更新日:2024/04/12
この記事のまとめ
Webサイトのデザインを設計・構築するWebデザイナーは、人気の高い職業のひとつです。Webデザイナーへの転職を検討するにあたり、「はたして自分に向いている職業なのか」と不安な方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Webデザイナーに向いている人、向いていない人の特徴を3つ紹介します。Webデザイナーになるために取得したい資格や勉強法も解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Webデザイナーに向いている人の特徴を解説する前に、まずは仕事内容や働き方、平均年収、将来性、描けるキャリアパスを紹介します。Webデザイナーへの理解を深めることで、自分に合っている仕事かを判断しやすくなるでしょう。
企業や学校、官公庁などがインターネット上に設けるWebサイトの企画・デザイン・制作を行うのがWebデザイナーの仕事です。Webサイトは広報や広告宣伝、マーケティング、商品販売などさまざまな目的で活用されており、その重要性はますます高まっています。
Webデザイナーになるうえで特に学歴や資格は必要とされませんが、デザインの基礎知識・技術が欠かせません。採用条件に「未経験可」と記載されている場合は「実務経験はなくてもよい」という意味であり、デザインの知識やスキルは最低限持ち合わせている必要があります。
Webデザイナーの主な職場は、Webサイトの制作会社、一般企業のWebサイト作成・管理部門です。Webサイトの制作会社は社員数が10人~20人ほどの小さな会社が多く、SOHOの場合もあります。SOHOとは、「Small Office Home Office」の略で、自宅のような小規模なオフィスで働くことを指します。
Webデザイナーは20代~30代の比較的若い人が中心で、女性が多く活躍していることでも知られている職業です。週休2日制のほか、比較的自由に休みが取れる変形労働時間制を採用している職場も多く見られます。ただし、締め切りが迫っていたりトラブルが発生したりすると、夜間や休日に仕事をすることも少なくありません。
マイナビエージェントの「職種別平均年収ランキング【2020年版】」によると、Webデザイナーの平均年収は352万円です。20代の平均年収は313万円、30代は370万円となっており、昇給率が高いことが分かります。スキルや経験を磨くことで、高収入も目指せるでしょう。
インターネットの発展によって、多くの企業がWebを使った広告戦略に注目しています。そのため、Webデザインの仕事は安定してあり、将来的にも需要がなくなる可能性は少ないといえるでしょう。しかし、誰でも簡単にWebサイトを作れるサービスも登場していることから、Webデザイナーに仕事を依頼せずに企業が自作するケースも少なくありません。
Webデザイナーとして安定して仕事を得るには、スキルを磨き、無料のWebサイト制作サービスやAIなどに負けない強みを作る必要があります。
Webデザイナーのキャリアパスは大きく2つに分かれます。Webデザイナーとしてのスキルを磨いてより効果的なデザインを制作するプロフェッショナルになるか、マネジメント職を目指すかという道筋です。代表的なキャリアパスを以下の表にまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
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Webデザイナーの仕事にやりがいを感じ、楽しみながら続けていける人には共通する特徴があります。その特徴にいくつか当てはまるものがあれば、Webデザイナーという職業に向いている部分があると判断できます。これからWebデザイナーを目指すのであれば、チェックしておきましょう。
Webデザイナーに向いている人の特徴で特に重要なのは、「デザインが好き」ということです。「ファッションが好き」「アート鑑賞が好き」だから「デザインが好き」ということにはなりません。Webデザインは0から作り出す仕事であるため、クリエイターとしての素質が必要です。
絵やイラストを趣味で描いている、DIYが好き、頭の中のアイデアを形にしたい人はWebデザイナーに向いているといえます。Webデザイナーとして仕事を楽しんでいる人の中には、休日でもAdobe Photoshopで何かしらのデザインを作っている人も少なくありません。
Webデザイナーの仕事にはコーディング作業がつきものです。コーディングは、正確さと粘り強さが求められる大変な作業でもあります。丁寧にゆっくりとこなしていけば間違いも少なく、いつかは終わるでしょう。しかし、作業負担が増大してしまい、好きなデザインの仕事が苦痛になってしまうことにもなりかねません。
できるだけ少ないステップで物事を進められる効率的な方法を積極的に見つけ出し、実践するタイプの人は、コーディング作業やパソコンスキルにおいても早く成長できます。仕事を効率化できればストレスも軽減するでしょう。デザインに集中する時間も確保できるため、仕事の質は向上し、達成感も味わえます。
「Webデザイナーにはコミュニケーション能力が必要」という意見をよく耳にします。これは「誰とでも楽しく会話ができる」という意味ではなく、クライアントの要望をしっかりとくみ取って理解することを指します。そのために必要とされるのが質問力です。
クライアントはデザインの知識がないため、要望をうまく言葉にできないことも少なくありません。Webページの目的やターゲット、サイズ、納期、予算、理想のイメージなど、こちらから細かく質問することによって、クライアントの求める全体像が浮き彫りになります。
必ずしも外交的な性格や話し好きである必要はありませんが、「実際には何を言いたいのか」を知ろうとする姿勢とそれを尋ねるスキルがある人はWebデザイナーに向いているといえます。
ここでは、Webデザイナーに向いていない人の特徴を3つ紹介します。事前に向いていない人の特徴を知ることで、転職するかどうかの判断に役立てられます。また、以下で紹介する特徴に該当していた場合は、改善してからWebデザイナーを目指すことで、転職を有利に進められるでしょう。
Webデザイナーの仕事は、配色やボタンの位置、使用するフォントなど、無数の組み合わせからオンリーワンの魅力的なデザインを作ることです。試行錯誤しながら各パーツにこだわりを持って制作を進める必要があります。
とはいえ、自分のこだわりを優先するあまり、クライアントの要望を無視するのはNGです。たとえ自分が納得しないデザインであっても、クライアントの意見や要望を最優先する柔軟な対応が求められます。
基本的にWebデザイナーは、ひとりでパソコンに向かって黙々とコーディング作業をします。ページのデザインや画像の作成など細かい作業を積み重ねてWebサイトを仕上げていきます。
こうした地道な作業が多いため、「人と話しながら仕事がしたい」「体を動かしたい」といった人には向いていないといえるでしょう。
Web業界は技術やトレンドの移り変わりが激しい業界です。5年後、10年後には新しいデザインやツールが生まれる可能性もあるため、成長意欲が低いとついていけなくなってしまいます。Webデザイナーに転職できても安心せず、常に勉強して市場価値を高めていく姿勢が大事です。
Webデザイナーの転職先には、主に「事業会社」と「制作会社」の2つがあります。仕事の進め方や求められるスキルなどはそれぞれ異なるため、事前に特徴を把握し、自分がどちらに向いているのかを考えるとよいでしょう。ここでは、事業会社と制作会社の概要や向いている人の特徴について解説します。
ECサイトやWebサービスなどを自社で運営する事業会社に所属し、社内Webデザイナーとして働く方法があります。事業会社のミッションは、自社サイトを運用して収益を上げることです。
事業会社のWebデザイナーには、自分が作成したデザインがどのような成果につながっているのか、PVやクリック数などからユーザーの行動を分析する能力が求められます。ひとつのサービスに中長期的に関わり、より良いデザインを追求したい方に向いているといえるでしょう。
制作会社は、さまざまなクライアントからWebサイトの制作を引き受ける事業を展開しています。ひとつのWebサイトやWebサービスに長期的に関わる事業会社とは違い、さまざまな業界・企業のデザインを担当するのが制作会社の特徴です。
基本的にはWebディレクターの指示を受けながら、納期に間に合うようスピード感を持って仕事を進めていきます。Webデザインの経験を多く積みたい方に向いています。
Webデザイナーを目指すうえでは、どのようなスキルが求められるのかを知っておくことも大切です。未経験からWebデザイナーに転職することも可能ですが、転職活動と併行してスキル習得に励めば、選考をより有利に進められるでしょう。ここでは、Webデザイナーに必要なスキルを3つ紹介します。
Webデザイナーには、Webサイトの仕組みや構成要素、配色、フォントなどのWebデザインの知識が欠かせません。Webデザインの基礎知識が乏しいと、作成できるデザインの範囲が狭まり、クライアントのニーズに応えるのは難しくなります。Webデザイナーにはセンスや発想力も重要ですが、Webデザインの知識があってこそ、独創的かつ魅力的なアイデアが生まれるといえます。
Webデザイナーは、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどの画像編集ソフトを用いて制作を進めます。デザインツールを使いこなせないと、仕事を効率的に進められません。
また、企業によってはWebサイトやアプリケーションのデザインを行うAdobe Dreamweaverなどのツールを扱うスキルが求められる場合もあります。市場価値を高めるためにも、扱えるデザインツールの幅を広げておくとよいでしょう。
Webデザイナーはひとりで黙々と仕事をこなすことがほとんどですが、制作チームやクライアントと接する機会もあります。ビジネススキルが不足していると、クライアントの要望を引き出せなかったり、チームのメンバーと連携が取れなかったりしかねません。特にWebデザイナーとして上流工程に携わりたい方や、Webディレクターにステップアップしたい方は、ビジネススキルも磨いておくことをおすすめします。
Webデザイナーを目指すための勉強方法は、独学とスクールに通う方法があります。どちらもメリット・デメリットがあるため、自分に合ったやり方で学習するとよいでしょう。ここではWebデザインの勉強方法を4つ取り上げ、それぞれの特徴、メリット・デメリットを解説します。
独学でWebデザインを勉強する場合の王道は、教本をベースに学習を進める方法です。一般的な教本では、フローチャートに沿って基礎から学び、Webサイトの組み立て、実在するWebサイトのコピー、オリジナルWebサイトの企画・デザイン・集客と段階を踏んでいく学習フローが設定されています。
ひととおり基本をマスターできたと感じたら、クラウドソーシングサイトなどを通じて実際の案件を受けてみるのもよいでしょう。
独学では他者からのフィードバックを受ける機会があまりありません。そのため、壁にぶつかってしまうのはよくあることです。モチベーションが保ちにくいデメリットもあります。Webデザイナーのコミュニティーなどをうまく利用して、一緒に勉強する仲間を作ったり情報交換したりするのもひとつの方法です。
無料の動画やWebサイトを利用して学習する方法も増えてきています。視覚的な情報が多いことから、要点をつかみやすいのがメリットです。ただし、中には非効率的な学習方法を勧めていたり、独自の考えを押しつけたりするものもあるため、内容を精査することが重要です。また、単に動画やWebサイトを見るだけではなく、メモを取る、実践するなど能動的に学ぶ意識が欠かせません。
Webデザインのスクールで学習すると費用がかかりますが、カリキュラムに沿って効率的に学習できる点が大きなメリットです。また、講師からのフィードバックをすぐに受けられるうえ、疑問点をその場で解消できるため、時間を無駄にせずに済みます。ひとりで学習するのが難しい場合は、スクールに通うとよいでしょう。
スクールに通うかどうか迷っているのであれば、無料体験を申し込んでみるのもひとつの方法です。実際に体験することで、スクールでの学習が自分に合っているかどうかもはっきりします。
Webデザイナー関連の資格取得を目指す勉強法もあります。独学でもモチベーションを保ちながら勉強できるうえ、自分のレベルを確認することで勉強の成果を実感できるでしょう。資格試験のサンプル問題や過去問題を利用しながら受験準備を進めていると、理解していなかった部分が浮き彫りになることもあります。資格試験に無事合格できれば、転職活動を有利に進めるための武器にもなるでしょう。
資格取得は、自分のスキルレベルを見える形で証明できるだけでなく、学習意欲を示す材料にもなります。未経験からWebデザイナーへの転職を目指す場合は、アピールできる強みとして資格を取得しておくのもよいでしょう。ここでは、Webデザイナーの関連資格とその内容を紹介します。
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ウェブデザイン技能検定は、Webデザインに関する知識・技能・実務能力のレベルを証明する資格です。実技と学科の試験があり、1級の合格者には厚生労働大臣から、2級・3級の合格者には主催者であるインターネットスキル認定普及協会の理事長からウェブデザイン技能士の合格証書が発行されます。
1級、2級の受験には実務経験や指定機関における学習経験が必要です。未経験であれば、3級にチャレンジしてみましょう。3級に合格すれば、2級の受験資格を得られます。
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Webクリエイター能力認定試験は、Webサイト制作のデザイン能力とWebページのコーディング能力を認定する試験です。合格すると、国際的な技術標準規格「IMS Global Learning Consortium」に準拠したデジタル証明「オープンバッジ」が交付されます。
試験はスタンダードとエキスパートの2種類です。受験資格は特にありませんが、未経験であればまずはスタンダードから挑戦してみましょう。
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Photoshop®クリエイター能力認定試験は、Adobe Photoshopの活用能力を測定・評価する資格検定試験です。指示にしたがって新規ドキュメントからグラフィックコンテンツを作り上げる実践的な内容になっています。レベルはスタンダードとエキスパートの2種類で、受験資格は特にありません。
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Illustrator®クリエイター能力認定試験は、世界基準のグラフィックツールであるAdobe Illustratorの活用能力を測定・評価する資格検定試験です。DTPファイルやWebデザインパーツの作成、コンテンツ制作に関するスキルや表現力が問われます。レベルはスタンダードとエキスパートの2種類で、受験資格は特にありません。
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アドビ認定プロフェッショナルは、アドビ社(Adobe Inc.)が認定するエントリーレベルの認定資格です。試験科目はAdobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Premiere Proとアプリケーションごとに異なっており、出題形式は選択式問題とソフトウェアを実際に操作する操作問題となっています。合格するとWeb上で受験結果を確認できるデジタル認定証が発行されます。
Webデザイナーへの向き不向きを見極めたうえで転職準備を始められれば、それに越したことはありません。しかし、実際にはやってみなければ分からない部分もあります。向き不向きの判断に時間をかけるよりも、転職準備を進めながら向き不向きを確認していくほうが効率的といえるでしょう。ここでは、どのようなステップで転職準備を進めればよいのかを解説します。
コーディングの知識習得は、最初に取り組める転職準備のひとつです。ここでつまずいてしまうと、Webデザイナーには向いていないといえるでしょう。
コーディングとは、Webデザインをブラウザ上で見える形にすべく、プログラミング言語を使ってソースコードを作成することです。HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどが使用されていますが、まずはHTMLから始めてみましょう。
Webデザインの制作には、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのツールが使われています。まずは一番よく使われるAdobe Photoshopを使いこなせるようになりましょう。
Adobe Photoshopは写真の編集、デザインの作成、イラストの作成などができる編集ソフトです。Webサイト上で公開されているAdobe Photoshopのチュートリアルに沿って勉強すれば、基本の使い方は比較的簡単にマスターできるでしょう。
Adobe Photoshopでのデザイン制作を楽しめれば、Webデザイナーに向いている素質があると判断できるかもしれません。より本格的に学びたい場合はスクールに通うのもひとつの方法です。
デザインは配色、配置、フォントが少し異なるだけで完成時のクオリティーに大きな差が出ます。きれいなデザインを作るためには、Webデザインに関する基礎的な知識を身につけることが必要です。
デザインの基礎知識は、レイアウト、配色、写真、タイポグラフィといったWebデザインの構成要素、デザインを進めていくための思考フレーム、余白の重要性・使い方、伝わりやすいデザインのポイントなど、さまざまな分野におよびます。デザイン力を高めるための勉強は転職準備になるだけでなく、仕事にできるかどうかをしっかりと判断するための重要なステップともいえるでしょう。
Webデザイナーとしての勉強を始めてみたものの、仕事として続けていくほどは向いていないと感じる場合もあるでしょう。実際にWebデザイナーになった後で向いていなかったと気づく人もいます。しかし、苦労して習得したスキルを無駄にする必要はありません。ここではWebデザイナーへの適性がないと感じる人へ向けて、おすすめの転職先を紹介します。
「コーディングは好きだけど、デザインは向いていなかった」人であれば、IT系のプログラマーへと道筋を変更できます。
コーディングを習得する中で、地道に作業する能力や効率的な働き方など、プログラマーに必要とされる素質が磨かれます。プログラマーを目指すのであれば、HTMLやCSS以外の幅広いプログラミング言語を学ぶ必要があります。早い段階で適性を見極められれば、時間を無駄にせずに済みます。プログラマーを目指して、新たな勉強を始めましょう。
「Webデザイナーになってはみたものの、続けていけそうにない」という人であれば、Webマーケターへの転職という方法もあります。
Webマーケターとは、Webサイトの運営やWeb広告の出稿、SNSの運用などを通じて見込み顧客の集客や問い合わせ・申し込みの獲得を狙った施策全般を行う職業です。Webページをブラッシュアップするための提案も必要になるため、Webデザイナーとして培った知識を活かせます。
広報PR職とは、自社の商品やサービス、経営に関する情報を発信する職種です。発信先は消費者だけでなく、マスコミ、株主、投資家、取引先、地域社会、従業員など社内外を問わず多岐にわたります。
広報PRには、Webデザイナーの適性でもあるトレンドを吸収する能力、地道に働ける根気強さなどが必要です。また、Webデザイナーとして勉強してきた経験があれば、ステークホルダー向けの資料を作成する際にそのスキルを活用できるでしょう。
Webデザイナーに向いている人には、いくつかの共通点があります。未経験からWebデザイナーへの転職を目指すのであれば、その共通点に当てはまるかどうか、適性を確認してみましょう。学習を進めながら、向き・不向きを判断することもできます。Webデザイナーに向いていないと感じた場合には、プログラマーやWebマーケターなどほかの職種を目指すとよいでしょう。
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