更新日:2022/12/26
この記事のまとめ
「どのような質問をされるのか」「質問にうまく回答できるか」など、転職の面接を受ける際に不安を抱える方は多いのではないでしょうか。質問される内容はある程度把握しているものの、よい回答が思いつかない方もいるでしょう。
そこでこの記事では、転職の面接で聞かれる質問とその回答をご紹介します。シチュエーション別の回答例もお伝えするので、ぜひ面接の練習にお役立てください。
目次
転職の面接を好印象で終えるためには、事前の準備が大切です。面接の流れを事前に把握しておけば、質問が来たときに焦ることもありません。ここでは面接の一連の流れをご紹介します。よくある質問内容もまとめましたので、面接対策にお役立てください。
面接当日は余裕を持って、かつ早すぎない時間に面接会場へ着くようにし、受付を済ませます。受付から面接が始まっていると考え、油断しないようにしましょう。面接会場に着いてから忘れ物が発覚した......といったことがないよう、自宅を出る前に持ち物チェックを済ませておきます。
また、面接当日までにふさわしい服装を準備しておく必要があります。服装や髪型もマナーのひとつ。どれだけ素晴らしい受け答えで好印象を残せても、基本のマナーができていないと内定をもらえないケースもあります。
自分の順番が来たら、面接官のいる部屋へ入室します。名前を呼ばれたらドアを3回ノックするのが基本です。「失礼いたします」と言ってから入室するようにしましょう。ドアを閉める際は、ドアのほうに体を向けて閉めます。
入室後はすぐに椅子に座るのではなく、椅子の横に立ち、「本日はお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします」と面接官へ挨拶してから着席するのがマナーです。面接官に「座ってください」と促された後に着席しましょう。
転職の面接は、基本的には以下のような流れで進みます。
自己紹介は面接官との最初の対話です。企業側は応募者の人柄を把握したり、コミュニケーションスキルがあるのかを確認したりするために自己紹介を促します。自己紹介はできるだけ簡潔に、3分以内を目安に話しましょう。面接官によっては、雰囲気作りのために自己紹介を促すケースもあります。はじめは緊張してしまうかもしれませんが、できるだけ普段どおりに臨むとよいでしょう。
転職の面接では、「なぜ現職を辞めるのか」「転職を考えた理由は何か」という旨の質問をされます。面接官が応募者とのマッチングを図るために質問するケースが多いでしょう。たとえば、「残業が多いから辞めたい」との理由で転職先を探している応募者が残業の多い企業へ応募している場合、この時点で企業とミスマッチが生じていると分かります。
企業側は長く働いてくれる人材を探しているため、同じ理由で自社を辞めてしまわないかをチェックしています。ネガティブな理由の場合には面接官へ言い出しにくいかもしれませんが、嘘はつかずに回答するようにしましょう。ただし、単なる愚痴にならないよう注意する必要があります。
転職の面接でよくあるのが志望動機に関する質問です。企業は、応募者の志望動機から自社への入社意欲を図っています。入社意欲の高い人材を採用したいと考えているためです。また、応募者の転職軸から自社とのマッチング度を見極めたいと考えている面接官もいるでしょう。
志望動機に関する質問に答える際は「〇〇だからこの企業がよい」というように、その会社でなければいけない強い理由を伝えましょう。「自社でなくてもよいのでは」と思われてしまうと、熱意がない応募者だと判断されかねません。
転職時の面接では、「自己PRをお願いします」「あなたの強みは何ですか」など、応募者のアピールポイントに関する質問もあります。企業は、応募者の自己PRから入社後の活躍イメージを把握しようとしています。自己PRでは、どのような強みを活かしてどのように活躍できるのかを具体的に伝えましょう。
その際は、自身のアピールポイントが企業の業務とマッチしている必要があります。スキルや実績、経験を話す場合、数字を用いると強みをより分かりやすく伝えられます。
「逆質問」といって、応募者から面接官へ質問する場が設けられるケースもあります。突然逆質問を促されると、何を聞いたらよいか焦ってしまうかもしれません。「何か聞きたいことがありますか」「質問はありますか」と聞かれるケースを想定し、事前に内容を考えておくとよいでしょう。
企業は、応募者の質問から入社への熱意やマッチング度合いを確認しています。事前に企業情報を調べたうえで具体的な質問ができると、逆質問で好印象を残せます。
面接が終わったら「お時間をいただき、ありがとうございました」など感謝の言葉を述べます。しっかりとお辞儀をしてから立ち上がり、椅子の横でもう一度お辞儀をしましょう。退出する前にも面接官のほうを向いてお辞儀をします。最後に「失礼いたします」と言ってから退出します。ドアは静かに閉めるのがマナーです。
建物から出るまで気を抜かないのが好印象を残すポイントです。面接官がエントランスまで送ってくれる場合には、建物から出る際に再度お礼を伝えましょう。
転職の面接では、聞かれる質問にある程度傾向があります。面接をぶっつけ本番で乗り切るのは至難の業。面接を受ける予定がある方は事前に質問を想定して対策しておきましょう。ここからは、よく聞かれる質問を例にOK・NGそれぞれの回答例文をご紹介します。
転職の面接では、企業側が応募者とのマッチング度を図るため、キャリアプランに関する質問をするケースがあります。この質問には、長期的に活躍してくれる人材かどうかを見極める意図が含まれています。
【OK例文】
御社は現在、海外展開も視野に入れて〇〇サービスの普及を進めていると伺いました。私は大学時代に1年間アメリカに留学していました。その際に培った経験と語学力を活かし、5年後には海外で多くの方に〇〇サービスの魅力を伝えられる人材になりたいと思っています。
【NG例文】
5年後には、100万円を貯めて海外旅行に行きたいと思っています。
「あなたの長所は何ですか」「短所だと思っている部分を教えてください」など、転職の面接では長所や短所を聞かれるケースもあります。こうした質問は、具体的なエピソードを盛り込んで答えるのがポイントです。
【OK例文】
私は、継続力のあるところが長所だと思っています。高校時代に所属していたテニス部では、毎朝欠かさず2時間の練習をしていました。その結果、高校3年生の県大会で準優勝の成績を収められました。周囲からは、コツコツ練習をした結果が実を結んだと言われています。この継続力を活かし、御社でもよい成果を上げたいと考えています。
【NG例文】
私は高校3年間テニス部に所属していたので、球技が得意です。
一見すると答えにくい質問ですが、これは企業側が応募者に問題改善能力があるかをチェックするための質問です。不満や苦手な人物とどのように向き会ったのかを確認したり、応募者の価値観を把握したりしています。回答の際は単なる愚痴や不満にならないよう、ポジティブな言葉に言い換えて説明する必要があります。
【OK例文】
前職では年功序列の文化が強く、部下の手柄は上司の手柄という環境に不満を感じていました。そこで、若手社員が活躍できる環境を作りたいと上司に提案し、新たな評価制度の導入を検討してもらいました。具体的には、すべての社員からアンケートを取りそれぞれの理想の評価制度を集計して新たな案を提示しました。
【NG例文】
前職では年上ばかりが評価される環境で、働く意味が分からなくなってしまいました。いま思い出してもイライラします。
企業側は、応募者に成功体験や失敗体験を聞き、仕事との向き合い方を確認しようとしています。成功体験について回答する場合、自分ひとりで物事を成し遂げたように自慢げに伝えてしまうと、かえってマイナスの評価を受けかねません。あくまで謙虚に成功体験を伝えましょう。
【OK例文】
前職のお客さまアンケートで、親切に接客をしてくれるスタッフ第1位に選ばれたことです。お客さまの視線や表情から何をお探しなのかを察して、スムーズにお買い物を楽しめるよう売り場へ案内していた行動が、親切な接客につながったと考えています。御社でもこの経験を活かし、お客さまの役に立てるスタッフになりたいと思っています。
【NG例文】
社会人経験が浅いので、特に成功した体験はありません。
「課題は何ですか」という質問には、仕事に前向きに取り組む姿勢があるかどうかを確かめる意図が含まれています。自分が課題と感じている部分を答えるだけでなく、これから何をしていく必要があるのかを回答できると好印象を残せます。
【OK例文】
前職の営業職では、お客さまの本質的な課題を見抜けないことが多々ありました。営業職として話を聞いていると、本質的な課題にお客さま自身が気づいていないケースもあります。これからはお客さまと信頼関係を築き、表情や言葉から、お客さまが抱えている悩みを察せる人材になりたいと考えています。
【NG例文】
私は、営業職として即戦力になる実力を身につけることが課題だと思っています。
転職時の面接では、内定後に入社するかという質問をされるケースも珍しくありません。企業は「入社していただけますか」などの質問から、応募者の入社意欲を確かめています。
採用した応募者が内定を辞退した場合、企業は新たに採用活動を行わなければなりません。そのため、内定を出す前に応募者の入社意欲を確認しておきたいと考えています。こうした質問をされた場合、たとえ第一志望ではなくても入社の意思を伝えましょう。
【OK例文】
はい。ぜひ入社したいと考えております。
【NG例文】
少し考えさせてもらってもよいでしょうか。
「なぜ同業他社ではないのですか」「自社を選んだ理由を教えてください」など、ほかの企業ではなく自社を選んだ理由を質問する面接官もいます。面接官はこういった質問から、応募者の入社意欲をチェックしています。回答する際は他社の批判は避けたうえで、その企業ならではの魅力を伝えましょう。
【OK例文】
私が御社を志望した理由は、お客さまの声を大切にしている企業だからです。御社はお客さまの満足度を向上させるために、SNSを通じてお客さまとコミュニケーションを図っていると伺いました。これは同業他社にはない取り組みであり、私が大変魅力を感じた点です。
【NG例文】
他社の情報は分かりませんが、御社には素晴らしい制度があると伺ったので入社したいと思いました。
転職時の面接における質問は、一次面接や二次面接などシチュエーションによっても内容が異なります。面接官が変われば質問内容の傾向も変わるため、さまざまなシチュエーションを想定して面接の練習をしておくのがおすすめです。ここでは、シチュエーション別の質問をご紹介します。
一次面接では、以下のような質問をされるケースが多い傾向にあります。
【例文】
・あなたの自己紹介をしてください。
・あなたが当社を選んだ理由は何ですか。
・入社後に希望する部署があれば教えてください。また、その理由も教えてください。
・自分の長所だと感じる部分を教えてください。
・これまで何かに一生懸命に取り組んだことはありますか。
・挫折した経験があれば教えてください。
転職の二次面接では、以下のような質問に対応できるよう準備しておきましょう。
【例文】
・当社に入社後はどのような仕事をしたいですか。
・企業理念に魅力を感じたと伺いましたが、具体的にはどの部分に魅力を感じましたか。
・当社に入社したらどのように貢献したいとお考えでしょうか。
・どうしてこの業界を選んだのですか。
・ほかの企業の選考状況を教えていただけますか。
・あなたのキャリアプランを教えてください。
企業の役員による最終面接では、以下のような質問をされるケースが多いでしょう。
【例文】
・弊社は第一志望ですか。
・入社後はどの部署で活躍したいとお考えですか。
・これからこの会社をどのように成長させたいと思っていますか。
・ほかに受けている企業があれば教えてください。
・ご自身の能力をどういった形で発揮したいとお考えですか。
・最近話題になっている〇〇業界のニュースをどのように受け止めていますか。
これまで多くの転職を経験している場合、転職回数に関する質問を受けるケースもあります。
【例文】
・あなたの経歴を見ると、転職回数が多いと感じます。それはなぜですか。
・やりたくない業務があった場合、どのように取り組みますか。
・前職を辞めてからブランクがあるようですが、それはなぜですか。
・前職の〇〇株式会社への在籍期間が3ヵ月と短いですが、何か理由がありますか。
・経歴を見ると1年ほどのブランクがありますが、この期間は何をしていましたか。
・前職を辞めた理由を教えてください。
未経験の業界や職種へ転職する場合には、面接で以下のような質問をされるケースが多いでしょう。
【例文】
・あなたの課題を教えていただけますか。
・誇れる実績があれば教えてください。
・これまでに一番大変だった業務は何ですか。
・失敗した体験について教えてください。
・なぜこの業界を志望したのですか。
・業界も職種も前職と異なるものを選んでいますが、なぜ弊社を志望したのか教えてください。
転職時の面接で好印象を残せる回答をするためには、はじめに質問の答えとなる結論を述べるのがポイントです。「長所を教えてください」と聞かれたら「私の長所は〇〇です」というように、分かりやすい結論を面接官に伝えましょう。
結論を述べてから、根拠を述べます。根拠にエピソードを交えると、回答に説得力を持たせられます。さらに、エピソードを伝える際は客観的な数字を交えて話せるとよいでしょう。話の最後に、入社後の活躍をイメージさせる内容を入れると、面接官に好印象を残しやすくなります。
面接中に答えにくい質問をされるケースもあるでしょう。面接官からの質問にはすべて答えなければならないわけではなく、セクハラやパワハラに該当すると感じた質問には、答えなくても問題ありません。たとえば、以下のような質問は面接の場で不適切な質問といえます。
自分ひとりでの面接対策が不安な場合には、転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントは一人ひとりの転職を手厚くサポートしてくれるサービスです。面接対策として、模擬面接を受けられる転職エージェントもあります。ここからは、転職エージェントの活用方法をご紹介します。
転職エージェントを活用すると、模擬面接を受けられます。模擬面接とは、キャリアアドバイザーなどの第三者が面接官となり、本番と同様の形式で行う面接練習のことです。模擬面接を受けておくと本番の流れを把握できるため、面接当日は落ち着いて受け答えできるようになるでしょう。
また、模擬面接では第三者からのフィードバックをもらえる点もメリットです。受け答えで改善したほうがよい点を把握できるため、本番で好印象を残しやすくなります。
企業と太いパイプでつながっている転職エージェントを利用すると、企業の内部情報を教えてもらえます。企業の内部情報を把握しておくと、面接で好印象を残せる可能性が高まります。人事担当者の人柄を教えてもらえれば、どのような回答が効果的なのかを事前に把握できるからです。
転職エージェントによっては、これまでの面接で質問された内容を把握しているケースもあります。実際の傾向をもとに面接対策ができるため、より訴求力のある回答を考えておけます。
マイナビエージェントは、求人企業とのつながりが強いため、各企業の情報を詳細に把握しています。マイナビエージェントの面接練習を活用すると企業に合わせた対策を受けられ、転職のプロであるキャリアアドバイザーから受け答えのアドバイスをもらえます。
実際に面接を受けた後のフィードバックも実施しています。企業から評価された点や回答を考え直したほうがよい点などを教えてもらえるため、次の面接にも役立つでしょう。もし面接で失敗してしまっても、キャリアアドバイザーの一押しで挽回できるケースも。面接に自信がない方は、ぜひマイナビエージェントのサービスをご活用ください。
転職の面接では、ある程度質問される内容が決まっています。面接の練習をする際は、質問される内容を想定しながら回答を考えましょう。面接本番をスムーズに乗り切るために、流れをチェックしておくのもポイントです。受け答えだけでなく、身だしなみや動作もチェックされていることを忘れずに、しっかりと練習を重ねて本番で好印象を残しましょう。
マイナビエージェントでは、一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーがつき、本番を想定した模擬面接を実施しています。転職のプロによる的確なアドバイスでブラッシュアップし、訴求力のある回答で内定を勝ち取りましょう。転職の面接に不安を抱えている方は、マイナビエージェントの利用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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