企業の花形といわれ、サービスや商品の購入を促す営業は人気が高い職種です。しかし中には、営業に苦手意識を感じており、本当に自分に向いている職種かどうかわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

実際、営業の仕事には困難なこともあります。営業が苦手と感じている方は、「なぜ苦手なのか」を知り、今後に生かしましょう。転職を検討している場合も、まずは自身の適性について考えることが大切です。

ここでは、営業が苦手と感じる人の特徴や、辞めたいと思ってしまう原因と対処法、おすすめの転職先について解説します。

営業の仕事の難しさ

どのような仕事でも難しい部分はありますが、営業の仕事はどのような点が難しいのでしょうか。まずは、営業の仕事の難しさをご紹介します。

ノルマがある

営業の仕事の難しさのひとつには、ノルマの設定が挙げられます。ノルマを達成したかどうかが評価につながるため、ノルマ達成がプレッシャーとなることもあるでしょう。ノルマが達成できないと負い目を感じてしまい、ストレスにつながる可能性があります。

顧客に断られることも

営業先での提案を断られてしまうことも、営業の仕事の難しいところです。特に、飛び込み営業の場合、簡単に提案を受け入れてもらえることはありません。顧客に冷たい態度をとられることもあるでしょう。

営業に向いていない・苦手だと感じる人の6つの特徴

企業によって営業スタイルは異なりますが、営業に向いていない人の特徴として、共通している部分はいくつかあります。営業が苦手で転職を検討している方は、まずは自身の性格や傾向と照らし合わせてみてください。営業に向いていない人や、苦手と感じる人の特徴は下記のとおりです。

1.初対面の相手に緊張してしまう

初対面で緊張して言葉が出てこなくなってしまうという方は、営業に向いているとはいえないでしょう。営業で新規顧客を開拓する際には、はじめて会った相手と打ち解けて、好印象を抱いてもらえる会話力が求められます。

2.人と話すのが苦手で、自分の意見をうまく伝えられない

人と話すのが苦手で、自分の意見をうまく伝えられないという方は、営業として活躍するのが困難であるといえます。営業として活躍するためには、顧客の話をよく聞いてニーズをくみ取り、自社の商品・サービスを利用してもらうメリットを的確に伝える必要があるからです。

3.見た目をあまり気にしていない

周囲の人にどう見られているのかという点に気を配れない方も、営業には向いていません。初対面のときは特に、清潔感のある身だしなみを心掛けて第一印象をよくすることが大切です。

4.計画性がない

計画性がない方は、営業で成果を出しにくいかもしれません。クロージングに至るまでには、計画的に行動することが重要になります。

5.こまめな連絡が苦手

こまめな連絡が苦手という方も、営業には向いていないといえるでしょう。案件の進捗など、ほかの営業担当者への報告を怠ったり、顧客から届いたメールの返事をいつまでも引き延ばしたりする方は社内外で信頼を得られません。

6.気持ちの切り替えが苦手

気持ちを切り替えられず、いつまでも失敗を引きずってしまうという方は、営業の仕事を長く続けられないかもしれません。顧客からのクレームや断りに落ち込むことなく、失敗を次の仕事に生かせれば成果を上げられるでしょう。

営業を辞めたくなる原因

転職が成功して営業として働きはじめたとしても、「営業を辞めたい」と感じてしまう場合があるかもしれません。しかし、営業を辞めたいと感じてしまっても、原因がはっきりすればそれを取り除く努力ができます。努力の方向によっては、仕事を続けられる可能性もあるでしょう。

辞めたいと思ったときは、漠然と思い悩むのではなく、具体的に何が負担になっているのか考えることが大切です。続いては、営業を辞めたいと感じてしまう代表的な理由について見ていきましょう。

人間関係に疲れる

営業は、コミュニケーション能力が必須となる職種です。しかし、先輩や上司、長く付き合う取引先の担当者と、人間関係がうまくいかないという場合もあるでしょう。人間関係で無理や我慢を重ねることでストレスとなることが、営業を辞めたくなる理由となってしまいます。

ノルマが厳しい

ノルマが厳しいということも、営業を辞めたいと思う理由のひとつです。あまりに厳しいノルマを課されると、顧客の課題を解決するという本来の目的ややりがいを見失ってしまい、辞めたいと思ってしまうこともあります。

努力や過程を評価してもらえない

結果がすべてという方針がある企業の場合、案件を進めるうえで努力したことや、工夫した点を評価してもらえないこともあるでしょう。労力を費やしたにもかかわらず、思うような評価を得られないと、自分は営業としての適性がないのだと考えてしまいます。

自社製品やサービスに魅力を感じられない

自社の商材に自信が持てないという理由で、営業を辞めたいと考える人もいます。営業活動を行ううえで、自社の商品・サービスに魅力を感じられなければ、やりがいを感じることもできないでしょう。

営業を辞めたくなったときの対処法

営業を辞めたいという気持ちが強くなってしまったときは、そのまま働き続けていてもモチベーションを保てず、成績もふるわなくなってしまうでしょう。そうなると、ますます辞めたくなるという悪循環に陥ります。

しかし、辞めたいと思ってすぐ退職の準備をするのは早計です。すぐに辞めてしまう前にできることがないか、落ち着いて考えてみるようにしてください。営業を辞めたいと思ったときに、対処すべきことについてご紹介します。

辞めたいと思う理由を明確にする

「性格的に合わない」「会社の方針が不満」「顧客の問題」など、営業が苦手と感じるには理由があります。そのため、営業が苦手と感じることが増えたら、まずは根本となる原因を考えてみてください。

理由を明確にすることは、キャリアプランを立てるときにも役立ちます。営業を辞めて職を変えようと思っている方も、現職を辞める理由が明確でなければ、適切な転職先の選定は難しいでしょう。

上司に相談する

営業の仕事に悩んだり、営業としてのキャリアプランがうまく描けなかったりするときは、上司に相談してみるのがおすすめです。

上司など、会社の人に相談しづらいという場合は、厚生労働省が運営する「総合労働相談コーナー」など、公的な相談窓口に相談するという方法もあります。

成績がよい先輩から手法を学ぶ

成績が伸び悩んでいるときは、成績がよい先輩や同僚の営業手法と自分のやり方を比較してみてください。成績がよい人の業務プロセスやアプローチの手法を参考にして営業活動に取り組むことで、成績を伸ばせる可能性があります。

自分の弱点を見直す

思うように成績が上がらず、会社に貢献できていないことをストレスに感じるのであれば、自分の営業活動を振り返って原因を追及してみましょう。

たとえば、商談まではできるのに契約に結びつかないという場合、クロージングが苦手ということです。苦手な部分がはっきりしたら、それを解消するため、上司や同僚にアドバイスをもらうなどして改善します。

自分の強みを生かす

自己認知は、キャリアの形成に役立つといわれています。その中でも、自分の強みを把握することは、苦手な仕事への対策を立てるひとつのポイントです。営業が苦手な方は一度、自身の強みを見直してみましょう。強みが浮かばない方は、業務の中で得意なものを探してみてください。

強みを把握できたら、どのように生かすかを考えます。強みを伸ばして、これまでと違う視点からアプローチすると、仕事への意識が変わるかもしれません。

社内で部署異動を希望する

自社商材の魅力を感じにくくなったり、営業という職種に向いていないと思ったりした場合は、社内で部署異動を申請するという方法もあります。異動先が自分に合う職種であれば、会社を辞めずに働き続けられるでしょう。

転職する

仕事に対して前向きな気持ちを抱けず、辞めたいという現状が変わらないと判断したのであれば、転職を検討することになります。

転職する際の注意点としては会社が合わない、職種に適性がない、能力を生かせる業界ではないなど、自分が営業を辞めたいと思う理由を確認したうえで転職先を選ぶことが大切です。

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営業が苦手なことを理由に転職する際の注意点

苦手だからという理由で営業を辞めた場合、転職先にそのままの理由を伝えるのは避けてください。正直に「営業が苦手だったので辞めました」と話すと、就職後も苦手なことがあれば仕事をすぐに辞めるのではないか、という印象を与えてしまいます。

しかし、嘘をつくのは得策ではありません。転職理由を聞かれた際は、できるだけポジティブな理由に変えて答えましょう。前職で実現できないキャリアを、転職で叶えたいという方向に変換するのがおすすめです。

営業が苦手と感じる人におすすめの転職先

営業で培ったコミュニケーション能力や提案力は、ほかの職種でも生かしやすいスキルです。そのため転職を検討している方は、経験やスキルが役立つ仕事を選ぶとよいでしょう。未経験であっても、営業のスキルが生きる職種は存在します。ここでは、営業が苦手な方におすすめの職種を見ていきしましょう。

事務職

営業から同じ業界の事務職への転職であれば、取り扱う商材や顧客・営業担当者の要望などを理解しやすいため、スムーズに仕事に取り組むことが可能です。また、事務の仕事では、営業で培ったコミュニケーション能力や事務遂行能力、スケジュール管理能力なども生かせます。

コールセンタースタッフ

未経験業界の求人が多いコールセンタースタッフは、営業のスキルを生かしやすい職種です。特に、テレアポやカスタマーサポートなどは、コミュニケーション能力を必要とします。営業で、クライアントへの問題解決の提案を得意としていた方におすすめです。

インセンティブを設けている企業もあるため、「目標達成に向けて仕事に取り組みたい」と考えている方も向いています。

ITエンジニア

ITエンジニアは未経験から挑戦できる仕事です。慢性的な人手不足により売り手市場が続いているため、求人数も安定しています。

黙々と仕事をこなすイメージのあるITエンジニアですが、顧客と関わったりチームで開発したりなど、コミュニケーションを取る場面も少なくありません。直接顧客と関わる場合には、ヒアリング力や提案力も重視されるため、営業で培ったスキルを生かしやすいでしょう。

一方、技術力で評価されやすいのも特徴。人間関係を気にせず業務に取り組める企業もあるため、人付き合いが苦手な方にもおすすめです。

販売職

販売職は営業と同様、高いコミュニケーション能力が要求される職種です。顧客のニーズをいち早く察知して、臨機応変な対応が求められる販売職では、営業活動でさまざまな顧客に接してきた経験を生かせるでしょう。

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営業職から転職した方の成功事例

実際に、営業職からほかの職種への転職を成功させている方も少なくありません。転職は勇気がいることですが、一歩踏み出せば未来は変わるでしょう。ここでは、営業のスキルを生かしながら、やりがいのある仕事に出会えた例をご紹介します。

数字に追われることに疲れて転職したケース

個人営業と法人営業、どちらも経験しているAさん。営業の仕事をとおして知識やスキルを身につけましたが、「数字に追われる毎日」に疲れることが多くなりました。ノルマ達成の喜びは大きいのですが、売り上げの有無による気分の浮き沈みに疲労感も増していきます。

そこで、数字だけを追う仕事ではなく、自分のやりたいことを優先して人事業務へ転職しました。人事業務では、営業で培ったコミュニケーション能力やプレゼン力が生きるうえに、採用や育成を見守る楽しさがあります。数字を求めて物を売るという仕事ではなく、人とのつながりをより大切にできる現職にやりがいを感じるようになったということです。

将来のキャリアに不安を抱いて転職したケース

イベントの企画営業を担当していたSさん。もともとイベントが好きだったこともあり、自分の企画で大勢の人を喜ばせたいと大きな夢を抱いて入社しました。しかし、やりたい仕事だったものの、給与や福利厚生面の待遇に不満があったといいます。

働き続けるうちに、「このままで将来的に大丈夫だろうか」という不安が大きくなり、イベントの企画をメインに行う企業へ転職しました。現職では、頑張り次第で報酬がアップする点、休日を確保しながらキャリアを積める点に非常に満足しています。

営業で培ったコミュニケーションスキルは、多くの職種で役立つ大切なものです。営業経験は、自身のキャリアの幅を広げてくれました。

人見知りに悩んで転職したケース

不動産会社で営業職を担当していたKさん。営業職での採用は意図したものではなかったため、仕事が苦手と感じることが増えていきます。もともと人見知りであるため、接客が好きになれずに苦労することもありました。

そこで、以前から興味のあった情報業界へ転職します。「やりたいこと」を仕事にしたため、仕事が楽しいと感じるようになりました。現職では接客の仕事はありませんが、上司や同僚とコミュニケーションをとる際に、営業の経験が役立っています。

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まとめ

「営業が苦手」「自分には向いていない」と思ったときは、まず、何が原因で負担を感じているのかを分析する必要があります。そのうえで、転職を含めた問題解決の方法を模索しましょう。苦手と感じる理由を明確にすれば、転職先探しもスムーズに進みます。

自分に合う職種がわからないという方は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。マイナビエージェントでは、求職者の方の経験やスキルを踏まえたうえで、最適な転職先をご紹介しています。求職者の皆さまの転職活動全般をサポートさせていただきますので、ぜひ一度ご相談ください。

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