更新日:2025/02/17
この記事のまとめ
40代の転職では、スキルやマネジメント経験などが重視される傾向にあります。転職時に役立つ資格を持っていると、即戦力になれる存在であることをアピールできるため、選考を有利に進められる可能性があるでしょう。一方で、資格がないと「選考が不利になるのでは」と心配になるかもしれません。
そこで本記事では、資格なしでの転職を考えている40代女性に向けて、有効な対策や、未経験でも挑戦できるおすすめの職種を解説します。
目次
40代女性の転職は一見厳しいように思われがちですが、実際にはさまざまな可能性があります。いまと昔では働き方のスタイルが変わってきていることから、40代女性だからといって、転職がきわめて難しくなることはないといえるでしょう。まずは40代女性の転職事情を、統計を基に確認してみましょう。
総務省統計局がまとめた2023年版の「労働力調査」によると、40代女性の離職経験者数は若年層の世代とおおむね変わらないという結果が出ています。離職経験者のうち、転職を成功させた女性の割合に関してもほぼ変わりません。
以上のことから、40代女性の転職は、10代~30代の女性に比べて難しくなることはないと考えられます。このような結果の背景には、令和元年に施行された「女性活躍推進法」の影響もあるでしょう。現代は、女性であっても年代に関係なく転職を含め働きやすい環境が整えられつつあると考えられます。
ただし、希望する職種や業界によっては転職のハードルが高くなる場合もあるでしょう。自身のキャリアを客観的に分析し、強みを活かせる職種を選ぶことが重要です。
参照:労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年) |総務省統計局
株式会社マイナビの「転職動向調査2024年版」によると、40代女性の転職活動をはじめた理由として多く挙げられたのは以下のとおりです。
参照:転職動向調査2024年版(2023年実績)|株式会社マイナビ
「女性が40代を過ぎて資格なしの状態で転職をするのは難しいのでは」と考える方も少なくありません。ここでは、40代女性が資格なしで転職する際に直面する具体的な課題を解説します。事前に確認しておき、適切な対策を講じることで、転職の可能性を高められるでしょう。
40代が資格なしで転職を考える際、男女を問わずに直面する大きな課題のひとつが、希望に合う求人の少なさです。転職市場では、年齢が上がるにつれて求人数が減少する傾向があります。特に40代以上を対象とした未経験OKの求人は、20代~30代と比較して大幅に少ないといっても過言ではありません。企業側は、若年層の採用を優先する傾向です。これは、比較的低い年収で採用でき、長期的な育成が可能だからです。
多くの場合、40代の転職希望者には、即戦力として活躍できるスキルや経験が求められます。企業は、採用コストや教育期間を考慮し、入社後すぐに成果を出せる人材を求めているのです。特に、マネジメント経験やプロジェクトリーダーとしての実績が重視されます。これは、40代の転職者に対して、組織をまとめる力や問題解決能力が期待されているためです。そのため、未経験分野への転職は容易ではないといえるでしょう。
40代の転職では、年収ダウンの可能性を考慮する必要があることを忘れてはいけません。年収はスキルや役職、また勤続年数といった要因に左右されます。そのため、現職で高収入を得ている方が未経験分野に転職する場合は、年収が下がる可能性が高まる傾向です。企業は即戦力を求める傾向が強いため、経験不足を理由に初任給が抑えられることもあるでしょう。
資格なしであることを引け目に感じないようにしましょう。40代以上になると資格よりも実務経験を重視されるケースが多くあります。40代に求められるのは、ただの知識ではなく、即戦力となる実用的なスキルです。たとえコミュニケーション能力や柔軟性といった具体的な資格が存在しないものであっても、これまでの実務経験で培ったスキルがあるのなら、それは立派な強みになり得ます。
資格なしであっても40代女性であっても、転職の難易度が著しく高まることはないため、効果的な対策は決して特別なことではありません。しかし、これらの基本を押さえることは転職成功率を高めるうえで有効的なので、ぜひお試しください。
転職成功率を高めるためには、これまでに築いてきたキャリアを活かせる転職先を選びましょう。若年層の求職者を除き、企業は即戦力を求める傾向があるためです。
転職先を探す際には、これまでのキャリアにおいてどのような業務が楽しかったか、向いていると思えたかを振り返ってみましょう。職歴をただ並べるよりも具体的なエピソードとしてキャリアを思い返すことで、適職を見つけやすいほか、自己PRの作成にも役立てられます。
保有スキルや経験からかけ離れた求人に応募しては、「自分を客観視できないのではないか」と評価されやすいため、避けましょう。そのために大切なことは、転職市場において自分のスキルや経験はどれほどのものなのか、自己価値を適正に見積もるように心掛けることです。
転職先を探す際には、あらかじめ希望条件をすべて洗い出しておきましょう。希望条件が曖昧なまま探していては、優柔不断になりやすいほか、転職後にミスマッチを感じる可能性が高まります。なお希望条件を洗い出す際には、ひとまず思いつくままに箇条書きにした後、譲れない条件と妥協できる条件に分別するとよいでしょう。より具体的な転職先選びができます。
未経験の業界にチャレンジするのであれば、転職しやすい業界を選びましょう。ただし、転職しやすいからという理由だけで、業界を選んでは後悔しかねません。この先、50代、60代と年齢を重ねたときのことまで踏まえ、理想の人生を描くにふさわしい転職先を熟考しましょう。
今後のキャリアパスやライフプランを考えたとき、必要と感じた場合には、積極的に資格を取得しましょう。なりたい理想像があるのなら、年齢を理由にして諦めてしまうのはもったいないことです。資格によっては意外にも取得難易度が低く、短期間の勉強で済むケースもあるので、まずは資格情報についてリサーチしてみてください。
転職に不安を感じたり、転職活動がスムーズに進まなかったりする場合は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。転職エージェントは、転職希望者一人ひとりの経歴や希望を丁寧にヒアリングしたうえで、最適な求人を紹介してくれます。非公開求人へのアクセスも可能なため、選択肢も広がるでしょう。
また、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、給与交渉のサポートなど、転職活動全般をバックアップしてくれるのも大きな魅力です。さらに、業界動向や企業情報など、転職に役立つ最新情報も得られます。
40代の女性におすすめする資格不要な職種は、「事務職」「営業職」「介護職」「保育補助」「看護助手」の5つです。それぞれの仕事内容やおすすめ理由をチェックして、自分の経験や考え方などに合う職種があるかを検討してみてください。
デスクワークを希望しているのであれば、データ入力や書類作成、顧客対応といった仕事が主となる事務職がおすすめです。事務職といっても分野によって求められる能力はさまざまですが、一般事務なら最低限のパソコンスキルさえあれば、資格なしでもチャレンジしやすいでしょう。
また金融関係の経験があるなら金融事務、営業経験があるなら営業事務というように分野が多いことから、これまでの経験を活かせる職場を見つけやすいといった特徴もあります。
営業職は未経験者を歓迎する傾向があるため、性別や年齢を問わず、転職しやすくおすすめです。人とのコミュニケーションを得意とする方や、自分の力を試したいといったチャレンジ精神旺盛な方に向いているといえるでしょう。
営業職は大きく分けて、法人営業と個人営業があるほか、取り扱う商材によっても仕事内容が細かく異なるのが特徴です。次から次へと顧客を開拓していきたいのか、既存顧客との信頼関係を厚くしたいのか、どのような商品を扱いたいのかなど、自分の性質や趣味に合わせて転職先を選ぶとよいでしょう。
介護職もまた未経験者歓迎の求人が多く、性別や年齢を問わず、転職しやすい傾向にあります。高齢者や障がいがある方のサポートをする仕事であるため、体力に自信のある方や人の役に立つことが好きな方におすすめです。
また介護職であれば転職後に経験を積めるほか、資格を取得することで、さまざまなキャリアアップもかなえられます。ケアマネージャーや、施設の管理者といったキャリアアップを目指す、もしくは独立開業するといった道もあるでしょう。
過去に保育士に憧れを抱いていた女性には、保育補助をおすすめします。保育補助はその名前のとおり、保育園や幼稚園で先生たちのサポートをする仕事です。
補助全般が業務内容になるため園によっても求められることは異なりますが、事務作業や掃除片づけなどはもちろん、子どもと関わるケースもあります。保育士のように資格は求められませんが、子育て経験がある方や、事務経験、マネジメント経験のある方は特に重宝されるでしょう。
看護助手は医療現場で看護師をサポートする職種ですが、こちらも特別な資格は不要であるほか、就労者の年齢層が比較的高いのが特徴です。資格がないため専門的な判断による業務遂行はできませんが、看護師の指示があれば、患者と直接関わることもあります。
事務作業も多いほか、介護職に近い業務内容であるため、事務経験や介護職経験のある方は経験がそのまま役立つことも多いでしょう。
転職を有利にする40代女性におすすめの資格を5つ厳選しました。興味のある職種に役立てられる資格があれば、ぜひこれらの資格取得を検討しましょう。転職活動中はもちろん、転職後の取得でも、キャリアアップに役立てられます。
「医薬品販売登録者」とは、ドラッグストアやスーパーなどで一般用医薬品を販売する際に必要な資格です。資格者が在籍していない店舗では医薬品の販売が不可となるため、常に一定の需要があることから、転職を有利にしてくれるでしょう。
資格取得の難易度は比較的低く、独学や通信講座などの利用でも、十分だといわれています。初心者であっても、挑戦しやすい資格だといえるでしょう。
「社会保険労務士(社労士)」とは、社会保険に関する各種手続きの代行をするために必要な国家資格です。社会保険労務士として働く場合には、企業の人事や総務といった部署に在籍するのが一般的です。しかしなかには独立する方や、経営コンサルタントをはじめとした別のキャリアに活かす方もいます。
社会保険労務士は国家資格としては受験資格が易しく、誰でも挑戦しやすい反面、試験は高難易度です。独学は厳しいとされるため、専門学校や通信講座などの利用を検討するとよいでしょう。
「キャリアコンサルタント」とは、就職や転職に関する相談を受け、アドバイスを提示する専門家であることを示す国家資格です。キャリアコンサルタントは転職エージェントやハローワーク、大学のほか企業など、さまざまな場所で活躍しているため自分に合った職場を選びやすいでしょう。
資格取得のためには、まず厚生労働大臣認定の養成講習を150時間受ける必要があります。試験難易度自体は決して高くはないため独学でも取得は可能ですが、養成講習を受けなくてはいけない手前、スクールや通信講座を利用するのが手っ取り早いでしょう。
「FP技能士」とは、お金にまつわる相談を請け負う専門家であることを示す国家資格です。家計の見直しから、税金対策、投資運用など、対応する分野は幅広く、金融業界や不動産業界の幅広い企業で役立てられます。日本では数が少ないものの、独立も可能です。
FP技能士の資格には等級がありますが、仕事に役立てるのであれば2級以上をおすすめします。2級の受験資格は、3級合格もしくはAFP認定研修の修了です。スクールや通信講座を利用することでAFP認定研修は修了できるため、効率を求める場合には検討するとよいでしょう。
海外に支店を持つ企業や外資系企業をはじめ、英語力重視の企業であれば、「TOEIC」のスコアが選考を有利にしてくれるでしょう。スコア目安としては、外資系企業の場合は700点以上、海外支店勤務であれば750点以上だといわれています。
ただしネイティブな英語力を求める企業では、スコア以上に実践的な英語力を測られるでしょう。英語による面接を実施する企業も多いため、TOEICの勉強だけでなく英会話のレッスンも同時に進めておきたいところです。
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40代女性の転職は、経験や年齢による課題がありますが、適切な対策を講じることで可能性が広がります。転職成功のポイントは、資格がなくても、自身のスキルや経験を活かせる職種を見つけることです。自己分析や市場調査を十分に行い、必要に応じてスキルアップを図ることも効果的といえます。
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