更新日:2025/12/11

この記事のまとめ
Webマーケティング職への転職を目指す中で、「資格を持っていないと不利になるのではないか」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。実際のところ、Webマーケティングの仕事に資格は必須ではありません。しかし、資格を取得することで知識の証明となり、より有利に転職を進められるようになります。
この記事では、Webマーケティング分野で役立つ資格や取得するメリット、効果的なアピール方法を紹介します。転職活動を有利に進めたい方や、スキルアップを通じて理想のキャリアを実現したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次

Webマーケティング職に就くために、特定の資格が必須というわけではありません。国家資格のような業務独占資格は存在しないため、資格を持っていなくても転職は十分に可能です。
とはいえ、Webマーケティングに関するスキルや知識レベルを客観的に証明できる資格はいくつもあります。資格を取得しておくことで、採用担当者に「基礎知識がある」「意欲的に学んでいる」というような印象を与えられるでしょう。
また、資格はキャリアアップや年収アップを目指す際の強力なアピール材料にもなります。転職を有利に進めたい方は、Webマーケティングに関連するスキルを体系的に学べる資格の取得を検討してみるのがおすすめです。

Webマーケティングは、感覚やセンスだけでなく、専門的な知識と分析力が求められる職種です。データをもとに戦略を立て、集客や売り上げの向上につなげるには幅広いスキルをバランスよく身につけておく必要があります。
ここでは、Webマーケティングとして活躍するために欠かせない以下5つの主要スキルを紹介します。
Webマーケティングへの転職を目指す方は、これらのスキルを意識的に磨きながら、実践経験や資格取得を通じてスキルアップを図るとよいでしょう。
Webマーケティングでは、商品やサービスを効果的に宣伝するためにWeb広告の運用スキルが欠かせません。Web広告にはさまざまな種類があり、代表例として次のようなものが挙げられます。
これらの広告を成果につなげるには、Web広告の仕組みや配信の最適化、効果測定(分析)の方法を正しく理解しておくことが重要です。事前に広告運用の基本を学んでおけば、実際の現場でも戦略的に運用できるようになり、即戦力として評価されやすくなります。
WebサイトやSNS、動画コンテンツなどに多くのユーザーを集めるためには、SEO(検索エンジン最適化)に関するスキルが欠かせません。SEOとは、Googleなどの検索エンジンで上位表示を狙い、サイトへのアクセス数を増やすための取り組みのことです。
Webマーケティングとして活躍するには、検索エンジンの仕組みやユーザーの検索意図を理解し、コンテンツ制作やサイト設計に反映できる力が求められます。SEOはWeb業界で重視されるスキルのひとつのため、継続的に学習して知識をアップデートしておくことが大切です。
SEOを意識したコンテンツ制作やサイト改善ができる人材は企業からも高く評価され、活躍の場が広がるでしょう。
Webマーケティングでは、立案・実行した施策の成果を検証するため、定期的にアクセス解析を行います。アクセス解析とは、Webサイトを訪れたユーザーの数や行動パターン、流入経路などを分析する作業です。こうしたデータをもとに、サイトのどの部分が効果的に機能しているのか、どこに改善の余地があるのかを把握できます。広告施策を次の段階へとブラッシュアップするための重要なプロセスです。
アクセス解析には、Google Analyticsをはじめとする専用ツールを使用します。ツールの基本操作やデータの読み取り方を習得しておくことで、より戦略的にマーケティング施策を改善できるようになるでしょう。
より効果的なマーケティング施策を立案するには、データを正確に分析し、課題や改善点を導き出すスキルが必要です。
具体的には、アクセス解析などで得られたデータをもとに、ユーザーの行動傾向や成果の要因を読み解く力が求められます。そのためには、クラスター分析やクロス集計、アソシエーション分析など、代表的なデータ分析手法を理解しておくことが重要です。加えて、分析ツールの操作方法やデータの見方も身につけておくと、より精度の高い判断ができるようになります。
近年では、AIを活用した自動分析や予測モデルの導入も進んでいます。AIツールを使いこなせる人材は市場価値が高く、キャリアアップの面でも大きな強みとなるでしょう。
ロジカルシンキングとは、複数の事象の間にある論理的なつながりや因果関係を整理し、筋道立てて考える思考法のことです。Webマーケティングでは、分析で得られたデータや結果をもとに課題を特定し、最適な改善策を導き出す必要があるため、ロジカルシンキングが欠かせません。
ロジカルシンキングを習得するには、自分の考えを言語化する習慣を持ち、「なぜそうなるのか」を掘り下げる仮説検証を繰り返すことが効果的です。日常の業務だけでなく、ニュースや身近な出来事に対しても論理的に考える癖をつけることで、自然と思考力が鍛えられます。

ここでは資格を取得するメリットを紹介します。Webマーケティングは資格の有無より経験やスキルが重視される職種ですが、資格を取得するメリットは大きいといえます。スキルアップの一環として、資格取得を目指すのもおすすめです。
未経験からWebマーケターを目指す場合は、Webマーケティングに関連する資格を取得しておくことで採用されやすくなります。資格取得によって、専門的な知識やスキルがあることをアピールできるためです。
通常、未経験者を採用した場合は、業務に必要な知識をつけるための教育が必要で、そのコストが発生します。しかし、採用した人材がWebマーケターに必要な知識やスキルを備えていれば、教育コストがかかりません。そのため、資格保有者は未経験であっても選考で有利になりやすい傾向です。
経験者であっても、資格取得を通じて体系的に学び直すことで、より深い知識を習得できます。そのため、スキルアップやキャリアアップを目指している方も、資格取得を目指すとよいでしょう。関連する資格を取得して幅広い知識を身につけることで、業務の幅を広げたり、さまざまな視点からマーケティング活動に取り組んだりできるようになります。
また、Webマーケティングは日々変化する状況に対応する必要があるため、新しい知識を取り入れていく柔軟性も求められます。
資格を取得することで、クライアントへWebマーケティングに精通していることをアピールできます。クライアントも安心して業務を依頼でき、信頼獲得にもつながります。
その結果、クライアントから継続的に仕事を依頼されるだけでなく、こちらの提案を受け入れてもらいやすくなるでしょう。ビジネスにおいて信頼は大きな武器になるため、資格が役に立ちます。

ここでは、Webマーケティングに役立つ資格を3つ紹介します。以下の資格を取得することでWebマーケティングの基礎知識や専門用語を身につけられるため、未経験者や知識に自信のない方はぜひ取得を目指してみましょう。なお、試験概要は変わることがあるため、受験の際は最新情報を確認することが大切です。
マーケティングに関する実務知識を総合的に判定するための資格です。C級・B級・A級の3ランクに分かれており、C級ではオペレーション基礎レベル、B級ではオペレーション応用レベル、A級ではマネジメントや戦略レベルを身につけられます。初心者の方もC級から受けることで段階的に知識を得られます。
試験は年4回実施されています。テキストや問題集を活用して自己学習するか、通信講座や通学講座の活用も効果的です。受験料はC級が6,270円(税込)、B級が7,480円(税込)、A級が1万2,760円(税込)です。
知識やスキルを体系的かつ網羅的に学習し、ビジネスの企画や立案に活かせる能力を身につけられる資格です。Webマーケティングを実施できる人材の育成を目的としています。基本的な知識や専門用語をはじめ、検索エンジン対策や経営戦略、Webブランディングに関する知識などを学習できます。
2024年の合格率は68.6%と比較的高く、業務未経験者でも比較的受験しやすい資格です。試験問題は択一選択式(4択)で、前半は基本問題、後半は実務を想定した事例問題が出題されます。受験料は6,200円(税込)です。
Webマーケティングに関する実践的な知識を身につけられる資格です。StandardコースとProfessionalコースの2種類があり、前者はマーケティングの概論や実用知識、アクセス解析などの実践的な基礎を、後者はコンバージョン対策やレポート演習などの応用的なスキルを問われます。
講座の受講と試験がセットになっていて、受験者はeラーニングを活用し、自分の予定に合わせて学習を進められます。インターネット環境があればどこでも講座や試験が受けられるため、仕事が忙しい方でも取り組みやすいのがメリットです。
受験料はStandardコース・Professionalコースともに2万4,970円(税込)です。認定試験に不合格だった場合、受験から1年以内は1万1,990円(税込)で再受験できます。

ここでは、解析や統計分析に関連する知識・スキルを習得できる資格を紹介します。データ分析の知識やスキルを手に入れたい方におすすめです。資格を取得することで、数値から分かる情報を的確に捉え、データを使って改善策を導き出せるようになります。データ分析の実務に役立てられるでしょう。
データ分析方法を体系的に習得でき、Google Analyticsをはじめとするさまざまな解析ツールの使い方や、市場動向・トレンドなどの情報解析、活用方法を学べる資格です。試験前に受けられる講座は1日5時間の短期プログラムで、分析の具体的な方法や手順、考え方を習得できます。
実際のGoogle Analyticsの画面を用いながら解説を聞けるため、手順操作のイメージが容易になり、受講後すぐに使える知識を得られます。試験結果は受験後すぐに表示され、自分の理解度をその場で把握できます。
なお、データ分析の知識がすでにある方は、講座を受講せずに試験のみ受けることも可能です。受講料は主催団体によって異なります。
実務に役立つWeb解析の知識習得を目指して作られた資格です。Web解析やWebマーケティング知識の習得を目指す「ウェブ解析士」をはじめ、KPI設定や戦略立案など実践的なスキルを身につける「上級ウェブ解析士」、ウェブ解析士の育成や研修の講師として活躍するために必要なスキルを身につける「ウェブ解析士マスター」の3つのグレードに分かれています。
初心者の方はウェブ解析士の資格を、さらにスキルアップを目指したい方は上級資格の取得を目指すとよいでしょう。試験は公式サイトで公開されている日程から都合に応じて選び、申し込めばオンラインで受験できます。
それぞれの資格で受験料は変わり、別途講座も開かれています。受験料の一例を挙げると、ウェブ解析士の試験費用は1万7,600円(税込)です。取得方法に応じて、別途公式テキスト代と講座費用がかかります。
統計検定は統計学の知識が問われる資格試験で、試験勉強を通じてデータの分析や解釈に必要なスキルの習得が可能です。統計検定には一般的な統計学の知識を問うものから応用レベルの知識を問うものまで、幅広いレベルの試験が用意されています。
Webマーケティングは競争が激しい分野であり、データに基づいた意思決定が重要です。統計検定の資格を持つことで、より信頼性のある分析ができ、効果的なWebマーケティング戦略の立案に役立つでしょう。
データ解析士は、さまざまなデータ分析手法を理解し、実務で活用できることを証明する資格です。試験では、単回帰分析や重回帰分析・多変量解析など解析手法に関する知識やスキルが問われます。
データ解析士資格は実務教育研究所が運用しており、取得するには多変量解析実務講座の全課程を修了後、認定試験に合格する必要があります。合格を目指すには、高度な統計学の理解と十分な事前学習が欠かせません。
データ解析のスキルはWebマーケティングの仕事でも必須の要素です。データ解析士の資格を取得しておけば、データ分析力が身についていることを客観的に証明でき、転職やキャリアアップで有利に働くでしょう。
Google社が認定する世界的な資格です。Web解析ツールとして活用されることが多いGoogle Analyticsの使い方やレポートの見方などを学習することで、知識を深められます。
試験は無料で受けられますが、資格の有効期限は1年間であり、更新するには1年ごとに試験を受けて合格しなければなりません。試験を受ける際は、Google社が提供している初級と上級の受験準備資料を活用して学習に取り組みましょう。

Webマーケティングでは広告やSEM(サーチエンジンマーケティング)の知識も役に立ちます。ここでは、広告・SEMに活かせる資格として代表的なものを3つ紹介します。
Google広告に関する知識や理解力を認定する資格で、Google 広告「検索広告」、Google 広告ディスプレイなど計9種類あります。それぞれの試験に合格すると、その分野の知識を有していることを証明可能です。
試験はオンライン形式で24時間365日いつでも受験できますが、1日1回のみの制限があります。資格の有効期限は1年間であり、資格を更新するには再度合格する必要があります。
ウェブデザイン技能検定はWebデザインのスキルを測定する資格試験であり、主にWebデザインやWeb制作に関わる人々が対象です。試験勉強を通じて、HTMLやCSSを用いたWebページの制作、デザインの基礎知識などを習得できます。
ユーザビリティを意識したWebサイトのデザインを行うと、サイト訪問者の利便性が向上し、ユーザーエクスペリエンスを高められます。WebマーケターとしてWebサイトのデザインと制作に関する専門的なスキルを持つことで、効果的なWebマーケティング戦略が実現できるでしょう。
WEBライティング技能検定は、Webコンテンツの制作や執筆のスキルを測定する資格試験です。主にWebライターやコンテンツ制作者、マーケティング関係者などを対象としています。試験勉強を通じて、Webコンテンツの作成能力や文章力などを習得できます。
WEBライティング技能検定の資格を取得することで、Webマーケターとして企業やブランドのWebサイト・SNSなどのコンテンツ制作を担当する際に、より品質を高められるようになるでしょう。

どの資格の取得を目指す場合でも、合格するには十分な学習時間の確保と計画的な準備が欠かせません。資格取得に必要な知識・スキルを身につける方法としては、独学と講座を受講する方法の2つがあります。
ここでは、2つの勉強方法の特徴を比較しながら、自分に合った学び方を選ぶためのポイントを解説します。
Webマーケティング関連の資格に関する専用の学習サイトや書籍は充実しているため、それらを活用すれば独学でも十分に知識やスキルを習得可能です。独学は自分のペースで学習を進められ、費用を抑えられる点がメリットです。
一方で、難解な内容を理解するのに時間がかかったり、学習の方向性を見失ったりするリスクもあります。そのため、自己管理が得意な方や、比較的難易度が低い資格取得を目指す場合に適した学習スタイルといえるでしょう。
資格取得を目指す際には、オンライン講座や専門スクールの講義を受講する方法もあります。講座を活用すれば、Webマーケティングに必要な知識を体系的かつ効率的に学べます。講師から直接アドバイスを受けたり、最新の出題傾向を把握できたりするメリットもあるため、限られた時間で効果的に学習を進めたい方におすすめです。
一方で、受講料や教材費などのコストがかかる点がデメリットです。また、資格によっては特定の講座を修了していることが条件になっているものもあります。その場合は、対象となる講座の内容や受講方法を事前に確認しておきましょう。

資格を取得したら、次のステップは転職活動で効果的にアピールすることです。せっかく得た資格も、適切にアピールできなければ評価につながりません。
ここでは、Webマーケティング未経験者・経験者それぞれの立場から、資格を効果的にアピールする方法を紹介します。
未経験からWebマーケティング職を目指す場合、資格取得は強い入社意欲の証明になります。あらかじめ関連資格を取得しておくことで、「知識を自ら学び、行動に移している人材」として前向きな印象を与えられます。
また、資格を持っていることで、自分のスキルレベルを客観的に示せる点もメリットです。単に「勉強しました」と伝えるよりも、資格という形で証明できることで、採用担当者からの信頼を得やすくなります。
面接では、資格を取得する課程で得た知識をどのように活かせるか、入社後にどのような形で成果につなげたいかを具体的に伝えると、より効果的にアピールできます。
Webマーケティング経験者は、資格の有無よりもこれまでの実績やスキルが重視されます。そのため、資格をアピールする際は、単に「取得しました」と伝えるのではなく、過去の経験と関連づけて説明することがポイントです。資格を通じて得た知識を実務にどう活かしてきたのかを示すことで、これまでの成果が偶然ではなく、体系的なスキルと分析力に裏打ちされたものであると証明できます。
まずは、自分が携わったプロジェクトや達成した成果を整理し、その中で身につけたスキルを明確に言語化しましょう。そこに関連資格を組み合わせてアピールすれば、自身の能力を効果的に伝えられます。

Webマーケティングの仕事で必須となる資格はありませんが、マーケティングやデータ分析などに関連する資格を取得しておくことで、自分のスキルレベルを客観的に証明できます。知識や実践力をアピールできれば、資格を持っていない方に比べて転職活動を有利に進められるでしょう。
これからWebマーケティング職を目指す方は、資格の取得に加えて、これまでの経験や自分の強みをどう活かせるのかを整理し、キャリ,アプランに合った企業選びを意識することが大切です。
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