更新日:2024/03/25
この記事のまとめ
面接ではほとんどの場合、「あなたの長所はなんですか」と尋ねられます。その際、自身の優れているところが思い浮かばなかったり、強みをどのように伝えればよいのか迷ってしまったりする方も多いでしょう。長所は採否の判断材料になりますから、できる限り好印象を与える回答をしたいものです。
そこで今回は、面接で長所を伝える重要性や、伝え方のポイントについて解説します。長所を見つける方法や、印象をよくする回答例もご紹介するので、これから面接を受ける方はぜひ参考にしてください。
目次
採用担当者が応募者の長所について質問する背景には、応募者がどのような人材かを把握したい意図があります。単に性格のよい部分を知りたいのではなく、募集ポジションに適しているか、入社後はどのような活躍をしてくれるか、といった企業とのマッチ度を確認しているのです。
社風に合っている人材であれば、長く勤めてくれる可能性も高まりますから、共に仕事を進める姿を想像できるかどうかも見ています。併せて、応募者が自分を客観的に分析できているか、という部分もチェックしているでしょう。
自己分析ができていれば、能力を最大限に生かせますし、短所を克服するための努力もできます。「長所」は、入社後に活躍してくれる人材かどうかを見極めるひとつの指標になり得るのです。
長所について答えるときには、話す順番や内容を意識して、訴求効果のある表現をすることが大切です。長所の伝え方しだいで、応募者の評価はプラスにもマイナスにもなり得ます。ここで人間的な魅力があると感じてもらえれば、採用の可能性は高まりますから、しっかりと対策をしておきましょう。
以下に、長所を伝えるうえで大切なポイントをご紹介します。面接官に好印象を与えられるよう、参考にしてみてください。
面接官に「あなたの長所を教えてください」と尋ねられたら、「私の長所は○○です」というように、先に自分にどのような長所があるのかを伝えてください。根拠となる事実、裏付けるエピソードや背景を話すのは、そのあとです。
面接での受け答えは、結論から話すのが基本となりますが、長所を述べる場合も例外ではありません。結論をはじめに言うことで、端的で分かりやすい表現となり、思いを伝えやすくなります。
長所がどれだけ魅力的であっても、何を言いたいのかがよく分からない内容や話し方では、面接官の心はつかめないでしょう。面接は、面接官と応募者の対話で成り立ちますから、面接官が理解しやすいように伝え方を工夫することが大切です。
伝える際は、その点がなぜ長所と感じたのかを具体的に述べましょう。能力を生かせた経験や実績、成功体験などを盛り込んだ、裏付けのあるエピソードを交えるのがポイントです。
長所は具体的でかつ面接官が納得できるようなエピソードを交えて伝えることで、説得力が増します。自分の「どのような部分」が「何に役立ったのか」など、根拠となる内容を明確に話しましょう。
長所が複数ある場合は、要点をひとつに絞り、最も効果的にアピールできるポイントを伝えましょう。時間に限りのある面接の中で、エピソードを交えながら複数の長所について話すことは困難です。
「真面目で協調性があり、コミュニケーション力があって、素直でポジティブです」というように、アピールする強みが多ければ多いほどぼやけてしまい、インパクトに欠けた分かりにくい表現になってしまいます。
「この応募者は自分を客観的に分析することが苦手なのでは」とも思われかねません。あえて長所をひとつに絞ることで、訴求力が高まり、面接官の印象に残る答え方となります。
単に長所を述べるだけでなく、その部分が仕事にどう役立つのかというアピールができると、より効果的な回答となります。「優れたところを生かして募集ポジションで活躍できる」「秀でた能力でこのような貢献をしたい」といったように、自身の長所が仕事をするうえでプラスになることを伝えましょう。
その際には、活躍している姿を面接官にイメージさせることがポイントです。たとえ仕事で使える長所でも、応募先の企業で生かせなければ意味がありませんから、企業の求めている人材像を理解したうえで強みをアピールします。
長所のアピールは自分の魅力を知ってもらうために効果的ですが、単なる自慢話にならないよう気をつける必要があります。面接にふさわしい表現や口調を意識し、自慢げに振舞わないように注意することが大切です。
長所である根拠を述べる際は、学生時代のエピソードではなく、社会人になってからの経験を話しましょう。遠い昔の話だと、「社会人生活で得たものが少ないのでは」と思われかねません。年齢が若かったとしても、大学時代以降のエピソードに絞るのがおすすめです。
また、仕事に関係しない長所を答えるのも避けましょう。「家族が仲よしです」「身体が柔らかいのがよい部分です」など、仕事に生かしにくい強みでは、プラスの評価につながりません。質問の意図が分かっていないと捉えられてしまうこともあるため、長所は仕事とつながりをもたせる必要があります。
面接で長所を尋ねられた際、返答に悩んでしまう方もいるでしょう。自信をもって「ここが強みです」と言える方は、意外と少ないのではないでしょうか。
長所にあてはまるのは、目に見える実績や特別な経歴だけではありません。上司に褒められた、友人に感謝された、短所だと思っていたけれど役立てた、といった部分も強みになり得るのです。
ここでは、自分の秀でた部分や優れたところを探すためのヒントをご紹介します。長所が思い浮かばない方は、ぜひ参考にしてみてください。
過去の経験から、自分にはどのような長所があるのかを探ってみましょう。まずは、仕事で嬉しさを感じたエピソードや、周囲に褒められた出来事、目標を実現したときのことなどをリストアップします。
それぞれの項目で、「なぜうまく行ったのか」「どのような行動をとったのか」を考えると、自然と強みが明らかになります。自分のどういった部分がプラスに働いたのかに目を向け分析すると、長所が見えてくるでしょう。
家族や友人といった周囲の方に、自分の長所はどのような部分なのかを尋ねてみるのもひとつの方法です。他人から見た強みや優れている点を聞くことで、客観的な分析ができます。
自分では特に意識していなかった行動や習慣が、周りには魅力的に映っているケースも珍しくはありません。さまざまな角度から意見をもらうことで、いままで気がついていなかった長所が見つかる場合もあります。
いくら考えても、自分の長所が見つからずに悩んでいる方は、あえて短所に注目してみましょう。実は、長所と短所は密接につながっています。自分の悪い癖や弱点が分かれば、自然と長所も見つけ出せるのです。
たとえば、心配性の方は、「何事も慎重に取り組む」のが強みだと言えます。飽き性だとすれば、「さまざまなことに興味をもてる」のがよい点だと言えるでしょう。長所は短所に変換できます。欠点や弱みを探したら、ポジティブな方向へ言い換えてみてください。
ここでは、短所からどのような長所が見つけ出せるのかをご紹介します。一覧表を参考に、自身の欠点や弱みを長所に言い換えてみましょう。
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自身の強みを把握できたら、面接での答え方を考えましょう。長所は面接ではよく尋ねられる質問ですから、事前に回答を用意しておくと、安心して面接に取り組めます。
ここでは、伝えたい強みごとの回答例をまとめました。構成や内容を参考にして、面接官に好印象を与えられるよう対策をしてみてください。
私の長所は、どのような仕事でも最後までやり抜くことです。前職の営業では、前任者がお客さまからの難しい納期のご要望に応えられず、受注が取り消しとなりそうな案件がありました。一見すると無理難題ではありましたが、お客さまとのヒアリングを重ね、現状や背景を徹底して調べることで、納期までにニーズに合致する代替品をご用意できました。
結果として、お客さまに大変喜んでいただき、以前よりも多くの案件をお任せしていただけることになりました。「できません」と断ることは簡単ですが、私は問題解決も仕事の重要な部分と考えておりますので、途中で投げ出すことはしたくありません。御社でもお客さまのご要望に誠実に対応し、真にご満足いただけるご提案ができればと考えております。
私の強みは、計画性があるところです。前職の営業では、売上目標の達成に向けて必要となる課題を分析し、期間を設けながら業務に取り組んできました。自分の契約成約率や1件あたりの平均単価から月間の売上目標を導き出し、1週間で50件、1日で10件と、アプローチの件数を具体的な数字に落とし込んで行動することで、確実に目標を達成しました。
この計画性を御社でも生かし、具体的な目標設定と業務遂行によって、確実に期待に応えることで貢献したいと思います。
私の長所は協調性があり、チームのコミュニケーションを大切にするところです。大学時代にグループワークをした際、話し合いが円滑に進まず、チームが険悪なムードになってしまったことがありました。
しかし、自分が積極的に課題や問いを立てたり、メンバーの意見を引き出したりすることで、雰囲気がよくなり、一人ひとりが発言しやすい状況へ改善できたことがあります。なかなか発言できないメンバーにも積極的に声をかけたことで、チームワークが向上し、高い評価を得ることができました。
御社では、協調性を発揮してグループ力を高め、目標達成を目指して活躍したいと考えております。
私の長所は、忍耐力があることです。大学時代に水分子に関する研究に取り組みましたが、水の構造研究は国内では解明されていない点も多く、情報収集が思うように進みませんでした。
しかし諦めずに、海外の論文を読んだり、海外の研究者に話を聞いたりして調査を続けた結果、学内の優秀研究活動賞に選ばれました。思うような結論にはたどり着けませんでしたが、諦めずに努力を続ける大切さを学びました。御社では、粘り強く研究に取り組み、お客さまに喜ばれる商品を開発したいと考えております。
私の長所は、物事をポジティブに考えられることです。学生時代は自分に自信がなく、失敗ばかりで落ち込んでいましたが、考え方ひとつで前向きになれると気がついてからは、どのようなときでもポジティブな気持ちをもてるようになりました。
いつまでも失敗に執着せず、「失敗から得たものを糧に成長したい」と思えるようになったことで、高い目標にも臆せず積極的にチャレンジできるようになりました。これからも目標達成へ前向きに行動することで、御社に貢献したいと考えております。
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面接では、長所から応募者の人柄を判断することで、企業と応募者の相性を確認しています。強みを尋ねることにより、自分自身を客観的に分析できているかどうかを選考の判断材料にするケースもあるでしょう。
長所の答え方しだいで応募者の印象は大きく変わります。強みや優れている部分を伝えるときには、結論から話す、エピソードを交えるといったことを意識して、面接官の心をつかむ回答になるよう工夫してください。仕事をするうえで役立つこともアピールできるとよいでしょう。
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