更新日:2024/09/05
この記事のまとめ
商品やサービスの販売に関わる仕事がしたいと思い、マーケティングや営業への転職を考えている方もいるのではないでしょうか。両者は近い職種として扱われがちですが、仕事内容は明確に異なります。誤解したまま応募に進むと、書類選考すら通らないかもしれません。
そこで今回は、マーケティングと営業の違いを具体的に解説します。それぞれの業務内容を把握したうえで、自身に向いているのはどちらかを考えてみてはいかがでしょうか。
目次
端的にいうと、マーケティングとは市場調査をする業務です。実際には調査だけでなく、分析したうえで商品や広告を企画までを担当します。ここでは、マーケティングの役割や具体的な業務内容を解説します。
どれほど優れた商品やサービスを作り出しても、需要のないものは売れません。需要はあっても、知名度がなければ見向きもされない恐れがあります。
そこで、マーケティング担当者の出番です。市場を調査し、ニーズを確認したうえで商品やサービスを企画します。購買層に周知されるような広告・宣伝企画も併せて行います。つまり、マーケティングの役割は「製品やサービスを効率よく販売するためのしくみを作る」ことです。
マーケティングの主な仕事内容は次の4つです。
市場調査でトレンドやニーズを調べ上げ、消費動向を含めて徹底的に分析します。魅力ある商品やサービスを企画・提案するほか、どのように販売していくのかのプロモーションまで任されます。ただし、実際に商品を作成したり、顧客にアプローチしたりするのは別の職種の役割です。
営業とは、個人や法人と対話をすることで販売や契約につなげる業務を指します。顧客を獲得するためには市場調査や企業調査なども必要ですが、業務のメインはあくまで営業です。営業の具体的な役割や仕事内容の詳細を解説します。
営業は、商品やサービスを購入・利用してもらうために直接売り込みをします。商品と顧客との橋渡しをする役割だともいえるでしょう。
顧客と対話する必要があるため、商品知識が浅い営業は信頼を得られません。市場や業界全体のデータを頭に入れておくのは必須といえます。顧客の悩みや課題に寄り添った提案をすることも大切で、洞察力やコミュニケーション能力も求められます。
営業の主な仕事内容は次の4つです。
営業の仕事は、顧客や案件を獲得するだけで終わりません。商談成立後も滞りなくサービスを提供できるよう、顧客と会社の間を取り持つ必要があります。さらなる契約につながるチャンスがあるため、サービス提供後のアフターフォローも大切な仕事です。
なお、具体的な営業方法は企業や取り扱うサービスによって異なります。既存顧客を定期的に訪問する「ルート営業」もあれば、新規獲得のために「飛び込み営業」をすることもあります。
マーケティングと営業の業務範囲は似ていることもありますが、実際には明確に異なります。大きな違いは、「リサーチの対象」「業務目的」「期間の視点」です。人によって向き・不向きが分かれるところなので、以下で詳しく解説します。
マーケティングも営業も、商品やサービスを売るためにリサーチを行います。しかし、マーケティングが市場を対象として広くリサーチするのに対し、営業は主に顧客を対象とし、焦点を絞ったリサーチをします。
ただ、営業であっても市場データは必要であり、自ら調査することもあります。同じように、マーケティングであっても具体的な購買層を意識しないわけにはいきません。
マーケティングは、市場や顧客との関係性を良好に保つことを目的としています。たとえば、マーケティングによって「この企業の商品は間違いがない」という意識づけができれば、「ブランド買い」する人も増えるでしょう。
一方、営業は目の前の顧客獲得を目的としています。成約すれば瞬時に売り上げを獲得できるのが特徴です。
マーケティングは市場や顧客との関係性を維持するため、長期的な視点で戦略を練ります。これに対し、営業は対面する顧客の獲得が最優先されるため、短期的な視点での戦略が主です。
もちろん、営業であっても長期に渡って顧客と契約を結ぶ場合には、短期・長期どちらの視点も持つ必要があります。顧客の要望に合わせた臨機応変な対応が求められるケースもあるでしょう。
似た部分もあるマーケティングと営業には、どちらの業務でも身につけなければならないスキルがあります。ただ、基本的には役割が異なることから、職種ならではのスキルも必要です。それぞれで求められるスキルを知ることもまた、自身がどちらの業務に向いているのかを考える検討材料となるでしょう。
マーケティングに必要とされる主なスキルは、次の3つです。
営業と大きく異なるのは、経営者としての目線が求められることでしょう。マーケティングでは商品やサービスを世間一般に広く売り込むだけでなく、自社ブランドのイメージを形作ることも重要なためです。
ときには、斬新さやユーモアを発揮する企画力が必要になるでしょう。しかしそれ以上に、「継続的に利益が生まれるしくみをどのようにして作るか」を考えなければなりません。物事を多角的に捉えて判断するスキルが必要になります。
営業で必要とされる主なスキルは、次の3つです。
マーケティングが経営者目線を求められるのに対し、営業は顧客目線が求められます。顧客が何を欲しているのか、どのような課題を抱えているのかが分からなくては、適切な売り込みができないためです。
しかし、信頼できる相手でなければ顧客は本心を話しません。また、実は顧客自身が課題を把握しきれていないケースもあります。顧客の心を開き、隠れた課題を発見するには、円滑なコミュニケーション能力が必要です。
顧客の都合に合わせて動くことが多いため、臨機応変な対応も求められます。スケジュール管理をはじめとした自己マネジメント能力も磨く必要があるでしょう。
マーケティングと営業、両方で役立つスキルといわれるのは、次の3つです。
どれも分析対象の頭文字を元につけられた分析方法です。これらは、市場を広く見通す必要があるマーケティングでは特に重要視されます。
営業であっても、分析力があれば何かと武器になります。自社商品やサービスの強み・弱みを俯瞰し、市場の傾向や統計と照らし合わせて戦略を練れば、説得力のある営業トークができるでしょう。
マーケティングと営業とでは、戦略の立て方に違いがあります。マーケティングの戦略は商品やサービスの販売だけに留まらず、「付加価値の創出」や「新規市場の開拓」まで含まれます。これに対して、営業戦略は主に「効率的な販売方法」に着目したものです。
マーケティングは継続的に商品やサービスが売れるしくみを作る必要があるため、トレンドや時代の流れ、社会問題なども視野に入れた分析・調査を求められます。「いま需要があるもの」「今後需要があるもの」を洗い出し、必要に応じてマーケティング部以外から意見を募ることもあるでしょう。
市場全体を広く俯瞰しなければならない一方で、顧客一人ひとりの立間に立った視点も取り入れる必要があります。「価格は妥当か」「入手方法にストレスはないか」「利用シーンにマッチしているか」など、顧客の満足度を上げるために徹底した分析が必要です。イベントやキャンペーンを行う際は、競合との差を印象深く見せつけるかが鍵となります。
営業は売り上げアップが第一であるため、戦略も販売そのものに重きを置きます。基本的な戦略は次の2つです。
商品やサービスの購入が顧客にとって有益であることを伝えなくては、成約が遠のきます。市場や業界データなども用いてトークができると説得力が増すでしょう。
取り扱う商品やサービス内容によっては、その場での制約よりも中・長期的な視点で営業することもあります。何パターンもの戦略を用意したうえで、継続的にアプローチして信頼関係を築きます。
マーケティングと営業は、どちらも商品やサービスの販売に関わります。しかし、マーケティングは「商品を販売しやすいしくみづくり」が仕事であり、営業は「実際に商品を売り込む」ことが仕事です。目的が異なるため、リサーチ対象や求められるスキルなど業務内容も異なります。
とはいえ、どちらも臨機応変な対応を求められるのは同じです。リサーチが好き、数字を上げるのが好きな方には、非常におすすめの職種といえます。マイナビ営業エージェントでサポートした実績は数多くありますので、転職を考えている方はぜひご相談ください。営業職専任のキャリアアドバイザーが在籍しているため、業界の事情を詳しくお伝えできます。
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