更新日:2022/03/30
この記事のまとめ
「転職先は無事に決まった!でも、今働いている会社を円満退社するためには、どう進めていけば良いのだろう...」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
トラブルなく退社するためには、退職の意思を、いつ、誰に、どのように伝えるかがとても重要になってきます。
ここでは、在籍している会社に、上手に退職の意思を伝えるポイントについて詳しく紹介していきます。
目次
退職の意思を伝える前にまずやっておきたいのは、自分の気持ちを確認することです。
「覆水盆に返らず」ということわざがあるように、一度会社に対して退職の意思を伝えてしまうと、たとえ後から思い直して撤回しても、言わなかったことにはできません。
「一度は退職しようとした人」という評価がついてしまい、その後の昇進・昇格に影響する可能性もあります。
また、退職の意思が固まっていないと、強い引き止めにあったときに気持ちが揺らいでしまい、ずるずると今の仕事を続けることにもなりかねません。
このようなことから、まずは「なぜ退職するのか」「本当に退職して良いのか」を再確認すること、一度決めたら揺らがないことは非常に重要なことなのです。
自らの退職の気持ちが固まったら、次は退職希望日をいつにするかを考えます。
無期雇用契約している方の場合、民法上では、14日前までに退職の申し出を行えば退職できるとされていますが、働いている会社の都合を一切考えない退職日設定は、トラブルの元となります。
たとえば、繁忙期は避け、有給休暇の残数なども考慮した上で、2~3ヵ月先に設定すると良いでしょう。
退職の意思が固まり、退職希望日も考えたら、いよいよ退職の意思を会社に伝える段階となります。
ここでのポイントは、「いつ、誰に、どうやって伝えるか」です。
退職の意思表示は、まずは、直属の上司に口頭で行うのがマナーです。
直属の上司を飛び越えて社長や部長などに話してしまうと、直属の上司の管理能力が問われることになり、余計なトラブルになりかねません。
たとえ上司と折り合いが悪くても、まずは直属の上司に「ご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけないでしょうか」と持ちかけ、きちんと時間を作ってもらった上で、退職の意思を伝えるようにしましょう。
退職の意思の伝え方にもコツがあります。
いきなり「◯月×日に辞めます」と断言したり、逆に「退職したいと思うのですが...」と退職するかどうかを上司に相談したりするような言い方は、どちらもNGです。
前者のような強硬な姿勢は、上司に不快な印象を与え、トラブルの元になりかねませんし、後者のはっきりしない言い方では、迷っていると思われて、引き止められやすくなってしまいます。
ポイントは、丁寧に落ち着いた表現で、はっきりと退職の意思を伝えることです。
「たいへんお話しにくいことですが、退職させていただきたいと考えています」などと切り出し、これまでお世話になったことへの感謝も忘れずに伝えるようにしましょう。
退職の理由は「一身上の都合」とすれば良いでしょう。
詳しい理由を聞かれたら、相手に納得してもらいやすい個人的な理由を伝えることが鉄則です。
たとえば、「元々◯◯に興味がありました。もちろん、今の仕事にもやりがいは感じているのですが、早期に△△業界に挑戦したいという思いが捨てきれず、転職したいと考えています」など、別の道を選ぶポジティブな理由を伝えるのは良い方法です。
また、「夫の転勤先についていくことにした」「親の介護をすることになった」「体調が優れない」など、家庭の事情や体調に関することは、受け入れられやすい傾向があります。
反対にやってはいけないのは、会社への不平不満をそのまま伝えることです。
「来期は希望の部署に異動させるから、残ってくれ」など、引き止め工作の材料にされてしまうので、たとえ不平不満があっても、口には出さないようにしましょう。
上司に退職の意思を伝えた際、強い引き止めにあう場合があります。
「部下が辞めてしまうと上司の評価が下がってしまう」「あなた自身が会社にとって重要な人物だから」「上司が心からあなたを思ってのことだから」など、引き止めの理由は様々ですが、どの場合でも大切なのは、丁寧な態度で会社への感謝や誠意は示しつつ、退職の意思は変わらないことを繰り返し伝えることです。
「待遇を改善するから残ってほしい」といった申し出があれば、心が揺らぐこともあるでしょう。
しかし、なぜ自分は転職を決めたのかという原点に立ち返り、はっきりと断るべきです。
実際に引き止めに応じて残っても、引き止め時の口約束が守られなかったり、「一度は辞めようとした人」というレッテルを貼られて、会社にいづらくなったりということは珍しくありません。もし引き止めに応じる場合は、それらの可能性も考慮して、慎重に判断してください。
なお、引き止めの一種として、退職そのものは認めるものの、「後任が見つかるまで待ってほしい」と、退職日の後ろ倒しを打診されることがあります。
一見、もっともな理由に思えますし、後任を育てた上で引き継ぐに越したことはありませんが、会社の後任採用が予定どおり進む保証はなく、採用ができなければ退職時期がずるずると延びてしまうことになります。
このような場合の対応は、あらかじめこのような場合を想定し、希望退職日までの時間を長め(2~3ヵ月程度)に設定した上で、「退職までの2ヵ月間にしっかり引き継ぎができるようにします」など、誠意を見せつつ、退職日の後ろ倒しは断るのがベストです。
上司への報告を終え、退職が正式に了承され、退職日が正式に決まったら、退職願を書いて会社に提出することになります。
提出時期や提出先、書式などは会社の規則で決まっていればそれに従い、なければ自筆で作成した物を退職日のおよそ1ヵ月前までに、直属の上司に提出します。
自分で退職願を作成する場合は、白地で縦書きの便箋に、黒のボールペンか万年筆で書き、白地の縦長封筒に入れて提出するのがマナーです。
封筒の表中央には「退職願」と書き、裏には自分の所属する部署名と氏名を書きましょう。
文面は、まず1行目の中央に「退職願」と書き、1行空けた次の行の一番下に「私事」と書きます。
続いての行の冒頭から「この度、一身上の都合により、◯年△月×日(退職日)をもちまして退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」と続けます。
本文の左隣の3行を使って、書類を提出する年月日と所属部署を記載し、そして記名・押印を行います。
最後に、左端の上部に宛先として、2行を使い「株式会社□□□□/代表取締役社長 ■■■殿」と書けば完成です。
なお、「退職願」と間違いやすいものに「退職届」がありますが、退職願は、会社に受理されて初めて退職が確定するものであるのに対し、退職届は退職することを一方的に通知するものです。
会社が退職願の受け取りを拒否するなどの事情があれば、退職届を提出することもやむをえませんが、通常は退職願を提出することになります。
気持ち良く新たな道へ踏み出すには、円満退社をすることは欠かせません。
快く会社から送り出してもらえるように、辞める会社への誠意と感謝を忘れずに、きちんとした流れで、退職の手続きを進めましょう。
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