更新日:2022/05/27
この記事のまとめ
「製造業は技術職のイメージがある」「文系は転職に不利なのでは?」といったように、文系出身者は製造業への転職が難しい印象を持っている方もいるのではないでしょうか。文系出身者は理系出身者と比べて人口も多く、大手の製造業では倍率が高くなることも考えられるでしょう。
しかし、製造業への転職では、文系・理系よりも採用を左右するポイントがあります。そこでこの記事では、文系であることは製造業の転職に影響するか解説します。文系におすすめの職種も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
一般的に製造業は技術職のイメージが強く、IT化やシステム化が進む中、文系より理系のほうが転職に有利なのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。しかし、製造業にはさまざまな職種があるため、一概にはいえません。ここでは、文系・理系がどのように転職に影響するのか解説します。
学歴が影響することはあっても、文系・理系が転職を左右することはほとんどありません。採用後の業務内容も変わらず、配属先での給与や待遇の差別もないでしょう。
ただし、職種によっては「文系出身の強み」「理系出身の強み」を生かせる場面が異なる場合があります。社会人経験が少ないのであれば、学校で学んだことを面接でアピールするとよいでしょう。
文系・理系ではなく個人の能力によって配属先が決まるのが一般的です。たとえば、「体力がある」「力仕事が得意」「几帳面でミスが少ない」といった個人の能力は、文系出身か理系出身かで決まるわけではありません。
ただし、文系のイメージとして「コミュニケーション能力が高そう」と認められた場合、営業・人事・広報といった人と接する機会の多い部署に配属されるケースがあります。一方、理系のイメージとして「黙々と作業をこなすタイプ」と認められれば、機械加工や研究開発に配属されることも考えられるでしょう。
文系出身者は理系出身者よりも人口が多く、応募する職種によっては競争相手が多くなります。理系出身者はプラントエンジニアや研究開発といった技術職を目指す方が多い一方、文系出身者は営業や事務職への応募が多い傾向です。
製造業は技術職のほうが採用人数は多いため、文系出身者が狙っている職種は採用人数が少なく倍率も高くなります。特に大手の製造業で文系のスキルを生かした職種に応募する場合、採用は狭き門となるでしょう。
製造業にはさまざまな職種があるため、文系の強みを生かした職種が分からない方もいるでしょう。文系出身者はコミュニケーション能力や情報収集能力、文章作成能力に長けている方が多く、それらの強みを生かせる職種がおすすめです。ここでは、文系出身者が目指せる職種を紹介します。
消費者ニーズに合った商品を企画する仕事が商品企画で、「新商品を生み出す」「既存商品を改良する」といった業務があります。主な業務は以下のとおりです。
商品を企画する発想力と社内外とのコミュニケーション能力が求められるため、文系出身者が狙いやすい職種といえるでしょう。
市場ニーズや消費者ニーズを分析し、プロジェクトの立案から広告戦略まで幅広くこなす仕事がマーケティングです。主な業務内容は以下のとおりです。
マーケティングは企業の収益を左右する重要なポジションです。流行やトレンドに敏感な人やデータ分析能力が高い人に向いています。また、プロジェクトはマーケティング部門だけで完結しないため、社内外との円滑なコミュニケーションも大切です。
材料や部品の組み立て・加工をする仕事が製造です。メーカーや取り扱う商品によって細かい業務は異なりますが、基本的にマニュアルが用意されているため、未経験でも働きやすいという特徴があります。工業製品のチップの組み込みや食品のパッケージ化、自動車や農業機械の部品を作る鍛造といった作業が業務内容の一例です。
製造業は組み立て・加工に多くの人員を配置するため、採用人数も多い傾向があります。業務内容が単調に感じる人もいますが、ものづくりに携わるのが好きな人や集中力のある人が向いている職種です。また、数字や図面をもとに作業することもあり、業務の正確性も重視されます。
業務で使う原料や消耗品を調達する仕事です。伝達ミスがないように各部門とコミュニケーションを取り、納期遅れを防ぐためのスケジューリングもします。主な業務内容は以下のとおりです。
調達業務は発注から検査・検収までルーチンワークが多い傾向があるため、適正な価格で発注することや無駄なリソースを減らす効率化が大切です。過去の仕入れデータを確認して分析したり、コストダウンできないか見直したりといった業務も担当します。
生産管理は、生産活動を効率よく進めるための仕事です。販売計画に基づいて生産計画を立て、仕入れ先の決定や価格交渉、納期管理や在庫管理と業務内容は多岐にわたります。主な業務は以下のとおりです。
生産ラインを確認し、生産能力に応じた計画を立てるのが重要であるため、スケジュール管理能力が求められます。また、不良品を減らして品質トラブルをなくす必要があることから、数字や計算が得意な人や業務を正確にこなせる人が向いています。
企業のお金の流れを数値化して管理する仕事です。製造業における経理は「製品が利益を獲得できているか」「ロスが発生していないか」といった点をチェックする役割を担っています。主な業務内容は以下のとおりです。
現在はクラウド型会計ソフトを取り入れている企業が多く、ヒューマンエラーが減って効率的になりました。ただし、システムに合わせた製造フローの見直しやデータの異常には注意しなければならないため、業務の正確性や書類作成能力が求められます。
企業の法律業務を担うのが法務の仕事です。法律に基づいて契約や取引の問題点を洗い出す契約審査のほか、コンプライアンス体制を作り、社内秩序を守る役割も担っています。主な業務は以下のとおりです。
クライアントや他企業とトラブルが発生した場合、法務部門が対応することもあります。その際には論理的思考やコミュニケーション能力が求められるため、文系出身者が狙える職種のひとつです。
企業の人材採用に関わるのが人事、企業がスムーズに活動するための業務を担うのが総務の仕事です。企業によっては、人事と総務は兼任することもあります。人事と総務の主な業務は以下のとおりです。
【人事】
【総務】
人事・総務は人と接する機会が多く、コミュニケーション能力が大切です。また、さまざまな書類を作成できるパソコンスキルや簿記のスキルも求められます。
自社製品のPRや活動報告をし、社会の人々に広く認知してもらえるように活動するのが広報の仕事です。広報には、社外広報と社内広報があります。それぞれの業務は以下のとおりです。
【社外広報】
【社内広報】
広報では、マスコミやメディアへの取材に対応できるコミュニケーション能力が求められます。また、プレスリリース配信や社内広報は文章で作成するため、文章作成スキルも大切です。
自社の製品を知ってもらい、購買意欲をかき立てるための売り込みをするのが営業の仕事です。自社の製品やサービスを知らない新規顧客の開拓と既存顧客への営業があります。
新規顧客の開拓は製品やサービスを知らない人に営業するため、難易度は高いかもしれません。その分、興味を持ってくれたときは達成感を感じられるでしょう。既存顧客への営業は、契約している商品のほかに販売できそうな商品を売り込むために定期的に訪問します。
営業は企業の売り上げに関わる重要なポジションです。コミュニケーション能力やビジネスマナー、誠実さといったスキルが求められます。
営業や品質管理、生産管理といった職種も理系には向いていますが、特に、研究開発やプラントエンジニアは理系ならではの仕事といえるでしょう。
研究開発は、製品実用化のための研究や開発をする仕事です。新商品を生み出したり企業の技術力を証明したりする重要なポジションで、ものづくりの根幹を担います。主な業務内容は、実験結果の分析に基づいた調査報告書やレポートの作成です。また、生産部門や営業部門と連携することもあるため、コミュニケーション能力も求められます。
プラントエンジニアは、工場設備や生産設備の設計・管理をする技術者です。特別な資格がなくても目指せる職種ですが、高度な専門知識が必要で、分野によって求められる知識は異なります。いずれも理工学部の学士以上の知識が求められ、プラントエンジニアとして働いている人の中には修士・博士の学位を持つ人もいます。
製造業への転職は、学歴が採用に影響することはあっても文系・理系はそれほど影響ありません。ただし、文系出身者の応募が多い広報や総務といった職種は採用人数が少なく、倍率が高い傾向があることに注意しましょう。
文系・理系よりも個人の能力をアピールすることが大切です。「人と接する仕事が好き」「計算や情報収集が得意」といったスキルを生かして転職活動に臨みましょう。
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