職務経歴書の自己PRで
的確なアピールをするために
意識したいコツ
自己PR完全ガイド 転職成功ノウハウ
職務経歴書における自己PRは、自分自身を応募先企業に売り込む大切なものです。苦手意識を持っている方もいるかもしれませんが、転職を成功させるためにも、自己PRの活用方法や書き方についてあらためて考えてみましょう。
職務経歴書の自己PRの意義
転職を成功させるためには、企業が自分を採用したときにどのようなメリットがあるのかをアピールする必要があります。つまり、転職活動は、自分自身を売り込むための営業活動だともいえるでしょう。
自己PRは、そのために使える大切な営業ツールのひとつです。積極的に活用していきましょう。
自分のできることやしてきたことについては、職務経歴書の職務要約や職歴部分で書くことができます。しかし、企業に採用メリットを伝えるためには、今後どのような活躍ができるのかを伝える必要があります。
これまでの経験やスキルをどう活かして、企業活動に貢献していくのかをアピールする場が、職務経歴書での自己PRだといえます。
なお、自己PRや志望動機を書くための欄は、履歴書にも用意されています。しかし、履歴書は主に自分自身の経歴を伝えるためにあるものですから、自己PRのための記入欄はそれほど広く取られていません。
そのため、履歴書の自己PR欄には要点のみを書き、職務経歴書での自己PRに詳細を書くというように使い分けましょう。
自己PRに書くべきこととは?
職務経歴書に書く自己PRは、応募先企業に対する自己紹介です。就職した後で活かせるキャリアやスキル、自分自身の特性、前職での成功体験などをアピールしましょう。このとき、できるだけ具体的な根拠を書き、主張に説得力を持たせることがポイントです。
「自分は粘り強い性格なので、困難な仕事でもあきらめず前向きに取り組めます」と書くだけでは、本当に粘り強いのかどうかがわかりません。粘り強いことで成功したエピソードや、粘りを評価されたエピソードを交えてアピールしましょう。また、粘り強さを活かして、どのような働き方をしていきたいのか、就職後の展望を伝えることも大切です。
4ステップで書く自己PR
自己PRを書くのが苦手という方は、次の4つのステップに沿って作業を行ってみましょう。順序立ててこなしていくことで、書くべきことを網羅した自己PRが完成するはずです。
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1.経験やエピソードなどのアピールポイントを書き出す
まずは、自分自身が持っている経験やエピソードを書き出してみましょう。仕事に関する実績や保有スキル、成功体験などを思いつく限り、挙げてみてください。この時点では取捨選択せず、思い浮かんだものを全て出していきます。
「何も思いつかない」という方は、これまでの仕事やサークル活動などで、何をしていたのかを考えてみましょう。社会人を経験していれば、何らかの仕事を行って給料をもらっていたわけですから、一切アピールポイントがないということはまずありません。
具体的にどのような仕事をしていたのか、仕事をする中で評価されたのはどんなことか、思い出してみてください。 -
2.アピールポイントの中から応募先企業に適したものをピックアップする
思いついたアピールポイントの全てを自己PRとして書く必要はありません。あまり多くのエピソードを語りすぎると、一つひとつがぼやけてしまいますから、むしろ多すぎないほうがいいのです。
そこで、このステップでは、特に応募先企業に対して強いアピール力を持っているエピソードをピックアップしていきます。企業が従業員に何を求めているのかを知らなければ、この作業を行うことはできません。仕事内容を確認するだけでなく、企業理念や実際に働いている方の口コミなどをチェックして、適切なアピールポイントを選びましょう。
複数の材料の中から、適切なものを選んでまとめる能力は、仕事をする上でも役立ちます。自分自身の仕事能力をアピールするつもりで考えてみましょう。
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3.応募先企業でのキャリアの活かし方を考える
応募先企業に適したPRポイントやエピソードが定まったら、次に、それがどうして「応募先企業の希望と合致している」と感じたのか、言語化してみましょう。自己PRできるエピソードと、今後のキャリアの活かし方の両方が織り込まれていても、両者に関連性がないとちぐはぐな印象になってしまいます。
自己PR欄の内容が一貫したものになるように、キャリアをどのように活かし、就職後にどんな仕事をしていきたいのか考えてみてください。
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4.志望動機と2・3を絡めて自己PRを完成させる
これまでの経験やエピソードは「事実」、キャリアの活かし方は「会社側から見た採用メリット」です。それでは、自分自身が企業に応募した志望動機は何でしょうか。志望する以上は、何らかの動機があるはずです。これを絡めることで、自己PRが完成します。
志望動機も、実際の経験や会社側から見た採用メリットにつながる形でまとめることが基本です。「経験をどう活かして企業に貢献できるか、また、それによって自分のどのような望みを叶えることができるのか」ということが、ひとつの流れとして説明できるようにまとめてみましょう。
これまでの経験、就職後の展望、自分自身の希望の3つのカードを使って、「自分がこの企業に就職することによって、自分と企業双方にどのようなメリットがあるかをアピールする」というのが、自己PRの完成形です。
自己PRを書くときの9つのポイント
自己PRを書くときは、次の9つのポイントを意識するようにしてください。最初にポイントを全て意識した上で書き始め、書き終えた後で、再びこのポイントをカバーできているかどうか再度チェックするのがおすすめです。
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1.長く書きすぎない
「企業に自分のことをわかってもらいたい」と思うことは大切ですが、何もかもを詰め込みすぎると、要点をまとめられない人であると判断されかねません。多くのことを書きすぎると、一番言いたかったことが何なのかがわかりづらくなってしまうというデメリットもあります。
職務経歴書の自己PRでは、おおよそ300字を目安に、長くても400字以内に収まるようにしてください。限られた文字数の中で情報をまとめる能力も、仕事のスキルのひとつです。
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2.エピソードはひとつにしぼる
長く書きすぎないという点と重なりますが、複数のエピソードが書かれていると、印象がぼやけてしまいます。実際の経歴や経験は職務経歴部分に書くことができますから、自己PRで書くエピソードは、その中のひとつにしぼるようにしてください。
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3.一文を短く簡潔に
あまりに長い文章は、読み手に負担をかけ、主語と述語が何だったのかをわかりづらくしてしまいます。
なるべく一文は短く、簡潔にまとめるようにしてください。句読点の位置や量にも気を配ると、より読みやすい文章になります。 -
4.「しかし」「そして」などの接続詞を使いすぎない
接続詞は、その次に来る文章がどのような内容のものなのかを、読み手に事前に伝えることができます。
しかし、あまりに多用しすぎると、文章がくどい印象になってしまうという難点もあります。使いすぎていると感じたら、一度、接続詞を抜いてみてください。案外スムーズに読めるかもしれません。 -
5.カッコや箇条書きなどを活用する
たった300字程度とはいえ、だらだらと文章が続いていると、目が滑ってしまったり、読みづらく感じたりすることがあります。
文章にアクセントをつけ、わかりやすくするために、括弧や箇条書きをうまく利用しましょう。 -
6.履歴書の自己PRや職務経歴書の本文内容と齟齬が出ないようにする
職務経歴書の自己PRに書かれているエピソード内容と職歴が合致していないと、採用担当者から「適当に書いているのではないか」という疑いを持たれてしまいます。
さらに、履歴書の自己PR欄と職務経歴書での自己PRの相違についても注意が必要です。志望動機やアピールしたいポイントが違っていると、不信感を抱かれてしまうでしょう。 -
7.抽象的な書き方をせず具体例を示す
「営業成績が高かった」とただ書いてあっても、具体的にどのくらい高かったのかがわかりません。
「入社後1年で営業成績トップを取った」「表彰されたことがある」「チームの売上を15%アップさせた」など、できるだけ具体的な内容を書きましょう。 -
8.仕事に対するポジティブな表現を心掛ける
前職・現職への不満が志望動機になっているという方も少なくないでしょう。しかし、ネガティブイメージの強い志望動機は、避けたほうが無難です。
自己PRに限らず、応募書類作成や面接の際は、仕事に対してポジティブに取り組む姿勢を見せることを意識してください。たとえ内容が同じであっても、できるだけネガティブさを出さずに、ポジティブな表現をするように心掛けることが大切です。
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9.誇張表現や自慢ととられるような書き方は避ける
自己PRは、自分自身のアピールをする場です。しかし、自慢をする場では決してありません。
事実を誇張して書いてしまったり、尊大なイメージを抱かれてしまうような表現になったりしないように気を付けましょう。
職務経歴書は企業に対する営業ツール
職務経歴書において、自分自身を売り込むためのスペック表が職歴や保有資格だとすると、採用後のイメージを持ってもらい「気になる相手だな」と思わせるためのアピールが自己PRだといえるでしょう。
職務経歴書だけで採用が決まるわけではありませんが、まずは面接にステップを進めることを目標に、まとまりのある魅力的な自己PRを作成しましょう。
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