更新日:2024/05/15
この記事のまとめ
職務経歴書には、自分のスキルレベルをアピールする目的で取得した資格を記すことが一般的です。また、特定の資格が求められる職種へ応募するときは、自分が業務を担当できる人材であることをアピールするうえで資格の記載が欠かせません。
しかし、職務経歴書を作成しようと思ったものの、資格をどのように記せばよいか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、資格の書き方や転職で有利になる資格例を紹介します。選考担当者に対して自分が魅力的な人材であることをアピールするためにも、この機会に効果的な職務経歴書の書き方を押さえておきましょう。
目次
職務経歴書に資格の有無を記載することには、どのような目的や意味があるのかを紹介します。企業の選考担当者は、資格の有無から応募者の以下の点を見極めようとしています。選考担当者の採用に対する基本的な考え方を理解すると、職務経歴書にどのような資格を記すと効果的かが見えてくるでしょう。
選考担当者は、職務経歴書に書かれた資格や免許から、応募者が「これまでにどのような仕事をしてきたのか」「入社後はどのような分野で知識やスキルを活かしてくれそうか」「資格を活かしてどのようなキャリア形成を目指しているのか」をイメージします。
応募した時点の知識やスキルを知るだけでなく、入社後に活躍している様子をイメージすることにもつながります。入社後の働く姿がイメージしやすい人材ほど採用の可能性もアップするため、資格欄の内容は「これまでのキャリアや実績にひもづいたもの」を優先しましょう。
保有資格は知識やスキルの客観的な証明であり、企業が「自社の求める人物像とマッチしているか」を検証するための材料です。企業が提示する募集要項に対して見合ったスキルを持っていることを示すうえで、職務経歴書の資格欄は重要な役割を担います。
ただし、資格はあくまでも選考材料のひとつにすぎないため、資格の有無や内容で採否が決まるわけではありません。しかし、応募者のレベルを客観的に判断する要素として重視される傾向にあります。
資格やスキルの有無は応募者が努力してきた結果であり、評価に値するポイントです。ただし、「資格やスキルを実務に活かす応用力があるか」「資格自体に実用性があるか」は、努力とは別問題です。
そのため採用担当者は、資格欄に記載された内容に関して、あらゆる角度から自社の利益に資するものかを見極めようとします。
職務経歴書で効果的に自己PRをする方法については、以下の記事も参考にしてみてください。
多数の資格を保有している方であれば、職務経歴書にどのような資格を優先して記入すればよいか迷うこともあるでしょう。職務経歴書で資格を記載するために使えるスペースには限りがあるため、アピールポイントにつながる資格を優先的に記すのが基本です。何を優先するか悩んだときは、以下で紹介する4つの要素を考慮して判断するとよいでしょう。
これまでのキャリアで役立った資格や業務を通じて取得した資格など、自分のスキルや経験を証明できる資格があれば優先的に記載しましょう。取得している資格に加えて、具体的な実績を記入してスキルを裏づけると説得力がある内容に仕上がります。
経験やスキルを活かしてキャリアアップしたいと考えているのであれば、専門性をアピールできる資格の記入が欠かせません。
同業種・異業種のどちらに転職するとしても、転職後の業務に活用できる資格はアピールポイントになります。一例として建設業への転職を検討している方であれば、建築士や施工管理技士などの資格をアピールできるでしょう。
特に異業種への転職では転職後の業務に役立つ資格を取得しておくことで、「本当に転職したいと思っていて、スキルアップに励んでいる」と判断されやすくなります。
応募先企業で担当する業務の内容から高く評価される資格が何かを考え、関連性が高い資格を優先して職務経歴書に記しましょう。
資格の中には、職種を問わず必要とされるスキルを証明できるものもあります。汎用的なスキルを証明する資格を取得している場合には忘れずに職務経歴書へ盛り込みましょう。
汎用的な資格の代表例には、日商簿記検定やMOS・TOEICなどがあります。取得している資格が応募先企業の仕事に直接役立つかは分からないとしても、記したことがマイナス評価につながるリスクは低いといえるでしょう。
取得へ向けて勉強中の資格も職務経歴書に記載できます。ただし、その場合は「取得済み」と誤解されないような表現にすることがポイントです。たとえば、1級~3級のように等級分けされている資格で下位の等級を取得していて上位等級の取得を目指している場合には、「勉強中」である旨を職務経歴書に記します。
勉強中の資格はスキルを証明するという観点で見るとアピール材料として弱いものの、向上心やキャリアアップしたいという意欲を示すうえでは効果的です。
職務経歴書の資格欄を書く際には、注意しておきたいポイントがいくつかあります。アピールするつもりが逆効果になる場合もあるので、以下の2点を覚えておきましょう。
これまでのキャリアや実績と関連した資格や免許以外に、複数の資格を取得しているケースもあります。この場合、すべての保有資格を記載する必要はありません。
保有資格を記載するかどうかで迷ったときは、「応募先の仕事と無関係の資格は記載しないか、簡潔に記載する程度にとどめる」ようにしましょう。持っている資格すべてを書くことが、好印象につながるとは限らないためです。
採用担当者によっては、「いろいろな分野の資格に挑戦していて成長意欲がある」と評価する方もいれば、「なぜこの資格を活かせるキャリア形成を目指さないのか」と疑問に思う方もいます。
職務経歴書の資格欄を通じて知りたいことは、記載した資格とこれまでのキャリアや応募先企業の業務がどれくらい関連しているかというポイントです。そのため、資格を複数所持している場合は業務との関連性が高いものを優先するのが基本です。ただし、運転免許やPCスキル関連の資格など、幅広い職種で活かせる資格や免許は記入しても構いません。
企業側は資格欄から推測できる情報を基に、募集ポジションを任せられる人材であるかどうかを測ろうとしています。そのため、関連性の低い資格を含めると適性が低い人物だと判断されるリスクがあります。関連性の低い資格を書いたことで、優先してアピールしたい重要な資格が埋もれてしまう恐れもあります。
大切なのは「応募先企業での実務に役立つ資格を持っているか」であり、多く保有していればよいわけではありません。せっかくの資格がマイナスイメージにつながってしまわないよう、スキルをアピールできる資格を厳選して記載しましょう。
資格によっては定期的な更新や講座の受講が必要なものもあります。必要な手続きを行わないと失効するケースもあるため、職務経歴書を記載する段階で有効かどうかを忘れずに確認しましょう。更新が必要な資格の例には、不動産鑑定士や海技従事者などがあります。
一方、第二種電気工事士や自動車整備士・食品衛生責任者などの資格は更新の必要がなく、生涯有効です。自分が保有している資格の有効期限や更新制度の有無は、日頃から意識しておきましょう。
万が一失効していることに気づいたら、ルールに従って必要な手続きを済ませて復活させるか再取得します。
目指す職種で求められているスキルレベルと比較して、レベルが低い資格をアピールするのは逆効果です。一例として、英検3級やTOEIC400点などと記述すると、英語力が低いと判断されかねません。ITエンジニアとして転職する方が、ITパスポート試験に合格したことをアピールした場合も同様です。
そのため職務経歴書を作成する前に、記載しようとしている資格で証明できるスキルが応募先企業の求めているレベルに達しているかをきちんと確認するようにしましょう。
資格欄には、取得した資格や免許をただ羅列すればよいというわけではありません。応募先企業にアピールしたい内容を踏まえて、分かりやすく正確に記入する必要があります。ここでは、資格欄を記入する前に押さえておきたい5つのポイントを見ていきます。
「簿記」「英検」など、正式名称に比べて略称のほうが広く知られている資格は数多くあります。ただし、履歴書や職務経歴書などには略称ではなく正式名称で記入しましょう。
たとえば、「簿記」といっても大手の「日商簿記」だけでなく「全商簿記」「全経簿記」などもあります。「簿記」と表記しただけでは、どの資格を指しているのか判断できません。こうした誤解を防ぐためにも、資格や免許はすべて正式名称で記入しましょう。
また、同じ資格でも「1級」「2級」「3級」と等級が分かれていたりスコアがあったりと、知識やスキルのレベルが段階的に認定されているものも少なくありません。専門的な資格ほど資格の等級やスコアによって担当できる業務範囲も変わるため、正確に記入する必要があります。
例)
前述のように、持っている資格が多い場合は応募する職種の業務と関連性の高い資格をメインに記入しましょう。事務職であればPCスキル関連の資格、経理であれば簿記関連の資格、システムエンジニアならIT関連の資格がおすすめです。実務に活かせる知識やスキルをアピールすることを意識しましょう。
ただし、TOEICやTOEFLといった英語系の資格やPCスキル系の資格は、職種を問わず評価されやすい傾向にあります。これらの資格を持っている場合は積極的に記入することをおすすめします。
資格欄は職務経歴書・履歴書それぞれにありますが、職務経歴書と履歴書の内容は重複して問題ありません。履歴書に記載してある資格が職務経歴書に記載されていないと、採用担当者によっては不審に思ったり、マイナスイメージにつながったりすることもあります。履歴書と職務経歴書に記載する資格の種類と名称は統一しましょう。
資格欄では、「取得」「合格」「認定」の3つを使い分けると、より正確かつ丁寧な内容にすることができます。どの表記が適しているか調べる時間がない場合は取得や合格を省略しても大きな問題にはなりませんが、職務経歴書の質をより高めたい場合は、これら3つの言葉をきちんと使い分けることをおすすめします。
資格や免許によっては有効期限が定められているものもあるため注意しましょう。職務経歴書に記入する前に、まだ有効な資格かどうかを確認します。また、等級やスコアも正確な数字を記入できるよう、改めて確認することが大切です。
法令の改正によって、取得している資格でできる内容が変更されているケースもあります。資格の取得日が古い場合は制度の変更がなかったかを確認し、変更があったときは内容をしっかりとチェックしておきましょう。
転職において評価されやすい代表的な資格について詳しく紹介します。以下では、職種を問わず評価される汎用的な資格を中心に4つ見ていきましょう。異業種転職を検討している方でも活用しやすい資格であるため、新たに資格を取得しようと考えている方は参考にしてみることをおすすめします。
多くのビジネスがグローバル化している中にあって、TOEICや実用英語技能検定(英検)といった英語力を証明する資格は高く評価されます。低すぎるスコアや等級を記載すると逆効果になるため、書くかどうか迷ったときは以下の水準に達しているかどうかを判断基準にしましょう。
日頃から英語の学習に取り組んでいる方であれば、上記の資格を取得することを目標とするのも選択肢のひとつです。
Microsoft Office製品を扱うスキルを有していることを証明する試験が、Microsoft Office Specialistです。Microsoft WordやMicrosoft Excel、Microsoft AccessといったMicrosoft Office製品は多くの企業が使っており、汎用性が高い試験といえます。合格証が世界共通であり、国境を越えて通用するのも魅力です。
特に事務職や管理職への転職を検討している方にとっては合格を目指す価値が高い試験といえるでしょう。試験はMicrosoft Officeのバージョンごとに分かれています。これから合格を目指して勉強するのであれば、広く使われているMicrosoft Office 365がおすすめです。
人事や経理・総務といった事務職全般を対象にした試験のひとつがビジネス・キャリア検定で、中央職業能力開発協会が実施しています。8つの分野に分かれた試験から、自分が目指す職種に応じて適したものを選んで受験できる仕組みです。
各試験は1級・2級・3級・BASIC級の4段階に細分化されています。これから勉強する方は、下位等級から順番に合格することを目指すとよいでしょう。ただし、分野によっては実施されていない等級もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
基本情報技術者試験は情報処理技術者試験のひとつで、ITエンジニアとして開発現場で活躍するうえで必要なスキルを有していることを証明できるものです。ITエンジニアの登竜門といわれており、合格するにはプログラミングスキルや企画・設計に必要とされる幅広いスキルが求められます。
IT業界への転職を検討しているのであれば、積極的に合格を目指したい試験です。ほかの業界への転職を検討している方であっても、IT関連のスキルが求められる環境であれば基本情報技術者試験に合格したという事実は高く評価されるでしょう。
転職エージェントでは、履歴書や職務経歴書の添削サービスを行っているのが一般的です。資格欄だけでなく、自己PRや志望動機などの質をさらに高めることにもつながるため、ぜひ利用してみてください。
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職務経歴書への保有資格の記入は、自分が習得しているスキルの種類とレベルを客観的に証明することにつながります。応募先企業で担当する業務に直結する資格を記載することで、自分の価値をより魅力的にアピールできるでしょう。
しかし、書き方を間違えるとマイナス評価につながるケースもあります。どのように書けばよいか悩んでいるのであれば、早い段階でマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントでは転職サポートのひとつとして応募書類の添削を実施しており、より魅力的な職務経歴書を作成するための手助けを惜しみません。
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