者の場合は、自分が仕事内容を勘違いしてしまっていた可能性もあります。まずは、自分が希望している仕事に関われる可能性があるのかどうか、同僚などに質問してみてください。同じチーム内で別の方がその仕事を担当している場合は、希望することで将来的に関われる可能性もあるでしょう。
しかし、見当違いでそのような仕事が発生しない場合は、気持ちを切り替えていまの仕事をしていくか、その仕事ができる環境を自らが作り出すか、別の企業への転職を検討するかのいずれかの選択肢を取ることになります。
思っていた仕事ができなかったときに意識したいのが、「すぐに悲観的にならない」ことです。まずは冷静に、いま自分がしている仕事と向き合ってみましょう。将来的にどのような仕事が発生し、どのようなキャリアを積んでいけるのかを改めて考えてみることで、「これはこれで悪くない」と思えるかもしれません。
あるいは、自分自身がその仕事に対応できるだけのスキルを身につけて、企業の業務範囲を広げるよう提案することもできるでしょう。
どちらも難しい場合には再度別の企業への転職を検討することになりますが、これらの選択肢はどれも一朝一夕に答えを出せるものではありません。直情的に行動するのではなく、まずは冷静に考え、十分検討してから行動することが大切です。
待遇に対する不満についても、「求人票や面接時の話と実情が違う」ケースと、「先方から提示されていた内容のとおりだが、自分が勘違いしていた」ケースがあります。
待遇に不満を感じたら、まずは「労働条件通知書」を確認してみてください。ここには、給与や就業時間、休日などの条件がすべて記されています。その内容と実情が異なる場合は、労働条件通知書を提示したうえで、上司と話し合いの時間を持つようにしましょう。
また、自分の勘違いであった場合も、実際の待遇が労働基準法に違反していないかについては確認する必要があります。たとえば、残業時間に対して割増賃金が正しく支払われていない場合や、所定労働時間で賃金を割った結果最低賃金を下回る場合、有給休暇の取得を認めてもらえない場合などは、法的に問題がある企業だといえるでしょう。
上司に労働条件の改善を求めるか、労働基準監督署に相談に行くか、転職をするかの選択をすることになります。
職場環境についての不満は、なかなか改善が難しいケースも少なくありません。特に、人間関係のストレスは、離職の原因にもなる重大なものです。「自分からあいさつをするようにする」「同僚の人間性を観察して、トラブルを回避するように努める」といった対処をするとともに、深刻度に応じて異動願いを出すなどの改善策も取っていく必要があります。
また、職場の清潔さや福利厚生面などについての不満については、ある程度我慢するしかない部分もあるでしょう。できるだけ快適に仕事ができるよう、自分自身でデスク周りの環境を整えたり、周囲の人に呼び掛けて改善を目指したりするといった対処法で解決を図ることをおすすめします。
転職による後悔から抜け出すためには、再転職することもひとつの手段です。満足度の高い転職を実現するためにも、前回の転職で感じた後悔を分析して転職活動に活かしましょう。ここでは、後悔しない転職を成功させるために押さえておきたいポイントを5つ解説します。
次の転職で同じ失敗を繰り返さないようにするには、後悔した理由を明確に分析することが重要です。まずはなぜその転職がうまくいかなかったのかを客観的に振り返ってみましょう。
給与が期待より低かったのか、希望した仕事内容と異なっていたのか、あるいは長時間労働が続いているのかなどの原因を特定することで、再転職の際に気をつけたほうがよいポイントが見えてきます。自分が仕事に求める価値観や優先順位も再確認しましょう。
「転職したい」と漠然と考えている方に、「どうして転職をしたいのですか」と聞くと、「いまの企業は給料が低い」「将来性がない」「残業がきつい」「人間関係は悪くないけど、やりたい仕事ではない」など、いろいろな不満や理由が出てきます。
実際に、転職を意識したときの理由はひとつではない場合がほとんどです。しかし、これらの問題は、すべてが同じだけの重さを持ったものではないでしょう。転職をすることで最も解決したい問題や、かなえたい希望が何なのかを改めて考えてみてください。
自分の軸が定まっていない状態で転職活動を始めてしまうと、転職を決めた理由ではない部分を魅力に感じた企業に入社してしまい、後悔する事態にもなりかねません。たとえば、「残業時間が長すぎるのがつらい」という理由で転職先を探していたのに、「面白そう」と安易に応募して入社が決まったものの、結果的に残業時間については改善できなかったようなケースです。
なぜ転職をするのか、転職した先でどのような自分になりたいのかということについては、事前にしっかり検討しておく必要があります。また、応募する前に、その企業で実際に自分が働いた場合を想像し、1年後、2年後、3年後に希望どおりの自分になれるかどうかを考えてみるのもおすすめです。
入社する前に、インターネット上で口コミをチェックするなど、できる限り企業に関する情報を集めておきましょう。また、卒業した学校の先輩や後輩などに実際に働いている方がいるようであれば、積極的に話を聞きに行ってみてください。
それと同時に、企業の業界内での立ち位置や、具体的にどういった仕事をしているのか、自分が任される仕事はどのようなものになるのかについても見ておく必要があります。
分からないことについては、面接で積極的に質問して、不明点がないようにしておきましょう。また、面接の際はどのような方が働いているのか、職場環境はどのようになっているのかといったこともさりげなく確認しておくことが大切です。実際に配属されるチームメンバーの1日の仕事の流れなどを聞いておくと、実際に働き始めた後の生活を想像しやすくなります。
再転職で後悔しないためには、入社前に労働条件通知書の内容を詳細に確認することが重要です。給与額、残業の有無、休日数など、求人情報と実際の条件にズレがないか慎重にチェックしましょう。特に気をつけたいのは、基本給と手当の内訳、残業代の計算方法、昇給制度の詳細です。
面接時に聞いた内容と労働条件通知書の記載に違いがある場合は、採用担当者に質問して確認しましょう。曖昧なまま入社すると「聞いていた条件と違う」という後悔につながります。また、労働条件通知書に不明点や納得できない点があれば、入社前に交渉することも大切です。
転職エージェントは、さまざまな業界や企業に対する情報を多く持っていることが一般的です。個人で業界研究や企業研究をするだけでなく、転職エージェントを利用することで、より多くの情報を手に入れられるようになります。
また、情報の多さは、希望に合致した企業の紹介を受けられる確率が高まることにもつながります。自分だけでは見つけられない非公開求人などを紹介してもらえる可能性もあるため、積極的に利用しましょう。
自分自身の希望条件を見つめ直す意味では、転職エージェントのキャリアアドバイザーと面談をしたり、キャリアシートを記入したりすることが役立ちます。自分のこれまでのキャリアを振り返ったうえでこれからの将来を考えていくときに、第三者に話を聞いてもらうことは効果的です。人に話すことで自分の考えを整理できるだけでなく、転職のプロの目から見た自分自身の市場価値についても知ることができます。
転職による後悔を防ぐためには、専門家のサポートを受けることが効果的です。マイナビエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーがキャリアの棚卸しをしたうえでスキルや実績を活かせる求人を紹介します。また、リクルーティングアドバイザーが企業側の要望や職場の雰囲気まで入念にリサーチしているため、入社後にミスマッチに悩むリスクを軽減できます。
給与交渉をはじめとする細かな条件交渉も代行するため、転職による後悔を未然に防げる点も特徴です。後悔のない転職を実現したいなら、一度マイナビエージェントへお気軽にご相談ください。
給料の低さや労働環境への不満など、転職で後悔する理由は多岐にわたります。しかし原因を把握して適切な対策を講じると、再転職による後悔を未然に防ぐことは可能です。また、仕事に対する自分の価値観や優先条件を「転職の軸」として明確にし、徹底した企業研究を行うことも転職による後悔を防ぐポイントです。
再転職による後悔を防ぎたいのなら、転職エージェントを活用することもひとつの手段です。マイナビエージェントでは、経験豊富なキャリアアドバイザーが応募書類の添削から面接対策、条件交渉まで、後悔のない転職を実現するサポートをしています。マイナビエージェントの無料の転職サービスを活用し、あなたの理想のキャリアを実現しましょう。
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