更新日:2024/08/27
この記事のまとめ
転職の自己PRで「粘り強さ」をアピールしたいという人もいるのではないでしょうか。「粘り強さ」は魅力的な特性ですが、アピール方法を間違えるとネガティブな印象を与えてしまいかねないため注意が必要です。
そこでこの記事では、転職の自己PRで「粘り強さ」をアピールするポイントを例文つきで解説します。粘り強さを効果的にアピールする方法が分かれば、応募先企業に好印象を与える自己PRを作成できるでしょう。
目次
「粘り強さ」という言葉は、「根気強く最後までやり通すこと」「忍耐力があること」などと定義されます。ビジネスは、セオリーどおりにやれば結果が出るというものではありません。そのため、「粘り強さ」は企業にとっても魅力的な特性です。
企業が求めているのは、問題が生じても投げ出さずに仕事に取り組める力や、失敗しても新たな方法に挑戦できる前向きさなどを持っている人材です。困難な事態に直面しても諦めずに目標を達成できる「粘り強い人材」であることをアピールできれば、企業から高く評価されて転職を成功させられるでしょう。
面接対策としてまず準備する必要があるのが自己PRです。ひとつのことを長く続けるタイプの人やコツコツ物事に取り組むのが好きな人であれば、「粘り強さ」をアピールしたいところではないでしょうか。しかし、自己PRで粘り強さをアピールするにはコツが必要です。
ここでは、「粘り強さ」を自己PRの武器にするために知っておきたい3つのポイントを解説します。
「粘り強さ」は長所として使われるキーワードのひとつですが、「最後まで諦めずにやり切れる」「目標達成へ向けて努力ができる」「責任感が強い」などさまざまな意味合いで用いられます。単に「粘り強さがある」といっても抽象的で伝わりにくいため、具体的なエピソードとともに説明することがポイントです。
特に転職においては、ビジネスにおける強みとして粘り強さをアピールすることが必要です。アピールポイントとして活用できるよう、どのような場面において粘り強さを発揮したのか、これまでのキャリアを振り返って考えてみましょう。
「粘り強さ」という言葉は、「ひとつのことにこだわりすぎて気持ちの切り替えができない」「一度決めたことを変えられない」「周りの意見を聞き入れない」といったネガティブなイメージを与えることもあります。人によっては「粘り強さ」を長所ではなく短所と捉えることもある点に注意しましょう。
ビジネスにおいては、状況の変化に応じて仕事のやり方を変える柔軟性やチームワークも必要です。「粘り強さ」を強みとしてアピールしたいのであれば、ネガティブなイメージを抱かせないように言葉の使い方に気をつける必要があります。
「粘り強さ」は、断られたとしても諦めずに何度もアプローチする営業職、試行錯誤を繰り返しながら目標へと到達する研究職、よりよい商品やサービスを作り出すために集中力の持続が求められる技術職への転職の際には大きなアピールポイントになるでしょう。
一方で、コンサルタント職やIT職種、総合商社といった合理性や効率、論理的思考を重視する職種への転職では、「粘り強さ」という自己PRがマイナスのイメージを与えてしまうこともあります。「粘り強さ」を自己PRとしてアピールする際は、強みにできる職種・企業であるかを見極めることが大切です。
一口に粘り強さといっても、さまざまなタイプに分類できます。自己PRでアピールする場合には、自分が持つ粘り強さのタイプを見極めることが重要です。自分のタイプが分かれば、粘り強さに具体的なエピソードを添えて効果的にアピールできるようになります。
ここでは、転職でアピールできる「粘り強さ」を6つのタイプに分類して解説します。
ひとつ目は、問題や課題を乗り越えて業務を続けられる「粘り強さ」です。ビジネスに問題や課題はつきものであり、すぐには解決できない困難な事態に直面することもあるでしょう。
ただしそのようなときにも、簡単に諦めてしまうのではなく、困難を乗り越えながら少しずつビジネスを前に進めていく粘り強さがビジネスを成功へと導きます。このタイプの人は物事をポジティブに捉える能力にも優れており、困難な事態に直面しても最後まで与えられた業務を遂行できます。
2つ目は、目標を達成するまで諦めない「粘り強さ」です。単にひとつの物事をコツコツと続けるのではなく、自分の努力が目標達成のライン上にあるかどうかをしっかりと確認しながら続けていける能力です。たとえ時間がかかっても、最終的に目標を達成できれば、その努力は高い評価を受けます。
言われたことだけをこなすのではなく、最終目標を理解して達成するまでの手段を見いだせる「粘り強さ」のある人は、ビジネスで大いに必要とされています。
3つ目は、集中力を切らさない「粘り強さ」です。細かい作業や正確性が求められる業務においては特に必要とされる特性です。
業務が完了する前に集中力が切れてしまうと、思わぬミスやトラブルを招くことにもなりかねません。集中力を持続したまま業務を終えられるとミスやトラブルの手直しにかかる時間を削減できるため、最終的に効率のよい仕事をしたことになります。
長い作業手順を細かく区切って順序よくクリアしていくなど、意欲や集中力を途切れさせない工夫もできる人です。
4つ目は、失敗から学び、くじけずに物事を続けていける「粘り強さ」です。失敗した原因を探るのはビジネスの成功に欠かせません。しかし、いつまでもくよくよと悩んでいるとやる気が失われ、仕事を続ける気力が失われてしまいます。
失敗を学びと捉え、気持ちを切り替えて再びチャレンジできる人は打たれ強いと見なされます。メンタルの強さが必要になる職種やビジネスにおいては大いに必要とされる特性です。
5つ目は、負けず嫌いが原動力になる「粘り強さ」です。特に数字で評価が見える職種においては、この負けず嫌いが大いに発揮されます。ほかの人が自分よりよい成果を上げると「負けたくない」「次は勝ってみせる」という意欲が高まるため、勝つ方法を考えたり試したりするようになるでしょう。
この競争心は、社内のライバルに対してだけでなく他社に対しても発揮されるため、企業のビジネス全体を押し上げる力にもなります。ほかの人を巻き込むリーダーシップにつながることもあります。
6つ目は責任感の強い「粘り強さ」です。自分に任されたことはしっかりと成し遂げたい、期待される結果を出したいという思いが強い人です。責任感のある人の仕事は丁寧で確実性があるため、「この人に任せれば大丈夫」と思ってもらえるようになるでしょう。
信頼できると判断されると、より大きな仕事や責任を任されるようになります。企業にとっては、事業の中核を成すいわゆるコア人材として採用したいタイプの人です。
「粘り強さ」に限らず、自己PRには効果的なアピールの仕方があります。それは、「結論から述べる」「強みの根拠をエピソードで説明する」「今後どう活かしたいかを説明する」という3ステップです。ここでは、自己PRで粘り強さを効果的にアピールするための3ステップを解説します。
自己PRのファーストステップは「結論から述べる」ことです。粘り強さが自分の強みであることを最初に伝えます。このときに重要なのは、どのタイプの「粘り強さ」を持っているのかをはっきりと伝えることです。
「私の強みは粘り強いことです」というよりも「私の強みは、目標を達成するまで諦めない粘り強さがあることです」と伝えたほうがより具体的であり、自己分析ができていることを印象づけられます。これまでの働きをイメージさせるものにもなるでしょう。
次に「粘り強さ」を仕事においてどのように発揮したのかが分かるエピソードを述べます。粘り強さが必要になった状況、課題、自分の起こした行動、成果と具体的に説明することが重要です。転職の場合には、学生時代ではなく、前職でのエピソードを選ぶとよいでしょう。
粘り強さを発揮する原動力になったもの、理由や自分の気持ちなども含めると、あなたの人間性も伝えられます。ポイントは、時間、量、人数、金額など数字を使ってできるだけ具体性のある内容にすることです。こうすることでエピソードの信頼性を高められます。
自己PRの締めでは、「粘り強さ」を今後どう新たな職場で活かしていきたいのかを伝えます。企業研究をしっかりと行い、応募先企業の商品やサービス、ビジネスの方向性を理解していることが分かる内容にしましょう。
採用担当者に転職後の働きをイメージさせられるように強みを伝えられれば、好印象を与えられて採用される確率を上げられるでしょう。
自分が持つ粘り強さがどのタイプなのかを把握できたら、自己PRの構想を練っていきましょう。ここでは、粘り強さのタイプ別に自己PRの例文を紹介します。例文をそのまま使い回すことはできませんが、アピールの仕方や表現の方法をつかむ参考にしてみてください。
【例文1.】
私には、困難があってもそれを乗り越えながら業務を続けていく粘り強さがあります。
前職では飛び込み営業が多く、訪問しても相手にしてもらえないような状況もありました。しかし、まずは警戒心を解くことからだと自分に言い聞かせ、断られても諦めずに営業を続けました。その結果、最初の訪問から半年以上かけて受注を獲得するなど新規の受注先も増えていき、営業部では新規獲得数1位を記録しました。
御社においても粘り強い営業で、新たな顧客の獲得に励みたいと考えています。
【例文2.】
私の長所は、目標を達成するまで諦めずに取り組む粘り強さです。
前職では販売業務のチーフとして働いていましたが、なかなか目標を達成できずにいました。目標を達成できない理由をアンケートで調査しましたが、よい解決策には結びつきませんでした。そこで休憩時間などを使い、個別に話を聞きながらどこに問題があるのかを見極めることにしました。少し時間はかかりましたが、問題の本質が見えてきたため、できるサポートや販売方法の調整など新たな解決策を講じ、結果的に販売目標を達成できました。
御社においても、目標を達成するまで諦めない粘り強さで販売に貢献していきたいと考えています。
【例文3.】
集中力を切らさずに粘り強く業務に取り組めるのが私の長所です。
IT分野では、プログラムコードをひとつ間違えるだけで、クライアントに大きなダメージを与えることにもなりかねません。効率的な方法を探るのは当然ですが、コツコツと同じような作業を繰り返す場面も多くあります。そのような作業の中でも、集中力を切らさずに最後まで丁寧に業務に携われていると自負しています。これまでに大きなミスや障害を発生させることもなく、大きなプロジェクトを任されるまでになりました。
御社でも同様に、丁寧で確実な仕事ができるよう、集中して業務に取り組んでいく所存です。
【例文4.】
私には、失敗してもへこたれず、よりよい方法を目指しながら取り組む粘り強さがあります。
前職では営業とのコミュニケーションがうまく取れず、売掛金の回収状況をコントロールできない状況に陥ってしまいました。口で催促するだけでは感情論になってしまい、うまくいかなかったため、もっと客観視できる方法がよいのではないかと考えるようになりました。そこで未払い顧客をリストアップし、支払い計画や回収状況と併せて社内で共有する方法を試してみました。1年ほどかかりましたが、未払い分の7割を回収するに至りました。
今後も、経理としてできることを積極的に見つけ、粘り強く取り組んでいく所存です。
【例文5.】
私は元来負けず嫌いなところがあり、それが粘り強い業務の原動力につながっています。
前職では上司から1年上の先輩と比較されたことで火がつき、自分の営業方法を徹底的に見直しました。業界研究や自社商品についても改めて勉強し、できることは何でもしました。そのうちに効果的な営業スタイルを確立でき、昨年度末は営業成績トップで締めくくることができました。
御社においてもこの負けず嫌いな性格をうまく活かして、粘り強く業務に取り組み、結果を出したいと考えています。
【例文6.】
私の長所は、責任感を持って粘り強く業務に取り組むところです。
以前、お客様に提案していた商品が突然生産終了となり、契約が白紙になるということがありました。代わりの商品を見つけ改めて提案しましたが、新店舗のオープン用だったため納期が間に合うかどうか微妙なところで、足踏み状態となってしまいました。
私を信頼して任せていただいていたため、どうしても新規オープンに間に合わせたい、何とかしたいと強く思いました。そこでメーカーに直接足を運び、事情を説明して何度もお願いし、納期を前倒ししてもらえることになりました。結果、お客様にも満足していただけました。
今後も「あなたに任せてよかった」と言っていただけるよう、責任感を持って御社のビジネスに貢献していく所存です。
「粘り強さ」は「業務を最後までしっかりとやり遂げる」「簡単に諦めない」といったポジティブな印象を与える一方で、「しつこい」「人の意見を聞かない」というネガティブなイメージを与えることもあります。「粘り強さ」をうまくアピールとして使うためには、ネガティブな印象を与えない工夫が必要です。
ここでは、自己PRで粘り強さを企業にアピールするために押さえておきたい3つのポイントを解説します。
「粘り強さ」のある人材に企業が懸念するのは、チームワークが取れるのかという点です。ひとりでコツコツと、またはこだわりを持って業務に取り組む分には問題ありませんが、人に何を言われても自分の意見ややり方を変えないのでは困るというわけです。
そこでおすすめなのが、「粘り強さ」をアピールするエピソードに協調性を感じさせる内容を含めることです。「仲間と話し合って役割分担をした」「励まし合いながら業務に取り組んだ」といったフレーズが入るだけでも、ひとりではなくチームとして働くあなたの姿がイメージできるため、採用担当者の不安を解消できます。
ほかの強みをメインとしてアピールし、「粘り強さ」を補強という形で使う方法もあります。たとえば、「行動力」や「メンタルの強さ」「課題解決力」「計画性」などをメインの強みとしてアピールし、粘り強い業務態度につなげるというやり方です。粘り強さがプラスの要素として働き、メインとする長所をより強く印象づけられるでしょう。
「粘り強さ」という言葉を必ずしも使う必要はありません。「忍耐強い」「へこたれない」「ポジティブな取り組み」など、より自然な言い回しを考えてみましょう。
「粘り強さ」の根拠となるエピソードが弱い場合には、自己PRとして印象に残りづらくなってしまいます。そのようなケースでは、「粘り強さ」以外の強みをアピールポイントにするのも選択肢のひとつです。
「自分の強みが分からない」「どうアピールすればよいか分からない」という場合には、転職のプロである転職エージェントを利用するのがおすすめです。自分では気づけなかった強みや効果的なアピール方法を教えてくれるでしょう。
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「粘り強さ」は課題や困難にぶつかってもビジネスを前に進める原動力となるため、自己PRでぜひともアピールしたい長所です。しかし、アピール方法や転職先の業種によってはマイナスポイントになってしまうこともあるので、しっかりとした見極めと伝え方の工夫が必要です。
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