更新日:2024/02/14
この記事のまとめ
「履歴書と職務経歴書って何が違うの?」
「同じような項目もあるから書き分け方がわからない」
など、履歴書と職務経歴書の違いや書き分けのルールについてお悩みの方もいるでしょう。
履歴書と職務経歴書はそれぞれ異なる役割があり、それらを理解することで書き分けに悩むことはなくなります。
今回は、履歴書・職務経歴書の役割と目的、作成の基本ルールや例文、書き分けのポイントなどについて解説します。履歴書と職務経歴書の書き方をマスターして、転職活動を有利に進めていきましょう。
目次
履歴書と職務経歴書は、それぞれ異なる役割をもっています。
採用担当者から高評価を受けられる履歴書・職務経歴書を作成するためにも、役割を適切に理解しておきましょう。
履歴書とは、応募者の名前や住所、職歴やスキルなど、「応募者のプロフィール」をまとめた書類です。
企業の採用担当者は、履歴書の情報から応募者の大まかな人物像を掴みます。また、志望動機の記載から、自社をどの程度理解し、どの程度の志望度なのかを測ります。
なお、履歴書はフォーマットやテンプレートがほぼ定型化されています。したがって、基本的に項目を埋めれば完成する形です。
履歴書の正しい書き方については以下の記事をご覧ください。
職務経歴書は、これまでの「応募者の仕事に関する経験」に特化した書類です。履歴書で得た人物像をベースに、具体的にどのような能力を持った人材なのかを掴みます。そして、自社が求める経験や能力を備えた人物かどうかを判断し、マッチング度を測ります。
職務経歴書にはひな形程度のフォーマットやテンプレートはありますが、詳細なまとめ方は自由です。そのため、効果的な職務経歴書を作るためには、レイアウトや見出しを考えるなど書き方の工夫が必要とされます。
読みやすい職務経歴書の書き方については以下の記事をご覧ください。
履歴書と職務経歴書の違いを主な記載項目で比較してみましょう。
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こうして項目一覧として示すと、履歴書と職務経歴書には大きな差がないことがわかります。では、実際にどういった点に違いがあるのでしょうか。
履歴書は、それぞれの記載スペースが限られています。記載内容の優先順位を考え、より重要なこと、伝えたいことを記載するようにしましょう。
職務経歴書では、履歴書以上に詳しく職歴や資格について記載します。特に自己PRに関しては、「この実績を上げるうえで工夫したのは」というように、実際の経験に基づいた具体的なPRが必要です。
ここでは、書き方に悩みやすい「学歴・職歴」「自己PR」「志望動機」といった3つの項目について、基本のルールをご紹介します。どの学歴や職歴から書くべきか、どのような内容が適切かなど、履歴書の書き方が不安な方は改めて確認しましょう。
履歴書の学歴・職歴欄は、義務教育を省き、高等学校から書きはじめるのが一般的です。なお、学校名や企業名は、すべて略称ではなく正式名称で記載します。大学の場合は学部や学科も明記しましょう。
学歴をすべて記載した後は、職歴の記載に移ります。職歴についてはすべての入退社歴を記入しましょう。ごく短期間の職歴であっても、省略はしないのが無難です。経歴詐称を疑われる恐れがあります。アルバイトについては省略しても構いません。
【例文】
・学歴
20××年3月 ○○高等学校××コース 卒業
20××年4月 ○○大学××学部△△専攻 入学
20××年3月 ○○大学××学部△△専攻 卒業
・職歴
20××年4月 株式会社○○ 入社
東京本社 ××部に配属
○○プロジェクトにて△△を担う
学歴・職歴の書き方や注意点については以下の記事も参考にしてください。
履歴書の自己PR欄では、応募先企業が求めている人材にマッチしていることをアピールできる文章を練りましょう。また、具体的なエピソードや実績を交えた自己PRにするのがおすすめです。採用担当者があなたの人物像を正確に思い浮かべやすくなるでしょう。
なお、職務経歴書にも自己PRを記載しますが、内容がかぶっても問題はありません。履歴書では端的に分かりやすく、職務経歴書ではより具体的に詳しくといった書き分けを意識するのがポイントです。
【例文】
私は、到底達成できないと思われる目標でも、覚悟をもって思考と行動を変化させることで達成してきました。
前職では3年間営業職に従事していましたが、1年目の成績は芳しくありませんでした。しかし、このまま諦めたくない、お客様にも会社にも貢献できる人材になりたいと思い、先輩や同期に協力を仰ぎながら、営業スキルを磨く取り組みを継続しました。
その結果、翌年には前例のない大型案件の受注を達成し、その年の社長賞も受賞しました。
高評価を得られる自己PRの書き方については以下の記事も参考にしてみてください。
履歴書の志望動機欄には、入社意欲の高さをアピールできる内容の記載がおすすめです。具体的には、キャリアパスを意識して考えるとよいでしょう。将来までよく考えたうえでの転職であることが伝われば、意欲の高さが伝えられるほか、早期離職リスクが低いと判断されやすいためです。
ただし、「研修体制が充実した貴社であれば成長できると感じた」など、受け身の姿勢を感じさせる志望動機は避けましょう。
【例文】
私は、貴社が日本で唯一保有している○○技術に魅了され、この度志望いたしました。○○技術は、これからのグローバル時代において必要不可欠な、世界を代表する革新的な技術であると認識しています。
私は、これまで培ったエンジニア経験を活かし、貴社の技術力の発展において成果を上げることを目指しています。採用いただけた暁には、さらなるスキルアップを追求しつつ、貴社の経営理念やビジョンの実現、成長拡大に貢献できるよう真摯に取り組んで参ります。
志望動機のより詳しい書き方については以下の記事も参考にしてみてください。
履歴書と同じ項目も多い職務経歴書ですが、履歴書よりも詳細な内容を求められます。どこまで詳しく書くべきなのか、どのように書けば採用担当者に好印象を与えられるのか。基本ルールや書き方のコツを押さえましょう。
職務要約欄は、職務経歴のあらすじの役割を担う部分です。いままでの職務経歴の中から重要なポイントを抜粋し、簡潔にまとめましょう。
職務経歴書の冒頭に配置され、応募者のスキルや経験の大枠を把握できる部分なので、採用担当者の興味を引く内容を意識しましょう。
【例文】
新卒から4年間、百貨店のバイヤーとして、家具や雑貨の規格開発、仕入れ、販売促進などの業務に従事してきました。市場動向を調査・分析、トレンドを先読みし、これまでにないジャンルや商品の取り扱いを提案したところ、売上高は前年比15%増を記録し、チーム目標を達成しました。
また、展示会の企画運営にも携わり、ディスプレイの企画やメーカーとの折衝、顧客対応など、精力的に活動しました。顧客ニーズを的確に捉え、メーカーとの良好な関係性を構築し、豊富な品揃えを実現することで、顧客満足度や売上向上に貢献しました。
職務経歴書の職務経歴欄には、主に以下の内容を勤務先企業ごとに記載します。
どのような企業でどのような経験をしてきたのかが誰にでもわかるように詳しくまとめましょう。ただし、文章で長々と説明するというよりは、箇条書きを効果的に用い、端的にまとめることが大切です。
【例文】
○○株式会社
事業:化粧品開発・販売
売上高:○万円
資本金:○万円
従業員数:○人
勤務期間:2017年4月~2023年3月
所属:広報部
業務内容:各種SNSの運用(X(旧Twitter)・Instagram)
プレスリリースの作成、配信
各メディア取材のスケジュール調整、事前準備
新製品発売イベントの企画~運営
実績:以下実績により、ブランド認知度の向上に貢献しました
・半年間でInstagramフォロワーを5万人増
・チャンネル登録者数200万人超の有名Youtuberとのコラボレーション
・化粧品関連イベントに毎月出展
職務経歴書の自己PR欄は、職務経歴欄で記載した内容に応じたものにしましょう。たとえば、難易度の高い契約を結びつけた営業経験をもとにすると、コミュニケーション能力やプレゼン能力の高さをアピールできます。このときアピールする能力は、応募先企業の業務内容にマッチするものを選びましょう。
なお、記入欄が小さく限られた履歴書と異なり、職務経歴書では自己PRを2つ以上挙げても構いません。履歴書と内容がまったく同じにならないように、より具体的なエピソードや数字を追加するなど工夫をするのも効果的です。
【例文】
私は新卒から3年間、家電メーカーで営業職として従事しました。学生時代のアルバイトでも接客やサービス業の経験はなかったため入社当時はなかなか環境に適応できず、1年目の営業成績は芳しくありませんでした。しかし、その状況に甘んじていては社会人として成長のチャンスを失うだけでなく、お客様や会社に貢献できる人材になれないと危機感が芽生えました。
その後は、先輩に指導を仰いだり、優秀な同期にロールプレイングに付き合ってもらったりして営業スキルやプレゼンテーションスキルを学び、お客様との綿密なコミュニケーションを徹底しました。その結果、入社2年目にはとあるお客様から前例にない大型案件を受注し、その年の社長賞を獲得しました。
私はこの経験から、無謀だと思う事柄でも、自ら覚悟をもち思考と行動を変化させれば実現できるのだと学びました。長い社会人生活の中では数々の困難な場面が訪れると思いますが、この出来事を忘れずに精進して参ります。
効果的な自己PRの書き方については以下の記事も参考にしてみてください。
職務経歴書の資格・スキル欄は、応募先企業の業務内容にマッチする資格を重視して選び、優先的に記載します。このとき資格名は正式名称で記載するほか、取得年月日まで記載するのがポイントです。
これといった資格やスキルがない場合には、「特になし」と記載するか、勉強中の資格について「○○(資格)取得のために勉強中」と記載する方法もあります。
【例文】
2016年10月 普通自動車第一種運転免許取得
2019年5月 実用英語技能検定2級合格
2023年3月 簿記2級取得のために勉強中
履歴書と職務経歴書では、多くの項目がかぶります。人によっては「まったく違うように書き分けなくてはならないのか」と考える方もいますが、実際のところは内容がかぶっても問題はありません。ただし、一字一句変わらないのでは意欲に欠けると思われかねないでしょう。
ここでは書き分け方のポイントについて解説します。ポイントを押さえ、効果的な履歴書と職務経歴書を作成しましょう。
職務経歴は、それぞれ以下のポイントを踏まえて書くようにしましょう。
履歴書の職務経歴欄は、端的に概要をまとめましょう。特に職務経歴書を添える場合であれば、入退社や部署、役職異動の年月だけを記し、職務経歴欄の最後に「詳しくは職務経歴書をご参照ください」と記載するだけで構いません。
職務経歴書では、これまでの仕事経験を詳細にまとめます。業務内容から実績まで記載するため、見出しや箇条書きを適切に用い、分かりやすいレイアウトにするよう心掛けましょう。
なお、職務経歴書のフォーマットやテンプレートはWebで無料ダウンロードできます。分かりやすくまとめるためには、自身の書きたい内容に合ったものを選ぶことも大切です。
志望動機については、以下を意識して作成しましょう。
履歴書の志望動機欄もまた、簡潔にまとめることが大切です。なぜ応募先企業に興味を持ったのかを記載する際には、履歴書であっても具体的なエピソードを交えますが、そこに割くのは1~2文程度にとどめます。
エピソードに関する適切な文章量は、より詳しく志望動機を記載する職務経歴書でも変わりません。エピソードよりも、そこまでに記載した経歴や自己PRを背景としてどのように応募先企業へと貢献できるかについて、詳しく記載するとよいでしょう。
書き方としては、先に職務経歴書を記載し、それを要約する形で履歴書に記載するのがおすすめです。この方法であれば、履歴書と職務経歴書の内容に矛盾が生じることもないでしょう。
履歴書と職務経歴書についてよく聞かれる疑問をピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。
転職活動において必要になる書類は応募先企業によって異なりますが、一般的に履歴書・職務経歴書どちらも必要なケースが多いでしょう。稀に履歴書のみで職務経歴書不要という企業もあるので、募集要項や採用担当者への確認は必須です。
また、職務経歴書という形式では不要な場合でも、転職サイトや自社ホームページなどからの応募時に情報を求められる場合もあります。
履歴書や職務経歴書は、手書きとPCどちらで作成しても問題ありません。ただ、それぞれにメリットやデメリットがあり、企業に与える印象も変わってくるので、応募先企業によって選択することをおすすめします。
また、当然ではありますが、企業から作成方法を指定されていれば、その内容に従いましょう。
以下の記事も参考にしながら、最適な方法を検討してください。
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