更新日:2024/10/24
この記事のまとめ
40代は一般的に20代や30代に比べて求人数が減ることや、未経験の分野にチャレンジしにくいことなどから、転職が難しいと思われがちです。しかし、転職を成功させるためのポイントを押さえれば、希望の職種・業種へスムーズに転職しやすくなります。
本記事では、40代女性の転職率や転職が難しいと感じる理由、転職を迷ったときにチェックするポイントなどについて解説します。転職活動の進め方やおすすめの職種、転職に成功するためのコツなども紹介しているのでぜひ参考にしてください。
目次
2023年における40代女性の正社員転職率は5.1%です。20代女性は12.7%、30代女性は7.4%、50代女性は2.8%なので、20~30代女性に比べると少ない一方、50代女性と比較した場合は2倍近い転職率となっています。
40代女性が転職活動を始めた理由は複数ありますが、上位には以下のような理由が挙がっています。
以上のことから、40代女性は職場の人間関係や給与待遇、与えられた仕事内容に不満を感じて転職を考える人が多いことがうかがえます。
参照:転職動向調査2024年版(2023年実績)|出典元 株式会社マイナビ
女性に限らず、一般に転職は年齢が上がるほど難しくなるといわれています。特に40代になると、未経験の業種・職種に挑戦するのは簡単なことではありません。ここでは、40代女性の転職が難しいといわれる理由について詳しく解説します。
転職サイトに掲載されている求人の多くは、長期的なキャリア形成のために20代や30代を対象としています。40代以降でも応募可能な求人数は少なく、応募者が多い場合には倍率も高くなり、採用を勝ち取るのは難しいといわざるを得ません。転職を成功させるには、同年代のライバルに負けない強みをアピールすることが大切です。
20代であれば、未経験の分野であっても将来性を見込まれてポテンシャル採用が狙えます。しかし、一般に40代でのポテンシャル採用はなく、未経験の分野へはチャレンジしにくいのが現状です。業界・職種を選ばなければ未経験の分野でも転職は可能ですが、専門性の求められる仕事や経営に近い役職などへの転職は難しいでしょう。
基本的に転職では即戦力が求められます。特に年齢が上がるほど相応の経験やスキルが求められるため、転職のハードルも上がる傾向にあります。人材教育にはコストや時間がかかるため、40代でスキルや経験の乏しい人材を採用するのは企業側にとってもリスクが大きく、どうしても採用には慎重になりがちです。40代からの転職では、これまでのスキルや経験が活かせる職種・業界を目指したほうがよいでしょう。
40代女性で子どもがいる場合、子育てをしながら仕事との両立が可能なのかどうかを懸念する企業が存在するのも事実です。正社員として働くにあたり、職種や業種によっては残業や休日出勤を余儀なくされるケースもあるでしょう。特に業務量に対する人員が不足しているケースでは、子どもがいる40代女性を積極的に採用する企業は少ないといわざるを得ません。
採用を勝ち取るには、「家族のサポートを受けられるので仕事に集中できる」など企業側の懸念を払拭できるポイントをアピールする必要があるでしょう。
すべての人に当てはまるわけではありませんが、一般に「若い人ほど柔軟性があり、仕事の吸収が早い」といわれています。また、40代はある程度の業務経験を積んでいる方が多く、自分なりの仕事のやり方が確立していることも多いでしょう。
そのため、休職期間が長い場合は仕事の勘を取り戻しにくいのではないか、自分のやり方に固執してしまい指示どおりに仕事を進めてもらえないのではないかなど、柔軟性を心配する企業は少なくありません。また、「自分よりも年齢が若い上司の指示を受ける」ことに抵抗を抱かないか懸念される場合もあります。コミュニケーションスキルや対応力があり、柔軟な姿勢で仕事に取り組めることを伝える必要があるでしょう。
転職を検討する理由は人によって異なりますが、人間関係や待遇、働く環境・条件などについて何らかの不満を感じている場合は転職を検討したほうがよいでしょう。
ここでは40代女性が転職するかどうか迷ったときにチェックしたい判断基準を4つご紹介します。
給料やボーナスなど、賃金待遇に不満があると、働くモチベーションが低下しやすい傾向にあります。特に自身の能力や努力に対してあまりに給与が低い場合、自己肯定感が低くなるなど精神面にも悪影響をおよぼす可能性があります。
また、40代女性は子どもの教育費や家のローン、老後の生活費などの貯蓄に励んでいる人が多い年代でもあるため、低賃金で働くと生活の質や人生設計にも支障を来す恐れもあります。
勤め先を変えれば給料アップのチャンスに恵まれることもあるので、賃金に不満があるのなら転職を検討したほうがよいでしょう。
働く時間や休暇などの条件は会社ごとに大きく異なります。「日常的に長時間労働をしている」「休暇がなかなか取れない」など、職場の労働条件がご自分のライフスタイルに合っていないと感じたら、働く環境を変えた方がよいでしょう。
特に勤務形態については就業規則で決まっているため、「フレックス制で働きたい」など変動的な勤務形態を希望する場合は、フレックス制を導入している会社に転職する必要があります。
職場の人間関係に問題があると、働いている間、ストレスにさらされやすくなります。ストレスが慢性化すると、仕事の効率が悪くなったり、集中力が低下したりするほか、自律神経失調症やうつ病を発症するリスクも高くなるとされています。
上司とコミュニケーションを取れない、同僚と仲違いしている、職場で孤立しているなど、人間関係に何らかの問題がある場合は、心身に支障を来す前に転職を考えることをおすすめします。
職場でパワーハラスメントやセクシャルハラスメント、モラルハラスメントなどのハラスメントは人の尊厳や人格を否定する行為です。被害を受け続けると仕事のモチベーションが低下するだけでなく、ストレスから心身に不調が起こることもあります。
現在は事業主に対し、パワハラやセクハラの防止対策を行うことが法律で義務づけられていますが、会社に被害を訴えても問題が解決しない場合は職場を変えることを検討したほうがよいでしょう。
資格がなくても転職は可能です。ただし、業種や職種によっては特定の資格が必須となるケースがあるため、応募条件をきちんと確認しましょう。また、資格取得は自分の知識レベルを客観的に証明するために有効です。未経験の業界・職種に転職する場合や、転職をスムーズに進めたいときは資格を取得してから転職活動を始めるのもひとつの方法でしょう。
ただし、資格取得には相応の時間を要します。これまでのキャリアを活かせる仕事であれば、資格でアピールしなくても転職活動を有利に進められるでしょう。転職活動と資格取得を同時に進めることも可能です。
40代女性の転職をスムーズに行うには、あらかじめ計画を立てることが大切です。特に自己分析や求人情報の収集などにはある程度の時間が掛かる可能性があるので、転職を思い立ったらなるべく早めに準備を始めるようにしましょう。
ここでは40代女性が知っておきたい転職活動の基本的な進め方を7つのステップに分けて説明します。
転職活動は自分の裁量で進められるため、計画を立てないままでいると「いつまでも転職先が決まらない」といった事態に陥りかねません。転職活動をスムーズに進めるためには、いつまでに転職するのか期限を決め、具体的な行動計画を立てる意識が重要です。また、ただやみくもに転職活動を行うのではなく、自身の能力を活かせそうな企業を探して重点的に応募することが成功確率を上げる鍵となります。
転職先を探し始める前には、自己分析が不可欠です。自己分析をすることで、自分の適性や仕事に求める条件などが浮き彫りとなり、転職先選びの軸ができます。まずはキャリアの棚卸しを行い、「これまでどのような仕事をしてきたのか」「何が評価されたのか」「どのような仕事が向いているのか」などを明確にしましょう。そして自分がどのような仕事がしたいのかを考えることが大切です。
転職先選びでは、仕事内容に加えて給与や福利厚生、通勤時間といった条件も重要です。しかし、理想をすべて叶えられる職場を見つけるのは簡単ではありません。転職先をスムーズに決めるためには、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておくことが大切です。
40代女性を対象にした求人数はそれほど多くありません。そのため転職サイトや求人誌だけで転職先を探すのではなく、転職エージェントやハローワークを活用するなどさまざまな方法で求人情報を集める意識が大切です。扱っている求人はそれぞれ異なることがあるので、転職先の選択肢を広げるためにも複数の方法を同時進行で試すとよいでしょう。また、同年代の友人や知人に転職先を紹介してもらうのもおすすめです。
自分の強みや保有スキルが転職先で通用するとは限りません。求人に応募したとしても、志望先企業が求めている人材でなければ採用を勝ち取るのは難しいでしょう。そこで転職に際しては、これまで積み重ねてきた経験やスキルを洗い出して自身の市場価値を客観的に把握することが大切です。そのうえで業界・企業研究を徹底し、自分の強みやスキルが志望先企業で活かせるか、高く評価してもらえるかどうかを考えましょう。
また、正社員・派遣社員・アルバイトなど雇用形態によっても転職先の探し方は変わってきます。転職の軸を定めるために、自身が求める条件や雇用形態を明確にしておきましょう。
気になる求人を見つけたら、応募書類を作成し、応募します。応募書類には履歴書と職務経歴書の2つがあり、前者は求職者のプロフィールを、後者はこれまでの業務経験や保有するスキルをそれぞれ確認するための書類となります。転職の場合、履歴書だけでなく前職までの履歴を記載する職務経歴書の提出も必要になるので合わせて提出しましょう。
履歴書では自己PRと志望動機が重視されます。自身の強みやセールスポイント、入社への意欲、入社後の意気込みなどを具体的に書くようにしましょう。一方の職務経歴書は、応募先や募集しているポストと親和性の高い経験や実績を強調して記載すると効果的なアプローチにつながります。
書類選考に通った場合、採用担当者と面接を行うことになります。面接ではさまざまな質問を受けるので、事前にどのような受け答えをするか考えておきましょう。
特に転職者の場合、前職を退職した理由を問われたときの回答を用意しておくことが大切です。退職理由は人それぞれですが、「人間関係でトラブルがあって辞めた」「賃金に不満があった」など、ネガティブな受け答えをするとマイナスの印象を与えてしまいやすいので、「◯◯を実現するために転職を考えた」などポジティブな内容に置き換えましょう。
転職すればライフスタイルが大きく変わる可能性があります。主婦であれば、家事と仕事を両立させるのが難しくなる場合もあるでしょう。家庭がある方は、転職する際に家族の理解を得ることが大切です。そしてワークライフバランスを充実させるために、家事や育児の分担などについてきちんと話し合っておきましょう。
転職先の希望は人によって異なりますが、「どのような仕事に就けばいいか分からない」「前職とは違う職種にチャレンジしてみたい」といった悩みや要望がある場合は、職種ごとの特徴を把握し、なるべく働きやすいところを選んでみましょう。
ここでは40代女性におすすめの職種を3つご紹介します。
営業職は年齢や経験の有無を問わず、幅広い募集を行っている職種です。どの産業においてもニーズが高いため、興味のある業種で働きたいという希望も叶えやすい傾向にあります。
また、営業職ではコミュニケーション能力や適応力、接客力など多彩なビジネススキルが求められます。40代女性がこれまで培ってきた豊富な経験やスキルを活かしやすい職種なので、未経験でもチャレンジしやすいでしょう。
事務職は一般的に残業が少ない職種とされているため、ワークライフバランスを取りやすいところが特徴です。家事や育児、介護などで忙しい方でも仕事と両立させやすいので、私生活とのバランスを重視したい方におすすめです。ただ、倍率の高い人気の職種であるため、全くの未経験だと採用されにくい可能性があります。
逆に、経理業務や事務の経験がある人や、パソコンスキルのある人は優遇されやすいので、該当の職務経歴やスキルがある方は書類や面接で積極的にアピールしましょう。
介護職は社会的なニーズが高く、かつ人手不足が慢性化している業種でもあります。そのぶん、無資格や未経験者でも歓迎される場合が多く、ほかの業種からの転職もしやすい傾向にあります。資格については現場で実務を積みながら取得することも可能。実務経験と合わせて、介護福祉士やケアマネージャーなどへのキャリアアップも目指せます。
「無資格・未経験だけど将来的にはキャリアアップしたい」「働きながら資格を取得したい」といった方におすすめです。
転職のしやすさは、経験やスキルによっても異なります。未経験でも転職しやすい職種は以下の3つです。
営業職は見込み客に自社のサービスや商品を提案して契約を獲得する職業です。企業によっては成約数に応じてインセンティブが支給される場合があるため、仕事にやりがいを求める方に向いています。コミュニケーションスキルに自信のある方は、営業職を目指してみるとよいでしょう。
介護職は、介護サービスを必要とする方の食事や入浴、排せつなどをサポートする職業です。介護職は資格がなくても勤務できます。一定の経験を積めば、介護福祉士やケアマネジャーといったキャリアも目指せます。家事スキルを活かせるため、家事が得意な方は介護職がおすすめです。
事務職は書類の作成や整理、電話対応、来客対応などを行う職業です。勤める会社や部署によって業務内容は異なりますが、基本的にはデスクワークが中心です。残業も比較的少ないことから、ワークライフバランスを重視する女性に人気があります。
転職活動を成功させるには、転職活動のポイントやノウハウを押さえるとともに転職に臨む心構えも重要です。ここからは、40代女性が転職時に意識したい3つのマインドを紹介します。転職を諦めない強い気持ちを持ち、転職活動を成功に導きましょう。
これまでさまざまな経験を積み重ねてきた中で、自分なりの仕事に対する価値観や自信などが醸成されていることでしょう。しかし転職先では「新入社員」という立場であり、新しい職場環境にいち早く慣れるためには社風や企業の価値観などを柔軟に受け入れる必要があります。あらゆる物事に対して謙虚で柔軟な姿勢を持って取り組む意識が欠かせません。
転職活動はそれほど簡単なものではありません。不採用が続いて心がすり減ってしまうこともあるでしょう。ただでさえ40代の転職は難しいといわれているため、スムーズにいかないと諦めてしまいがちです。しかし、転職は最後まで諦めない気持ちが功を奏します。弱気になると表情にも出てしまうため、明るく前向きな心持ちで転職活動に取り組みましょう。
面接では服装や身だしなみも重要です。自分の身なりに気を使えない人物は仕事もできないのではないかと思われてしまいがちです。第一印象を良くするためにも、面接では以下の服装や持ち物を心掛けましょう。
転職に慣れている方でも転職活動は難しいと感じるものです。転職先が決まらないと焦ってしまいがちですが、妥協して決めると再び転職活動をすることになりかねない点に注意が必要です。ここでは、転職が難しいと感じた際に押さえておきたいポイントを5つ紹介します。
転職先を決めるうえで給与や福利厚生などの条件は大事です。しかし、勤務条件だけで転職先を決めてしまうと「社風が合わなかった」「想像していた仕事内容ではなかった」などと後悔してしまいかねません。転職先を決める際は企業研究を入念に行い、さまざまな情報を把握したうえで判断しましょう。求人情報だけでなく、企業のHPや口コミ、SNSなどを調べるのがおすすめです。
現在働いている方は、在職中に転職活動を始めることをおすすめします。長期間転職活動をしていても、転職先が思うように決まらないケースは珍しくありません。仕事を辞めた状態で転職先が決まらなければ、経済的にも精神的にも余裕がなくなってしまうでしょう。
とはいえ焦って転職先を決めればミスマッチが発生する可能性もあります。働きながらの転職活動は大変ですが、あらゆるリスクを考慮すると在職中に転職活動を始めたほうが安心です。
正社員以外の働き方を検討するのもひとつの方法です。40代女性を対象にした正社員の求人数は少ない傾向にありますが、アルバイトや派遣社員などを募集している企業は多くあります。どの働き方がベストなのかは家庭やその人の事情によってさまざまですが、正社員が難しい場合は、まずはアルバイトとして働いてみるのも選択肢のひとつでしょう。
会社によってはアルバイトや派遣社員から正社員への雇用転換を行う「正社員登用制度」を取り入れているところもあります。正社員へのステップアップを見越して転職先を決めるのもよいでしょう。
ある程度仕事で経験や実績を積んでいるとはいえ、転職時に自分の能力を過大評価するのはNGです。自身の強みやスキルを見誤ると、能力を活かせる企業を見落としてしまう恐れもあります。自分のこれまでのキャリアを棚卸しして客観的に自己評価したうえで、自分の強みやスキルを活かせる企業を探すとよいでしょう。
思うように転職先が決まらないことで焦りが出てしまい、「条件に妥協してでも早く転職先を決めたい」と思うこともあるでしょう。しかし妥協して転職先を決めてしまうと、後悔して再び転職活動することになりかねません。短期離職を重ねるほど転職は不利になります。「次の転職先では長く働く」という気持ちを持ち、転職先を決めることが大切です。
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