更新日:2025/01/30
この記事のまとめ
「転職を考えているものの、何から始めてよいか分からない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。そのような方におすすめなのが、転職活動の強力な味方となる「人材紹介会社」です。しかし、人材紹介会社の具体的な利用方法や利用するメリットを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、人材紹介会社の特徴や利用方法、メリットを詳しく解説します。転職活動をスムーズに進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
人材紹介会社は、求職者と企業を結びつける重要な役割を果たしています。厚生労働省の認可を受けたこの事業者は、転職市場において不可欠な存在です。ここでは、人材紹介会社の定義や仕組み、そして特徴を詳しく解説します。
厚生労働省のホームページで掲載されている「職業紹介事業制度の概要」によると、職業紹介事業(人材紹介)は『求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者の間の雇用関係の成立をあっせんすること』と規定されています。つまり、求人を掲載する「企業」と求人を探す「求職者」の間に立ち、両者の懸け橋となることを目的とした事業です。両者とも同意のうえで相互を紹介するため、よりよい関係構築を前提としています。
人材紹介会社は、企業と求職者の間に立つことで、双方の魅力を伝え合う役割を担っています。「転職エージェント」と呼ばれるコンサルタントが企業と求職者、それぞれのサポートを専任で行うのです。たとえば、求職者には転職活動全般の支援を行います。求人企業の紹介はもちろんのこと、応募書類の添削や面接の練習まで、そのサポートは多岐にわたります。
人材紹介は「人材を採用したい企業」と「仕事を探している人」をマッチングさせる有料のサービスです。企業が求めている求職者の選出と選考、スケジュールの調整など、雇用契約を交わすまでのサポートを行います。
大きな特徴として、人材紹介では多くの場合、採用成功時に手数料が発生する「成果報酬型」を採用しています。紹介会社は、雇用契約が成立することで初めて企業から「紹介手数料」を受け取ります。そのため、企業は初期費用を抑えながら効率的に採用活動を行えるのです。
人材紹介会社は3つの業態に分類できます。それぞれが異なる特徴や対象を持ち、転職市場において重要な役割を果たしています。それぞれ簡単に解説していきますので、どのサービスの利用が向いているのかも含めて、確認してみましょう。
人材紹介会社の中でも最も一般的なのが一般登録型・一般紹介型です。転職エージェントが企業と求職者の間に立ち、双方をつなぐハブとなります。ちなみに、入社が確定した場合は企業側から成果報酬を受け取るため、求職者は無料で利用できるのも、大きな特徴のひとつです。
採用難易度の高い求職者をターゲットとして利用されるのが、サーチ型(エグゼクティブサーチ・ヘッドハンティング)の人材紹介会社です。企業側が必要とする人材を指定し、その依頼に基づいて、ヘッドハンターと呼ばれる仲介業者が適切な人材を探し出します。求職者が能動的に行えない人材紹介事業として、先ほど触れた一般登録型とは区別されます。
倒産や雇用調整(リストラ)によって、一度に多くの人材が職を失った場合などに利用されるのがアウトプレースメント型の人材紹介で、再就職支援型とも呼ばれています。人材を放出する企業側からの依頼を受け、雇用できなくなった社員を再雇用先につなぐのが大きな目的です。放出する企業からお金が支払われるため、採用する企業が低コストで人材を獲得できるのも特徴のひとつです。
※なお本稿では、最も一般的である一般登録型・一般紹介型に絞って解説を進めます。
人材紹介の種類には大きく分けて「総合型」と「特化型」があります。総合型は、幅広い職種に対応しており、特化型の場合は業種・職種を絞って人材を集めているのが特徴です。
幅広い人材を採用するのであれば総合型が有利といえます。しかし、初めから自社とマッチした人材を獲得したいという企業も多く、特化型で企業が求めている人材を探したいというニーズも強まっている傾向です。
人材紹介会社は、転職サイトや人材派遣会社とは異なる特徴を持つサービスです。これらのサービスは求職者と企業をマッチングさせる点で共通していますが、そのアプローチや提供する価値は大きく異なります。ここでは、人材紹介会社と転職サイト、そして人材派遣会社との主な違いについて解説します。これらの違いを理解することで、自分に最適な転職支援サービスを選択する際の参考になるでしょう。
一般登録型の人材紹介会社である「転職エージェント」と混同されやすいのが「転職サイト」です。企業と求職者の間に立つという点は同じですが、サービスの詳細を知ると、実に多くの違いがあることが分かります。たとえば、以下のような違いがあります。
|
細かな違いはいくつもありますが、最も大きな違いは能動的な転職活動であるか、受動的な転職活動であるかでしょう。転職エージェント(人材紹介)では、一人ひとりに専任のエージェントがつきます。マンツーマンで転職活動を進めていくため、自分だけではなかなか実現できないスピード感を持って転職活動を進められる
のです。
他方で、転職サイトはそうではありません。数ある求人の中から、気になる求人を自分で探し出し、応募、日程調整、面接と、どこまでも自分自身で転職活動を行わなければならないのです。自分のスピードで転職活動を進めたい方には適したサービスであるといえますが、多忙な中での転職活動は、スピードを維持するのも一苦労です。
紹介してもらえることがメリットの「人材紹介」は、受動的な転職活動であるといえるでしょう。ネガティブな意味ではなく、自身の時間を効率的に活用できる転職手段なのです。
人材紹介と人材派遣は、企業と労働者を仲介するという意味では似ていますが、提供されるサービスや雇用関係、料金形態などは大きく異なります。
<人材紹介>
<人材派遣>
このように、人材紹介と人材派遣は大きく異なりますので、自分のいまの状況に合わせて上手に活用していくことが大切です。
人材紹介会社を利用することで、転職活動をより効果的に進められます。ここからは、人材紹介会社を利用する具体的なメリットを8つ紹介します。メリットを知ったうえで活用することで、より戦略的に転職活動を進められるでしょう。
人材紹介会社を利用する大きなメリットのひとつが、スキルや経験の棚卸しができることです。キャリアアドバイザーとの面談では、これまでの職歴や業績、獲得したスキルを丁寧に振り返ります。この過程で、自分の強みや弱み、キャリアの方向性が見えてくるでしょう。また、自分が何にモチベーションを感じるのか、どのような環境で力を発揮できるのかといった、転職の軸も明確になります。
この自己分析は、単に転職先を探すだけでなく、長期的なキャリアプランを考えるうえでも有益です。キャリアアドバイザーの客観的な視点を得られることで、自分では気づかなかった可能性や適性を発見できる可能性もあります。
人材紹介会社を利用すると、担当のキャリアアドバイザーが一人ひとりの希望条件や経験、スキルを基に最適な求人を厳選して紹介してくれます。また、転職のプロからの客観的なアドバイスをもらえる点も魅力のひとつです。転職エージェントは紹介する企業と直接つき合いがあるため、求人票に乗らない社風や企業文化などの情報も収集しています。そのため、理想の転職先に出会える可能性が高まるでしょう。
求職者は人材紹介サービスを無料で利用できます。企業側が成功報酬として手数料を支払うビジネスモデルのため、求職者は経済的負担なく専門的なサポートを受けられるのです。この点もメリットであるといえるでしょう。
求職者の利用は無料ですが、人材紹介会社には企業側から求職者の年収に応じた成果報酬が支払われます。そのため、人材紹介会社側は質の高いサービスで求職者をサポートしてくれるのです。
多くの人材紹介会社では、非公開求人を取り扱っています。非公開求人とは、一般の転職サイトや採用ページには掲載されていない、限定的な求人情報のことです。これらの求人は、競合他社に知られたくない案件や、特定のスキルを持つ人材を絞り込んで募集する場合などに使われます。そのため、公開されている情報だけでは探すことのできない魅力的な求人に出会えるメリットがあります。
人材紹介会社を利用するメリットのひとつに、応募書類の添削サービスがあります。キャリアアドバイザーが、履歴書や職務経歴書といった応募書類を丁寧にチェックし、効果的な表現や構成をアドバイスします。転職のプロであるキャリアアドバイザーは企業ごとの採用基準や重視するポイントを熟知しており、強みを適切にアピールできるため、書類選考の通過率が向上する可能性も高まるでしょう。
人材紹介会社を利用すると、面接対策もできます。面接対策セミナーや模擬面接を通じて、自己アピールの仕方や質問への答え方を具体的に指導してくれるでしょう。また、企業が重視するポイントを事前に教えてもらえるため、効果的な準備が可能です。
さらに、面接官の視点から見た改善点も指摘してもらえるため、自分では気づかなかった課題を克服できます。このような専門的なサポートにより、面接での成功率が高まり、希望の企業への入社チャンスが大きく向上します。
人材紹介会社の大きな利点のひとつが、応募や日程調整を任せられることです。転職活動は時間と労力を要しますが、このサービスを利用することで大幅に負担が軽減されます。キャリアアドバイザーが企業への応募を代行し、面接日程の調整も行ってくれるため、求職者は自身の準備に集中できます。特に、複数の企業に同時に応募する場合、この支援は非常に有効です。
また、企業とのコミュニケーションを専門家が担当することで、より円滑な進行が期待できます。さらに、面接日程の調整では、求職者の希望と企業の都合を最適にマッチングさせ、効率的な選考プロセスを実現します。この支援により、転職活動の効率が大幅に向上し、成功の可能性が高まります。
人材紹介会社は、条件交渉も担ってくれます。いまよりも労働条件をよくしたい、給与を上げたいという理由で転職活動を行っている方も多いでしょう。自分からはなかなか言い出しにくい労働条件や給与の交渉ですが、人材紹介会社ならあなたに代わって企業と交渉にあたってくれます。
転職において、労働条件や給与の話し合いはとても大切です。マイナビエージェントでは、面接日の調整や入社日に関する相談に加え給与や待遇面の交渉も代行しています。転職に関してお悩みの方はぜひご相談ください。
人材紹介会社を利用する企業には手数料が発生するデメリットがあります。しかし、求職者が人材紹介会社を利用するにあたってのデメリットはありません。個人で求職活動をするよりもスピーディーに転職活動が進みます。ただし、自分のペースで転職活動を進めたいと考えている方には、向いていない場合があります。自分に合ったやり方を検討したうえで転職活動を行いましょう。
人材紹介会社を利用した転職活動は、一般的に6つのステップで進行します。これらのプロセスを通じて、専門的なサポートを受けながら、効率的かつ効果的に転職活動を進められるでしょう。ここでは、各段階で受けられる具体的なサポート内容や転職成功に向けたアドバイスなど、人材紹介会社ならではの特徴を踏まえながら転職活動の流れを詳しく解説していきます。
人材紹介会社を利用する際の一般的な流れは、まず申し込みから始まります。多くの場合、オンラインフォームや電話での登録が可能です。オンラインの場合は、申し込みフォームに生年月日や最終学歴、職務経歴などのプロフィールを入力して登録を行います。登録後は、担当のキャリアアドバイザーが割り当てられ、詳細な面談の日程が決まります。
転職エージェントとマンツーマンで面談を行います。担当のキャリアアドバイザーがこれまでの経歴や今後の希望などをヒアリングし、転職の方向性を明確にします。
遠方に住んでいたり現職が多忙だったりして転職エージェントに足を運ぶことが困難な場合には、オンラインや電話での面談が可能なケースもあるため、事前に確認してみるとよいでしょう。求人紹介だけでなく、転職をするか悩んでいる際の相談もできるため、気軽に相談してみることをおすすめします。
面談が終わると、さっそく求人の紹介があります。マッチした求人があれば、その日のうちに何件か提示されることもあるでしょう。人材紹介では、一般の転職サイトでは掲載されていない非公開の求人を複数件保有しているため、その中から紹介してもらえることもあります。
求人票だけでは分からない社風や雰囲気、企業の成長確度などもこの場で共有してもらえるため、不安なことがあれば遠慮せずに質問してみましょう。
応募する企業を決めたら、次は応募の手続きです。履歴書や職務経歴書などの応募書類を提出すると、転職エージェントが応募手続きを行います。応募書類の作成も担当のキャリアアドバイザーがバックアップしてくれます。プロ目線での添削を受けられるため、選考通過率の高い書類での応募ができるでしょう。
書類が通過したら、実際に企業での面接を行います。面接前には聞かれるであろう質問を聞けたり、実際に模擬面接を行ったりと、応募企業に合わせたアドバイスがもらえます。面接後は通過した場合もそうでない場合も、企業側から面接のフィードバックを基に次の面接に向けた改善点を明確にしてもらえるため、次回以降の面接をより通過率の高いものにできるでしょう。
最終面接を通過し、晴れて内定が決まった後も、人材紹介会社のサポートは終わりではありません。入社日の調整から、求職者が内定先の人事担当者と話しづらい年収面の交渉まで、最後のアフターフォローを行ってくれます。
転職時のよくある悩みとして現職の引き止めや退職日の交渉などがありますが、このような悩みも相談してみましょう。転職エージェントは、滞りなく転職ができるようサポートしてくれるでしょう。
以下のページでは、上記の内容をマンガで分かりやすくまとめています。より理解を深めるためにも、ぜひ併せてご覧ください。
ここでは、人材紹介会社を選ぶ際のポイントを解説します。人材紹介会社選びでは、業界への精通度、サポート内容の充実度、そして大手と中小それぞれの特徴を理解することが大切です。これらの要素を踏まえて選択することで、自身のキャリアプランに沿った転職を実現できる可能性が高まります。以下、具体的なポイントについて詳しく見ていきましょう。
人材紹介会社には、事務系に強い、医療系スタッフが充実しているなど得意とする分野があり、対応できる範囲が異なっています。異なる業界へ依頼をしても、思うような結果が得られない可能性があるため注意が必要です。自身が希望する業界に精通しているかを、きちんと確認して選ぶようにしましょう。
人材紹介会社を使って転職活動をする際には、手厚くサポートしてもらえるに越したことはありません。面談、求人紹介、面接対策など、自分に合ったサポートが受けられるかを確認することが大切です。
人材紹介会社は規模感によって、その特徴が異なります。大手の人材紹介会社は圧倒的な求人数を誇っており、あらゆる業界・業種の転職希望者に幅広く対応できます。他方で、中小の人材紹介会社は特定の業界・業種に特化しており、独自の求人を保有している点が特徴です。
異なる特徴の人材紹介会社に登録することで、漏れなく広い求人をカバーできます。しかし、2社以上の転職エージェントに登録することは、連絡などの管理が煩雑化するというデメリットもあり、すべての方におすすめできるわけではありません。
人材紹介会社の中でも、徹底したサポート体制で注目を集めるのがマイナビエージェントです。各業界に精通したキャリアアドバイザーが、転職活動全般をきめ細かくサポートします。スキルや経験の棚卸しから、最適な企業の紹介、さらには書類・面接対策、条件交渉まで、転職のあらゆる段階で専門的なアドバイスを受けられるでしょう。
特に、キャリアプランに沿った求人提案や、個別の状況に応じた戦略的なアプローチが強みです。転職市場の動向を熟知したプロフェッショナルが、転職者一人ひとりの夢の実現に向けて、きめ細やかなバックアップを提供します。
人材紹介会社は、厚生労働省の認可を受けた事業者で、求職者と企業をつなぐ重要な役割を果たしています。利用の際は、活動の流れを理解し、自身のニーズに合った会社を選ぶことが重要です。適切な人材紹介会社を選択することで、効果的なキャリアアップの機会を得られるでしょう。
徹底したサポートで転職活動を効率よく進めたい方は、マイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントは、各業界に精通したキャリアアドバイザーによる徹底したサポート体制が特徴です。書類・面接対策から条件交渉まで、転職活動の全プロセスをバックアップし、あなたのキャリアアップを強力に支援します。
転職全般
転職の面接で失敗しない髪色とは?染める際の注意点とヘアセットのポイントも
転職全般
マーケティングの仕事内容とは?やりがいや向いている人の特徴を解説!
転職全般
転職活動に最適な時期は何月?ケース別の時期や採用動向を解説