更新日:2024/04/18
この記事のまとめ
志望動機は企業に入社意欲をアピールする大切な要素であり、書類選考の通過に大きく影響します。特にインフラエンジニア未経験者は経験者に比べてアピールできるポイントが少ないため、志望動機で熱意を示すことが重要です。
しかし、「どのように志望動機を作成したらよいのかが分からない」「自分のアピールポイントが分からない」といった方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、インフラエンジニアを目指す方へ向けて志望動機の書き方を例文とともに紹介します。未経験者で自分の強みが分からない方が訴求したいアピールポイントも取り上げているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、志望動機を書く前に仕事内容への理解を深めることが重要です。インフラエンジニアの仕事は、システムインフラを整備し、ITシステムやWebサービスを安定して稼働させることです。コンピューターでの作業ばかりではなく、ハードウェア全般も担当します。ここでは、インフラエンジニアの仕事内容を解説します。
まずは、クライアントをはじめとする発注元の要望やインフラの使用意図、予算などをヒアリングし、どのようなインフラを構築して、どう運用していくのかを決める要件定義を行います。
ここでは、発注元の意思を適切にくみ取り、その目的がきちんと達せられるよう、細かいやりとりが必要です。同時にこの段階で、納期やプロジェクトに必要なメンバーの人数なども決めていきます。
要件定義に基づき、インフラを構築するための機器を選定します。予算やインフラの規模を想定して、どのメーカーのどの機器を使っていくかを考えます。
続いて、インフラを構築するための設計書やネットワーク図を作成します。これはインフラの詳細な仕様や予算、構築に要する期間などをまとめたもので、その後の構築作業の指標となるものです。設計書を作成するためには専門知識に加え、一般的な書類作成能力も必要とされます。
作成した設計書を基にして、実際にインフラを構築していきます。事前に作成した設計書がしっかりしていれば、特別に知識のない人でも構築作業自体は可能です。インフラができ上がったら、その場で動作確認なども行います。
インフラエンジニアにはさまざまな機器やソフトウェアの専門知識が求められるだけでなく、設定した期間内で作業を終えるために、スケジュール管理能力と作業にあたるメンバーをまとめるマネジメント能力が必要です。
インフラの運用後も、新しい機器やOSの入れ替えなどを行うリプレイス(再構築)を行ったり、何らかの障害があれば復旧の対応をしたりします。インフラの管理は、24時間365日体制で取り組むことも少なくありません。
応募先企業に提出する志望動機をいきなり書き始めるのはNGです。自身の強みをアピールするためにも、これから紹介するポイントに沿って、下記のように箇条書きにして整理してみましょう。
さまざまな分野に細分化されているIT関連の職種の中でも、特にインフラエンジニアを目指したいと考えた理由を整理しましょう。
上記のように、自身が感じたことを自由に書き出してみてください。
インフラエンジニアの仕事は、企業によって業務内容が変わってくることが多い傾向にあります。自社の社内インフラを扱うのか、クライアント先に常駐してITインフラの運用管理を行うのかで携わる仕事は大きく異なります。そのため、応募先企業を志望した理由を明確にすることが重要です。
その企業を志望した理由をはっきりさせるためには、入念な企業研究が欠かせません。
インフラエンジニアとして入社後にどのような仕事をしたいか、将来的にどのようなインフラエンジニアになりたいのかをイメージすることも大切です。できるだけ具体的に言語化することで、自身が働き始めたときのビジョンが描きやすくなります。
IT関連の職種に就いたことがない未経験者は、専門的な知識やスキルをアピールできません。とはいえ、求人を募集している企業によっては、たとえ未経験者であっても自社での育成で大きく成長する可能性のある人材を積極的に求めていることも多くあります。
対人スキルや仕事を体系的に進められる能力はインフラエンジニアの業務に欠かせないため、積極的にアピールするとよいでしょう。
しかし、IT関連の知識はいずれ必要となります。独学でも学習しておくことは、自身のスキルアップのためだけでなく、今後の仕事への意欲や熱意を示すのにも効果的です。もし、IT関連の知識がある場合はきちんと伝えられるようにしておきましょう。
インフラエンジニアやIT関連の仕事の実務経験者は、技術やスキル、資格などを分かりやすいように整理しておきましょう。プログラミング歴やアプリなどの成果物があれば用意しておきます。また、それまでの業務経験における具体的なエピソードもまとめましょう。
志望動機を書くための準備ができたら、ここから紹介するような流れで実際に志望動機を書き進めていきましょう。
志望動機の書き出しは、「なぜ応募した企業でインフラエンジニアとして働きたいのか」という、結論を簡潔に書き表しましょう。結論を最初に持ってくることで、志望動機を読んだ採用担当者に入社志望の強い気持ちを伝えられます。
続いて、最初に述べた気持ちに対する理由づけを、具体的なエピソードによって補足します。企業研究で分かったことやこれまでの経験に基づいて説明していきます。
次に、入社後に自身のスキルを活かしてどのように働いていきたいか、その企業にどう貢献できるのかを具体的にビジョンとして伝えます。10年後、20年後といった将来的に目指す方向性なども伝えられるとよいでしょう。
最後に、その企業で働きたいという熱意をしっかりと伝えましょう。一緒に働きたいという熱い思いを採用担当者へ明確に伝えられるようにすることが大切です。
志望動機の書き方やポイントが分かっても、実際にどのように書いたらよいのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、インフラエンジニアの志望動機の例文を未経験者と経験者に分けて4つ紹介します。例文をテンプレートにして、オリジナルの内容に書き換えてみてください。
【例文】
貴社を志望したのは、金融関連企業のITインフラ業務を中心にされているところに惹かれたためです。私はこれまで事務職として働いてきましたが、金融関連のインフラエンジニアとして勤務している友人から話を聞き、インフラエンジニアの仕事に興味を持ちました。
日々、インフラ上で起きる無数の小さなトラブルへの迅速な対応により、大きな障害を起こすことなく、私たちが安心してシステムを利用できているのだと感銘を受けました。
IT関連の仕事は未経験ではありますが、独学でORACLEやC言語の学習をしながら、スキルアップを目指しています。前職で身につけた順序立てて仕事を進める方法などを活かしつつ、陰ながら社会貢献ができるようなインフラエンジニアを目指したいと考えています。
【例文】
貴社に志望したのは、グローバルな視点を重視し、国内だけでなく海外にも広く事業展開しているところに惹かれたためです。また、顔認証システムの開発やIoT機器のセンサー開発など、最先端の技術に携わっている点にも魅力を感じました。
インフラエンジニアとしての業務経験はありませんが、前職では社内SEとしてシステムの運用・保守を担当していました。数多くのトラブルを解決する中で磨いた論理的思考力を貴社でも活かしたいと思っています。
【例文】
貴社を志望した理由は、さまざまな業種におけるITインフラの設計・構築の実績が魅力的だったためです。
前職では3年間にわたり、Linux系のインフラ構築業務に携わってきました。今後は業種にこだわらず、設計から業務を遂行できるインフラエンジニアとしてスキルアップしていきたいと考えています。
前職で経験してきたLinuxシステムによるハードウェア、OS、ミドルウェアなどさまざまな構築のノウハウを活かし、新しい技術を学びながら、貴社においても即戦力として貢献していきたいと考えています。
【例文】
貴社を志望したのは、サーバー系やネットワーク系、クラウド系など多数の案件を受託しつつ、設計導入・運用・コンサルタントに至るまで一貫して対応しているところに魅力を感じたためです。
前職では、WSUSやActive Directoryの運用業務を行っていましたが、さらに仕事の幅を広げたいと思っています。
貴社に入社できましたら、積極的に上流工程の経験を積みつつ、応用情報技術者試験やネットワークスペシャリストなどの資格も取得し、いずれはプロジェクトを統括するプロジェクトリーダーになりたいと考えています。
採用担当者は応募者の志望動機から入社意欲を判断するだけでなく、人間性も見ています。よかれと思って作成した志望動機が、企業側にマイナスな印象を与えてしまうケースも少なくありません。志望動機を作成する際には、以下で紹介するNGな内容についても押さえておきましょう。
「貴社で学びたい」「充実した研修プログラムに惹かれた」などは一見すると成長意欲が感じられる志望動機ですが、NGです。教育制度を理由にした志望動機は受け身な印象を与えてしまい、マイナスな評価につながります。
会社は学校ではありません。たとえ未経験であっても、「資格取得に励んでいる」「自分でシステムを開発している」など自主的に学ぶ姿勢をアピールすることが大切です。
転職先を選ぶうえで給与や労働条件、福利厚生は重要ですが、それらを全面に押し出した志望動機はマイナスな印象を与えてしまいます。
「土日休みだったら別の会社でもよいのか」「入社してもすぐに給与が高い会社に転職してしまうのでは」「事業内容には興味がないのか」などと思われてしまえば、採用を敬遠されてしまいかねません。志望動機には、応募先企業の事業内容や扱うサービスなどを取り上げるのが基本です。
志望動機の作成には手間も時間もかかります。複数社へ応募できるように志望動機を画一的な内容にしてしまう人もいるでしょう。しかし、どの企業でも通じる内容の志望動機は採用担当者の心には響きません。転職サイトで公開されている例文をそのまま使用するのもNGです。
志望動機には「数ある企業の中から、その企業ではなくてはならない理由」を盛り込む必要があります。そのためには応募先企業や競合他社をよく調べ、分析することが大切です。複数社へ応募する場合でも、1社ごとに作成しましょう。
インフラエンジニアの経験がないと、スキルや実績面でアピールできることがありません。そのため、志望動機に何を盛り込めばよいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、未経験者におすすめのアピールポイントを4つ紹介します。
インフラエンジニアは、パソコンやサーバー、プリンターなどの細かな設定や確認作業が多くあります。事前に用意されたマニュアルや手順書を何度も確認し、ひとつずつ丁寧に作業を進める能力が欠かせません。監視業務においては、毎回同じ時間に同じ作業を繰り返すこともあります。
コツコツと細かな作業が得意な人は、インフラエンジニアの適性があるといえるでしょう。前職で細かい作業を行っていたことや、工作が趣味であることなどをアピールすると高評価を得られる可能性があります。
インフラエンジニアはコンピューターに触れる時間が多い職業です。コンピューターを扱うのが好きであることをアピールするのは、「未経験者がインフラエンジニアを目指した理由」としてシンプルながらも有効な内容といえます。
また、IT業界は技術やトレンドの変化も激しいため、日々知識のアップデートが必要です。「コンピューターに触れるのが好き」とアピールすることで、モチベーションの高さや成長意欲も伝えられます。
ITエンジニアというと、ひとりで黙々と作業を進めるイメージを持つ方もいるでしょう。しかし実際のところ、インフラエンジニアは人と接することの多い職業です。インフラエンジニアはチームを組んで仕事をするのが一般的で、コミュニケーション能力がないとスムーズに連携が取れず仕事が進みません。
高いコミュニケーション能力を有している人材は企業にとって貴重です。「協力してプロジェクトを成功したエピソード」「人とコミュニケーションを取るうえで大切にしていること」などを志望動機に盛り込めば、コミュニケーション能力をアピールできるでしょう。
ハードウェア機器の故障やソフトウェアの障害など、IT基盤でトラブルが生じた場合には迅速な復旧作業が必要です。冷静にトラブルに対処できる能力があれば、適切に状況判断や原因を特定し、被害を最小限に抑えるための対策を講じられるでしょう。
過去に起きたトラブルや困難に対してどのように対処したのかを志望動機に盛り込むと、対応力の高さをアピールできます。
インフラエンジニアの志望動機には、インフラエンジニアを目指す理由やきっかけ、入社意欲、キャリアビジョンなどを盛り込むのがポイントです。説得力のある志望動機を作成するためにも、企業研究を徹底し、応募先企業への理解を深めましょう。
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