更新日:2023/11/10
この記事のまとめ
Webデザイナーとして転職を考えている方や、これからWebデザイナーになりたいと思っている方であれば、「Webデザイナーという職業の将来性」が気になるのではないでしょうか。
Webデザインの仕事は今後も増え続けるでしょう。しかし、その需要に応えられるWebデザイナーしか生き残れません。どこに需要があるのかが分かれば、これからもWebデザイナーとして活躍し続けられます。この記事では、Webデザイナーの今後の需要について詳しく解説します。
目次
Webデザイナーの今後の需要については、さまざまな見解があります。肯定的な意見もあれば、「Webデザイナーは不要になる」といった大胆な意見が飛び交うことも。Webデザイナーにまつわる現状を検証しながら、今後の見通しを立ててみましょう。
インターネット技術の急速な発展に伴い、あらゆる分野が電子化されるようになり、IT需要は年々増加しています。
経済産業省が2020年に実施した「電子商取引に関する市場調査」によると、新型コロナウイルス感染拡大のあおりを受け、旅行サービスを筆頭にサービス系分野の市場規模は大幅に減少しました。
それにもかかわらず、BtoCのEC(消費者向け電子商取引)市場規模は19.3兆円とほぼ横ばいです。さらに、EC化率はBtoCで8.08%(前年比1.32ポイント増)、BtoBで33.5%(前年比1.8ポイント増)と増加傾向にあります。
インターネット上での取引を新たに導入する傾向はこれからも続く見通しであるため、IT需要は今後も伸び続ける可能性が高いでしょう。
インターネット上の取引が増えれば、必然的にWebデザインの仕事も増えます。しかし、IT技術の発展は目まぐるしく、無料で利用できるWebデザイン作成ソフトやサービスも数多くあります。低予算で簡単にWebデザインが制作できるようになったことから、Webデザイナーに依頼せず自作するケースも少なくありません。
さらに、X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどを使うことで、Webサイトなしでもインターネットを使った集客が可能になりました。こういった現状から、「Webデザインができる」だけのWebデザイナーの需要は減少していくことが予想されます。
2019年の「IT人材需要に関する調査報告書」によると、2015年に試算したIT人材の人数は、2018年時点で10万人以上オーバーしています。政府の予想よりも速いペースでIT人材が増えているということです。
Webデザイナーに関しても同様で、数だけ見るとかなり増加しています。無料でWebデザインを学べるインターネット講座が増えており、近年では子供向けプログラミング教育もあるほどです。結果としてITに強い若者が増え、学生のうちにフリーランスとして働き始める方もいます。コロナの影響で飲食業や観光業から転職を図る方も少なくありません。
スキル習得のハードルが下がったことにより人材が増加し、Webデザイナー間の競争は激しさを増しています。
近年、Webデザインの世界でもAIによる自動化が進んでいます。単純な作業はAIツールに取って代わる未来はそう遠くないでしょう。Webデザインの仕事をAIと取り合う時代になっていくということです。
必然的に、Webデザイナーの需要は量ではなく質にシフトしていきます。今後は、顧客のニーズに応えられる「強み」を持ったWebデザイナーが必要とされるでしょう。時代に合った強みを身につけられれば、うまく需要に乗り、Webデザイナーとして活躍し続けられます。
今後も必要とされるWebデザイナーになるためには、Webデザイナーという仕事を正しく理解しておくことが必要です。ここでは、Webデザイナーという職業を詳しく解説します。
事業を始める方がインターネットを使った集客も行いたい場合、多くのケースで自社のWebサイトが必要になります。そのWebサイトを作る専門家が、Webデザイナーです。
クライアントの希望をヒアリングし、コンセプト設計からワイヤーフレーム、グラフィック作成までを請け負います。マークアップ言語を使ってブラウザ上で意図通りに見えるよう整える「コーディング」を担当することもあります。
未経験者の場合は、アシスタントとしてロゴやバナーといったパーツ作成や、コーディングの一部を任されるのが一般的です。
顧客の希望や目的を把握し、結果が出るWebサイトを作ることが、Webデザイナーの評価につながります。
Webデザイナーには、以下の3つのスキルが必要です。
Webサイトをより魅力的なものにするために、色やレイアウト、構図のバランスをきちんと勉強しなければなりません。また、デザインには心理的な効果やトレンドもあります。幅広い知識がWebサイトの成果につながるため、押さえておきたいスキルです。
きれいなWebデザインが優れているとは限りません。集客やブランディングなど、顧客のニーズを満たす計算を取り入れる必要があります。最新の機能や消費者心理、流行のデザインなど常に新しい情報を吸収し、成果の上がるデザインに整えなければなりません。
コーディングとは、Webデザインをブラウザ上で見える形にするためにソースコードを記述することです。HTMLやCSS、JavaScriptといった言語を使用します。
Webデザイナーがコーディングを行わないケースも少なくありません。しかし、コーディングスキルを持っているとコーディングのことまで考えてデザインになるため、完成度の高いWebサイトを作れます。
デザイナーの平均年収は、Web系も含めて約352万円です。とはいえ給与幅は広く、勤務先や経験、求められるスキルによっても差があります。地域差もあるため、高収入を狙うのであれば東京都など大都市での就職がおすすめです。
働き方としては Web制作会社、システム会社、デザイン事務所、企業のデザイン部、自社サービスを手がける企業の正社員・派遣・フリーランスといった形があります。
競争の激しいWebデザイン業界ではありますが、求められているスキルを持つWebデザイナーであれば、IT需要の高まりにうまく乗れます。需要のあるWebデザイナーになるためには、スキルや仕事の品質を上げていかなければなりません。ここではポイントを押さえたスキルアップの方法についてまとめます。
Webデザインのトレンドは移り変わりが激しいことで知られています。一例が「Adobe Flash」というソフトです。一昔前はWebサイトの作成に欠かせないといわれていましたが、「iPhoneに対応していない」「スマホ向きではない」「SEO対策が不得意」といった理由で現在はほとんど使われていません。
必要とされるWebデザイナーであり続けるためには、常に最新情報を収集し、業界の変化に合わせて新しい技術やスキルを取り入れる柔軟さが必要です。
美しいだけのデザインでは、ビジネスとして成果を出すことができません。そこでぜひ身につけたいのが、UI/UXデザインです。
UIとはユーザーインターフェイス(User Interface)の略で、サービスのデザイン性や操作性を指しています。快適な操作性や視認性に優れたレイアウト、知りたい情報に素早くアクセスできる検索性能の高さなど、ユーザーが「使いやすい」と感じられるサービスを構築する技術です。
UXとは、ユーザーエクスペリエンス(User eXperience)の略で、サービスを通じて得られる全体の体験を指しています。楽しさや満足感という感情を与える技術です。
UI/UXデザインの需要は年々増加しています。マーケティングやブランディングのほか、データ分析や行動心理学の知識も必要になるでしょう。
需要のあるWebデザイナーになるためには、写真・映像・プログラムといったスキルのほかにも、自分の価値を高める「カード」が必要です。医療や金融といった特定の分野の専門知識や、SEO、マーケティングのスキルを磨き、唯一無二の強みにしていきましょう。
集客アップやブランドイメージの定着など、結果を出せるWebデザインのノウハウがあることをアピールできれば、需要のあるWebデザイナーになれます。SNSで普段からノウハウや作品を発信するなど、強みをアピールする努力も大切です。
デザインスキル以外にも、幅広い知識や専門性がWebデザイナーの価値を押し上げます。とはいえ、やみくもに知識の幅を広げるだけでは、時間や労力の無駄になってしまうでしょう。
求人情報やIT業界に強いエージェントサービスなどを賢く使い、Webデザイナー業界でどのような人材が必要とされているのかを読み解くことが重要です。必要とされるスキル、知識、仕事内容の傾向や需要の大きな分野が分かれば、仕事に結びつく知識を深められます。転職に有利な強みを増やすことにもなるでしょう。
他業種からWebデザイナーを目指す方もいるでしょう。Webデザイナーは、デザインセンスと勉強を続ける意欲とがあれば、将来性のある職種です。需要のあるWebデザイナーとして良い出発をするポイントを押さえておきましょう。
フリーランスのWebデザイナーも少なくありません。しかし、最初からフリーランスになるのではなく、まずは正社員として実務経験を積むことをおすすめします。組織の中でスキルや知識を増やしたり、業界のトレンドを吸収したりしていけば、Webデザインのどこに需要があるのかを見極められるでしょう。
また、フリーランスには仕事を取ってくるためのマーケティングスキルも必要です。数多くのWebデザイナーの中から自分に発注してもらうためには、広い人脈も作っておかなければなりません。
初めからフリーランスになると、こういったスキルや人脈を作るのはかなり難しいでしょう。会社に所属してキャリアを積むことで、フリーランスという道筋を確かなものにできます。
より良い条件で転職してキャリアを積み上げるには、自分の強みを深めたり広げたりしなければなりません。しかし、何を勉強すればよいか迷うこともあるでしょう。
IT業界に強い転職サイトやエージェントサービスを使えば、より詳しい情報を得られます。自分の強みに気づかせてくれ、強化する点やアピール方法をアドバイスしてくれることもあります。
Webデザイナーの仕事は幅広いため、需要のある分野はどこか、自分と合致する会社はどこかなどを見極めることが大切です。
IT業界の需要は大きく、Webデザインの分野も同様です。しかし、新たな人材は増え続けているため、競争は激化しています。需要のあるWebデザイナーになるためには、デザイン関連のスキルを磨くだけでなく、専門知識や成果につながった経験などを強みにしていかなければなりません。
Webデザイナーとしての転職には、マイナビITエージェントをぜひご利用ください。IT・Web業界に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのスキルや経験の中から強みを見つけ、最適な転職プランをご提案します。
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