更新日:2024/02/08
この記事のまとめ
IT業界でいうエンジニアは、デジタル技術を駆使してシステムやサービスを開発する専門職種です。変化が激しいIT業界で活躍し続けるためには、きちんとしたキャリアパスを描いて歩んでいかなければなりません。しかし、エンジニアにはどのようなキャリアパスがあるのか、よく分かっていないという方は意外に多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、エンジニアのキャリアパスの特徴を解説します。キャリアパスの決め方や注意点のほか、代表的な転職事例についてもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
エンジニアとしてキャリアアップ・キャリアチェンジを望むのであれば、キャリアの方針について考えることが不可欠です。実際に、企業の商流や職種によって求められる能力は違います。
自身の適性やスキル、興味のある分野など、さまざまな角度からキャリアを見つめてみましょう。そうしてキャリアパスを描いていく中で、今後必要となるスキルや経験が見えやすくなります。
たとえ転職をすることになっても、それは無駄にはなりません。ミスマッチが減ったり、希望の条件が通りやすくなったりと、メリットになることのほうが多いでしょう。
IT業界は他業界と比較しても変化が速く、キャリアの流れもトレンドに合わせて変わりやすいといえます。ITエンジニアにどのようなキャリアパスの流れがあるのか、最近の傾向を詳しく解説します。
かつてのエンジニアは、開発職を経験したのち上流工程を担当するのが一般的でした。しかし現代ではさまざまなWebサービスを提供する企業が台頭していることから、エンジニアのキャリアパスも多様化しています。
その結果、従来のマネジメント系のエンジニアだけでなく、技術者として専門性を追求するエンジニアが生まれるようになりました。転職先として多くの企業を選べるようになったのも、大きく変わった点のひとつでしょう。
IT業界は日々のニーズやトレンドが目まぐるしく変化する業界です。たとえば、これまではシステムの開発や運用、保守といった業務やサービスが中心でした。しかし今後はAIやクラウド、ビッグデータなどを用いた領域に需要が集まる見通しです。
以上から、ひとつの技術や領域にとらわれることなく、柔軟にキャリア戦略を立てる必要があるといえるでしょう。日々業界のトレンドを追いつつ、自分のスキルをどのように成長させるべきか考える必要があります。
エンジニアのキャリアパスにはいくつか選択肢があります。具体的な職種として目標を立てる前に、どのような方向でキャリアを形成できるのか知っておくのがおすすめです。ここでは、エンジニアの4つのキャリアパスについて紹介します。
ひとつの分野に特化し、専門性を高めていく技術者が「スペシャリスト」です。技術的な領域でバリューを発揮するため、プログラミングや開発の専門家というイメージが最適でしょう。
開発の中でも、実装部分を担当することもあれば、チームの責任者を担うこともあります。企業によっては「テックリード」や「CTO(最高技術責任者)」といったポジションを用意しているケースも見られます。要するに、開発業務全体をまとめるプロフェッショナルという立場です。
スペシャリストと違い、幅広い業務を担うのが「ゼネラリスト」です。エンジニアにおいては、システム開発の設計からテスト、運用までを全体的に取りまとめる存在になります。
プロジェクト全体に視野を広げる必要があるため、状況次第ではチームのマネジメントも必要です。各工程を担当しているメンバーと連携を取りつつ、システムが安定稼働するように配慮します。
エンジニアで開発職を経験したのち、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)を目指す方が多く見られます。
開発部門やチーム全体のマネジメントをする管理職が「マネージャー」です。個別単位のプロジェクトを担当することもありますが、部署やチーム全体の管理を任せられることも多々あります。
人事評価や人材採用といった、企業の意思決定に関わる機会が増えるため、経営に携わってみたい方に向いているでしょう。プロジェクトマネージャーとして経験を重ねつつ、経営層を目指すキャリアプランがおすすめです。
一定の経験やスキルを身につけたのちに、独立して活躍するのが「フリーランス」です。自分の能力次第で職種を随時変更できるため、特定のキャリアパスに定まることがありません。
フリーランスは、エンジニアとして「十分なスキル」を持っていることが前提です。加えて営業やスケジュール、経理作業まで自分で管理する必要があります。自己管理力が低いと勤まらない反面、自由度や報酬面にアドバンテージがあるキャリアプランです。
キャリアの方向性を定めるには、いくつかのポイントがあります。目指す職種や希望する企業によって必要な経験・スキルが違うため、早めの対策が重要です。将来目指しているエンジニア像を具体的にイメージできるよう、代表的なポイントをまとめました。
まずは、エンジニアとしてどのような道を歩んでいきたいのか、キャリアパスを考えましょう。開発の専門家「スペシャリスト」なのか、総合力で勝負する「ゼネラリスト」なのか、管理に徹する「マネージャー」なのか、などです。自由にキャリアを形成する「フリーランス」の道もあります。
すぐにどれかへ決めてしまう必要はありません。自分の適性や目指す方向性を十分吟味してからで大丈夫です。この段階では、判断材料を増やしておくことが重要です。
キャリアパスを決める際には、現時点での経験やスキルを明確にすることが重要です。関わってきたプロジェクトや解決してきた課題などを振り返り、言語化できるようにしておきましょう。
そこまで整理できれば、今後の方向性や伸ばしていくべきスキルが浮き彫りになります。開発・マネジメント・リーダーシップなど、どの領域で花を咲かせたいのか向き合えるでしょう。
自分が目指すべきゴールを決め、そこまでの道筋を考えましょう。特に、業界のビジネスモデルと業務フェーズに注目して考えるのがポイントです。
ビジネスモデルは、BtoB(企業向けシステム)やBtoC(一般消費者向けシステム)などのことです。業務フェーズには、上流工程から下流工程までそれぞれの担当があります。
これらを組み合わせたポジションをゴールとして目指せば、理想のキャリアを突き進める可能性が高まるでしょう。
エンジニアは職種によってキャリアパスが細分化されています。具体的なキャリアの傾向を知っておくことで、どのような目標を定めて業務に取り組むべきかが明確になるでしょう。ここでは、「システムエンジニア」「ネットワークエンジニア」「Webエンジニア」に分けて紹介します。
システムエンジニアは要件定義や対応言語の拡大、データベーススキルの向上などでスペシャリストを目指せます。チームの開発指揮を担当できるほか、データベースの専門家として活躍するといったキャリアパスも可能です。
コンサルティングやセキュリティのスキルを磨けば、ゼネラリストも目指せます。企業から依頼を受けて課題を解決するコンサルタントや、システムの安全を担保するセキュリティエンジニアなどが考えられるでしょう。
ネットワークエンジニアは、上流工程(システム企画や要件定義)のスキルを伸ばすことでスペシャリストとしての道が見えてきます。ネットワークの構築から運用までをひとりで担当できるため、企業のIT環境構築のサポートをするコンサルタントにもなれるでしょう。
またセキュリティスキルやサーバーサイドの知見を深めることで、ゼネラリストも目指せます。
Webエンジニアには、専門性を高めるスペシャリスト、総合力で勝負するゼネラリスト、管理に徹するマネージャーの3つのキャリアパスがあります。自分がどの領域でキャリアを描いていきたいか、イメージするのが重要です。
一方で、ITコンサルタントやセールスエンジニアといった、ほかの職種にキャリアチェンジするケースもあります。いずれの道でもWebエンジニアで培ったスキルを転用しやすいでしょう。
エンジニアのキャリアパスのひとつにフリーランスがあります。働いたら働いた分だけ収入を得られることや、自分のペースで仕事ができることなどに憧れている方も少なくないでしょう。
ただ、フリーランスは安定性に乏しい働き方であり、コネクションがなければ仕事の継続受注も容易ではない点は覚悟しておくべきところです。現状は社会的な保障も薄く、すべてのリスクに自分だけで対応できる総合力が求められます。
独立したあとで安定した収入を得る自信がないのであれば、転職でキャリアアップを目指したほうが得策です。自分の希望に合う転職先で、身につけたスキルを存分に発揮しましょう。
キャリアパスについては、ほかのエンジニアたちから学ぶことも重要です。実際に転職に成功した例を知ることでイメージがしやすくなるでしょう。
ここではエンジニアのキャリアパスや転職事例を3つ紹介します。課題や成功のポイントを押さえて、キャリアのロールモデルをつくりたい方に役立つ内容です。
中小企業のSIerで開発職から、上流工程の経験が積める大手インフラ企業に転職したケースです。すでに何らかの開発経験がある方の場合、前職で身につけたスキルのアピールが欠かせません。
このケースでは「前職で培った開発スキルを生かして、より付加価値を提供できる上流の仕事がしたい」といった意思を伝えて転職成功しています。上流工程で求められるクライアントとのコミュニケーションスキルや、設計に関する知見などもアピールできると、高い評価につながりやすいでしょう。
メーカー系のインフラエンジニアから、ITコンサルタントへ転職したケースです。この方は、チームのプロジェクト管理をしていた経験をアピールして、志望先の企業から評価されました。
開発環境の構築やマネジメントに携わった経験がある場合「システムの安定稼働と顧客の課題解決に貢献できる」と、アピールするのがおすすめです。ITコンサルタントはクライアントの課題に寄り添う意識が欠かせません。
安全な設計・運用でシステムを回せる技術や、チームでトラブルを乗り越えた経験を伝えて転職を成功させましょう。
最後はWebエンジニアから、データサイエンティストにキャリアチェンジしたケースです。このケースでは「これまでの経験を応用しつつ、将来はビッグデータを扱える技術者になりたい」といったアピールが希望先の企業で評価されました。
キャリアチェンジをする場合、過去に身につけたスキルをどのように応用できるかが問われます。深い知識やスキルを必要とする職種もあるため、強い動機やキャリアチェンジをする明確な理由を伝えるのが重要です。
エンジニアのキャリアパスは、業界のニーズやトレンドによって多様化しています。将来、どのような分野で活躍したいのかを明確にした上でキャリアを検討することが重要です。
なお、フリーランスエンジニアを目指す道もありますが、十分な経験やスキル、案件確保ができる営業力などが身についていないと厳しい戦いを強いられるでしょう。時期尚早のうちは、転職活動を通じてキャリアを成長させるほうが得策です。
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