更新日:2024/03/18
この記事のまとめ
行動力のある人は、企業の成長に貢献する人材として大いに必要とされています。しかし、転職希望者の中には自分の行動力をどのように表現したらよいか分からないという方もいるのではないでしょうか。
行動力を印象づける自己PRを作成するにあたっては、しっかりとコツを押さえることが大切です。そこでこの記事では、行動力を上手にアピールする方法について紹介します。
目次
行動力を上手にアピールするためには、行動力の持つ意味についてしっかりと理解しておく必要があるでしょう。ここでは、行動力とは何か、行動力がある人にはどのような特徴があるかについて解説します。
行動力は非常に漠然とした言葉で、さまざまな意味を含んでいます。時折、行動力という言葉を耳にするかもしれませんが、一言で説明するのは容易ではありません。
世間一般で「行動力がある」という表現は、何かを思い立ったときに、すぐに行動に移せるタイプの方に対して使われることが多いようです。一方で、後先を考えずに突き進むタイプの方は、「行動力がある」というよりも「無謀」な人という印象のほうが強いでしょう。
行動力は、一般的にポジティブな言葉で、無謀とは違います。本当に行動力がある方は、目標達成のためにはどのような道筋をたどる必要があるのかを自分自身で考え、確実に実行できるからです。そのため、行動力という言葉には、計画力や実行力、主体性、積極性といった要素も含まれるといえるでしょう。
転職活動においては、これに加えて、企業が求める行動力とは何なのかについても考える必要があります。いくら自分で考えてゴールに向けて行動できる方であっても、それが自分本位では、会社組織になじめない可能性があるからです。
企業風土に合わないと判断されないためにも、企業研究を行い、求められる人物像に合わせたアピールをすることが大切です。
行動力がある人の特徴のひとつは向上心があることです。自分の進むべきあるいは目指すべき目標が明確になっているため、迷わずに行動できます。成長したいという気持ちが高いモチベーションとなり、問題にぶつかっても簡単にはあきらめません。
また、チャレンジ精神を持ち合わせているため、リスクがあるとしても失敗を恐れて躊躇することなく、勇気を持って行動します。
判断力や決断力も行動力には欠かせません。目標を設定するだけではなく達成のために何に取り組めばよいかが明確になっているため、スピーディに物事を判断でき最善の行動を選択できます。
自己PRを求められた際、「行動力がある」とだけ伝えても抽象的で具体性がありません。本当に行動力があることを示し説得力を持たせるためには、それを示すエピソードを見つける必要があります。
転職活動の場合、行動力を示すエピソードは、これまでの仕事に関連することから見つけるのが基本です。すでに社会人経験を積んでいるはずの応募者から学生時代のエピソードなどを語られた場合、「前職では何をしていたのだろう」と思われてしまいます。採用後のイメージを持ってもらうためにも、次の仕事にどのように活かせるのかを伝えましょう。
エピソードには、「課題」「課題を解決するために考えたこと」「実際に起こした行動」「行動の結果」などを盛り込みます。何のために、どのような行動を起こし、その結果どうなったのか、道筋を立てて説明することで実際にアクションを起こして問題解決につながったことをアピールできるでしょう。
自己PRで行動力と伝えたい場合に、押さえておきたい注意点が6つあります。行動力は社会人としても求められることの多い要素ですが、伝え方を間違えるとマイナスイメージになりかねません。注意点を意識して自己PRを考えましょう。
転職活動では、質問に対しては結論を先に答えるのが原則です。しかし、「自己PRをお願いします」という質問に対して、「行動力があります」と答えるとやや抽象的に感じられる可能性があります。
行動力はアピールポイントとして利用されることも多いため、「またか」と思われてしまうおそれもあるでしょう。そこで、「現状に満足せず、よりよい結果を導き出すために積極的に動いてきました」など、実際のエピソードにつながる簡単な説明から入るとどのような人物なのか理解してもらいやすくなります。
自分が行動して結果を残したエピソードは、これまでの人生でいくつかあるかもしれません。しかし、その中から自己PRで説明できるのは基本的にひとつだけです。どのエピソードを選ぶのかによって選考結果が左右されることもありますから、慎重に選択しましょう。
複数のエピソードを書き出したうえで、企業が求める人材像に最も適したものがどれなのかを検討してみてください。自分自身が1番魅力的だと感じるエピソードではなく、企業が1番魅力的だと感じるエピソードを選択することが成功につながります。
エピソードは抽象的ではなく、行動に至った背景や取り組み方が伝わるよう、具体的に話すことを心がけましょう。エピソードが具体的であれば人物像を明確に把握できるため、採用担当者も入社後に活躍する姿をイメージしやすくなります。
行動力をアピールしようと思うあまり「行動力があります」を何度も強調すると、単調な印象になりかねないため伝え方を工夫しましょう。行動力を別のフレーズに置き換えると、表現豊かな自己PRができます。
たとえば行動力を以下の表現に言い換えられます。
行動力のエピソードを話す際、課題発見力と課題解決力をアピールすることを意識しましょう。課題発見力とは、現状を分析して目標達成のために何が問題となっているかを見抜く力です。課題解決力は洗い出した問題点の解決に必要なプロセスを考え出す力といえます。
問題に直面しても自ら課題を見つけ出し、目標達成のための道筋をつけられる能力をアピールできれば、行動力はあるが計画性はないと判断されることを避けられるでしょう。
企業で行動力をどのように活かしたいと思っているかをはっきりと伝えましょう。採用担当者は、求職者の行動力がどれほどあるかではなく、入社後どのように企業に貢献できるかを知りたいと思っているからです。
企業の評価が高い計画性や主体性、協調性が際立つエピソードを選びましょう。自己PRの結論部分で、入社後に企業の貢献のために行動力をどのように活かせるかを具体的にアピールすると、採用担当者への訴求力が高まります。
面接官は、面接中の受け答えの仕方でも、応募者の資質をチェックしています。質問に対してなかなか答えられずに口ごもってしまったり逆質問が思いつかなかったりすると、「この人は本当に行動力があり、自分から積極的に動けるタイプなのか」と疑問に思われてしまうでしょう。
面接中の言動にも注意して、行動力があり前向きで活発な印象を持ってもらう必要があります。
最後に、自己PRで行動力をアピールするための例文を2つご紹介します。これまでのポイントを踏まえ、自分に合った自己PRを考えてみましょう。
【例文】
私は、課題を解決するための方法を模索し、それを実行に移す行動力を持っています。前職ではルートセールスを行っていましたが、他社の製品に押されて売上が伸び悩んだことがありました。
そこで、小売店の担当者と相談し、陳列方法や販促方法について大幅な見直しを行いました。顧客の口コミを積極的にチェックし、より顧客感情に合った展開を心掛けた結果、SNSで大きな話題となり売上を持ち直せました。
その後チームに情報を共有してさらなる見直しを行い、最終的には個人の売上を前年比30%、チーム全体の売上を15%伸ばすことに成功しました。逆境にあってもそれを打破するために行動し、周囲と協力し合いながら前向きに取り組むことで、御社でも結果を出していきたいと考えています。
【例文】
私の強みは周りと協力しながら目標達成のために行動できる点です。前職では飲食店の店長を任せられていましたが、近くに人気のチェーン店ができたことで、客足が遠のき売上が落ちた時期がありました。
私は毎月の売上目標をスタッフに周知し、目標達成のためには何ができるかアイデアを募りました。上下関係や年齢に捉われることなく、よいと思った意見はすぐに取り入れて行動に移したことで、半年後にはチェーン店が出店する前の水準よりも売上は1.3倍になりました。
目標達成に向けて意見を出し合ったり、新たな取り組みを行ったりしたことでスタッフの士気も高まり、団結力も生まれました。御社の業務においても、目標達成のために計画を立てて主体的に取り組み、周囲の人と協力することで結果を出していきたいと考えています。
行動力をアピールできるエピソードや伝えるべきポイントがわかっていても、それを文章にするのは難しいと感じる方もいるでしょう。行動力のアピール方法にお困りの方は、無料で利用できる転職支援サービスマイナビエージェントの利用がおすすめです。
マイナビエージェントでは、各業界に精通したキャリアアドバイザーの転職サポートが受けられます。応募書類の添削や模擬試験など、自分の強みが相手に伝わる自己PRの作成を支援しています。
行動力がある人材を求める企業は少なくないため、行動力は絶好のアピールポイントです。しかし、アピールの方法を間違えると協調性がないと思われるかもしれません。周囲の人の客観的な意見を積極的に取り入れて自己PRを見つめなおしましょう。
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