更新日:2024/10/08
営業に関する仕事のひとつに、営業企画があります。名前が似ていることから、営業や商品企画と混同してしまう人もいるかもしれませんが、営業企画は、営業とも商品企画とも違う仕事です。
営業企画の仕事内容や魅力、活かせるスキルなどをまとめました。
目次
営業企画は、自社製品の営業をどのように行っていくかを検討し、営業戦略を立てる仕事です。営業が実際に営業活動を行うのに対し、営業企画は、効率良く営業活動をするためにはどうすればいいのかを考えます。具体的にどのような仕事を行うのか、見てみましょう。
営業活動をどのように進めるかを考えるためには、まずマーケットの動きを知る必要があります。
会社が取り扱う商品の市場環境がどのように動いているのか、顧客のニーズはどこにあるのかといったことを、データを用いて分析します。
自社製品の強みと弱み、マーケットでの立ち位置を分析します。
他社製品との差別化、価格設定、ターゲットなど、自社の製品についての理解を深め、様々な視点から特徴を把握します。
マーケットと自社製品についての分析を基に、どのような営業活動を行っていくのが効果的かを検討します。
具体的な営業手法としては、販促ツールの用意や販促イベントの実施といった、顧客に向けた販売戦略の他、営業が活用できる商品提案用資料の作成や、販売目標の設定など、社内的な企画立案も行います。
それと同時に、販売状況の分析と予測を行い、売上を伸ばすためには、いつ、何をするのが効果的なのかを分析します。
営業企画の仕事は、営業企画専門の部署がある場合と、他の部署と兼任の場合があります。
多くの会社では、営業担当者が営業企画についても兼任します。そのため、上記に加えて、通常の営業の仕事も行うケースがほとんどです。
営業企画の仕事は、商品企画や営業の仕事とどこが違うのでしょうか。それぞれの仕事内容を比較してみました。
商品企画は、新商品の企画を立てたり、既存商品のリニューアルのための企画を行ったりするのが仕事です。
商品企画もマーケット分析や自社製品分析を行いますが、その目的は新製品の開発や既存商品のリニューアルで、既存商品の売上アップを目指す営業企画とは目指すゴールが異なります。
営業は、直接顧客に対して商品を販売する仕事です。営業企画と兼務することもありますが、営業の仕事は企画を立てることではなく、売上を伸ばすことです。
営業企画は、既存商品の売上を伸ばすための企画を、立案・実行するのが仕事です。
営業企画の仕事には、スキルアップややりがいといった魅力があります。目の前の営業活動ではなく、戦略的に営業成績を伸ばしていくことを目指せるのが、営業企画のおもしろさです。
営業企画は、営業戦略の立案という形で自社製品の販売数向上に貢献できます。
直接顧客に対して売り込みを行うわけではありませんが、その分、チームや会社全体の業績の底上げに役立てるというやりがいがあります。
営業企画は、個々の営業担当者ではなく、チームや部、会社全体の営業成績アップを目的として行われます。その分、企画が成功したときの伸び率も大きなものになりますから、高い達成感を得ることができます。
マーケット分析や商品分析に基づいて、戦略的に営業企画を立て、それがニーズにぴたりとはまったときの喜びは、通常の営業職では味わうことができないでしょう。
営業企画を行うためには、営業力、コミュニケーション能力、分析力、企画力など、様々なスキルが必要です。このような多面的なスキルを身に付けることは、将来のキャリアアップに役立てられます。
例に挙げたスキルは、営業企画や営業以外の仕事にも活かせるものですから、将来、転職でキャリアアップを目指す人にとってもメリットになります。
営業企画として活躍する際に役立つ5つのスキルについて、詳しくご紹介します。これらのスキルを保有している人は、営業企画として成功を収められる可能性が高いでしょう。
営業力とは、商品をアピールし、他者へ販売する力です。目的は販売することですが、そのためには商材を魅力的に語るアピール力が問われます。
営業企画になるためには、営業としての経験と、営業力も求められます。営業はやりたくないけれど、営業企画ならやってみたいという人もいるかもしれません。しかし、現場を知らないまま戦略を立てても、的外れなものになってしまう可能性が高いでしょう。
俯瞰力とは、視野の広さのことです。ひとつのことだけに注視するのではなく、様々な方向に視野を広げて見る力ともいえます。
営業企画には、ユーザー、営業担当者、販売店、競合他社と、様々な人の思惑や意思が絡んできます。
企画を立てる際も、闇雲に自社の利益や企画の魅力だけを追うのではなく、ユーザーの感情や世論にも気を配らなければなりません。ひとつの見方に固執するのではなく、様々な方向から物事を捉える能力が求められます。
コミュニケーション能力は、他者の意見を聞き、自分の主張を相手にわかりやすく伝え、物事を円滑に進めるための能力です。
営業企画を成功させるには、営業担当者や、関連する他部署の担当者とのコミュニケーションが必須です。企画の意図や進め方を正しく理解してもらうために、一定のコミュニケーション能力が求められます。
分析力は、物事を整理し、明確に分けて導き出されたデータが意味することを読み解く能力です。
営業企画や商品企画などの企画職においては、分析力はなくてはならないもの。データを正しく整理し、理解する能力がなければ、市場の状況を把握したり、顧客の満足を得たりするような企画を立てることはできません。
企画力は、思い付いたアイディアを実現性の高い計画としてまとめ、プレゼンする力です。
いくら分析力に優れていても、結果を基に、ターゲットにとって魅力的な企画を立案できなければ、営業企画の仕事はできません。単に魅力的な企画を立てるだけでなく、コストや工数が見合うのかどうかを計算して実現性の高さを盛り込み、企画を実行に移す能力も求められます。
営業企画の仕事に就く方法は、主に2つあります。営業企画の仕事がしたいと思っている人は、どちらかを目指しましょう。
今、営業職に就いている人は、将来、営業企画の仕事にも携われる可能性があります。上司との面談や、将来の展望を聞かれた際などに、営業企画の仕事に挑戦したいことをアピールしましょう。
会社に営業企画部門がない場合や、営業企画という考え方がない場合は、積極的に企画を提案するといったアクションを起こすことで、営業企画的な仕事を行えるチャンスが生まれることもあります。
また、営業職以外の仕事をしている人も、ジョブチャレンジ制度などを利用することで、営業企画職に就ける場合があります。
自社で営業企画職に就くのが難しい場合や、新天地での活躍を目指したい場合は、営業企画職としての転職を目指すことになります。
ただし、営業企画の募集は、「営業・営業企画」といったように、他職種とセットで求人がかかっていることも少なくありません。また、営業企画と書かれていても、実際には期待した仕事内容ではないという可能性もあります。「営業企画がやりたかったのに、実際は営業の仕事だった」ということにならないよう、注意が必要です。
このような事態を回避するために、営業企画への転職を目指す際は、転職エージェントに相談することをおすすめします。企業の詳しい情報を持っている転職エージェントを利用すれば、具体的な仕事内容を確認してから応募することができます。
営業企画は、会社の業績に大きく貢献できるやりがいのある仕事です。営業からのキャリアアップを目指している方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
これまでの営業経験を活かして、営業企画職として活躍したいと考えている方は、マイナビエージェントにご相談ください。職種・業界に精通したキャリアアドバイザーが、スキルを活かせる仕事先をご紹介しています。
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