更新日:2024/08/27
この記事のまとめ
転職の面接において、自己PRや長所は定番の質問です。自己PRと長所はどちらも似たような内容になりやすいため、面接を受ける際には両者の違いを明確にしたうえで伝え方を工夫することが大切です。しかし、自己PRと長所が何なのか、きちんと理解できていない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、自己PRと長所の違いについて解説します。また、履歴書や面接での伝え方、ポイント、例文も紹介しているため、選考通過率を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
転職活動における自己PRと長所は、自分を採用するメリットを伝えるうえでは欠かせないものです。しかし自己PRと長所で同じ内容を話すと、準備不足を疑われてしまいかねないため注意しましょう。ここでは、自己PRと長所の違いについて解説します。
自己PRは自分の強みを伝え、採用するメリットをアピールする項目です。アピールする強みとしては、これまでの仕事で培ったスキルや経験、資格などが挙げられます。ただ単純に自分の強みを話すのではなく、志望先企業で活かせるスキルや経験を厳選して伝えるのがポイントです。
長所は、自分の人柄や特性が志望先企業でどのように活かせるのかを伝える項目です。たとえば、「つらく苦しいことも乗り越えられる我慢強さがある」「丁寧に仕事を進める几帳面な性格をしている」「誰とでも仲良くなれるコミュニケーション力が持ち味」などが挙げられます。
長所を伝える際には、自分の人柄が分かるように内容を考えることがポイントです。
採用面接において自己PRや長所は定番の質問であり、両方とも聞かれる可能性があります。採用担当者が自己PRと長所を質問する意図は以下のとおりです。
採用担当者が自己PRと長所を質問する意図を理解し、最適な回答を用意しましょう。
選考通過率を上げるには、自己PRや長所を通じて自分の魅力を伝えることが大切です。ここでは、自己PRと長所を伝える際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。採用担当者に好印象を与えるためにも、ポイントを踏まえたうえで自己PRと長所を考えましょう。
自己PRや長所は、結論から話すのがセオリーです。結論から話すと「何を伝えたいのか」が明確となり、採用担当者に理解してもらいやすくなります。たとえば、「私の強みは法人の営業経験です」「私の長所は積極性です」といったように結論を一言で述べます。
結論を伝えた後は、その具体的な理由やエピソードを話しましょう。重要なのは自分の実体験を話すことです。理由やエピソードを話した後は、「自分の強みや長所を入社後にどのように活かすか」あるいは「入社後の意気込み」を伝えて締めくくります。
強みや長所を伝える際に、数字や具体的なエピソードを用いると説得力が増します。悪い例として、「私の強みは営業力です。多くの顧客を獲得してきました」といった自己PRは、抽象的で営業力の高さが伝わりません。
しかし、「月に10件の新規顧客を獲得し、利益を20%向上させました」といったように数字を活用すれば、具体的に営業力の高さが伝わるでしょう。数字で表せなくても、「どのように仕事に向き合ってきたのか」「何を意識して仕事に取り組んできたのか」を話すと、自分の人柄を伝えやすくなります。
選考に通過するには、企業に「この応募者を採用したい」と思ってもらう必要があります。企業が求める人物像を調べないままやみくもに自己PRや長所を伝えても、「採用したい」とは思ってもらえないでしょう。極端な例ですが、事務職の選考に調理スキルをアピールしても意味がありません。
企業研究をして事業理解や仕事内容を深く理解したうえで、自己PRや長所で伝える内容を検討することが大事です。そして「自分を採用することで企業にどのような利益をもたらすのか」「入社後に具体的にどう活躍していくのか」を伝えましょう。
自己PRや長所の伝え方、ポイントが分かっても、具体的にどう伝えればよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、職業別に自己PRと長所の例文を紹介します。例文をテンプレートのように活用し、自分の言葉でアレンジしてみてください。
アパレル販売員から営業職へ転職する人の自己PRと長所の例文を紹介します。
【自己PRの例文】
私の強みは、顧客のニーズを引き出す力です。お客様とコミュニケーションを取る際には、信頼関係の構築を第一に考えてきました。初めてお会いするお客様は警戒心を持っていることが多いため、まずは相手の目線になって物事を考え、聞き手に徹し、話に共感することを大切にしています。そのおかげで、最初はあまり話してくれなかったお客様も次第に心を開いて要望を伝えてくれるようになりました。
貴社に入社できましたら、顧客のニーズや悩みに寄り添った商品を提案し、信頼される営業パーソンになりたいと考えています。
【長所の例文】
私の長所は、我慢強さです。前職では、お客様から無理難題を要求されたり、理不尽なクレームをつけられたりすることもありました。しかし、お客様の気持ちを逆撫でしないよう、笑顔を作り丁寧に対応しました。
時には気持ちが折れそうになることもありました。それでもスタッフに相談したり自分なりのリフレッシュ方法を見つけたりと、我慢ばかりしないことやストレスを溜め込まないことも大切にしています。
営業の仕事も辛く厳しい場面があることは覚悟しています。それでも持ち前の我慢強さを活かし、粘り強く成長していきたいと考えております。
ITエンジニア経験者の自己PRと長所の例文を紹介します。
【自己PRの例文】
私の強みは、マネジメントスキルです。前職はプロジェクトリーダーとして開発プロジェクトのチームを統率してきました。10名前後のメンバーの管理でしたが、一人ひとりの個性や性格を理解しつつ、プロジェクトが円滑に進むよう人員配置し、指示を出してきました。
プロジェクト進行中には、システム障害や納期の変更といった予想外の問題が起こることもありましたが、その都度柔軟に対応したおかげで納期内にプロジェクトを完遂できました。
貴社に入社できましたら、前職の経験を活かして生産性と実利を活かしたプロジェクトマネジメントをしたいと考えております。
【長所の例文】
私の長所は、チャレンジ精神です。私はITエンジニアになる前、介護の仕事をしていました。PCスキルもない状態で未経験からIT業界に飛び込み、プロジェクトリーダーとして活躍できたのもチャレンジ精神があってこそだと考えています。
ただし、無謀なチャレンジはしないことを心掛けています。介護業界からIT業界へ転職する際も、基本情報技術者試験に合格したりプログラミングスクールに通ったりと入念な準備をしました。
貴社に入社できましたら、未経験のことでも臆せず、果敢にチャレンジしていきたいと考えております。
コールセンタースタッフから事務職へ転職する人の自己PRと長所の例文を紹介します。
【自己PRの例文】
私の強みは、臨機応変な対応力です。前職のコールセンターでは、基本的な対応マニュアルが用意されていました。しかし、顧客の要望や疑問は多岐にわたり、マニュアルにはない問い合わせを受けることも多くありました。その際にも、顧客のニーズを丁寧にヒアリングしつつ、最善の対処法や答えを提示できるよう努めてきました。
時には高圧的になる顧客もいましたが、冷静になってお話を伺い、丁寧に対応することを心掛けてきた結果、顧客満足度が10%向上しました。
貴社に入社できましたら、来客対応やトラブル対応など、コールセンターで培った臨機応変な対応力を活かしていきたいと考えております。
【長所の例文】
私はよく努力家と言われます。前職のコールセンターでは、インバウンドだけでなくアウトバウンドも経験しました。顧客とのアポイントにつなげるためには、話し方を細部にまでこだわる必要があります。具体的には、話し声の大きさやトーン、テンポなど顧客の年齢層や声から伝わるテンションによって調整することが大事です。架電後は自分の話し方で直したほうがよい箇所をノートにまとめ、日々改善に努めました。
その結果、1日のアポイント件数が目標の5件を超える日々が続くようになり、30人いる部署の中で最もよい成績を出せるようになりました。
事務職未経験ではありますが、持ち前の諦めずに努力する姿勢で、いち早く貴社に貢献できるよう尽力いたします。
自己PRや長所が「思い浮かばない」「言語化できない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、よくある自己PRと長所をそれぞれ一覧で紹介します。下記をヒントに、自分なりの言葉で文章化してみてください。
選考における自己PRと長所は、どちらも自分の性格や考えを志望先企業に理解してもらうための項目です。少しでも伝え方を間違えると、採用担当者にマイナスな印象を与えかねない点に注意しましょう。ここでは、自己PRと長所を伝える際に注意したいことを5つ紹介します。
自己PRと長所の内容が同じだと、準備不足を疑われてしまいます。準備不足は「志望意欲が低い」とも捉えられるため、自己PRや長所だけでなく、定番の質問に対して答えを用意しておきましょう。また、面接では緊張から用意した答えが飛んでしまうことも少なくありません。本番を想定した模擬面接をし、考えなくてもスムーズに答えが出るようにしておくとよいでしょう。
自己PRと長所の書き分けを意識しすぎるあまり、矛盾が生じてしまう人がいます。たとえば、自己PRでは「ひとつのことを長く続けるタイプ(継続力)」とアピールしたにもかかわらず、長所で「興味のあるものは何でもすぐにチャレンジする」と伝えると、採用担当者は疑念を抱く可能性があります。
短所や志望動機など、自己PRと長所以外も同様です。応募書類を提出する前には、伝える内容に矛盾が生じていないか、一貫性があるかどうかを確認しましょう。
社会人経験の浅い第二新卒でない限り、転職で自己PRや長所を伝える際は基本的に仕事でのエピソードを話しましょう。採用担当者は、「応募者が自社でどのように活躍できるのか」「ビジネススキルがどの程度あるのか」を知りたいと考えています。学生時代にどれだけの経験を積んでいたとしても、転職活動での自己PRと長所では仕事の取り組み方や成果、実績を伝えるのが基本です。
自己PRや長所で伝えるアピールポイントは、できる限りひとつに絞ることが大切です。何個もアピールポイントがあると、一番伝えたいことが伝わりにくくなります。また、「まとめられない人」「整理できない人」といったマイナスな印象も与えかねません。
なお、自己PRや長所の文字数は200文字〜300文字程度、面接で話す際は1分程度を目安に作成しましょう。
面接では、応募者の回答に対して深掘り質問されることが多くあります。たとえば、「IT業界に興味を持ち、ITエンジニアを目指しました」という回答に対し、「なぜIT業界に興味を持ったのですか」と聞かれるなどです。
深掘り質問に答えられないと、「うそをついているのでは」「コミュニケーション力が低いのでは」などと思われてしまう可能性があります。深掘り質問されることを想定し、あらかじめ回答を用意しておきましょう。
自己PRや長所を作成するのは簡単ではありません。特に転職活動が初めての場合は、何を訴求すればよいのか考えるだけで何日もかかってしまうことがあるでしょう。ここでは、自己PRと長所が浮かばない人へ向けて、対処法を5つ紹介します。
十分に自己分析をせずに自己PRや長所を作成しようとしても、筆が止まってしまうでしょう。自己PRや長所を作成する際は、まずは自身の過去の経験や実績を洗い出してみてください。紙に書き出して視覚化することで、自己PRや長所が作成しやすくなります。
「前職でどのような成果を上げたのか」「どのように仕事に向き合ってきたのか」「失敗したエピソードは何か」「どのようにトラブルを解決したのか」など、時系列で思い浮かぶ限り書き出してみてください。
短所は長所として捉えることも可能です。たとえば、「せっかち」という短所があった場合、「決断が早い」「行動が早い」といった長所に変換できます。
ほかにも、「頑固」という短所は「芯が強い」「信念がある」「こだわりを持っている」などと変換できます。このように、まずは短所を書き出して長所に変換できないか探ってみるのもひとつのアプローチ法です。
自己分析が難しい場合は、「自分史」「モチベーショングラフ」などのフレームワークを活用するのがおすすめです。フレームワークを用いることで、手順にしたがって効率的に自己分析できます。
自分史は、その名のとおり自分の歴史をまとめたものです。幼少期から現在までに起きた出来事や変化などを時系列で記載します。
モチベーショングラフは、自分の過去から現在までのモチベーションの変化を表したグラフです。「いつ、どのようなときに充実していたか」「やりがいを感じたのはどのタイミングか」などを記載します。
自分史やモチベーショングラフのほかにも、自己分析のフレームワークは多く存在します。自己PRと長所が思いつかない場合は、積極的に活用してみましょう。
自己分析ができないときは、自分のことをよく知る家族や友人に相談してみるのもおすすめです。客観的な視点から自分という人間を分析してもらうことで、自分では気づけなかった長所や強みが見つかる可能性があります。自分の弱みや問題点を知ることもでき、改善につなげられる点もメリットです。
また、長所を伝える際には「よく周りから努力家だと言われます」といったように、他者からの評価を記載するのも有効です。
転職のプロに相談するのも有効です。転職エージェントを利用すると、転職事情に精通しているキャリアアドバイザーに自己PRや長所の作成をサポートしてもらえます。
また、転職エージェントは自己PRや長所の作成以外にも、求人の紹介や応募書類の添削、模擬面接、内定後の条件交渉の代行など、転職に関する幅広い支援を行っています。転職が初めての人や自信のない人は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
マイナビエージェントはさまざまな業界・職種の求人を扱う総合型の転職エージェントです。在籍するキャリアアドバイザーは転職ノウハウを熟知しており、これまでに多くの転職希望者の活動をサポートしてきました。
自己PRと長所の作成に悩んでいる方もお任せください。担当のキャリアアドバイザーがあなたの人柄や強みを丁寧に分析し、訴求力の高い自己PR・長所となるようにアドバイスいたします。
転職の面接では、自己PRと長所について質問されることがほとんどです。その際、同じ内容で答えてしまうとマイナスな印象を与えてしまうため注意しましょう。自己PRでは「自分の強み」、長所では「自分の性格や人柄」を伝えることがポイントです。
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