更新日:2024/10/30
この記事のまとめ
プロジェクトマネージャーはシステム開発における総責任者であり、高い知識やスキルが要求されます。プロジェクトマネージャーの年収がいくらなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、プロジェクトマネージャーの年収を紹介します。また年収アップのポイントやおすすめの資格も解説しているため、これからプロジェクトマネージャーを目指す方はぜひ参考にしてみてください。
目次
システム開発におけるプロジェクトの責任者である「プロジェクトマネージャー」ですが、具体的にどのような業務に従事するのか詳しく知らない方も多いでしょう。プロジェクトマネージャーへの転職を目指している場合は、仕事内容や役割についてきちんと理解しておくことが大切です。ここでは、プロジェクトマネージャーの仕事内容や他職種との違いについて解説します。
プロジェクトマネージャーは、以下のように開発計画の策定からプロジェクトの評価までを管理する仕事です。
プロジェクトマネージャーと同様、システム開発におけるプロジェクトに携わる職種・チームがプロジェクトリーダー、PMOです。それぞれの違いは、以下のとおりです。
プロジェクトの中で特定のチームやグループのリーダーを担当する現場監督のようなポジション。チームメンバーの指導や調整などをメインに行う。
PMOはプロジェクト管理オフィスの略語で、プロジェクト実行を支援する部門・チームのこと。規模の大きいプロジェクトでは工程ごとにPMO を設置するケースがある。
プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を管理するポジションで、プロジェクトリーダーは現場の指揮・監督を担当します。PMOはプロジェクトマネージャーが担当するプロジェクトを支援する部門のことで、職種を意味するプロジェクトマネージャーとは意味合いが異なります。
プロジェクトマネージャーは管理職であるため、年収が高いというイメージを持っている方も多いでしょう。ここでは、実際にプロジェクトマネージャーの平均年収がいくらなのか、マイナビエージェントの調査をもとに解説します。
マイナビエージェントの「職種別平均年収ランキング【2020年版】」によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は670万円です。年代ごとに平均年収を比較すると20代は414万円、30代は625万円であり、経験が昇給につながっていることが分かります。
また同調査によると、全職種の平均年収は20代で325万円、30代で421.5万円です。プロジェクトマネージャーの平均年収は全職種の平均年収よりも20代で89万円、30代で203万5,000円も多く、比較的な年収が高い職種であるといえるでしょう。
マイナビエージェントの「職種別平均年収ランキング【2020年版】」によると、IT・インターネット・通信業界全体の平均年収は427万円です。IT業界で働くには専門的な知識が求められるため、他業界と比較しても年収が高い傾向にあります。
マイナビエージェントの平均年収ランキングでは、プロジェクトマネージャーの平均年収はIT業界で最も高い数字を誇ります。IT業界の他職種では、2位がプリセールスで599万円、3位が社内システム企画で512万円、4位がサーバーエンジニアで462万円、5位がシステムエンジニア(制御・組み込み)で455万円という結果となっています。
IT業界は自分のスキルや実績が給与に反映されやすいため、高収入を目指すことが可能です。特にプロジェクトの統括者であるプロジェクトマネージャーに対しては高額の報酬が発生するケースもあり、年収1,000万円も夢ではありません。
また、案件ごとに報酬が得られるフリーランスであれば年収1,000万円を実現する可能性は大きく上がるでしょう。しかし、年収1,000万円を目指すにはプロジェクトマネージャーとして高いスキルを身につける必要があります。
プロジェクトマネージャーとして年収を上げるには、継続的に自身のスキルを向上させる必要があります。プロジェクトマネージャーにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、年収アップに必要なスキルを6つ紹介します。
プロジェクトマネージャーはクライアントとの情報共有を行ったり、プロジェクトメンバーを指揮・管理したりするため、高いコミュニケーション能力が求められます。プロジェクトの成功にはクライアントやメンバーの声に耳を傾け、信頼関係を構築することが鍵です。
また、万が一プロジェクト進行中に人員が不足した場合でも、すぐに人員を補充できる人脈があるとプロジェクトの進行に支障をきたすこともないでしょう。
プロジェクトマネージャーはシステム開発において最高責任者であるため、相応のITスキルと知識が求められます。専門的な知識やスキルが乏しいと、メンバーの役割を分担したり指示したりできません。また、プロジェクト進行中に問題が起きた際にもスムーズに対応できないでしょう。
プロジェクトマネージャーには、メンバーを引っ張っていくためのリーダーシップが欠かせません。責任者としてプロジェクトのビジョンや方向性を示し、厳しくメンバーを指導していく必要もあります。頼りがいのあるリーダーはメンバーから慕われ、プロジェクトを円滑に進められるでしょう。
プロジェクトマネージャーには、プロジェクト全体を管理するためのマネジメントスキルも必要です。プロジェクト管理においては、スケジュールや予算、人員、品質など管理する項目が多くあります。スケジュールが厳しい場合は予算を考慮して人員を補充する必要があり、クライアントから要件変更の要望があれば柔軟に対応する必要が出てくるでしょう。
プロジェクトは予定どおりに進むとは限りません。何かトラブルが起きれば、問題を把握して改善するための対応が必要となるほか、迅速な決断が求められる場面もあるでしょう。高い決断力と問題解決能力があれば、予期せぬトラブルにも最善の対応が取れるようになります。スケジュールに支障をきたすことなくプロジェクトを遂行するために欠かせないスキルです。
プロジェクトマネージャーには、クライアントやメンバーにプロジェクトの方向性や段取りを示すための能力が欠かせません。クライアントがITに詳しくないケースもあるため、専門的な情報をかみ砕いたうえで資料を作成する必要もあるでしょう。クライアントやメンバーと認識のずれが生じると、プロジェクトに大きな支障をきたす恐れがあります。
プロジェクトマネージャーが年収を上げるには、知識やスキルを磨く以外にも大切なポイントがあります。特に年収1,000万円を目指すのであれば、ただスキルや知識を磨くだけでは不十分です。ここで紹介する5つのポイントを押さえておきましょう。
会社員の給与は、基本的に会社の規定に沿って支払われます。そのため、プロジェクトマネージャーとして年収を上げたいのであれば、年収水準の高い外資系企業や大手企業への転職がポイントです。外資系企業や大手企業への転職は簡単ではありませんが、十分な実績と経験を積んだら挑戦してみるとよいでしょう。
フリーランスの場合はプロジェクトごとに報酬が支払われるため、複数のプロジェクトを掛け持ちすることで年収アップが可能です。会社員であっても、副業として無理のない範囲でプロジェクトに参画すると年収を上げられます。
プロジェクトに多く参画するには、市場価値の高いプロジェクトマネージャーになることが大切です。市場価値を高めるには対応できるプロジェクトの幅を広げる必要があるため、経験を積むうえでも小さな案件から大きな案件まで挑戦するとよいでしょう。
ギブバック活動とは、プロジェクトマネージャーがコミュニティーへの貢献活動を業務外に行うことを指します。ギブバック活動に積極的に参加するとプロジェクトマネージャーとしての活躍の場や人脈が広がり、好条件での転職や将来的な独立に役立てられるでしょう。
フリーランスになれば、案件をこなした分だけ報酬を獲得できるため、自分次第で年収を上げられます。高額な案件を狙ったり、複数のプロジェクトを兼任したりすれば年収1,000万円を目指せるでしょう。
ただし、フリーランスになれば自己責任で仕事を進める必要があります。自ら営業して仕事を獲得する必要があるため、経験や実力が不足していると案件を受注できず、会社員よりも年収が下がってしまう恐れもあります。
高額の案件を獲得するには相応のスキルが必要です。資格を取得すると専門性や高いスキルレベルを客観的に証明できるため、案件を獲得しやすくなります。また、会社員であれば資格取得によって手当が支給される場合もあるでしょう。資格手当が得られれば、毎月数千円〜数万円の給与アップが見込めます。
資格を取得することで年収アップが可能ですが、ITに関連する資格は世の中に多く存在します。そのため「どの資格を取得したらよいのか分からない」方も多いのではないでしょうか。ここでは、年収アップが期待できる資格を7つピックアップして紹介します。
応用情報技術者試験は、情報処理技術者としてのスキルと知識を証明するための国家試験です。ITエンジニアの登竜門といわれる「基本情報技術者試験」の上位試験であり、経済産業省が定めるITSS(ITスキル標準)のスキル3に該当します。
試験勉強を通じてプロジェクトの品質や予算、工程を管理する知識も得られるため、プロジェクトマネージャーにもおすすめの資格です。
プロジェクトマネジメントに関するスキルと知識を証明するための国際資格です。米国PMI本部が資格認定を行っており、資格を取得することでグローバルに自分のスキルや専門性をアピールできます。コミュニティーを通じて人脈を形成することも可能なため、独立を考えている方にもおすすめの資格です。
AWS(Amazon Web Services)認定は、クラウドコンピューティングプラットフォームであるAWSのスキルと知識を証明するための資格です。現在は4つのレベルと12種類の認定試験があります。システム開発においてもAWSのクラウドサービスを利用することが多いため、試験勉強を通じてAWSに関する開発の知識・スキルを身につけるとよいでしょう。
Google Cloud 認定資格は、クラウドサービスの「Google Cloud」に関する知識が問われる資格です。AWSと同様にGoogle Cloudも幅広く利用されているため、資格を取得することでクラウドを活用したシステム開発の知識・スキルを身につけられます。「基礎的な認定資格」「アソシエイト認定資格」「プロフェッショナル認定資格」の3つのレベルがあります。
Salesforceの製品に関する知識・スキルを証明する資格です。Salesforceの製品は、営業支援(SFA)と顧客関係管理(CRM)の分野で高いシェア率を誇っています。そのためSalesforce 認定資格を取得するとSalesforceに関連するサービスを提供するクライアント企業から信頼を得やすくなり、案件の獲得につながります。
管理者、開発者などターゲットに合わせて多くの資格が用意されているため、自分の業務に関連するものを選び取得してみてください。
ITプロジェクトのマネジメントに関するスキルを問われる国家試験です。ITSSのスキルレベル4に該当する難易度の高い資格ですが、その分高いITスキルを証明できるメリットがあります。プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダー、ITコンサルタントに最適の資格といえるでしょう。
ITストラテジーの設計や計画、管理に関連するスキルと知識が問われる国家試験です。ITストラテジストはITエンジニアの上級職といわれ、事業計画や事業戦略の段階から関わります。ITの戦略的な部分に携わるプロジェクトマネージャーにとってもおすすめの資格です。
常に進化・発展し続けているIT業界において、高い知識とスキルを備えているプロジェクトマネージャーは需要の高い職種です。IT業界は慢性的に人材が不足しています。IT技術の進化によって求められる人材要件も多様化しており、AIやIoT、ビッグデータなどの先端技術を扱えるIT人材の需要が拡大しています。
プロジェクトマネージャーにおいても、IT技術の変化に対応するために日々勉強や知識のアップデートが欠かせません。特にプロジェクトマネージャーとして高収入を目指す場合は、自分の市場価値を上げる努力が必要となるでしょう。
プロジェクトマネージャーの平均年収は670万円で、ほかのIT系職種と比較しても高めです。また、知識とスキルを磨いて自分の市場価値を高めると、年収1,000万円を目指すことも不可能ではありません。これからプロジェクトマネージャーを目指す場合は、ITの専門性を磨くだけでなく、マネジメントスキルやリーダーシップなどのスキルも積極的に身につけましょう。
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