更新日:2024/05/28
この記事のまとめ
職務経歴書は自身の経歴や保有スキルを伝えるための応募書類です。職務経歴書の作成方法は基本的に自由で、履歴書と違って明確な書式が決められていないことから「どのような順番で経歴を記載したらよいのか」「記載項目は何か」など、疑問や不安のある方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、初めて職務経歴書を作成する方でも分かりやすいように、経歴を書く順番(フォーマット)や作成のポイントについて解説します。
目次
職務経歴書に決められた書式(フォーマット)はなく、基本的には自由に作成して問題ありません。ただし特別な理由がない限り、以下で紹介する3つの書式のいずれかを利用したほうがスムーズです。ここでは、それぞれの書式の特徴について解説します。
社会人としてキャリアをスタートさせた順から書く方法で、「編年体形式」と呼ばれます。社会人としてのキャリアを履歴書と照らし合わせやすく、シンプルで読みやすい書式です。職務経歴書の書式としてはスタンダードですが、職歴が長い場合は読むのに時間がかかるため向いていません。また、直近で身につけたスキルや経験が伝わりにくい点もデメリットです。転職回数が少ない人におすすめの書式です。
現在のキャリアから過去にさかのぼって書く方法で、「逆編年体形式」と呼ばれます。直近で身につけたスキルや経験をアピールでき、訴求力の高い職務経歴書に仕上げられる点がメリットです。ただし、現在から過去にさかのぼって記載していくことから、自身が積み上げてきたキャリアのストーリーが伝わりにくい点はデメリットといえます。職歴が長い人、直近でアピールしたい強みがある人におすすめの書式です。
業務内容やプロジェクト、職種などをまとめて記載する方法で「キャリア形式」と呼ばれます。アピールしたい経験やスキルなどをまとめて伝えられる点がメリットです。ただし、キャリアの成長過程や時系列が伝わりにくい点はデメリットといえます。複数の業界経験がある人、アピールしたいスキルが多い人におすすめの書式です。
職務経歴書にはどのような記載項目があるのか、どういった順番で記載すればよいのかも押さえておきましょう。ここでは、職務経歴書に盛り込む5つの項目を記載する順に紹介します。自由に記載項目を追加することも可能であるため、臨機応変に作成してみてください。
「経歴要約」は、自身の職務経歴を簡単にまとめて記載する項目です。経歴要約がうまくまとまっていると、その後の項目も読みやすくなります。また、自分の強みを盛り込むと、採用担当者にアピールしたいことが伝わりやすくなります。以下は経歴要約の例です。
【例文】
大学を卒業後、株式会社〇〇に入社し、営業職として現在まで在籍しています。仕事内容は、ITシステムの開発における新規獲得営業およびコンサルティング業務です。丁寧なヒアリングと顧客ニーズの分析を通じて計画的な営業に取り組んだ結果、入社5年目で営業成績全国2位(150人中)の表彰を受けました。
「職務経歴」は、勤務先の企業名や事業内容、業務内容、実績などを記載する項目です。どのような企業で、何をしてきたのかが伝わるように具体的に記載しましょう。
【例文】
〇〇株式会社/正社員 20××年××月〜現在
事業内容:自動車販売、整備、部品用品の販売、保険代理店業務
資本金:〇〇円
売上高:〇〇円(20××年度) 従業員数:〇〇名
上場区分:非上場
【業務内容】
営業担当として個人の顧客に〇〇車の提案営業
新入社員への業務指導、商談同席
【取り扱い商材】
○○製の新車、カーリースサービス、自動車保険
【実績】
・2022年度:新車販売15台、中古車販売7件
・2023年度:新車販売21台、中古車販売10件
「活かせる知識・経験・スキル」の欄には、アピールしたいことを記載します。志望先企業と関連性のある知識やスキルを記載するのがポイントです。
【例文】
【丁寧なコミュニケーション】
認知症対応型のデイサービスにて、認知症の方と様々なレクリエーションを通じてコミュニケーションを取ってきました。言葉を理解するのが難しい方に対しても、ジェスチャーを交えたり聞き取りやすいトーンで話したりなどの工夫をすることでうまく意思疎通ができました。
保有している免許や資格を箇条書きで記載します。すべての資格を羅列するのではなく、志望先企業の業務と関連性の深いものを記載しましょう。また、資格は正式名称で記載するのが基本です。たとえば、「普通自動車免許」ではなく、「普通自動車第一種運転免許」もしくは「普通自動車第二種運転免許」と記載します。
【例文】
【保有資格】
・基本情報技術者試験 合格(2020年 3月)
・Python 3 エンジニア認定基礎試験 合格(2021年 4月)
自分の強みをアピールする項目です。これまでのキャリアで得たスキルを入社後にどう活かしたいかを伝えましょう。
また、自己PRに加えて志望動機の欄を設けるのもおすすめです。一般的に志望動機は履歴書の欄に設けられているため、職務経歴書に項目を設ける必要はありません。ただし、履歴書の志望動機を深掘りして説明したい場合にはぜひ記載してみてください。
【例文】
【自己PR】
販売職の店長として、マネジメント面で大事にしてきたのは「スタッフのモチベーションアップ」です。店舗のレイアウトやポップのデザインなど、スタッフの意見も取り入れながら一緒に店舗運営することで、一丸となってお店作りを実現してきました。その結果、スタッフの主体性を育むことにもつながり、会議では意見も多く飛び交っています。店舗運営で得たマネジメントスキルやコミュニケーションスキルを活かし、貴店でも活気のある店舗運営をしたいと考えております。
職務経歴書の「保有資格・免許」の欄は、「免許」「資格」の順に時系列で記載するのが一般的です。
【保有資格・免許】
|
資格の取得年月日は、職務経歴書全体をとおして西暦か和暦で統一して記載しましょう。
合併や買収などで在籍していた企業が社名変更した場合は、入社時の社名を記載し、現在の社名をカッコ書きにします。
【例】
株式会社〇〇(現:〇〇株式会社)
ただし、社名変更してから時間が経過している場合や、新社名のほうが広く世間に認知されている場合は、反対に記載しても問題ありません。
【例】
〇〇株式会社(旧:株式会社〇〇)
なお、社名は(株)(有)といったように略さず、正式名称で記載しましょう。
書類選考において、履歴書・職務経歴書の提出方法を「メール」と指定する企業が増えています。ただし応募する企業によっては郵送を指定される場合もあるため、履歴書・職務経歴書を封筒に入れる順番や送る際のマナーも押さえておきましょう。
履歴書・職務経歴書を郵送する際は、白色の封筒を用意します。封筒のサイズは、履歴書・職務経歴書の大きさがB5(開くとB4)の場合、「角形3号」または「角形4号」を選びます。応募書類のサイズがA4(開くとA3)の場合は、「角形2号」を選ぶとよいでしょう。応募書類を封筒に入れる順番は、以下のとおりです。
封入する際は、封筒と書類の表面を統一させましょう。
ビジネスにおける書類のやりとりでは、添え状・送付状を同封するのが一般的です。添え状・送付状には、以下の項目を記載します。
郵送後は応募書類を送った旨を伝える報告メールを送ると、好印象を与えられる場合があります。また、報告メールを送ると、「送った」「受け取っていない」のトラブルを防止することにもつながります。以下は、報告メールの例文です。
【例文】
件名:履歴書・職務経歴書郵送のご連絡
(本文)
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者 〇〇様
お世話になっております。
〇〇 〇〇です。
この度は、選考の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
履歴書および職務経歴書を、本日××月×日(×)付で送付いたしました。
ご査収のほど、何卒よろしくお願いいたします。
---------------------
氏名:〇〇 〇〇
電話番号:〇〇 〇〇
住所:〇〇 〇〇
---------------------
職務経歴書には決められた書き方がないため、応募者によって仕上がりに差が出る書類といえます。採用担当者に「会いたい」と思ってもらうためには、工夫して職務経歴書を作成する必要があります。以下で紹介する3つのポイントを押さえ、職務経歴書を作成してみてください。
職務経歴書に記載する「実績」「活かせる知識・スキル」「自己PR」などは、数値や具体的なエピソードを用いることが大切です。たとえば「営業で多くの顧客を獲得した」と伝えるよりも、「毎月新規顧客を10件獲得し、売り上げを10%向上させた」と記載したほうが自分のスキルレベルの高さをアピールできます。
実績を具体的な数値で示せない職業の場合は、「どのように仕事に向き合ってきたか」を伝えるとよいでしょう。入社後に活躍する姿を採用担当者がイメージできるように記載してみてください。
職務経歴書は、誰が読んでも理解できる内容にする必要があります。同じ業界や企業に長く在籍していると、社内用語や専門用語をつい自然に使ってしまうケースも少なくありません。職務経歴書を作成した後は、家族や友人にチェックしてもらい、スムーズに読めるかフィードバックしてもらうとよいでしょう。
転職の選考プロセスでは、書類選考に通過したら面接に進むのが一般的です。面接では、履歴書や職務経歴書の内容を基に質問されます。そのため、面接で質問されることを想定し、自身のアピールしやすい展開に持っていけるように職務経歴書を作成するのがポイントです。反対に、スキルを誇張するなど質問されると困るような内容は記載しないように注意しましょう。
「職務経歴書の作成の仕方が分からない」「転職活動をサポートしてほしい」といった方は、マイナビエージェントの活用がおすすめです。マイナビエージェントは無料で利用できる転職エージェントであり、応募書類の添削サービスや面接対策のアドバイスなど転職活動を幅広くサポートしています。
また、書類の提出や面接の日程調整、内定後の給与交渉など企業とのやりとりも代行可能です。仕事が忙しい方でも効率的に転職活動を進められるので、ぜひご利用ください。
職務経歴書は自身の経験やスキルを応募先企業へ伝えるための書類で、書類選考の通過に大きく影響します。履歴書と違って自由に書けるのが職務経歴書の特徴ですが、一般的に使用される書式や記載項目、順番などを押さえておくとスムーズに作成できます。
職務経歴書の作成をはじめ、転職に関するサポートを受けたい方はぜひマイナビエージェントにご相談ください。転職のノウハウに熟知したキャリアアドバイザーが、あなたの転職を誠心誠意サポートいたします。
職務経歴書
職務経歴書|事業内容の書き方と業種別の例文を紹介!5つのチェックポイント
職務経歴書
【職務経歴書の書き方|契約社員の経歴あり】差がつくポイントをチェック!
職務経歴書
【例文あり】アルバイトのみの職務経歴書はどう書く?3つのポイント