更新日:2021/09/03
外資系企業とは、外国の法人や外国人投資家が一定以上の出資をしている日本の企業のことを指します。
外資系企業への転職となると、英語力やTOEICスコアが求められるというイメージが強いため、「外資系企業に転職をしてキャリアップをしていきたいけど、どれくらいの英語レベルが必要なのだろう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、外資系企業への転職の際にTOEICスコアがどの程度必要なのか、ということやスコア別の具体的な英語力、さらには効果的な勉強方法などについて詳しく解説します。
転職活動のためだけではなく、ビジネスマンとしてのスキルアップのヒントとしても参考にしてみてください。
目次
外資系企業への転職の際にある程度の英語力は必要となりますが、その基準は企業や業種によって異なります。
英語力の水準として目安となるTOEICですが、それは欠かせないものなのでしょうか。
外資系企業が採用時に特に留意するといわれる3つのポイントについて解説します。
外資系企業の応募条件にTOEICの点数の記載があったとしても、必須条件とは限りません。
TOEICスコアを必須としている企業はあるものの、あくまでも目安として提示している場合もあるため、TOEICのスコアを持たずに応募しても何ら問題はないでしょう。
ただし、TOEICスコアを満たしていたほうが転職活動を有利に進められることは確かです。
では、実際に企業応募者に求める英語力とはどのようなものなのでしょうか。
外資系企業への転職では、英語による面接が複数回にわたって実施されることが多いようです。
そのため、面接の際のコミュニケーションによって応募者の英語能力が十分かどうかを測ります。
TOEICのスコアだけではなく、実際に英語を使って自分の考えを述べられるよう、コミュニケーション能力を鍛えておくことが非常に重要です。
語学留学などによる海外生活の経験や英会話レッスンの受講などは、実践的な英語のコミュニケーション能力の向上させる上で有効でしょう。
外資系企業が本当に求めているのは、ビジネスシーンにおける実用的な英語力です。
外資系企業では、業務を進めるにあたって英文メールのやり取りや、英語での会議や打ち合わせ、商談を行う機会が多くなります。
TOEICの試験では、リスニングとリーディングによる筆記試験のみですが、ビジネスシーンで必要なのは英語によるコミュニケーションスキルなので、TOEICのスコアだけがすべてではないのです。
そのため、TOEICのスコアのみを気にするのではなく、実用的な英語力の習得を意識することが重要と言えます。
外資系企業では問題なく業務ができる語学力としては、おおむねTOEICスコア700点以上が目安となっています。
また、上場企業では海外での業務遂行のために求められるTOEICのスコアが500~600点以上、国際部門で求められるTOEICの平均スコアは750点であるといわれています。
この数字を見る限り、TOEICのスコアを武器に転職活動をしようと考えると、最低でも650点以上を目指したいところです。
(参考:IIBC TOEIC公式サイト『海外出張や赴任の基準』)
業界によってTOEICの点数の基準はあるのでしょうか。
外資系企業とはいっても、様々な業界や職種によって求められる語学力には差があるのが現状です。
そこで、メーカー、金融、コンサル、医療、ホスピタリティ、商社の6つの業界の基準をご紹介します。
外資系メーカーの場合、どの部署であっても英語でのメールのやり取りや会議で議論ができるレベルが必要となり、入社時にTOEICスコアが700点以上あれば基本的に問題はないでしょう。
しかし、管理職や電気・電子関係のエンジニアなどはコードの論文を読む必要があるため、800点~900点以上という高いスコアが求められることもあるようです。
ただし、企業によっては語学力がない場合でもそれにとって代わるスキルがあれば採用する場合もあるようです。
外資系金融の場合、英語による詳細なやり取りが多く、少しの聞き間違いや聞き漏れが大きなミスにつながってしまうケースも少なくありません。
対面での会話はもちろん、比較的難度が高いといわれているネイティブレベルの電話でのやり取りもスムーズにおこなう必要があります。
そのため、TOEICスコアでは800~900点以上程度のハイスコアを目指すとよいでしょう。
コンサル業界は、人気度が高いことから競争率も高く、語学力についても高いレベルが求められます。
特に中途採用の場合は、即戦力として期待されるため、英語力に加えて業務実績が必要になってきます。
業態や業務内容にもよりますが、英語によるクライアントとの細かなやり取りや、プレゼン能力も必要なのでTOEICスコアとしては800~900点以上を目安と考えておきましょう。
医療業界の場合、業界の変化が激しく、医薬品や医療機器などの最新のマニュアルや英語の論文などを読んで理解できる力が求められます。
そのため、高いレベルの語学力が必要となります。
専門的用語などに特化して覚えていくことも重要ですが、業務によって求められる英語力にも幅があるので、650点~850点以上と考えておきましょう。
ホスピタリティ業界の場合、マネージャーや管理職などであれば、外国人上司とのやり取りをすることが多いため、コミュニケーションにおいてそれなりの語学力が求められます。
ただし、実際に顧客に提供するサービスを対応する立場としては、日常会話がスムーズにできるレベルで業務に支障はないようです。
TOEICスコアとしては、ゲストサービスであれば日常会話レベルの600点以上、管理職やシニアクラスの役職であればビジネスレベルの700点以上は必要になるでしょう。
海外に事業を展開している商社も多いため、海外拠点の駐在員として勤務することも少なくありません。
また、日本勤務の場合でも、英語でのやり取りや取引などが頻繁にある場合は、専門的な用語を使用して会話できる語学力が必要です。
商社は人気も高いので、TOEICスコア以外にも海外での在住経験などがあるなど、他の人との差別化が重要になってきます。
TOEICスコアでいうと、最低でも750点以上は欲しいところです。
(参考:IIBC TOEIC公式サイト『目標スコアを決めて、計画的に取り組もう!』)
TOEICでどのくらいの点数が取れているのかによって、英語力をある程度測ることが可能です。
ここでは、TOEICのスコア範囲別の英語力の特徴をご紹介します。
基礎力が身に付いて、できることが増え始めていく段階です。
英語が非常に得意と言えるレベルではありませんが、一定の長さの文章を読むことができ、多くの単語を理解しています。
ただし、外資系企業への転職を目指すのであれば、英語力としてはまだまだ通用しないレベルです。
英語力がある程度身についてきたものの、まだおぼつかない部分もある段階だといえます。
英語での日常会話が可能であることから、世間一般的にも評価をされることが多いでしょう。
ただし、複雑な英語に太刀打ちできるレベルではありません。
外資系企業においては比較的高度な英語力を必要としない部署や職種であれば、採用条件を満たすことができるかもしれません。
英語がある程度でき、ビジネスレベルでも通用する段階だといえます。
専門的な内容は難しいかもしれませんが、外資系企業であれば最低700点以上という基準を設けている企業が多いため、まずはここを目標にしたいところです。
英語を生かして仕事ができるうえに、文章なども細部まで理解できる段階だといえます。
外資系企業の採用基準を満たしている場合がほとんどなので、大きな強みとなるでしょう。
英語力という点ではほとんど困ることはなく、複雑な会話などもスムーズに行える段階です。
外資系企業のどの業務でも基本的に対応することができ、即戦力としての活躍が期待できます。
(参考:IIBC TOEIC公式サイト『海外出張や赴任の基準』)
外資系企業に転職するためにTOEICのスコアで高得点を取るためには、どのような勉強法があるのでしょうか。
特に知っておきたい3つの勉強法についてご紹介します。
まずは、今の自分の実力を把握することが非常に重要です。
現時点で自分がどのレベルであるのかを正確に理解することで、具体的に何をすべきなのかが分かってきます。
現段階においてTOEICでどれくらいの点数が取れるのかを知っていれば、必要な勉強量や苦手分野を把握し、効率的に勉強を進めることができるでしょう。
シャドーイングとは、音声を聞いて復唱するという勉強法を指します。
小学生や中高生の英語学習においてもこの方法が必ず取り入れられているのは、耳で聞いた英語を実際に口に出して音読することで、より記憶に残りやすく、勉強の効率を上げることができるからです。
読解と書く学習に加えて、聞き取る力や発音する動作も動員することで、英単語や定型表現を多く覚えることができて、英文の理解やリスニング力の向上に効果があるでしょう。
TOEICの試験は、リスニング約45分、リーディング75分と試験時間が決められています。
そのため、時間内に問題を解き切る必要があります。
試験の制限時間内に問題を解けるように、過去問を何度も解くなどして問題処理のスピードを高めたり、集中力を持続させたりするためのトレーニングが重要です。
外資系企業に転職するためにTOEIC以外に役立つ語学系の資格にはどのようなものがあるのでしょうか。
将来的に海外駐在などを目指す場合は、TOEIC以外の資格にも視野を広げておくことが非常に重要です。
ここでは、主な5つの資格についてそれぞれ解説します。
TOEFLは、英語を母国語としない学生が英語圏の大学に留学するために英語力を判定する測定試験です。
実際に海外の大学に進学した場合に実生活で必要な技能、「読む」「書く」「聞く」「話す」を総合的に測定します。
最近ではTOEFLのスコアが日本の大学入試の選考基準にも含まれていることが多く、世界的にも注目度は年々高まってきています。
外資系企業では海外における生活の経験なども採用時の判断材料となるため、海外留学に必要な資格として知られるTOFELも有用と言えるでしょう。
(参考:TOFEL公式サイト)
Linguaskill Businessは、ビジネスシーンの英語のコミュニケーションを判定する試験のことです。
主に欧州や東南アジア、中国などの企業や団体で採用や人材育成として活用されています。
スピーキング、ライティング、リーディング&リスニングの3種類のテストがあり、自分に必要なものを選択して受検することが可能です。
外資系企業では、電話対応、会社紹介や営業活動などといった実践的な英語が必要になることから、習得すると大きな武器となるでしょう。
(参考:Linguaskill Business公式サイト)
国際連合公用語英語検定試験は、英語力や国際政治、経済、国際問題などの理解力が求められる試験です。
また、受検級が特A級~E級までの全部で6つの級があるため、様々な人が受験できるのが特徴です。
今まさに地球上で起きている環境問題や世界平和などグローバルな話題でのコミュニケーション能力を育成するのに最適な資格だといえます。
国際機関などで働きたいと考えている方は、習得しておくと良いでしょう。
(参考:国連英検公式サイト)
日商ビジネス英語検定試験は、ビジネスシーンで通用する英語力が求められる試験です。
試験は1級~3級に分かれており、企業で日常的に起こるシーンを想定した英語でのビジネス文書、報告書や企画書の作成などライティングを重視しているのが特徴となっています。
あまり認知度は高くありませんが、特に資料作成などが多い業務の場合には実践的な英語力が身についているとして、アピールポイントになるでしょう。
(参考:日商ビジネス英語検定試験 公式サイト)
実用英語技能検定は「英検」と呼ばれる文部科学省公認の試験で、日本では馴染みのある資格です。
5級~1級までの7つの級があり「聞く」「書く」「読む」「話す」の4つの技能を測定し、試験問題はオリジナルで作成されているのが特徴となっています。
学生時代の英語学習において取得を目指すこと多く、履歴書などに書く際は2級以上の取得が有効と言われています。
日本での認知度が比較的高いことから、外資系企業の転職の際には信頼されることが多く、習得しておけば選考の際にはアピールポイントになるでしょう。
(参考:日本英検協会 公式サイト)
TOEICや資格を持っていれば入社後は特に問題がないという訳ではありません。
外資系企業の転職の際には英語力以外にもスキルが求められます。
ここでは、特に知っておきたい3つのスキルを見ていきましょう。
ビジネスシーンにおいてスムーズな意思疎通が図れるため、外資系企業・日本企業問わずコミュニケーション能力の高さを重視する企業がほとんどです。
コミュニケーションが円滑になることで、顧客との良質な関係を築くことができ、それが会社の売り上げや業績の向上につながることもあるでしょう。
そのため、TOEICや語学系の資格取得だけではなく、プレゼンテーションスキルを学ぶなど、より実践的な英語によるコミュニケーション能力を磨いておくことが重要です。
特に外資系企業では、成果を上司や周囲に認めてもらうための自己アピール能力が求められます。
しっかりアピールできれば、正当な評価を受けられるようになるでしょう。
一般的に外資系企業は成果を出せる人材を求めており、即戦力として活躍してくれるかどうかを重要視します。
そのため、自分の強みは何なのか、自分は今までどんな成果を出してきたのかについて、英語で人に説明できるようにしておくことをおすすめします。
外資系企業では多種多様な国籍・地域の人々とビジネス上で交流することになるため、柔軟性や寛容な姿勢も求められます。
自分の考えに固執することなく、多様な価値観を受け入れていくことが非常に重要です。
柔軟性や寛容な姿勢で仕事をしていると、人から信頼されるようになり、仕事もスムーズに進めることができます。
グローバルな視点を持つことはビジネスを広げていく上でも欠かせない要素と考えられているため、語学力を磨くとともに世界の国々の文化や慣習についても知見を深められるとよいでしょう。
マイナビエージェントは、初めての転職活動でも安心できるサポート体制や、求めている働き方に合う企業の求人情報のご紹介、応募書類の添削や徹底した面接対策などをおこなっているのが強みです。
各業界の転職市場に精通したキャリアアドバイザーにさまざまなことを相談できるので、転職活動における不安を解消できます。
また、企業が内定を出した後に、内定者と企業のフィードバックシステムが入社後のミスマッチ軽減にも活かされています。
外資系企業への転職の場合、TOEICやその他の語学系の資格に加え、コミュニケーション能力や柔軟性も必要です。
転職活動において自身がどのようなことに取り組むべきなのかを悩んでいる方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。
近年、外資系企業への転職を考えている人も多く、資格やスキルを必要とすることから需要が高まってきています。
ひと言で外資系企業といっても、業界や職種によって業務内容や求められるスキルも異なるので、事前にきちんとリサーチして準備することが必要です。
まずは自分がどのような働き方をしたいのか、転職において何を優先するのか、自分が転職において武器とできることは何なのか、などということについてキャリアアドバイザーと一緒に整理していきましょう。
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