更新日:2024/02/22
この記事のまとめ
「職務経歴書での正しい敬語の使い方を知りたい」
「職務経歴書で使える定型句はどんなもの?」
など、職務経歴書を作成するにあたり、敬語の使い方や定型句の存在について疑問を抱いている方もいるかもしれません。
職務経歴書で使用する敬語は、「です・ます調」「だ・である調」どちらでも問題なく、定型句もすぐに覚えられるものなので心配は不要です。
今回は、正しい敬語について、使用の際の注意点、「です・ます」「だ・である」それぞれの特徴、定型句の種類と使い方などを解説します。
職務経歴書は、面接に駒を進めるために重要な意味をもつ書類なので、最低限守るべき敬語のマナーを身につけましょう。
目次
職務経歴書の志望動機や自己PRの欄で敬語を使う時には注意が必要です。敬語には、謙譲語・尊敬語・丁寧語の3つの種類があります。場面に応じて正しい敬語が使えるよう、敬語の区別をつけるようにしましょう。
謙譲語は、自分がへりくだることで相手に対する敬意を表す言葉です。たとえば、「聞く」という動詞は、謙譲語になると「うかがう」となります。上司や目上の人、公的な場面などで、自分の言動について控えめに表現する際に用いられます。
尊敬語は、動作をしている人に敬意を示す言葉です。たとえば、「話す」という動詞では「おっしゃる」という尊敬語を使います。謙譲語と異なり、尊敬語は相手を立てることで敬意を表現します。
丁寧語は、助動詞の「です」「ます」「でございます」などをつける言葉です。たとえば、謙譲語の「うかがう」は丁寧語では「うかがいます」となります。動作を行う相手にかかわらず、印象を柔らかくするために使います。
間違った敬語を使用してしまうと、応募先企業に「ビジネスマナーが欠けているのではないか」と疑念を抱かれる可能性があります。正しい敬語で職務経歴書を作成するために、以下3つの注意点を覚えておきましょう。
二重敬語とは、一文の中で2種類の敬語を使うことです。たとえば、「拝見させていただく」という言葉は、謙譲語である「拝見」と「させていただく」が2つ使用されているので、正しい敬語ではありません。正しくは、「拝見します」となります。
尊敬語も謙譲語も、上司や目上の人など、敬うべき相手とのコミュニケーションで使用するものです。ただし、前述のように、主語が相手であれば尊敬語、自分であれば謙譲語と使い分ける必要があります。職務経歴書は自分の経歴を記載するものなので、基本的には謙譲語を使用することになります。
職務経歴書では、話し言葉ではなく書き言葉を使用します。たとえば、応募先企業を指すとき、口頭では「御社」となりますが、職務経歴書をはじめとした書面上では「貴社」が正しい表現です。基本的なビジネスマナーの一つなので、しっかり使用できるようにしましょう。
職務経歴書で使用する文体については特段決まりはありません。書き方によって相手に与える印象は変わりますが、「です・ます」でも「だ・である」でも問題ありません。ただし、職務経歴書内で混在しないように注意が必要です。
「です・ます」は丁寧でやわらかい印象を与えられる表現で、多くの方が職務経歴書で採用している文体です。日常会話と変わりない文体なので、採用担当者もスムーズに読み進めてくれるでしょう。
【例文】
・貴社を志望した理由は、業界を牽引し、消費者に驚きや楽しみを常に与え続けている企業だからです。
・前職で取得した●●資格は、貴社の■■業務でも役立つものだと感じています。
「だ・である」は、断定的に言い切る表現でとなるため、比較的堅苦しい印象を与えます。その分、説得力や自信の大きさが伝わりやすくなります。ただし、表現によっては上から目線・自信過剰と評価される可能性もあるので注意が必要です。
【例文】
・今回応募したのは、貴社の経営理念や描いているビジョンに大きな感銘を受けたからである。
・私は、前職の5年間で培ったスキルを活かし、貴社に貢献できる人材だ。
職務経歴書はビジネス文書として扱われるため、マナーに基づき作成する必要があります。些細なことかもしれませんが、できている応募者とできていない応募者が並べば、採用担当者は前者に好印象を抱くはずです。以下の3つのマナーを踏まえたうえで職務経歴書づくりを進めましょう。
「現在に至る」や「以上」などをルールにのっとって使用することで、採用担当者や面接官に最低限の常識があると判断してもらうことができます。適切な箇所で適切な使い方ができないと、キャリアや実績以前の話になってくるので、最低限のマナーとして覚えておきましょう。
・以上
職務経歴書の最後には「以上」と記載するようにします。
これは書き足しなどの改ざんを防ぐためと「これで終わりです」という意味を込めて書きます。記載する際には右端に寄せて書きましょう。
また、職歴の欄で最後の行まで埋まってしまった場合は、最後の行の右隅に「以上」と記載するのがよいとされています。
・現在に至る
「現在に至る」は職歴で使います。
在職中に次の仕事を探している場合や、転職活動を行いながらアルバイトをしている場合が当てはまります。入社したことを記載した次の行に「現在に至る」と記載し、いまも仕事をしていることを伝える意味があります。「在職中」と記載するのもOKです。退職予定日が決まっているのであれば、「現在に至る」または「在職中」の後にカッコ書きで「〇月〇日退職予定」と書きましょう。
また、もしまだ学校に通っているのであれば「在学中」と書きましょう。
・取得見込み
免許や資格の欄に記載する可能性がある定型句です。
通常は取得済みのものだけを記載しますが、応募先の職種や企業で必要とされる資格を勉強中であったり、試験の結果待ちであったりする場合は、内容を書いた後に「取得見込み」と記載します。
ただし、取得見込みの資格を職務経歴書に記載するのは、あくまでもその資格を採用のアピールポイントとして使うときのみにしましょう。
「〇年〇月 (企業名) 入社」と記載したときに次の行にセットで使用する表現が以下の2とおりあります。
「入社」だけで終わりにしてしまうと現在の状況がどのようになっているのかわからず、採用側にとっては不信感や不安につながります。「入社」の項目があったときには必ず「退職」もしくは「在職中(もしくは現在に至る)」と次の行に記載するようにしましょう。
職務経歴書には会社名を多く記載することになりますが、いくつかのマナーやルールがありますので、注意が必要です。
・正式名称で記載する
職歴欄に書く会社名は正しく書くようにしましょう。
サービス業などでは、勤務していた場所の名称と会社の正式な名称が異なることがあります。
たとえばホテルの場合だと、鉄道会社やホテルチェーンをとりまとめる会社の名前が正式名称であることが少なくありません。その場合、会社名を「□□ホテル」と記載すると誤った表記となります。
・会社名を略さない
職歴の会社名を記載するときに株式会社や有限会社を(株)や(有)と略すのも禁止です。正式な名称で一字一句きちんと書きましょう。
また、株式会社が名称の前にくるのか後ろにくるのかも重要です。正しい名前を覚えておくようにしましょう。わからない場合はきちんと調べてから記載しましょう。
上記は職務経歴書を作成するうえで最低限守りたいマナーですが、そのほかにも、読みやすい職務経歴書を作成するポイントがいくつかありますので、以下の記事も参考にしてみてください。
職務経歴書は、採用選考のステップを進めるために重要な役割をもつ選考書類です。作成することに難しさを感じている方もいるかもしれませんが、正しい敬語や定型句を使用するだけでも、読みやすく説得力のある職務経歴書に大きく近づきます。
あなたの職務経歴書に目を通す各社採用担当者の存在を意識し、正しいマナーを心がけましょう。
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