更新日:2024/11/26
この記事のまとめ
転職市場は年々変化しており、40代から正社員を目指す女性も少なくありません。しかし、年齢や経験、スキルなどの面で不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、40代女性の転職事情や平均年収、成功のポイントなどを詳しく解説します。おすすめの職種も紹介しますので、これから正社員を目指す40代女性の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
経済的な理由のほか、仕事にやりがいを見いだすためにも「正社員として転職したい」といった思いを抱いている40代の女性の方は多いでしょう。しかし、年齢や性別が選考に不利に働くのではないかといった不安を拭い切れない方もいるのではないでしょうか。そこでまずは、40代女性を取り巻く労働環境について紹介します。40代女性が正社員として転職する難易度を含め、実情を確認しましょう。
総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)」によると、女性全体の正規職員および従業員数は1,267万人です。正規雇用者数は年々増加傾向にあり、昨年よりも18万人増えています。
また、厚生労働省が公表している「令和4年版働く女性の実情」によると、令和4年において正社員・正職員として働く女性の平均年齢は40.8歳でした。多くの40代女性が正社員として働いていることが読み取れます。
参照:労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要|総務省統計局
40代女性が正社員への転職を目指すのは難しいといわれることがあります。しかし総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)」によると、以下の表のように20代や30代の若年層と40代とでは転職者数にほとんど差がないことが分かります。
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しかし性別にかかわらず、40代以降の人材に企業が求めるのは即戦力です。若年層に比べると転職難易度が高くなることは避けられないでしょう。それも正社員となれば、なおさらです。転職を成功させるためには、十分な対策をして転職活動を進める必要があります。
参照:労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要|総務省統計局
雇用形態には、正社員のほか契約社員や派遣社員などさまざまな種類があります。正社員への転職を目指すにあたり、それぞれの雇用形態の違いや正社員のメリット・懸念点を確認しておきましょう。ここでは、40代女性が正社員を目指す際に知っておきたい2つのことを紹介します。
企業と従業員が労働契約を締結するときの雇用形態には、大きく分けて正規雇用と非正規雇用があります。正規雇用と呼ばれるのは、いわゆる正社員のことです。一方、契約社員や派遣社員、パート、アルバイトなどの雇用形態はすべて非正規雇用です。
正社員への転職を目指すうえで、改めてメリットと懸念点を確認しておきましょう。
【メリット】
【懸念点】
正社員のメリットとしては、やはり労働条件や給与などの安定性の高さが上げられます。しかし、非正規雇用と比べるとプライベートを重視した働き方はしにくい傾向にあるでしょう。
近年は正規雇用か非正規雇用かに関係なく「同一労働同一賃金」が叫ばれるようになったほか、終身雇用の考え方も薄れつつあります。「正社員だからよい」ではなく、多角的な視点を持ち「仕事をするうえで大切にしたいことは何か」を明確にしたうえで自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
40代女性の転職を考えるうえで、平均年収は重要な指標となるでしょう。雇用形態、企業規模、業種、学歴など、さまざまな要因によって年収は大きく変動します。ここでは、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」のデータを基に、40代女性の平均年収を多角的に分析します。正社員と非正規雇用の年収差や、高収入が期待できる業界、学歴による影響など、具体的な数値を交えながら詳しく解説していきます。
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、正社員・正職員の40歳~44歳女性の月額賃金は約29.4万円、45歳〜49歳は約30.0万円です。一方で、正社員・正職員以外の40歳〜44歳は約20.3万円、45歳〜49歳は約20.1万円でした。
1ヵ月の賃金で約10万円もの開きがあることから、40代女性の雇用形態別平均年収には大きな差があることを理解できるでしょう。
「令和4年賃金構造基本統計調査」から、40代女性の企業規模別の月額賃金を以下の表にまとめました。
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月額賃金が約29.9万円の場合、単純計算で年収は358.8万円、約25.0万円の場合は年収300万円です。この結果から、企業規模によっても年収に差があることが読み取れます。
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、40代女性の業種別月額賃金は以下のとおりです。
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40歳〜44歳、45歳〜49歳のいずれも情報通信業が最も高い結果となりました。賃金が高い業界は、デジタル化の進展や専門性の高さが求められることから、高収入につながっていると考えられます。一方、製造業や宿泊・飲食サービス業などは低めです。これらの業界は景気変動の影響を受けやすく、給与水準にも影響していると推測されます。
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、学歴別にみた40代女性の月額賃金は以下のとおりです。
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40歳~44歳女性の年収を月額賃金から推測すると、単純計算で高校卒では約274.8万円、専門学校卒で約330万円、高専・短大卒で約332.4万円、大学卒で約392.4万円、大学院卒で約489.6万円です。大学院卒と高校卒を比較すると、約215万円もの差があります。
これは高学歴者ほど専門性やスキル、語学力などを有しており、より高収入の職に就く傾向があるためと考えられます。ただし、学歴だけでなく、個人の能力や経験、業界によっても年収は大きく変わることを念頭に置く必要があることも忘れてはいけません。
一口に正社員への転職といっても、前職と同じ職種を選ぶのか、未経験職種を選ぶのかなどルートはさまざまです。ここでは、40代女性が正社員への転職を目指せる3つのルートを紹介します。それぞれにメリットや注意点があるため、自身の置かれている状況と照らし合わせながら、自分にはどのルートが合っているのかを確認することをおすすめします。
前職と同じ職種で正社員への転職を目指すのであれば、これまでの経験やスキルを活かせる点が大きなメリットです。即戦力として自己PRをしやすいため、転職成功率を高められるでしょう。しかし同職種であるからこそ、「なぜいまの職場では駄目なのか」を採用担当者は気にします。職種に対する意欲はもちろんのこと、転職希望先でなくてはいけないという熱意も存分にアピールする必要があるでしょう。
未経験の職種への転職は、男女を問わず40代ともなるとなかなか険しい道のりといわざるを得ません。ポテンシャル評価を受けづらい年代のため、未経験者を積極的に受け入れている職種を吟味する必要があります。これまでの経験やスキルと結びつけられる仕事内容の職種を選べば、採用される可能性を上げられるでしょう。
希望の職種や状況によっては転職前に資格取得を目指すほか、転職エージェントやハローワークなど転職サービスを積極的に利用することをおすすめします。
未経験職種への転職であれば、まずは非正規雇用で勤め始め、経験を積んでから正社員登用を狙う道のりもあります。その場合は、正社員登用制度を導入している企業を探しましょう。
なお、企業を探す際には正社員登用制度が導入されているかだけでなく、登用基準や条件も確認することが大切です。明確な評価制度がない企業の場合、正社員登用に関して上司の意向に左右されたり、登用実績がほぼなかったりすることもあります。
面接の逆質問時に、「実際に正社員登用される方は年間どのくらいいるのか」「これまでに何人が正社員として登用されたのか」などを確認するのもおすすめです。
ここでは、未経験であっても正社員転職を実現しやすいとされる職種や業界を紹介します。自分がこれまでに培ってきた経験やスキルを踏まえ、目指しやすい職種への転職を検討するのも選択肢のひとつです。
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40代女性が正社員転職を成功させるためには、戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、自己分析から面接対策まで、採用の可能性を高める具体的なポイントを紹介します。転職活動を効率化するための基礎ともいえるポイントばかりですが、40代では若年層よりも明確な転職軸を持ち、計画的に動くことが求められます。ひとつずつの工程を丁寧にこなしていくことで、正社員としての転職の実現に近づけるでしょう。
転職活動を具体的に始める前に、まずは自己分析を徹底しましょう。これまでの経験や培ったスキルをいかにアピールするかが、40代の転職では重要です。
自己分析をする際には、経験やスキルを箇条書きにしたうえで、それぞれ具体的なエピソードを追記するとよいでしょう。「自分に何が向いているのか」「自分が今後どうしたいのか」といった転職目的やキャリアプランが明確となり、転職活動の軸を定めやすくなります。
転職の目的やキャリアプランを明確にしたら、それらを実現するために必要な条件を書き出しましょう。重要なのは、転職先に求める条件に優先順位を設けることです。優先順位を設けずに転職先を探しては、選択肢が狭まったり、転職後のミスマッチにつながったりする可能性が高まります。
転職活動を始める前はもちろん、活動中に迷ったときにも「自分は何のために転職したいのか」という原点に立ち返って、必要条件を絞ることが大切です。
これまでに培ったスキルや経験を活かせる業界・職種を選ぶことも重要です。企業側は即戦力となる人材を求めているため、自身の強みを発揮できる分野に絞って転職活動を行うことで、採用される可能性が高まります。
たとえば、事務職の経験がある場合は、同じ業界の管理職や、異なる業界でも事務スキルを活かせるポジションを狙うのが効果的です。また、業界特有の知識やネットワークを持っている場合、それらを活用できる職種への転職も有利です。
ただし、まったく新しい分野にチャレンジしたい場合は、自身の経験を新しい角度から捉え直し、転用可能なスキルを見いだすことが大切です。転職市場での自身の価値を上げるためにも、経験とスキルを活かせる選択をしましょう。
企業研究は、40代女性の正社員転職成功に欠かせない重要なステップです。単に求人情報を見るだけでなく、企業の風土や労働環境まで深く調べることが大切です。特に、女性管理職の登用実績や「えるぼし認定」の取得状況は、女性の活躍を重視している企業かどうかを判断するよい指標となります。
また、企業の求める人物像と自分のスキルや経験が合致しているか、企業風土と自分の価値観が一致しているかを多角的に検討しましょう。入念な企業研究は、志望動機や自己PRの説得力を高めるだけでなく、入社後のミスマッチも防げます。時間をかけて丁寧に企業研究を行い、納得のいく転職を実現しましょう。
未経験の職種や業界に挑戦するのであれば、具体的な自己PRをするために資格やスキルを身につけるのもおすすめです。資格やスキルによっては即戦力となり得ることをアピールできるほか、「自主的に資格を取得するほど、この仕事に対して熱意がある」と示すことにもつながります。
たとえば事務職なら簿記1級・2級やMOSなど、IT業界ならITパスポートや基本情報技術者試験、介護職なら介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修がおすすめです。
応募書類では、企業のニーズを十分に理解したうえで、それに合致する経験やスキルを効果的にアピールしましょう。職務経歴書では、具体的な数値を用いて実績を示し、自己PRでは簡潔かつ分かりやすい文章で個性や強みを伝えます。また、企業ごとに丁寧にカスタマイズすることも重要です。
応募書類は自己アピールの重要なツールです。40代の強みともいえる豊富な経験や成熟した人間性を活かし、採用担当者の心に響く書類を作成することで、書類選考通過の可能性が高まるでしょう。
転職活動では、面接対策も不可欠です。まず、自己分析を基に自身の強みを明確にし、それを企業のニーズと結びつけて説明できるよう準備しましょう。また、志望動機を具体的に伝える練習も重要です。質問への回答は簡潔かつ具体的に行い、自信を持った態度で臨みましょう。
さらに、転職の意思や熱意を伝えることも忘れてはいけません。模擬面接を重ね、表情や姿勢にも気を配ることで、面接官に好印象を与えられるでしょう。
転職活動をする場合は、よほどの理由がない限りは在職中の活動をおすすめします。在職中の転職活動には時間の融通が利きにくいデメリットがありますが、収入がなくならないことで精神的に安定しやすく、焦って転職先を決めてしまうリスクを回避できます。
また転職活動をした結果、現職の魅力に気づくこともあります。そのようなケースも想定すると、現職にとどまるという選択肢を残しながら転職活動をするのが理想的だといえるでしょう。
40代ともなれば現職やプライベートにおいても忙しいことが多く、転職活動にまとまった時間を割けないケースも少なくないでしょう。転職活動を効率化するためには、転職エージェントへの登録がおすすめです。
転職エージェントに登録すれば、担当のキャリアアドバイザーが自分の希望に沿った転職先を紹介してくれます。また、求人への応募や選考スケジュールの調整といった作業も代行してくれるため、スピーディーかつスムーズな転職活動が可能になるでしょう。
正社員への転職を希望する方は、マイナビエージェントまでご相談ください。マイナビエージェントのキャリアアドバイザーは転職市場に精通しており、各企業と密接にコミュニケーションを取っています。企業が求める人材についても熟知しているため、より具体的なアピールや転職の軸を求められる40代女性の転職もサポート可能です。
同職種への正社員転職はもちろん、未経験からの正社員転職を成功させたい方も、ぜひマイナビエージェントをご活用ください。
40代の女性が正社員への転職を成功させるためには、自己分析や企業研究といった事前準備が欠かせません。各業界や企業の平均年収なども考慮したうえで、自身にとって最適な転職先を選びましょう。「自己分析の方法が分からない」「自分に合う転職先が分からない」という方には、転職エージェントの活用がおすすめです。
マイナビエージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが転職活動を全面的にサポートします。豊富な求人情報と専門的なアドバイスであなたの転職成功をバックアップしますので、正社員としてのキャリアアップを目指す方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。
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