更新日:2024/10/04
この記事のまとめ
転職したいと考えているものの、すでに40代になっているために厳しいのではないかと不安を感じる方もいるのではないでしょうか。40代の転職は30代までに比べて難しいといわれがちですが、転職できないわけではありません。
そこでこの記事では、40代の転職で意識したいことと転職活動の進め方を詳しく紹介します。自分に合った転職先を見つけるためにも、転職活動をスタートする前にチェックしておくのがおすすめです。
目次
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、男女ともに40代で転職している方は一定数いることが分かります。具体的に見ると、2022年における転職入職率は40歳~44歳の世代で男性が5.7%、女性が9.6%、45歳~49歳の世代で男性が5.4%、女性が10.0%です。
このように40代で転職を成功させた方は少なくありません。それでは、なぜ「40代の転職は難しい」といわれているのでしょうか。その理由について、詳しく解説していきます。
40代で転職する方は少なくありませんが、その背景にはどのような理由があるのでしょうか。ここでは、40代の転職者が転職を考える2つの主な理由を解説します。もし自身が同様の理由で悩んでいるのであれば、転職によって問題を解消できる可能性があります。前向きに転職を検討するとよいでしょう。
いまの職場の給与が少ない、もしくは今後も働き続けていても昇給が見込めない場合に、転職をして収入を上げたいと考える方は少なくありません。実際、厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、「給料等収入が少なかった」理由で転職した40歳~44歳の割合は、男性で14.6%、女性で5.8%にのぼります。
また同調査によると、転職で収入が上がった方の割合は40歳~44歳で38.0%、45歳~49歳で34.2%でした。転職によって収入を上げられる可能性は十分にあるといえるでしょう。
ただし、転職で収入が減少したと回答した方が40歳~44歳で32.3%、45歳~49歳で27.6%いる点を考えると、転職後に給与が下がる恐れがあることも覚悟しておいたほうがよいといえます。
職場における人間関係の悩みから転職を決意する方もいます。実際、厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、男性の場合は40歳~44歳の12.9%、45歳~49歳の10.7%が「職場の人間関係が好ましくなかった」という理由で転職しています。人間関係の悩みから転職した女性の割合も、40歳~44歳で5.6%、45歳~49歳で9.9%でした。
40代になると、職場で責任ある立場になる方もいます。上司と部下の間で板挟みとなり、ストレスを感じて転職に踏み切るケースも少なくありません。
40代になると転職するのが難しくなるといわれる背景には、どのような理由があるのでしょうか。以下で代表的な4つの理由を紹介します。現実的な戦略を立てて転職活動に取り組むためにも、事前に転職市場の様子を詳しく知ることが大切です。
40代の転職が難しいといわれる理由のひとつは、求人数が30代と比較すると少なくなることです。ただし、企業側は年齢を理由として40代以上の採用を敬遠しているわけではありません。優秀な人材であれば、40代であっても積極的に採用したいと考える企業もあります。
しかし、高いスキルと実績を兼ね備えた40代の人材を採用する際に、給与水準の高さを懸念する企業は少なくありません。また、新しい職場や仕事への適応力を不安視して、40代の採用を敬遠する企業もあるのが実情です。
企業は40代の転職希望者に対し、プロジェクトチームを率いる人材として最前線で活躍してほしいと考えているのが通常です。そのため、責務を果たすうえで必要なスキルを高いレベルで備えていることを求めています。
業務を遂行するのに欠かせないテクニカルスキルを習得しているだけでは不十分で、マネジメントスキルやリーダーシップ、ヒューマンスキルも必要です。そのため、スキルが不足していると選考に突破して望む職種・企業に転職するのは難しくなります。
転職の主目的として、年収アップを掲げる方は多く存在します。しかし、転職したからといって年収が増えるとは限りません。
事実、厚生労働省が発表している「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、2022年に40代で転職した方のうち、約30~40%は年収が変わらない、もしくは減少したと回答しています。そのため、年収アップを実現しようと思った場合、転職先の選択肢が大幅に狭まる可能性が考えられるでしょう。
条件面で妥協しすぎた場合は、ミスマッチに悩むリスクが高まります。40代の転職は、年収をはじめとした条件面のミスマッチが発生しやすいのがデメリットです。
業界によっては人手不足をはじめとした理由で未経験者を積極的に採用しています。しかしそのような業界であっても、若手を優先的に採用する傾向があるため、40代になると選考に突破するのが難しくなりがちです。
現職の業界に将来性を感じられないなどの理由でキャリアチェンジを考えている方にとっては、厳しい環境といえるでしょう。
ただし、40代で未経験職種に転職した方は存在します。十分に時間をかけ、焦らず転職活動を進めることが大切です。
企業が経験者採用に取り組む理由は、人手不足を補うだけではありません。企業のさらなる発展を担う優秀な人材を確保するのも、目的のひとつです。企業は40代の転職者にいったいどのようなスキルを求めているのでしょうか。ここでは、企業が40代の転職者に求める3つの要素を解説します。
40代で転職する方に企業が求めているのは、専門的な経験や知識です。豊富な社会人経験や高度なスキルを有している人材は、即戦力としてビジネスの最前線で活躍してもらえるためです。
また、チームメンバーのスキルアップや新事業の立ち上げなどにおいて、40代の転職者にリーダーシップを発揮してもらいたいと考えている企業も少なくありません。
職務遂行能力があるかどうかも、経験者採用時に企業が重視している要素のひとつです。職務遂行能力とは、業務を最後までやり遂げるために必要な能力を指します。
すでに転職先の業務に必要なスキルを保有している40代の転職者であっても、入社後に専門外の業務を任されるケースもあるでしょう。そのような場合でも、自分から業務に関連する知識やスキルを積極的に学べる方は企業から重宝されます。
新たな職場で良好な人間関係を構築できるかどうかも、企業側が採用時に重視するポイントです。社会人経験の豊富さが原因で、前職や自分のスタイルに固執して新たな職場のやり方になじめないケースは少なくありません。また40代の転職者をマネジメント層として採用する場合には、現在のメンバーとの相性も考慮する必要があります。
そのため企業側は40代の転職者を採用するにあたり、人柄はよいか、謙虚さや柔軟性を備えているかなどを重要視する傾向にあります。
40代の転職を成功させるには、キャリアを活かせる同業種の転職先を中心に選ぶのが基本です。しかし、「やりたい仕事がある」などの理由で異業種への転職を検討している方もいるでしょう。そこでここでは、同業種・異業種への転職にあたって40代の転職者が押さえておきたいポイントを解説します。
同業種へ転職するときには、これまでのキャリアや培ってきたスキル全般がアピールポイントになります。40代であっても、即戦力として活躍できる実力があれば採用される可能性は高いでしょう。
実際に40代の転職者のうち約60%の方が同業種へ転職していることが、マイナビの「転職動向調査2024年版(2023年実績)」(2023年12月調査)から分かります。業種に不満を感じていない場合は、同業種への転職を基本にするのがおすすめです。
|
ただし、同業種のすべての企業においてスキルや経験が評価されるわけではありません。「業界の慣習に染まっていない人材を採用して体制を刷新したい」「同業他社からの転職者が集まることによるトラブルを避けたい」という理由で、採用を見送る企業もあります。
参照:転職動向調査2024年版(2023年実績)(2023年12月調査)|株式会社マイナビ
異業種へ転職する40代も決して少なくありません。マイナビの「転職動向調査2024年版(2023年実績)」(2023年12月調査)によると、40代の転職者のうち約40%が異業種への転職に成功しています。
|
40代で異業種へ転職するときには、自分の持っているスキルや経験を客観的に把握しましょう。同時に応募先企業をよく研究し、自分の持っているスキルや経験をどのように活かせるのかを分析します。
異業種でも職種が同じ仕事や培ってきたコミュニケーションスキル・プレゼンテーションスキル・情報収集力などのポータブルスキルを活かせる仕事を選ぶと、採用につながりやすいでしょう。
達成したい転職目的を実現するには、いくつかのコツを押さえておくことが重要です。以下では、同業種への転職を目指す40代の方が意識したい3つのコツを紹介します。
40代の採用に積極的な企業側がどのような人材を求めているか理解し、自分の経験・スキルを活かせる転職先を探すことを意識しましょう。
40代の転職は経験やスキルを活かせる職種を選ぶと、成功の可能性が高まります。即戦力として活躍できると判断されれば、採用に結びつきやすくなるためです。
アピールの仕方にも注意を払いましょう。できることをすべて伝えるのではなく、応募先企業やポジションで役立つ内容に絞ってアピールします。伝える経験やスキルを絞ることで、選考担当者が「何ができる人材なのか」「どのような仕事を任せられそうか」など、採用後に活躍している姿をイメージしやすくなり、採用に至る確率を上げられます。
これまでの経験を活かし、キャリアアップする方向性で進めるのが40代の転職には適しています。業務を通じて習得したさまざまなスキルは転職先でも活かせるためです。
たとえば、現職でリーダーとしてマネジメントに携わった経験があれば、その経験を活かしてプロジェクトマネージャーを目指せるでしょう。キャリアアップは年収アップにもつながりやすいため、おすすめの方向性です。
まずは現職でどのような経験を積み、スキルアップしてきたかを可視化するところからスタートします。その後、転職の方向性を決めてスキル・経験を活かせる上位職種を探しましょう。
多くの企業は若手人材を積極的に採用しているものの、中には40代以降のミドル層の採用に力を入れているところもあります。そのような企業であれば、40代の転職でも比較的入社しやすいでしょう。また、年齢を問わず幅広く採用している企業も同様です。
特に、40代で未経験職種への転職を狙っている方にとっては重要なポイントといえます。目指す業界・職種が決まったら、企業研究を進めてミドル層の採用に積極的な企業やミドル層の人材が広く活躍している企業を探して応募しましょう。
現職に将来性を感じられないなどの理由で、異業種転職を検討している方もいるでしょう。40代からの異業種転職は難しいとはいえ、できないわけではありません。
ここでは、40代で異業種転職を目指す方が意識したい5つのポイントを紹介します。異業種転職を考えているなら、この機会にひととおりチェックしておきましょう。
異業種への転職を目指しているのであれば、人手不足の業界を選ぶことをおすすめします。需要に対する働き手の供給数が不足しているため、40代であっても求められている条件を満たしていれば採用につながりやすいでしょう。
特におすすめなのは、建設業や運送業、介護・医療業界です。また、発展を続けているIT業界でもITエンジニアの数が不足しています。業務に必要な専門スキルを習得して転職活動を進めれば、未経験でも採用される可能性があります。
業界によって、入職者に占める異業種転職者の割合は異なります。同業種転職がほとんどの業界もあれば、異業種転職者の受け入れに積極的な業界もあるのが特徴です。40代で異業種転職を目指したいのであれば、異業種転職者が多い業界を選ぶとよいでしょう。
そのうえで、これまでの経験やスキルを活かせる職種を選べば、比較的転職に成功しやすくなります。まずは自分の転職目的を実現できる業界をいくつかピックアップし、異業種転職者の割合をリサーチするところからスタートしましょう。
転職を決断してから新しい企業に入社するまでに長時間かかる可能性があるのが、40代の転職です。マイナビが実施した「転職動向調査2024年版(2023年実績)」(2023年12月調査)のデータを見ると、転職活動をスタートしてから内定するまでに1ヵ月~半年かかる場合が多いといえます。
40代はほかの年代に比べて、1年以上かかる方の割合も多いのが特徴です。ミスマッチで後悔する結果にならないためにも、時間に余裕を持って転職活動を進めることが重要といえるでしょう。在職中から転職活動に取り組むと、焦らずに済みます。
参照:転職動向調査2024年版(2023年実績)(2023年12月調査)|株式会社マイナビ
管理職や専門性の高いポジションの求人を探すには、ミドル向けの求人サイトを利用するのがおすすめです。
ミドル向けの求人サイトだからといって、「40代専用」というように年齢制限を設けることはできません。ミドル向けかチェックするには、紹介文に「40代~50代が活躍中」といった内容が盛り込まれているか確認しましょう。実際に40代~50代が活躍している職場であれば、より採用されやすくなります。
求人探しにハローワークを活用するのもひとつの方法です。ハローワークを利用するメリットとして、以下が挙げられます。
ハローワークで求人に応募するには、離職している必要があります。すでに仕事を辞めている状態であれば、利用を検討してみましょう。すぐに転職先を見つけられる可能性があるほか、転職活動が長期化したときには失業給付を受けられます。
転職活動を進めるときは企業が転職者に何を求めているのかを理解し、業績の向上に貢献できる人材だとアピールする必要があります。そのために何ができるのかを以下で見ていきましょう。
これから転職しようと考えている方は、自分が望んでいる結果につなげるためにも、以下で紹介する4つのポイントを意識することをおすすめします。
企業は40代の転職者に対して、スキルを発揮してビジネスの最前線で活躍することを求めています。したがって、まずは自分のキャリアプランを明確に定めましょう。5年後や10年後にどのようになっていたいかを書き出すのが効果的です。そのようにすることで、目指す具体的な職種や転職の方向性が決まります。
職種や方向性が明確になると、実現するうえでいま何をしなければならないかが明らかになるでしょう。やらなければならないことが明確になれば、その後の転職活動を迷わずに進められます。
ミドル層の転職では高いレベルのスキルが求められるため、転職前からスキルアップに励むことが大切です。スキルアップするための勉強時間を確保し、自己研さんに励むとよいでしょう。
まずはスキルシートを作成し、自分が保有しているスキルを書き出します。その後、目指している職種で必要とされるスキルの種類とレベルも書き出してみましょう。すると、どのスキルを習得しなければならないのかが明らかになります。習得する必要があるスキルが明らかになったら、転職先が求める水準に達することを目標として勉強に励みます。
業界・職種によっては、実務に携わるために資格が必要です。たとえば、建設業で施工管理として働くには施工管理技士が、タクシー運転手になるには第二種運転免許が求められます。業界・企業によっては資格取得を支援する制度があるものの、転職前に必要な資格を取得しておくことでより有利に転職できるでしょう。
資格が必須とされない業界・職種に応募する場合であっても、自分のスキルレベルを証明する目的で資格を取得するのは有効です。ITエンジニアを目指す方が基本情報処理技術者試験や応用情報処理技術者試験に合格するのが代表的な例といえます。
厳しいといわれがちな40代の転職を成功させるうえで、転職エージェントは頼りになる存在です。転職エージェントを利用すれば、プロのキャリアアドバイザーから以下のようなサポートを受けられます。
キャリアアドバイザーと相談しながら転職活動を進めれば、自分ひとりでは気づかなかったことを発見したり、有利に進めるコツを教えてもらえたりします。メリットが大きいため、積極的に活用しましょう。
これから転職しようと考えている40代の方は、同業種・異業種のどちらを目指しているかにかかわらず、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントは年代別にきめ細やかな転職サポートを提供しており、40代の転職者も安心してご利用いただけます。
また、ITやメーカーなど特定の業界に特化した転職エージェントも運営しています。目指す業界が明確に決まっている方は、ぜひ特化型の転職エージェントの利用もご検討ください。
マイナビエージェントでは、一人ひとりの転職目的を実現できる求人の紹介から選考に突破するための入念な対策、内定後の交渉までを二人三脚で進められる体制を整えています。少しでも有利に進めたいと考えている方は、ぜひお早めにご相談ください。
40代になると最前線で即戦力として活躍するスキルが求められるようになるため、転職が厳しくなりがちです。若手を優先的に採用する企業が多いことも影響しています。しかし、十分な経験・スキルを習得したうえで40代を積極的に採用している企業を選べば、望んでいる転職を実現しやすいでしょう。
自分ひとりで転職活動を進めるのが難しいと感じているのであれば、お早めにマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントでは、経験豊富なキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職を成功させるための総合的なサポートを提供します。
転職全般
事務職の転職理由や志望動機はどう書く?ポイントや盛り込みたい内容を解説
転職全般
入社5年目での転職|メリット・デメリットや成功のポイントを詳しく解説
転職全般
仕事と子育ての両立は難しい?成功させるポイントやおすすめの仕事を紹介