更新日:2024/02/29
この記事のまとめ
「履歴書や職務経歴書を入れる封筒はどう書けばよいのだろう」
と、書類選考の準備でお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
企業の求人に応募する際、最初の関門となるのが書類審査です。
企業の中には、履歴書・職務経歴書の内容のみならず、封筒や送り方など細部に渡ってチェックしているケースがあります。
そこで今回は、提出方法別の履歴書・職務経歴書を入れる封筒の書き方、それぞれのマナーや注意点などについて、詳細に解説していきます。
細かい部分で評価をおとしてしまうのはもったいないので、今回の内容をしっかり理解しておきましょう。
目次
履歴書・職務経歴書を入れる封筒の正しい書き方について、3つの提出方法別にご紹介します。
履歴書・職務経歴書を入れる封筒は、人事担当が最初に目にするものです。正しい書き方で記入し、マナーを備えていることをアピールしましょう。
履歴書・職務経歴書を郵送する場合は、封筒の表書き・裏書きには黒いサインペンを使い、楷書体ではっきりと書きます。一般的には縦書きで、表書きは右側に住所、中央に会社名を記載します。特に会社名に関しては、表記ミスがないよう、企業の公式ホームページなどでよく確認することが大切です。鉛筆で下書きをするなど工夫して、封筒の紙面に対してバランスよく書きましょう。
住所と宛先を書いたら、封筒表の左端に赤字で「応募書類在中」と書き、赤い罫線で囲みます。毎日多くの郵便物が届く企業において、担当者にすぐ応募書類を確認してもらうための目印となるため、忘れずに赤字で記入しましょう。複数の履歴書を提出する場合は、100円ショップなどで「履歴書在中」のスタンプを購入するのもおすすめです。
封筒裏には、左下に自分の郵便番号・住所・氏名を記載します。履歴書と職務経歴書を入れて封を閉じたあとは、蓋部分に上から「〆」と書きます。
宛名に関しては、宛先に応じて敬称を変える必要があります。企業宛・個人宛どちらなのか確認し、間違いのないように書きましょう。
企業宛ての場合は、受取人の敬称に「御中」を使用します。
例)
・株式会社■■ 御中
・▲▲株式会社人事部 御中
担当者の名前がわかり個人宛に送付する場合は、敬称は「様」となります。
例)
株式会社■■ 人事部 採用担当 ●●●● 様
会社名に英語・アルファベット・カタカナが含まれる場合などは、横書きの方が見栄えがよくなる可能性があります。応募先企業によっては横書きを採用してもよいでしょう。
基本的な注意すべき点は、縦書きのときと変わりありません。ただ、記入位置が異なるので注意が必要です。
表書きは、上部に住所、中央に会社名を記載します。「応募書類在中」という赤字の記載は、右下に寄せるようにしましょう。
封筒裏は、右下に自分の郵便番号・住所・氏名を記載します。蓋部分への「〆」も、閉じたあと忘れずに書きましょう。
履歴書と職務経歴書を手渡しする場合は、担当者と直接やりとりするため、表書きとして住所や会社名、担当部署名を書く必要はなく、添え状も不要です。封筒の表面左下に赤いペンで「応募書類在中」と書き、赤い罫線で囲めば完成です。
裏面には、郵送する場合と同様、左下に自分の郵便番号・住所・氏名を記載し、その上に提出年月日を書くのが一般的です。封筒に自分の氏名を記載しておくことで、人事担当が封筒を見たときに誰の履歴書なのか一目で判断できます。
なお、その場で封筒から取り出して渡す場合もあるため、封はせずにそのままにしておきましょう。
「履歴書と職務経歴書を封筒に入れ、企業の担当者宛に送る」という作業は、一見簡単に思えますが、ステップごとに注意すべきポイントがあります。
一つずつ確認していきましょう。
履歴書と職務経歴書は、真ん中から二つ折りにする以外は、折り目をつけずに送るのが好ましいとされています。そのため、三つ折りにしなければ入らない長形封筒の使用はNGです。
履歴書がB5(開くとB4)サイズなら角形3号または4号、A4(開くとA3)サイズなら角形2号など、履歴書と職務経歴書を折らずに封入できるサイズの封筒を選びましょう。
色は白と茶色のどちらでも構いませんが、明るい印象を与えやすい白を用いるのがおすすめです。
先述したとおり、封筒に宛名を記入します。この際に、表面・裏面ともに記載漏れがないことを必ず確認しましょう。
また郵送の場合は、添え状も忘れずに記載します。
書いた面が外側となるように履歴書を二つ折りにし、添え状と一緒に封筒に入れます。また、読み手のことを考えて、封筒の表を上にして開けたときに一番上に添え状がくるようにし、履歴書・職務経歴書・その他書類(ある場合)の順番で重ねます。
書類がまとまっていると管理しやすく、また配達の途中で雨が降ることも考えられるので、クリアファイルに入れてから封筒に入れるのがおすすめです。クリアファイルに入れることで、書類の汚れを防げます。
すべての書類を入れたら封をして、上から「〆」マークを書きます。
角形2~4号の封筒は、いずれも定形外サイズとなり、郵送にかかる切手代は重さによって変わります。
一般的には、応募書類一式(クリアファイルに入れた場合)で60~80g前後なので、定形外郵便100gまでの料金が適用され、必要な切手代は140円です。送る書類が多い場合など、心配であれば郵便局の窓口で計測してから送りましょう。
また郵便ポストは、投函口の形状や大きさがタイプによって異なります。万一、封筒がポストに入らない場合は、折り曲げて入れたりせず、郵便局へ持ち込んで郵送しましょう。
履歴書・職務経歴書を郵送する際は、切手や郵送方法などにも注意が必要です。ここでは、郵送に際してのマナーを説明します。
ビジネス関係で重要な書類を送る場合は、誰が・いつ・どのような書類を送ったのかを明確にするために、添え状(送付状)を添付するのが一般的です。
履歴書と職務経歴書を送付する場合も同様で、添え状があると丁寧な印象を与えられる上、自己PRにも役立つので、必ず添付するようにしましょう。
添え状に書くべき内容は以下のとおりです。
<添え状に書くべき内容>
日付
履歴書・職務経歴書ともに、提出する日の日付を右上に記載します。
宛先
企業名は正式名称で記載し、担当者の氏名がわからない場合は「人事部御中」または「人事部採用御担当者様」とします。
署名
自分の連絡先を郵便番号および住所・電話番号・氏名の順に書きます。
本文
「拝啓」に続けて時候の挨拶を述べ、まず「◯◯の求人を拝見し、応募させていただいた××と申します」など、求人を知った経緯と自分の氏名を書きます。
次に、応募した経緯や入社後にどのように活躍したいか、どのような形で会社に貢献していきたいかを数行で簡潔に述べます。
最後に「履歴書(および職務経歴書)を同封しましたので、お目通しいただき、ぜひ面接の機会をいただけましたら幸いです」など、面接に応募する旨を述べ、「敬具」で締めくくります。
添え状についてより詳しく知りたい方や、テンプレートを確認したい方は、以下の記事を参考にしてください。
履歴書を送付する際は、切手の種類や送付方法を理解しておきましょう。切手は、記念切手や慶弔切手などの特別な切手ではなく、普通切手を用います。
切手の料金が不足していると、受け取る人事担当が不足分を支払うことになり迷惑をかける可能性があります。また、自分の元へ返送されてしまい、提出の期限に間に合わない可能性もあります。料金不足がないよう、よく確認しておきましょう。不安な場合は、郵便局の窓口で郵送手続きをするのがおすすめです。
郵送方法には、ポスト投函のほか、メール便や宅配便などがあります。しかし、運送会社のメール便や宅配便を利用した履歴書の送付は違法なため選択できません。履歴書は「信書」と呼ばれる書類に属し、日本郵便株式会社および総務大臣の許可を得た信書便事業者のみが送付できることになっているからです。
また、書留もありますが、書留は受取時に確認印を要する可能性があり、相手の手間になりかねません。基本的に、履歴書・職務経歴書は余裕をもってポスト投函で郵送しましょう。
前述のとおり、封筒に入れる順番は以下のとおりです。
封筒に入れる際には、封筒の表面と書類の表面を揃えます。採用担当者によっては裏側から開封する人もおり、そうなると中の書類も裏面が最初に見える形になってしまいますが、基本的には表側から開封されることを想定し、封筒と書類の表を揃えるのがマナーだと覚えておきましょう。
企業から履歴書・職務経歴書の送付を指示される際、期日を提示されることがあります。企業によっては期日を過ぎた時点で不合格というケースもあるので、指定期日はしっかりと把握し、余裕をもって郵送しましょう。日本郵便のホームページであらかじめ配達日数を調べておくと、逆算して準備しやすくなります。ただし、交通状況や天候によってはそれ以上の日数を要する場合も考えられますので、少なくても1日は多めに見積もっておくと安心です。
万が一間に合わない場合は、判明した時点で速やかに採用担当者に報告とお詫びの連絡をいれましょう。期日を過ぎても受け付けてくれる場合は、なるべく早く到着する方法で発送します。速達を指定したり、24時間発送できる郵便局に持ち込んだりといった方法が考えられます。
必ずしも郵送後に報告メールをする必要はありませんが、報告メールがあると、相手に丁寧な印象を与えられます。
また、書類があと数日で届くと相手に認識してもらえたり、トラブルがあって書類の到着が遅れる際にも解決しやすかったりするなど、さまざまなメリットがあります。郵送の報告メールを送る際は、郵送した当日に送りましょう。
件名は「履歴書送付の件」などとし、氏名も記載します。本文の最初に会社名と担当者名、もしくは「人事部採用御担当者様」などと書き、氏名と本日付けで履歴書を郵送した旨を伝えます。最後は、「ご査収くださいませ。」などの文言で締めくくりましょう。署名も忘れずに記載します。
例)
件名:履歴書送付の件(自分の名前)
本文:
株式会社■■
人事部 採用ご担当者様
お世話になっております。
貴社の▲▲の求人に応募させていただいた■■株式会社の●●●●と申します。
この度は、書類選考の機会をいただき誠にありがとうございます。
履歴書・職務経歴書を本日●月●日付で発送いたしました。
念のためご報告いたします。
お手数をおかけいたしますが、ご査収のほど何卒よろしくお願いいたします。
---------------------
氏名
〒000‐0000
〇〇県〇〇市〇〇1‐2‐3
電話:000‐0000‐0000
メールアドレス:abcd@efg.ne.jp
----------------------
企業によっては、履歴書と職務経歴書を郵送ではなく持参するように求められる場合があります。スマートに対応できるよう、持っていく場合のマナーについても確認しておきましょう。
履歴書と職務経歴書を持っていく場合でも、封筒に入れるのが基本です。むき出しのままだと、途中でよれてしまったり汚れてしまったりする危険性がありますし、そのような状態で提出すれば、採用担当者にマイナスの印象を抱かれる可能性があります。
そのような事態を避けるため、履歴書と職務経歴書は郵送する場合と同様にクリアファイルに入れ、封筒に入れるようにしましょう。なおこの場合も、封筒の色は清潔な印象を持たれやすい白がおすすめです。
履歴書と職務経歴書を出すタイミングは企業によって異なり、受付で提出を求められる場合もあれば、面接官に直接手渡す場合もあります。「履歴書と職務経歴書を出してください」と言われて手間取ることのないように、履歴書と職務経歴書は鞄の奥ではなく、すぐに取り出せるところに入れておきましょう。
履歴書と職務経歴書はその場で見てもらうことが前提なので、自分で封筒から取り出してから、封筒の上に重ねて、面接官に読みやすい向きで渡すのが基本です。手渡す際には「こちらが私の履歴書と職務経歴書です。本日はどうぞよろしくお願いいたします」など一言添え、お辞儀をしながら両手で渡すと丁寧です。
受付で手渡す場合は、特段の指示がない限り、封筒のまま相手に見やすい向きにして渡します。相手は面接官ではありませんが、「よろしくお願いいたします」などと一言添え、お辞儀をしながら両手で渡しましょう。
そのほか、手渡しの際のマナーについては以下の記事を参考にしてみてください。
一昔前は、履歴書と職務経歴書といえば必ず手書きでしたが、現在では「データでの提出可」または「データでの提出に限る」という企業も増えてきました。
履歴書をメールで送る場合は、次のようなポイントに気を付けましょう。
「履歴書と職務経歴書はメールで送付」という指定があった場合、パソコンを使って作成した履歴書と職務経歴書を用意するのが基本です。
手書きで書いた履歴書と職務経歴書をスキャンして送ることもできますが、解像度によっては写真が不鮮明だったり、字が読みづらかったりするため、「手書きのものを添付のこと」などの指示がない場合はWordなどのソフトで作成して添付しましょう。
提出するファイル名は「20230805_履歴書(氏名)」など、わかりやすいものにするのがマナーです。
企業の採用担当者のもとには、毎日数十通という応募書類が届きます。採用担当者の立場に立ち、整理しやすい名前をつけるようにしましょう。
履歴書・職務経歴書のデータファイルをPDFに変換し、メールに添付します。WordやExcelの場合、以下手順でPDFに変換しておきましょう。
PDFに変換することで編集が加えられなくなり、文字化けの懸念もありません。また、レイアウトが維持されるので、こちらの意図する形で閲覧してもらうことが可能です。
履歴書と職務経歴書をメールで送付するよう指示があった場合は、履歴書をPDFなどでメールに添付します。添付するメールの本文には、次のように記載するとよいでしょう。
<メールに書くべき内容>
件名
見やすさを第一に考え、「履歴書・職務経歴書送付の件(氏名)」「◯◯職応募の件(氏名)」などとします。採用担当者は毎日多くのメールをやりとりしているため、一見して意味がわからない・わかりづらい件名では、迷惑メールと勘違いされてしまう可能性もあります。誰が・何のために送っているのかを一目で把握できるように心掛けましょう。
担当者の宛先
企業名は正式名称で記載し、担当者の氏名がわからない場合は「人事部御中」または「人事部採用御担当者様」とします。
本文
まず「はじめまして。◯◯と申します」と名乗り、次に「△△の求人を拝見し、貴社の××職に応募いたします」など、応募のためのメールであることを伝えます。
続いて、応募書類を添付した旨を告げ、ファイルの解凍パスワードは別のメールで送る旨を記載しましょう。
最後に、「ぜひ面接の機会をいただけましたら幸いです」など、面接への期待を添えて締めくくります。件名同様、本文もあまり長くなり過ぎないよう、簡潔にまとめましょう。
署名
メールの最後に、自分の氏名・郵便番号・住所・電話番号・メールアドレスをまとめたものを、署名として記載します。
(例)
---------------------
氏名
〒000‐0000
〇〇県〇〇市〇〇1‐2‐3
電話:000‐0000‐0000
メールアドレス:abcd@efg.ne.jp
----------------------
履歴書と職務経歴書には個人情報が記載されているため、送付する際にはパスワードを設定するのが基本です。最近は企業の情報管理も徹底され、「添付書類にはパスワードを設定するのが常識」と考える企業も増えています。パスワードを設定しないままだと、情報管理に疎いと評価されてしまうおそれもありますので、忘れずに設定しましょう。
なお、履歴書と職務経歴書を添付したメールで一緒にパスワードを送るのはNGです。本文に「パスワードは別メールで送る」ことを記載した上で、すぐにもう1通メールを作成してパスワードを送ってください。
パスワード設定のほかにも、履歴書をメール送付する際には注意点があります。以下の記事を参考にしてみてください。
履歴書・職務経歴書をパソコンで作成するか、手書きにするのか悩むことが多いかと思います。
企業から特段の指示がない場合、履歴書と職務経歴書はパソコンで作成しても手書きでも、どちらでも構いません。特に職務経歴書は、パソコンで作ることが一般的になっています。
それぞれのメリット・デメリットを、しっかり把握して選ぶのがいいでしょう。
履歴書・職務経歴書をパソコンで制作する場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
パソコンで履歴書・職務経歴書を作成するメリットは、手書きに比べて、格段に作業効率が上がる点です。転職活動では複数の企業にエントリーすることが多いため、パソコンであれば志望動機などを都度変更する程度で、複数企業分の提出書類を容易に作成できます。
また、相手にパソコンスキルを有していることも伝えられます。パソコンがあれば時間や場所を問わず作成できるのもメリットの一つです。
デメリットは、ベースとなるデータの誤字脱字に気付かなかった場合、ミスしたまま複数の企業に提出してしまう危険性がある点です。
見直しは何度も行うようにしましょう。
履歴書・職務経歴書を手書きで制作する場合は、以下のようなメリット・デメリットが挙げられます。
手書きによる履歴書・職務経歴書は、採用担当者の目にとまりやすい点が大きなメリットです。丁寧さや真摯さをアピールでき、文字から人柄も伝わるため、好印象を与えやすいです。
デメリットは、執筆に時間がかかることと、使い回しができないことです。複数社に応募する場合、応募する会社ごとに書類作成が必要となるので、時間がかかります。また、清書で書き損じると一から書き直す手間も生じます。
履歴書の用紙サイズやパソコンで作成する場合のポイントなどは、以下の記事を参考にしてみてください。
履歴書と職務経歴書の封筒は、書類選考において採用担当者が最初に目にするものです。採用担当者によっては封筒の書き方で応募者のビジネスマナーを判断しているケースもあるので、手を抜かず、マナーを踏まえて書くようにしましょう。力を入れて履歴書・職務経歴書を作成したにもかかわらず、提出の仕方で評価をおとすことがないようにしてください。
封筒の書き方、提出方法含め、転職活動に不安がある方には、マイナビエージェントの活用をおすすめします。専任のキャリアアドバイザーが、書類の添削から面接対策まで、幅広いフォローを行っています。すべてのサービスは無料で利用いただけますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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