更新日:2022/06/06
業界問わず、ものづくりの現場において、製品生産の効率化は重要な課題です。製品生産の効率化を担うのが、生産技術の仕事です。特に自動車業界では、高い生産技術が求められています。 ここでは、自動車業界における生産技術の仕事内容や、転職をする際に役立つ資格などについてご紹介します。
目次
生産技術とは、製造業界において製品や部品の効率的な量産体制を築くことが仕事となります。ローコスト・短納期・高品質で、ニーズに応じた製品・部品を生産できる体制にしていくことが課せられています。
業務内容としては以下のようなものが挙げられます。
<生産技術の業務内容>
自動車業界の場合、コストダウンだけでなく、不良率の低下や軽量化なども大きな課題になっています。人が乗って高速移動する製品ということもあり、特に高度な品質水準が求められているのです。
このように、自動車の生産技術は、様々な業界にある生産技術現場の中でも、とりわけ高度な生産ラインに携わることができるという魅力があります。きびしい品質基準である分、ハードルも高いですが、自動車の安全と進化に貢献するという大きなやりがいも感じられるでしょう。
自動車というスケールの大きいものづくり現場で働くことにやりがいを感じられる人や、様々な視点から生産ラインを見て課題を抽出できる人、そして研究開発・設計などの部門と現場のパイプ役も担う仕事ですから、コミュニケーション力がある人に向いています。
ここでは、自動車業界における生産技術者に転職する際に役立つ資格についてご紹介します。
国際認定生産技術者は、1932年にアメリカのデトロイトにある自動車産業を中心として結成された非営利団体「生産技術者協会」管轄の国際資格です。この資格は、まさに「自動車の生産技術者のための生産技術そのものに関する資格」といえます。
技術者としての知識を問われるものと、専門技術者としての幅広い知識を問われるものの2つのレベルがあり、どちらも実務経験がないと受けられません。
生産技術者マネジメント資格は、日本能率協会が実施する資格試験です。生産技術者に必要な生産プロセスを管理するスキルを持つプロフェッショナルとして認定されます。
生産技術者として5年以上の経験を持つ人向けのものと、10年以上の経験を持つ管理者を対象とした2つのレベルがあります。
基本情報処理技術者試験は、経済産業省が認定する国家試験です。この資格は、高度なIT人材となるために必要な基本的知識と技能を持っている証明になります。コンピューター制御を行うにあたって情報処理の知識は必須ですから、この資格を所持していることは有利に働くでしょう。
生産技術は、製品や部品の仕様を設計担当とやりとりする際にCADの知識は必要となりますし、生産設備や工具を設計するにあたってもCADは必要になります。特に、生産プロセスを設計するにあたって必要となる製図の能力を示す資格として有名なのは、「CAD利用技術者試験」と「CADトレース技能審査」です。
CAD利用技術者試験は2次元CAD利用技術者と3次元CAD利用技術者に分かれていて、それぞれ3段階(2次元は基礎・2級・1級、3次元は2級・準1級・1級)のレベルが設定されています。さらに、2次元CADの1級は、機械と建築、トレースの3分野に分かれ、CADを使用する幅広い業務の専門家であることを示す資格となっています。CADトレース技能審査は、初級・中級・上級の3段階で、機械部門と建築部門に分かれています。
自動車業界における生産技術者は、スキル次第でどんどんキャリアアップが望める仕事です。
生産技術者の一般的なキャリアプランとしては、工場配属から徐々に規模の大きい生産ラインを任され、ゆくゆくは工場長や生産拠点の責任者などのポジションに就くのが一般的です。
キャリアアップのためには、知識や経験だけでなく、ものづくりの全体を様々な角度から見つめる視点や、他部門と現場の橋渡し役となるためのコミュニケーションスキル、マネジメントスキルなども求められます。
自動車業界の生産技術者への転職を検討している場合、一般的な転職サイトや企業サイトでの求人情報をチェックするだけでなく、転職エージェントを活用することをおすすめします。転職サイトには載っていないような非公開求人の案内も多い上、転職エージェントによる様々な転職サポートを受けられるためです。
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