更新日:2024/12/09
この記事のまとめ
就職活動の面接では、最初に自己紹介を、その後に自己PRを求められる場合があります。
自己紹介と自己PRの違いを知ったうえで、それぞれを的確に伝えることができれば、面接官に好印象を与えられるでしょう。
そこでこの記事では、面接での自己紹介と自己PRの違いや、それぞれの伝えるべき内容を例文とともにご紹介します。
好印象につなげる効果がある伝え方のポイントや、話す内容に困ったときにどうすればよいかをご紹介しますので、参考にしてください。
目次
自己紹介の役割は、冒頭で「いまから面接を受けるのはこのような人物です」と説明することです。
一方で自己PRは、自分の能力や強み、考えを積極的にアピールすることが目的となります。
自己紹介より自己PRのほうが、自身について掘り下げて話すため、時間は長くなると考えてよいでしょう。
面接では両者の違いを把握したうえで、それぞれを的確に伝える必要があります。
まずは、自己紹介で面接官がどのような点をチェックしているのか、自己紹介ではどのような回答をするべきなのかご紹介します。
自己紹介において、面接官は応募者の話し方やしぐさから、人柄やビジネスパーソンとしてのコミュニケーションスキルを確認しています。
自己紹介の時間は、それほど長くはありません。短い時間で自分の経歴など、要点をかいつまんで説明する能力があるかについても見ています。
自己紹介では、まずは、名乗る必要があります。内容にばかり気をとられて、肝心の名前を言い忘れることがないように注意しましょう。
次に、現職・前職の職種・職務経験など、概要を簡潔に伝えます。企業によっては、学生時代のゼミやサークル、アルバイトなど、特に力を入れてきた活動についても聞かれることがありますので、回答できるようにまとめておいてください。
最後に、結びの言葉として、「本日はどうぞよろしくお願いいたします」という言葉で締めましょう。
続いては、自己PRで面接官が読み取ろうとしていることや、自己PRで伝えるべき内容をご紹介します。
自己PRにおいて面接官が知りたいのは、応募者を採用することで自社にメリットがあるのか、またどのようなメリットであるのかという点です。
面接官は、応募者が自社でどのような能力を生かしていけるのかをチェックしています。
自己PRでは、これまでの経験や実績、スキルをアピールします。
実績やスキルは「乗り切った」「努力した」といったあいまいな表現ではなく、「どのような問題点があり、どのような手法を用いて解決したのか」など、具体的に説明することが大切です。
また、「昨年度は売上目標を120%達成した」「従業員が400人いる中で5人のMVPの1人になった」など、具体的根拠となる情報の提示は自己PRとして有効だといえます。
そのうえで、入社後に自分の経験や能力をどのように生かせるか、その企業へどのように貢献したいと考えているのかを伝えることが大事なポイントです。
面接で効果的な自己紹介や自己PRをするために、一般的な長さの目安を知っておきましょう。
自己紹介は、特に指定がない場合は1分以内に収めるようにします。あまり長く話さず、要点だけをまとめるのがポイントです。
また、自己PRは、長くても3分以内に収めるようにしましょう。まずは簡潔に述べ、その後は面接官に委ねてみてください。面接官によっては、気になる点を深掘りしてくれます。
ただし、企業によっては、自己紹介や自己PRの時間を指定されるかもしれません。
時間内で話しきれない、または話すことがなくなったとならないように、念のためどの部分を削るか、何をつけ足すかを考えておきましょう。
自己紹介も自己PRも、短いバージョンと長いバージョンを用意して、時間を計って練習しておくのがおすすめです。
自己紹介や自己PRは内容も大切ですが、ほかにもいくつかのポイントを意識すれば好印象につながります。面接官の評価を上げるような、自己紹介や自己PRの伝え方をご紹介するので、参考にしてみてください。
猫背だと、暗くだらしない印象になってしまいます。
姿勢を正して、まっすぐ椅子に座るようにしてください。
自分ではまっすぐに座っているつもりでも、左右どちらかに傾いていたり、顎が前に出すぎてしまっていたりする場合があります。鏡を見ながら正しい姿勢をキープする練習をするとともに、他人に姿勢をチェックしてもらうとより効果的です。
緊張していると、どうしても表情が硬くなってしまいがちです。
無理に笑う必要はありませんが、適度ににこやかな表情で話をすると、明るくはつらつとした印象になります。口角を少し上げるくらいの自然な笑顔がちょうどよいでしょう。
暗記しているセリフを感情を込めて話せるのは、よほど演技力の高い方や、スピーチ慣れしている方だけでしょう。
丸暗記した言葉を話すと、抑揚をつけずにただ読み上げているような印象になってしまい、不自然です。面接官にも、「暗記してきたんだな」と思われてしまいます。
回答を一言一句丸暗記するのではなく、本当に伝えたい要点を押さえておきましょう。
焦ったり緊張したりすると、ついつい早口になってしまうことがあります。
最初の質問では特に意識して、ゆっくりと、分かりやすく話すようにしてください。ただし、不自然なほど遅く話す必要はありません。
友人や家族にスピードをチェックしてもらったり、自分の声を録音して聞き直してみたりすると、他人からどう聞こえるのかを客観的に理解できます。
声が小さいと、何を言っているのか聞き取るのが大変ですし、どことなく暗い印象になります。
面接官が聞きやすいよう、普段の話し言葉よりもやや大きめの声を意識して、ハキハキと話しましょう。
面接で実績やスキルなどの自己PRをする際は、結論から話すことを心掛けてください。
結論から話すと、相手に分かりやすく伝えられます。
たとえば、売上アップに貢献したという内容をアピールしたい場合、「目標120%の売り上げを達成して半年で〇〇万円を売り上げました」と話しはじめるとよいでしょう。続けて、目標達成のために行った行動を具体的に伝えます。併せて「なぜそのように行動したのか」や「背景にある考え方」を述べると、より説得力のあるアピールが可能です。
面接では、自己紹介の内容や伝え方が採用可否を左右する材料のひとつです。
自己紹介は「自分を知ってもらうための時間」ではありますが、好印象を与えるチャンスともいえます。伝え方ひとつで印象が悪くなる恐れもあるため、事前に注意点を把握しておきましょう。
ここでは、避けたほうがよい内容や、言葉遣いについて解説します。
面接における自己紹介では、応募者の第一印象や特徴、コミュニケーション能力や経歴などをチェックされています。自社の社員との相性を確認する企業もあるでしょう。
そこで過剰なアピールをすると、「自慢しているのでは」「周りを見下しているのでは」と捉えられてしまうかもしれません。質問の意味を理解していない人、と印象付けることもあります。
自己紹介は、あくまで自身を知ってもらうための時間です。
自身の魅力や強みを伝える自己PRとは、異なることを理解しておきましょう。
自己紹介の場では、言葉遣いにも気を配りましょう。間違えた言葉遣いや二重敬語、へりくだり過ぎる表現は、相手に違和感を与えます。
自己紹介をとおして、話し方や言葉遣いもチェックされていることを忘れてはいけません。丁寧な言葉遣いを意識するあまり、気持ちの伝わりにくい文章になり、不快感を与えてしまうケースもあります。
また、へりくだり過ぎる表現は自信がないように見えるため、印象が悪くなるかもしれません。
です・ます調を基本とし、相手に与える印象を意識して話しましょう。
続いて、自己紹介と自己PRをする際の正しい回答と、NGな回答の具体例について見ていきましょう。
【OK回答例】
◯◯と申します。
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
私は、◯◯大学◯◯学部を卒業後、◯◯株式会社に入社して経理を2年間担当し、決算業務や固定資産管理などを担当してきました。
このような経験を御社で生かしたいと考え、応募いたしました。
本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
【NG回答例】
◯◯と申します。
本日はお時間をいただきましてありがとうございます。
私は、◯◯大学◯◯学部で◯◯についての研究を行い、サークルでも後輩たちをまとめる役目を担い、信頼を得られていたと思います。
卒業後は◯◯商事株式会社にて営業職に4年間携わってきました。
1年目は先輩方に教わるばかりでなかなか成果を上げることができませんでしたが、2年目からは営業成績もどんどん上げることができるようになりました。
お客さまとお話をすることが得意で、コミュニケーション能力には自信があります。
これからも、それを生かして御社に貢献していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
<解説>
NG例では、「簡潔に自己紹介を」と促されているのに、自己PRのように長くなってしまっています。自己紹介では、詳しい経歴の説明や自己PRを行う必要はありません。「簡潔に」「簡単に」と言われた場合は特に、OK例のように、手短に要点を押さえて伝えるようにしましょう。
【OK回答例】
前職では営業職として売上目標の達成はもちろん、顧客重視の姿勢を大切にして取り組んでまいりました。
その結果、1年目にはその年の新卒の中で新人賞を受賞し、2年目以降も目標に対して110%以上の営業実績を上げてきました。
私が常に心掛けてきたのは、取引先のヒアリングを入念に行うことです。
それにより、お客さまの隠れたニーズをくみ取り、適切な提案を行い、結果としてクロージングにつなげることができました。
いままでは企業向けの営業でしたが、御社では個人のお客さまへの営業がメインとなるため、前職で習得したヒアリング能力を生かし、お客さまの信頼を得ることで、成約件数をアップさせるなど、貢献できたらと思っております。
【NG回答例】
私は、前職では営業職に従事しておりましたが、どのような方とも初対面でも打ち解けて話ができるため、お客さまとのコミュニケーションも円滑に進み、成績にもよい影響がありました。
周囲への気配りも得意なので、社内でも同期のまとめ役としてリーダーシップを発揮してきました。
目標を達成するための粘り強さもありますので、御社でも一生懸命仕事に取り組んでいきたいと考えています。
<解説>
OK例では、自己PRの根拠として具体的な営業成績を数字で提示することで、応募先企業に貢献できるという主張に説得力を持たせています。
一方NG例は、性格面でのアピールとなっており、具体的に生かせるスキルが分かりません。
そのため、入社後どのように貢献してくれるのか、面接官がイメージできないでしょう。
異業種や異職種などに転職する場合、前職のスキルがアピールに使えないケースがあります。
そのようなときは、応募先企業との共通点を探してみてください。
企業が求める人材と、自身の強みを照らし合わせるのがポイントです。
たとえば、目標達成のための努力やアプローチ方法などは、異業種や異職種でも共通点があります。そのほかにも、コミュニケーション能力やマネジメント力などは、多くの業界で役立つポータブルスキルです。
このようなスキルを見つけ出し、入社後に応用できる旨をアピールするとよいでしょう。
趣味や特技がなく、自己紹介で話す内容に困った場合は、視野を広げてみてください。
「好きなこと」「休日にしていること」「過去にしていたこと」などから、アピールできる内容をピックアップすることをおすすめします。
話すほどの特技や趣味がないからといって、嘘をつくのは避けましょう。
自己紹介と自己PRは、それぞれ適切な長さで的確な伝え方をすれば好印象となり、合格へと近づけます。
相手に自分のことを知ってもらうためにも、きちんと準備して面接に挑む必要があるでしょう。
面接での自己紹介や自己PRに不安がある方は、マイナビエージェントにご相談ください。
担当のキャリアアドバイザーが、自己紹介や自己PRにおいて、効果的にアピールする方法をアドバイスします。模擬面接を行うなど、求職者の皆さまの転職活動を全面的にサポートさせていただきますので、ぜひご活用ください。
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