更新日:2022/07/06
この記事のまとめ
自動車業界への転職を検討するにあたり、資格が必要かどうか知りたいと感じている方もいるでしょう。業務で役立つ資格があれば、転職前に取得しておくと評価も高まる可能性があります。
そこでこの記事では、自動車業界で使える代表的な資格を解説します。具体的な仕事内容や業界の将来性を知りたい方にも参考になる情報をまとめました。
目次
自動車業界は、自動車の製造に携わる自動車メーカー、各種パーツを製造する部品メーカー、製造した自動車を販売するディーラーの3業種で構成されています。
特殊な知識や技術が必要と考える方もいるかもしれませんが、自動車メーカーに就職する際に必要な資格や免許はありません。資格より職歴を重視する傾向があるため、前職の実績や培ったスキルをアピールすると、高く評価してもらえるでしょう。
また、自動車業界は高収入を望める業界のひとつです。マイナビエージェントの調査によると、自動車業界の平均年収は473万円と高い傾向があります。高い報酬を求めている方に適した業界といえるでしょう。
自動車業界では、転職前に取得した資格を業務で活かせるケースがあります。いずれの資格も業務で役立つスキルが身につくため、転職前に取得しておくとよいでしょう。ここでは、自動車業界で役立つ資格を8つ紹介します。
自動車整備士は「一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(JASPA)」が主催する資格試験です。取得することで、点検から修理に至るまで自動車に関する一定の知識・スキルが証明できます。
合格率は60%〜70%程度と比較的高いものの、受験資格として一定の実務経験を設けている場合があります。たとえば、1級小型の試験を受験する際は、シャシ種目を除く2級合格後、3年以上の実務経験が必要です。
CAD利用技術者試験は「ACSP一般社団法人コンピュータ教育振興協会」が主催する資格試験です。CADシステムを用いて製図や設計をする職種では、即戦力として重宝されるでしょう。
試験の難易度は3段階に分かれており、基礎・2級・1級の順に難しくなります。1級は、2次元CADと3次元CADのいずれも受験資格があり、「過去の1級有資格者」あるいは「2級有資格者」でなければ受験できません。
機械設計技術者試験は「一般社団法人日本機械設計工業会」が主催する資格試験です。主に設計技術者の能力向上や機械産業の発展を目的として実施されます。
資格を取得するメリットは、機械設計の知見やスキルを深められる点です。有資格者を優遇すると明言している企業もあるため、選考の場で有利になるでしょう。ただし、3級以外は受験資格が設けられており、最低でも2年以上の実務経験が求められます。
情報処理技術者試験は「独立行政法人情報処理推進機構」が主催する資格試験です。ITの基礎的なスキルの定着を測るだけでなく、経営戦略やマネジメントも学べます。
特に、自動車のシステム開発に携わる方に役立つでしょう。エンジニアとして活躍の場を広げられるほか、社内でもIT分野に強い貴重な人材と見なされます。受験資格がないため、初めて資格取得を目指す方にもおすすめです。
危険物取扱者試験は「一般財団法人消防試験研究センター」が主催する資格試験です。ガソリンや過酸化水素など、消防法で定められた「危険物」を取り扱う際に役立ちます。
自動車業界は灯油やガソリンのような引火性液体を扱う機会が多いため、取得するメリットが大きいといえるでしょう。甲種・乙種・丙種のうち、丙種と乙種は誰でも受験可能で、比較的チャレンジしやすい資格のひとつです。
フォークリフト免許は、荷物の積み下ろしで利用する特殊な自動車「フォークリフト」を扱うための国家資格です。資格には、積載量1トン未満を扱える「フォークリフト運転特別教育修了証」と積載容量1トン以上を扱える「フォークリフト運転技能講習修了証」の2種類があります。
フォークリフトの積載容量や自身が保有する免許によって取得までの流れが異なるため、注意しましょう。たとえば、免許がない方が最大積載量1トンのフォークリフトを扱う場合、35時間の講習受講義務があります。
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Microsoft社が主催するOfficeソフトの運用能力を証明する資格です。取得すれば、日々の業務で使用するWordやExcelを効率よく利用できます。
受験資格を設けておらず、誰でも受験が可能です。試験は毎月実施されるため、働きながら取得を目指せます。パソコンが苦手な方や資料作成業務を担当する方におすすめです。
TOEICは「一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会」が主催する資格です。英語のコミュニケーションスキルやビジネススキルを測る試験で、ハイスコアを持っていれば英語の資料を扱えるため、付加価値をつけた状態で転職市場にエントリーできます。
ビジネス英語特有の単語や言い回しを覚える訓練が必要ですが、受験資格がないため、チャレンジしやすい資格といえるでしょう。
自動車業界には幅広い職種があるため、転職を検討する際は働きたい職種を選ぶ必要があります。まずは自動車業界の職種を把握し、自身が目指す方向性を決めましょう。ここでは、自動車業界の主な職種について解説します。
生産ラインはクライアントのニーズや現場の状況に応じて、過不足ない生産を実現する仕事です。品質の高い製品を効率よく生産するために、部署間やチーム内で密なコミュニケーションを図ります。
仕事内容は、生産ラインの設計や計画立案、出荷時の検品作業です。特に品質管理はクライアントの満足度に直結するため、重要な職種といえるでしょう。
技術・開発は、自動車や周辺パーツに関わる新技術の研究・開発を担います。製品の設計から開発に至るまで、幅広い分野の業務に携わるのが特徴です。
設計では、製品のデザインや仕様、用いる部品を詳しく決めます。作成した設計をベースに開発へと移行し、製品の性能テストや実験データの解析・改善を繰り返します。多岐にわたる知識とスキルが求められるため、自動車製造の初期から納品まで携わりたい方におすすめです。
ソフトウェアは、自動車やカーナビといったECU(エンジンコントロールユニット)を制御するシステム開発に携わる仕事です。ソフトの設計や開発、改修作業といった開発に関わるさまざまな業務を担当します。
具体的な仕事として、省電力の制御システムや自動ブレーキ機能の実装が挙げられます。安全性に配慮した自動車を実現する職種といえるでしょう。
営業は自動車メーカーやディーラーなど、自動車業界のあらゆる分野でニーズがある職種です。扱う商材も多岐にわたるため、間口が広く未経験・中途問わずに採用されやすい傾向があります。
業務では、顧客との密接なコミュニケーションが欠かせません。製品や技術に関する知識を活用し、顧客に分かりやすく説明するスキルが必要です。
事務系の職種には、販売企画や人事管理、総務とさまざまな仕事があります。自動車業界に限らずニーズがあるため、過去に実務経験があれば転職では有利になるでしょう。
経営に携わる企画業務や会社の財務状況を整理する経理も事務の仕事に含まれます。マルチスキルを活かして働きたい方に適した職種です。
自動車業界を目指すのであれば、業界の将来性を知ることも大切です。成長が見込める業界に転職すれば、やりがいを感じられるだけでなく、年収アップも期待できます。ここでは、自動車業界の将来性と年収について解説します。
EV車やハイブリッドカーの台頭により、自動車業界は次世代に向けた変革期を迎えています。メルセデス・ベンツの会長が「CASE」戦略を打ち出したように、世界規模で新世代自動車の普及が急務となっているためです。環境に配慮した設計や自動運転車の安全性といった解決すべき課題は多く、技術職のニーズが高まっています。今後、新規で人材を募集する企業も増えるでしょう。
マイナビエージェントの調査によると、自動車業界の平均年収は473万円です。年代別に見ると、20代は417万円、30代は555万円といずれもやや高い傾向があります。20代から30代にかけて大きく伸びていることから、実績や経験が給与に直結する仕事といえるでしょう。就業者の男女比に着目すると、85%が男性、15%が女性と男性就業割合が高いのも特徴です。
自動車業界に転職する際に必要な資格はありません。ただし、資格を取得することで業務の幅が広がるだけでなく、転職でも有利になる可能性があります。EV車や自動運転車の普及に向けて課題はあるものの、業界の将来性は高く、ニーズも拡大する見込みです。自身のスキルや目指す職種に合わせて資格を取得するとよいでしょう。
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