更新日:2025/01/31
この記事のまとめ
マーケティングという言葉を目にしたことがあっても、具体的な仕事内容や必要なスキルがよく分からない方は多いでしょう。未経験からの転職を考えているのなら、マーケティング職への理解を深めることが欠かせません。
そこでこの記事では、これからマーケティング職への転職を考えている方へ向けて、マーケティング職の仕事内容や働くメリット、向いている人の特徴、習得しておきたい資格を解説します。自分にマーケティング職への適性があることや、転職に必要なスキルが分かれば、前向きに転職活動を進められるようになるでしょう。
目次
マーケティング職の仕事内容は多岐にわたり、企業の成長に直結する重要な役割を担っています。これからマーケティング職を目指すのなら、事前にどのような仕事に携われるのかを把握しておきましょう。ここでは、マーケティング職の主な業務について解説します。
マーケティング職の重要な仕事内容のひとつが、市場調査・分析です。この業務では、顧客ニーズや市場トレンドを把握するため、アンケートやインタビューなどを通じてデータを収集します。集めた情報は、新商品の開発や販売戦略の立案に活用するのが一般的です。
たとえば、飲料メーカーのマーケティング職は、飲料市場全体の動向や特定顧客層の消費傾向を調査します。その結果を基に、「どのような飲料が受け入れられるか」「どの地域をターゲットにするか」といった戦略を決定していきます。
市場調査・分析で得た情報を基に、新たな商品やサービスを企画するのもマーケティング職の重要な役割です。この過程では、消費者ニーズと自社の強みを結びつけ、競合他社との差別化を図ります。たとえば、健康志向の高まりを捉えた低カロリー飲料の開発や、環境に配慮したパッケージの提案など、時代のトレンドを反映した企画が求められます。
また、商品のコンセプトやターゲット層、価格設定まで幅広く検討し、具体的な計画を立案するのも業務の一環です。さらに、製造部門や営業部門と連携し、実現可能性や採算性を精査しながら企画を練り上げていきます。
営業・販売促進も、マーケティング職の業務のひとつです。新商品やサービスを市場に浸透させるため、効果的な戦略を立案し実行します。たとえば、ターゲット層に合わせた販売経路の選定や、季節に応じたキャンペーンの企画などが挙げられます。
また、店頭でのPOP広告やSNSを活用したプロモーションなど、オンラインとオフラインを融合させた施策も重要です。これらの活動を通じて、顧客との接点を増やし、ブランド認知度の向上や売り上げの増加を目指します。
マーケティング職は、宣伝・広告業務も担います。新商品やサービスの魅力を多くの人に知ってもらうための、効果的な広告戦略の立案・実行などです。具体的には、テレビCMやWeb広告、SNS、屋外広告など、さまざまな媒体を活用し、ターゲット層に合わせた最適なアプローチ法を選択します。また、広告代理店やデザイナーと連携し、印象的なキャッチコピーやビジュアルを作成することも重要です。
広告効果の測定・分析も欠かせません。分析したデータを活用して費用対効果を検証し、次の施策に活かします。
マーケティング職が働く企業は主に「事業会社」と「支援会社」とに分類されますが、それぞれにおいて担う役割は異なります。ここでは、マーケティング職の仕事内容を事業会社・支援会社別に解説します。転職してからの後悔を防ぐためにも、仕事内容を比較したうえで検討しましょう。
事業会社とは、家電メーカーや食品会社など自社の製品やサービスを提供している民間企業です。事業会社で働くマーケティング職は、新製品の企画から市場調査、販促活動まで自社の製品やサービスの価値を高める役割を担います。
特徴的なのは、自社の商品やサービス、そして顧客を深く理解する必要があることです。「どのような商品が売れるか」「顧客が求めているものは何か」といった戦略的思考が求められます。事業会社でのマーケティング職の魅力は、自社の売り上げや業績に直接貢献できる点です。顧客の声が届きやすいため、自分の仕事の成果を実感しやすいでしょう。
支援会社とは、広告代理店やコンサルティングファームなどクライアントのビジネスを支援して経営に貢献する企業です。支援会社で働くマーケティング職は、クライアントのビジネス成功をサポートする役割を担います。
特徴的なのは、クライアントごとに異なる戦略を立案し、専門的な知識や手法を駆使して目標達成に導くことです。たとえばネット広告代理店では、大手プラットフォームでの広告運用やSEO対策などを通じてターゲット層へ効果的にアプローチできるマーケティング活動を行います。
支援会社でのマーケティング職の魅力は、若いうちからさまざまなクライアントの業務に携わることができ、自身をより早く成長させられる点です。また、特定分野の専門性を高められ、マーケティングのプロとして活躍することもできます。
マーケティングの仕事内容は、職種によっても大きく異なります。ここでは、主要な3つのマーケティング職種とその特徴的な仕事内容を解説します。
オフラインマーケティング、デジタルマーケティング、Webマーケティングの各分野で求められるスキルや業務内容はさまざまですが、いずれも企業の成長に欠かせない役割を担っています。それぞれの特性を理解することで、自分に合ったマーケティング職を見つける手がかりになるでしょう。
オフラインマーケティングは、インターネットを介さない従来型のマーケティング手法です。主な業務内容には、市場調査に基づく商品企画や、展示会・イベントの開催、屋外広告の展開などがあります。
商品企画では、消費者ニーズに合致した新商品やサービスの開発を行います。また、顧客に自社商品やサービスの情報を届けるためにテレビやラジオCM、ダイレクトメール、電話などを活用するのも特徴です。IoTデバイスを活用した顧客体験向上や販売促進も、オフラインマーケティングの一環です。
デジタルマーケティングは、インターネットやSNSを活用して商品やサービスの認知度向上や売り上げの増加を図る手法です。主な業務にはWeb広告の出稿やSEO対策、SNSマーケティングなどがあり、最新のデジタル技術を駆使してユーザーの行動データを分析し、効果的な戦略を立案します。たとえば、Webサイトの検索・閲覧履歴などをAIで分析し、ユーザーにとってより関連性の高い広告を配信します。
デジタルマーケティングは即時性と測定可能性が高いため、効果を迅速に検証して改善できる点が特徴です。この分野は絶えず変化を続けており、最新のトレンドに対応するためにも常に新しい知識やスキルの習得が求められます。
Webマーケティングはデジタルマーケティングの一種であり、Webサイトを中心に展開されるマーケティング手法を指します。主な業務には、自社サイトの運用やWeb広告の出稿、SEO対策、SNS運用などが含まれます。たとえば、企業のWebサイトを通じて商品やサービスの情報を発信し、顧客との接点を創出します。
また、自社がインターネット上で提供しているコンテンツが検索エンジンで上位表示されるようにサイトの最適化を行うのもWebマーケティングの業務のひとつです。さらに、アクセス解析ツールを使用してユーザーの行動データを収集・分析し、マーケティング戦略の改善に活かします。
マーケティングの仕事に就くメリットは多くあります。高い年収や多彩なキャリアパス、そして将来性の高さなど、キャリアアップを目指す方にとっては魅力的な選択肢といえるでしょう。ここでは、マーケティングの仕事に就くことで得られる具体的なメリットについて解説します。
マーケティング職の年収は、一般的な給与所得者と比べて高い傾向にあります。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、Webマーケティング職の全国平均年収は約645万5,000円となっています。これは、国税庁の「令和5年分民間実態統計調査」で示された給与所得者の平均年収460万円を大きく上回るものです。
また厚生労働省の調査から年齢別の年収をひもとくと、Webマーケティング職は55歳~59歳のときに年収が851万1,200円に達し、ピークを迎えます。経験を積み重ねてスキルを磨くと、高年収が期待できる点もマーケティング職のメリットです。
参照:Webマーケティング(ネット広告・販売促進)|職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag(厚生労働省)
参照:令和5年分 民間給与実態統計調査|国税庁
マーケティング職は、多様なキャリアパスを描ける魅力的な仕事です。経験を積むことで、リーダーやマネージャーとしてチームを率いる道や、専門分野のスペシャリストとして活躍する選択肢があります。また、新規事業の立ち上げに携わるなど、経営に近い立場で活躍することも可能です。
他職種への転身も選択肢のひとつです。たとえば事業会社から支援会社へ転職して経営コンサルタントになる道や、独立してフリーランスや起業家として活躍する道も開かれています。このように、マーケティング職は自身のキャリアプランや市場のニーズに合わせて、柔軟にキャリアを形成できる魅力的な仕事といえるでしょう。
マーケティング職は、AIに取って代わられる心配がなく、将来性が高い職種です。AIは市場調査やデータ分析を得意としますが、新商品やサービスのコンセプト、ブランディングには人間の創造性が不可欠です。マーケティング職には、AIを駆使してより効果的な商品企画を行う「AIを使いこなす側」としての活躍が期待されています。
また、企業の収益に直結する「仕組み作り」を担うマーケティング職は、経験を通して経営的な視点を身につけることが可能です。このスキルはさまざま仕事に活かせるため、有益な人材として転職市場で重宝されます。
マーケティングは、多様なスキルと特性が求められる職種です。ここでは、マーケティング職に向いている人の特徴を3つ紹介します。これらの特徴を持つ人は、マーケティングの分野で活躍できる可能性が高いでしょう。また、これらのスキルを磨くことで、未経験者でもマーケティング職へのキャリアチェンジの道が見えてきます。
マーケティングの仕事では、高いコミュニケーション能力が不可欠です。なぜなら、社内外の多様な関係者と連携して業務を進める必要があるためです。
たとえば、営業部門や広報部門、さらには外部の広告代理店など、さまざまな人々と協力して広告戦略を立案・実行します。このような環境で成果を上げるには、自分の考えを論理的に伝えるだけでなく、相手の意見をしっかりと理解する双方向のコミュニケーションが求められます。
また、新規プロジェクトでは初対面の関係者と協力することも多く、多様な意見をまとめ上げる調整力も重要です。さらに、顧客との信頼関係構築にもコミュニケーション能力が欠かせません。市場調査や分析を通じて顧客のニーズを的確に捉え、商品企画や販売促進に反映させるには、顧客の生の声を丁寧に聞き取る能力が必要です。
マーケティングの仕事には、論理的思考力も重要です。なぜなら、日々の業務で収集するデータを客観的に分析し、戦略に反映させる必要があるためです。たとえば、売上数やクリック率といった数値を分析して市場動向を把握し、その結果を基に新商品の企画や販売戦略の立案を行うプロセスでは、データに基づいた冷静な判断力と、論理的に考える能力が求められます。
また、関係者に対して自身の考えや提案を説得力のある形で伝えることも重要です。そのため、論理的な説明能力も必須のスキルといえるでしょう。このように、物事を論理的に考えられる人は、マーケティングの仕事に適性があるといえます。
マーケティングの仕事では、旺盛な好奇心が欠かせません。日々変化する市場動向や消費者ニーズを敏感に察知し、新たなトレンドをいち早くキャッチすることが求められるからです。たとえば、SNSなどさまざまな情報源を活用して情報収集を行い、最新の技術やサービスに常にアンテナを張ることが大切です。また、既存の枠にとらわれず、新しい視点から解決策を見いだす貪欲さも重要です。
このような好奇心旺盛な姿勢は、市場のニーズを的確に捉え、消費者にとって魅力的な商品やサービスを生み出すことにつながります。常に「なぜ」を追究し、新しい情報や知識を吸収し続ける探究心を持っている人はマーケティング職に向いています。
マーケティングの仕事に転職するためには、専門知識やスキルを証明できる資格の取得が有効です。特に未経験者にとって、資格は自身の能力をアピールする強力なツールとなります。ここでは、マーケティング職を目指す方におすすめの資格を4つ紹介します。これらの資格は、実務で役立つ知識を体系的に学べるだけでなく、転職活動でも大きな武器となるでしょう。
マーケティング検定は、日本マーケティング協会が主催する内閣府認定資格です。マーケティングの基礎知識を証明するこの検定は1級〜3級まで用意されており、多くの企業で社内研修に採用されています。マーケティング検定の取得により、転職活動の際に自身のマーケティングスキルを客観的にアピールすることが可能です。
またマーケティング職未経験の方にとって、マーケティング検定の取得へ向けた自己学習によりマーケティングの基礎知識を習得できる点もメリットです。
マーケティング・ビジネス実務検定は、マーケティング実務の知識を総合的に判定する日本初の検定試験です。検定試験はA級~C級の3段階に分かれており、現代社会で求められる幅広いマーケティング知識が問われます。
資格の習得へ向けて勉強を積み重ねることで、マーケティングの基礎から実務レベルまでの知識を学べる点がメリットです。マーケティング初心者の方は、まずはC級の合格を目指すとよいでしょう。
ネットマーケティング検定は、Webマーケティングの基礎知識を証明できる民間資格です。試験では広告やSEO、セキュリティーなどの基礎知識から、Webサイト構成、リサーチ、関連法規まで幅広く出題されるため、勉強を通じてオンラインマーケティング全般に関する知識を網羅的に学べます。
マーケティング職に興味がある方や、効率的にWebマーケティングのスキルを身につけたい人にとって、最適な資格といえるでしょう。
統計検定は、統計学の知識とその実践能力を評価する資格です。データ分析が重要視されるマーケティング業界において、この資格取得は転職時の大きな強みとなります。統計検定は1級〜4級まであり、自身のレベルに合わせて挑戦できます。
マーケティング職では、売上データやクリック率などの数値を分析し、戦略立案に活かす能力が求められます。統計検定の合格を目指して勉強することで、マーケティング職の実務に役立つ手法を学べる点は大きなメリットです。
また、AIやビッグデータの活用が進む中、統計的思考力は今後さらに重要性を増すと予想されます。未経験からマーケティング職を目指す方にとって、統計検定の取得は自身の市場価値を高める効果的な手段となるでしょう。
未経験からマーケティング職への転職を考えている方には、マイナビエージェントの活用がおすすめです。マイナビエージェントでは、マーケティング業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたの希望を丁寧にヒアリングするだけでなく、強みや適性を見極めたうえで最適な求人を紹介します。
また、応募書類の作成から面接対策、内定後の条件交渉まで細かくサポートするため、マーケティング職未経験の方でも安心して転職活動に臨めます。プロのサポートを受けることで、未経験からでもマーケティング職への転職成功率を大きく高められるでしょう。
マーケティングの仕事内容は、市場分析から商品企画、販促活動まで多岐にわたります。企業の売り上げに直結するなどやりがいが大きいだけでなく、高い年収や多様なキャリアパスが期待でき、AIに代替されにくい将来性の高さも魅力です。
未経験からマーケティング職への転職を目指すには資格の取得も有効ですが、転職のプロのサポートを受けることも効果的です。マイナビエージェントでは、業界に精通したプロのキャリアアドバイザーによる専門的なアドバイスと充実した求人情報で、あなたの転職をバックアップします。マーケティング職への転職を実現したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。
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