更新日:2022/11/11
この記事のまとめ
転職をする際に避けてとおれないのが、いまの会社に対して退職願や退職届を提出することです。
いままでお世話になった上司や会社に「辞めます」と伝えることは非常に心苦しいことですが、それをしない限り次の一歩を踏み出すことはできません。
しかし、勇気を持って辞めますと伝えても、必ずしも快諾してもらえるわけではありません。場合によっては引き止めにあってしまう場合もあるでしょう。
そこで今回は、会社や上司による転職の引き止めにあってしまった場合の5つの対処法について解説します。
目次
会社にとって、社員が辞めてしまうというのは非常に大きな損失です。あなたが担当していた仕事が進まなくなるというのはもちろんですが、後任となる人を採用したり、一から教育をし直したりする必要もあるため、たくさんのコストと時間が掛かってしまうからです。
また、上司にとっても、そのような状況は喜ばしいものではありません。場合によっては、上司の管理能力が問われ、評価を下げられてしまうこともあるのです。そういった背景があるからこそ、会社としても、上司としても、あなたの退職はそのまま笑顔で受け止められないのです。
また、社員のこれからのことを心配している場合もあります。今後も自社で活躍してくれる人材であるため、辞めないでほしいと思っているケースもあるでしょう。
スムーズに退職したいのであれば、引き止めを防がなくてはなりません。ここでは、退職のタイミングや上司への相談、転職理由の伝え方を解説します。どのようなマインドで退職を伝えるとよいのかも見ていきましょう。円満退職したいと考えている方は、ぜひお役立てください。
繁忙期など、仕事が特に忙しくなるタイミングは、社員一人ひとりに求める業務量も多くなりがちです。そのような時期に退職しようとすれば、引き止められてしまうでしょう。
場合によっては上司だけではなく、あなたが退職することによってしわ寄せが来る同僚たちからも引き止められることも考えられます。一年の中で、余裕のある時期を狙うようにしましょう。
民法では「会社に退職を申し出てから、2週間で退職できる」と定められていますが、多くの会社ではそれ以上の「1ヵ月前までに申し出ること」という就業規則が設けられています。
会社のルールを破った状態での交渉は、どうしても不利になってしまいますので、退職しようと思ったときはなるべく早く伝えるようにしたほうがよいでしょう。
そのような姿勢が、会社への負担をできるだけ減らしたいという思いとして伝わるため、引き止めを防ぎやすくなる傾向があります。
上司からの引き止めを避けたいのであれば、「違う業界で活躍したい」といった退職理由を述べるなど、現職では実現できない夢や目標を伝えたうえで退職したい旨を話しましょう。
曖昧な退職理由では、「うちの会社でもよいのではないか」と思われてしまいます。退職する理由に納得感を持たせるのがポイントです。
退職の際には、後任者への引き継ぎ作業が必要です。引き継ぎ作業が難航すると、退職日が先に延びてしまうケースも少なくありません。転職先の入社日に影響を及ぼすことも考えられます。
このような事態を避けるため、退職の際に必要となる作業をリストアップし、事前にマニュアルを作成しておきます。上司に退職意思を伝える際に、すでに引き継ぎの準備が進んでいれば、後任の社員にスムーズに任せられるでしょう。
意外と大切になってくるのが、意志の部分です。相手に「交渉の余地がある」「説得すれば踏みとどまってもらえる」と思われてしまっては、引き止めはより強力なものになるでしょう。情に流されないように「退職する」という強い意志を持って伝えましょう。
ここからは、よくある引き止めに対する対処法を、パターン別にご紹介していきます。
それまで特によい待遇で迎えてくれていたわけではないのに、退職を申し出た途端、あなたの存在価値を認め、評価を上げてくるパターンです。
確かに自分の価値が認められた会社で働けるというのは非常に魅力的なことですが、果たして転職を思いとどまるほど価値のあることなのか、いま一度、考え直すようにしてください。
転職したいと思った理由をじっくりと振り返れば、そのような評価のされ方では満足できない自分の姿も容易に想像できるでしょう。評価されたことに気持ちよくなってしまい、本来の目的を見失ってしまってはいけません。
社員が辞めることによる会社側の負担は、かなり大きいものがあります。特に、あなたが担当していた仕事を引き受けなければならない同僚たちの苦労を引き合いに出されると、こちらもなかなか強気には出られないでしょう。
しかし、そのようなことをいっていては、いつまで経っても退職できません。少なからず誰かに迷惑が掛かることは不可避ですから、心を鬼にして、自分の意志をとおすようにしましょう。
待遇や勤務体系を理由に退職を願い出た場合に、行われることが多いのが条件交渉タイプの引き止めです。確かに働く条件がよくなれば、もう少しここで頑張ってみようと思う気持ちは分かりますが、これらの約束は実行されないまま終わってしまう場合があります。
条件が変わるだけで辞めたいという気持ちが本当になくなるのかどうか、一度持ち帰ってじっくり考えてみるのもよいでしょう。いずれにしても、すぐに結論を出さないことが大切です。
退職希望者の不安を誘い、退職を防ごうと考える上司もいます。「いまのスキルだとどこの企業にも通用しない」「転職すると年収が下がる」など転職のデメリットを伝えて、退職を考え直すことを期待しているのです。
また、「転職先の企業は経営状況が悪い」「転職先はブラック企業」など、ネガティブな話をして退職を防ぐこともあります。この場合は、強い意志があっての退職であると伝えるのが効果的です。
転職を引き止めようとするあまり、強引な手段を使う上司もいます。「辞めさせない」「退職はできない」と言われるケースもあるでしょう。また、話しすら聞いてもらえなかったり、「損害賠償を請求する」などの脅しのような引き止めをされたりする場合もあります。過度な引き止めや話し合いの場を設けてもらえないようなら、メールで退職を申し出るのもひとつの方法です。
引き止めにあったときの対処法についてご紹介してきましたが、一方でやってはいけないこともあります。それが「引き止めの話をまったく聞かない」ということです。
最終的に自分の意志を優先するとしても、退職まで、まだ1ヵ月程度は働き続けなければなりません。その期間を気持ちよく過ごすためにも、上司や同僚との人間関係を壊してしまうのは避けたいところです。相手の話をしっかりと聞き、自分の思いもすべて伝えたうえで、意志を貫くようにしましょう。
引き止めにあった際に、気持ちが揺らぐ方も少なくありません。これまでお世話になった会社を辞めるわけですから、迷いが生じることもあるでしょう。
現職にとどまるべきか悩んだときには、自分の中で判断基準を設けてみるのもひとつの方法です。以下では、退職したほうがよいケースと、会社に残ったほうがよいケースをご紹介します。
引き止めにあった際には、転職を決意した根本的な部分に目を向けるようにしましょう。「いまの会社で目標が実現できるのか」「自分の仕事軸に合う働き方ができるのか」という部分を意識し、退職を判断するのがポイントです。
このままではキャリアプランが実現できないと感じる場合や、現職にとどまっても問題が解決しないと思うのであれば、退職の意思をはっきりと伝えましょう。
待遇改善と引き換えに退職を引き止められることもあります。退職を決意した理由が、給与や労働環境に対する不満の場合、条件次第では理想としていた給与や働き方を手に入れられるかもしれません。
待遇改善によって、悩みが根本的に解決されると判断した場合は、いまの会社に残る選択をしてもよいでしょう。ただし、どんなによい条件であっても即答はせず、一度じっくりと考えてから結論を出します。会社に残ると決意した場合は、待遇改善が口約束にならないよう、文書を作成し会社側と確認しておくと安心です。
上司から引き止めにあったり、退職交渉がうまくいかなかったりなど、退職に悩む方も多いでしょう。その場合には、転職エージェントを活用するのもひとつの方法です。
マイナビエージェントでは、会社側との退職交渉や退職のスケジュールに関してのサポートも行っています。「転職を決意したが上司に引き止められている」、「退職までどのように動けばよいか分からない」といった悩みがあれば、まず一度お話をお聞かせください。
退職は、会社や同僚に迷惑を掛ける心苦しい行為です。しかし、何よりも優先すべきなのは、自分自身の幸せです。自分を犠牲にしてでも、いまの会社で働き続けなければならないような責任は、何ひとつないのです。
引き止めにあった際も、自分が退職しようと思った理由、転職によって成し遂げたいことをしっかりと思い出し、強い意志をもって対応をするように心掛けましょう。
マイナビエージェントでは、一人ひとりの転職活動をしっかりとサポートします。退職に関するアドバイスも行っていますので、スムーズな転職を望む方は、ぜひご利用ください。
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