更新日:2024/04/12
採用面接で聞かれる質問には、ある程度決まったパターンがあります。
もちろん、実際の質問内容や面接の流れは各企業によっても異なります。しかし、よくある質問については、あらかじめ自分なりの回答を考えておく必要があります。
ここでは、面接時の代表的な質問とその回答を、自分について、現職について、応募先企業についてなど、いくつかの項目に分けて解説していきます。
目次
まずは、面接における基本の質問について押さえておきましょう。
基本的な5つの質問について、その内容と注意点をご説明します。
アイスブレイクのための質問には、「場所はすぐにわかりましたか?」「今日は暑いですね」といったものがあります。このような質問は面接の最初にされる場合が多く、応募者の緊張をほぐし、スムーズに会話に入れるようにする目的があります。
こうした質問は、選考や仕事内容に密接なかかわりがあるわけではありませんが、「はい」や「そうですね」といった返事だけでは、会話が弾みません。
アイスブレイクのための質問とはいえ、コミュニケーション能力を見られていると考えて、会話のキャッチボールが成り立つような返事を心掛けましょう。
「自己紹介をお願いします」と言われた場合は、必ず「氏名」からスタートするようにします。
焦ってうっかり忘れてしまう場合がありますが、自己紹介は名乗ることから始めるのがルールです。
「氏名、簡単な経歴、現在の仕事内容や実績、今後やりたいこと」などを、30秒~1分程度にまとめます。
自己紹介と自己PRは違うので、自分の強みや売りを長く話す必要はありません。
また、今後の展望についても、詳しくは志望動機で伝えることになるため、ここでは面接後半へのフックとして入れ込む程度にとどめます。
最後は、「本日はよろしくお願いします」と締めましょう。
転職の面接の場合、「転職を希望した理由」や「前職を退職することにした理由」は、必ず聞かれると考えられます。転職を希望する理由がネガティブなものでないかどうかや、転職を希望した理由を、自社で叶えることができるのかといったことがチェックされます。
「○○に不満を感じたため、転職を希望した」という内容ではなく、「××という目標を実現するために、より適した御社で働きたいと考えた」のように、ポジティブな伝え方を心掛けます。
その目標が本当に前職で実現不可能なものだったのか、また、応募先企業で実現できるのかといった点についても考えておく必要があります。
志望動機も、転職面接で聞かれる代表的な質問です。
業界全体にあてはまる理由や、他社でも実現可能であると思われる理由は避け、「自分にとって、この会社の何が魅力的だったのか」「この会社で何がしたいのか」ということを伝えましょう。
そのためには、十分に業界研究をしたり、応募先企業の情報を集めたりする必要があります。
志望動機は、履歴書や職務経歴書を作成する上でも意識しておくべきものです。
そのため、面接に進む前に、考えをまとめてある場合がほとんどだと思います。
提出した書類の内容と齟齬が出ないように気を付けながら、より詳しく伝える形で志望動機を述べます。
「自己紹介」が自分の経歴や特性を伝えるものであるのに対し、「自己PR」は、自分の仕事上の強みを伝えるものです。自分が持つスキルやそれを裏付ける過去の実績、それを基に転職後どのような活躍をしていきたいのかをアピールします。
このとき、「応募先の企業が求めているのはどのような人材なのか」を踏まえて発言する必要があります。いくら優れた人物であっても、企業が求める人材像と合致しないと判断されれば、不採用になってしまうからです。
企業のニーズと自分自身のスキル、将来の働き方の希望が合致していると思ってもらうためにも、事前の情報収集を十分にしておくことが大切です。
面接では、自分自身についての質問をされる可能性も高いと考えられます。
しっかりと答えられるよう、あらかじめ質問に対する回答を考えておく必要があります。
謙遜する気持ちから、自分の長所をアピールするのが苦手という方もいるかもしれませんが、転職面接では「特にありません」といった後ろ向きな姿勢はNGです。
人から褒められたところや、仕事の実績などを思い出してみましょう。
「粘り強いところです」「前向きです」などと一言で返すのではなく、それを裏付けるエピソードや、そのことによって得られた実績などを併せて伝えるようにしてください。
短所については、「自分の問題点がどこにあるのかを理解しているか」、そして「それに対してどのような対策をとっているのか」という点がチェックされます。
そのため、「○○という短所があります。そのため、××に気を付けています」など、具体的にどのようにカバーしているのかを添えて伝えるといいでしょう。
「将来どのような人間になっていたいか」、あるいは「この企業でどんな活躍をしたいか」といった質問がされる場合もあります。自分自身の思い描くキャリアプランを率直に伝えるだけでなく、それを応募先の企業でどのように叶えることができるのかを、考えた上で回答してください。
企業が中長期的に求める人材像とキャリアプランが合致していれば、採用担当者に好印象を持ってもらえるでしょう。
現職(すでに辞めている場合は前職)について、詳しい仕事内容を聞かれる場合があります。
事前にどのように答えるかを考えておきましょう。
現職での仕事内容を聞かれたら、今、どのような仕事を行っているのかを伝えます。
応募している職種で求められると想定される仕事内容が何なのかを、意識して答えます。
また、単純に「外回りの営業」と言うだけではなく、商材や担当顧客数、月間の処理件数など、具体的な数字を交えて答えると、どの程度の業務遂行能力があるのかを理解してもらいやすくなります。
たとえ退職しようとしている企業であっても、入社した当初は大きな夢や希望を持っていたはずです。自分のキャリアプランを実現するために、どのような理由で現職を選び、その結果がどうだったのかを論理的に伝えましょう。
成功体験は、どのような成功を収めたのかという事実だけではなく、どのようにしてそれを成し遂げたのかを伝えます。業務遂行能力や応募先企業でどのような活躍ができるのかをイメージしてもらえるように、具体的な自分の行動やその結果を述べましょう。
失敗体験は、失敗の原因とリカバリーした方法を併せて伝える必要があります。
問題が起こった際の対処能力についてチェックされる質問です。
採用担当者は、「応募者の自社に対する志望度がどの程度なのか」について、面接を通して見極めようとします。志望度が低い場合、採用してもすぐに退職されてしまうリスクがあるためです。
そこで、どの程度自社を志望しているのかについての質問がなされるケースがあります。
「なぜ当社に応募したのですか?」という質問の背景には、「似た仕事ができる同業他社でもいいのではないか」という疑問がベースにあります。
そのため、「この業界で働きたい」「営業がしたい」といった理由では、「それなら他の企業でもできる」と思われてしまいます。
他の企業ではなく、この企業を選んで応募した理由を、きちんと説明できるようにしておきましょう。そのためにも、企業情報や過去の業績、経営方針などについて、しっかり研究をしておく必要があります。
企業理念や企業の沿革、経営方針などについては、あらかじめウェブサイトなどでチェックしておくようにしてください。
「社長の名前を答えてください」といったあからさまな質問はなくても、質問の中でたまたま出てきた社長や会長、創業者の名前がわからなかったり、企業理念に反する発言をしてしまったりすると、「本当にうちを志望しているのか」と疑問に思われてしまいます。
入社した後の働き方の希望について聞かれた場合は、「御社の指示に従います」といった受け身の答えではなく、自分自身のキャリアプランや志望理由に沿った具体的な目標について述べるようにします。募集職種の業務について、どのように掘り下げていきたいかを伝えるのがベターです。
その他、面接で聞かれる可能性がある質問と回答の仕方について見ていきましょう。
転職が決まる前に会社を辞めた場合、「前職を辞めてから転職活動をするまで何をしていたか」とよく聞かれます。業務に関係する勉強や、資格取得のための勉強、見識を広めるための業界研究など、「ただ怠けていたわけではない」ことをアピールすることが大切です。
転職回数が多い場合、「また転職をしてしまうのではないか」という疑念から、転職の理由を聞かれることがあります。「仕事に不満を抱きがちな人である」と思われないためには、転職が前向きな理由であったことと、今後は応募先の企業で長く働いていく意思があることを伝える必要があります。
「会社に問題があった」のような他者を批判する答えではなく、「転職回数は多めですが、それぞれの企業で○○という目標を持って働いてきました。実際に××などの実績も上げています。今後は~」など、意図的な転職であることと、応募先の企業に貢献していく意思があることをまとめましょう。
まったく別の業界への就職を希望する場合は、キャリアを転換しようと思った理由と、これまでのキャリアを転職先でどのように活かしていくつもりなのかについて答えます。
異業種であっても、何かしら活かせるポイントがあるはずですから、共通点を探すようにしましょう。
面接では、待遇について質問されることもあります。
答えにくいと感じる方もいるかもしれませんが、条件のすり合わせは長く働くためにも必要です。
希望年収を聞かれた場合、現職の年収を伝えた上で、理由を添えて「同等以上を希望します」といった形で答えるのが無難です。
特に、年収に固執するのではなく仕事内容を重視する場合は、そのように答えて問題ありません。
募集要項に記載された年収や現職を大幅に上回る年収を伝えると、「希望がマッチしない」「自分の価値を高く見すぎている」と思われるおそれがあります。
残業や休日出勤ができるか聞かれた場合、「繁忙期など、仕事の状況に応じて残業や休日出勤にも柔軟な対応がとれます」というのが無難な答えですが、実際には対応できないのに「できる」と嘘をつくことは避けるべきです。
難しい場合はその理由を伝えるとともに、「事前に繁忙期をお知らせいただければ、できる限り調整します」といったように、可能な範囲で対応する気持ちがある姿勢を見せます。
面接では、逆質問をされることが多いものです。
「ありません」と答えると、「やる気がない」「自社に対してあまり興味がない」と思われてしまう可能性があります。
企業のことを知るチャンスでもありますから、積極的に質問することが大切です。
ただし、「すでに話があった内容」や「調べればすぐにわかる内容」などを質問するのは逆効果です。実際の仕事について、前向きに検討するために知っておきたいポイントについて質問しましょう。
「入社前に準備しておいたほうがいいことや、学んでおいたほうがいいことはありますか」といった入社に向けての心構えや準備についての質問、評価制度についての質問、取り扱っている商品・サービスについての質問などは、「意欲的である」と思われる可能性が高い質問だといえます。
面接は、企業と自分の希望をすり合わせ、マッチしているかどうかを見極めるための場です。
そのため、必要以上に自分を飾る必要はありません。ただし、採用を勝ち取るためには、相応の準備は必要です。
あらかじめ、志望理由や自分のキャリアプランを言語化できるようにしておくとともに、企業情報の収集を行い、スムーズなやりとりができるように準備しておきます。
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「面接が心配」「面接が苦手」という方は、担当のキャリアアドバイザーにご相談ください。
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