転職に年齢制限はありません。30代でも転職することは可能です。とはいえ、一般的に転職は年齢が上がるほど難しくなるといわれていることから、「30代では厳しいのでは」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、30代の転職が厳しいといわれる理由を3つ紹介します。30代におすすめの転職先や転職成功のポイントも解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

30代の転職事情

ここでは、マイナビの「転職動向調査 2023年版（2022年実績）」（2022年12月調査）を基に30代の転職率や主な転職理由を紹介します。転職活動を始める際には、自身の転職理由を言語化することも大切です。転職理由が曖昧な方は、参考にしてみてください。

参照：「転職動向調査 2023年版（2022年実績）」（2022年12月調査）｜株式会社マイナビ

30代の転職率

マイナビの「転職動向調査 2023年版（2022年実績）」（2022年12月調査）によると、2022年の正社員の転職率は以下のとおりです。

全体 7.6% 20代 男性 14.6% 女性 12.4％ 30代 男性 11.2％ 女性 7.0% 40代 男性 5.7% 女性 5.4% 50代 男性 3.3% 女性 3.8%

20代は男女ともに転職率が高いことが分かります。また、全体の転職率が7.6%であるのに対し、30代男性の転職率は11.2%、30代女性の転職率は7.0%であることから、30代で転職している人は比較的多いといえます。

30代の主な転職理由

マイナビの「転職動向調査 2023年版（2022年実績）」（2022年12月調査）によると、30代で多い転職理由は以下のとおりです。

• 給与が低かった
• 会社の将来性、安定性に不安があった
• 仕事内容に不満があった
• 休日や残業時間などの待遇に不満があった

上記の中でも、会社の将来性や安定性に不安を感じて転職を決意した方は多い傾向にあります。一般的に30代はある程度キャリアを積んでいる年代であり、給与や働き方などを見直すタイミングといえます。

30代の転職が厳しいといわれる3つの理由

30代で転職に成功している人は多くいますが、「30代の転職は厳しい」という意見も少なからずあります。ここでは、30代の転職が厳しいといわれる理由を3つ紹介します。30代の転職が厳しいといわれる理由を知ることで適切な対策を講じられるようになり、転職活動を有利に進められるでしょう。

1.応募条件に年齢が記載されている求人がある

法律では、求人募集に年齢制限を設けることは原則的に禁止されています。しかし、「長期勤続によるキャリア形成」などの例外事由があれば、年齢制限を設けることが許されています。そのため、求人の中には「35歳以下」と応募条件が記載されているケースも少なくありません。30代後半になると年齢制限のある求人に応募できなくなることから、「30代は転職が厳しい」といわれているのです。

参照：募集・採用における年齢制限禁止について｜厚生労働省

2.即戦力になる能力が求められる

20代はキャリアが少ないことから、選考で重視されるのは若さゆえの「ポテンシャル」です。未経験の業種でもポテンシャル採用されやすいのが20代の魅力といえます。一方で、30代以降の選考で重視されるのは、これまでのキャリアで培ったスキルや経験です。すなわち、身につけているスキルや経験が活かしにくい未経験の業種への転職は難度が上がる傾向にあります。

3.新しい社風になじめるのか懸念されやすい

同じ業種の仕事であっても、職場によって企業風土や価値観、働き方などは大きく異なる場合があります。前職で長く働いている場合、「転職して新しい社風になじめるのか」「自分なりの仕事のスタイルが確立されているのでは」と懸念されることも少なくありません。

選考では、柔軟性や協調性、謙虚な姿勢をアピールすることが大切です。特に未経験の業種に応募する場合には、一から学ぶ姿勢を示しましょう。

30代で転職するメリットとは？

転職は人生において重要な決断です。新しい職場で働くことになれば今後の働き方やライフスタイルが大きく変わることになるため、転職を迷う方も多いのではないでしょうか。しかし、30代で転職するメリットもあります。ここでは、30代で転職するメリットを2つ紹介します。

学歴よりもキャリアが評価されやすい

30代の転職では、これまでの仕事で培ってきたスキルや経験が重視されます。学歴に自信がなくても、仕事で十分な実績を出していれば転職を有利に進められます。選考の際は、仕事への向き合い方や評価されたことなどを具体的なエピソードを交えて伝えましょう。

社会人経験を活かして転職先を選べる

30代は20代と違って社会人経験が豊富です。自分の得意不得意や業界の将来性など、ある程度理解していることでしょう。豊富な社会人経験を活かして自己分析や企業研究をすれば、自分に合った転職先を選ぶことができ、ミスマッチを防止できます。

30代で転職する際の注意点

転職はそう何度もできるものではありません。特に30代で短期離職を繰り返してしまうと、選考の際に採用担当者から不信感を抱かれて転職が難しくなるでしょう。転職後の後悔を防ぐには、以下で紹介する2つの注意点に留意することが大切です。

年収が下がる可能性がある

マイナビの「転職動向調査 2023年版（2022年実績）」（2022年12月調査）によると、転職して年収が上がった、もしくは下がったと回答した30代男女の割合は以下のとおりです。

年収が上がった 年収が下がった 30代男性 47.7% 16.0% 30代女性 31.4% 16.5%

転職して「年収が上がった」と答えた人の割合は多いものの、年収が下がっている人も一定数いることが分かります。30代で転職をする際には、年収が下がる可能性を頭に入れておくことも大切です。

参照：「転職動向調査 2023年版（2022年実績）」（2022年12月調査）｜株式会社マイナビ

上司が年下になる場合がある

実力主義の会社では、20代でもリーダーや管理職を任されることがあります。そういった会社に転職すれば、「上司が年下」という関係性になるケースも少なくありません。年下の上司が苦手な人の場合、仕事がやりにくいと感じることもあるでしょう。たとえ上司が年下であっても、謙虚な姿勢を持って接することが大切です。

30代でも遅くない！転職を成功させるポイント

転職は何歳からでも挑戦可能であり、30代だからといって遅いわけではありません。30代でも、過去のキャリアを活かせる転職先を選び、入念に選考対策をすれば転職を成功させられます。ここでは、30代が転職を成功させるために押さえておきたいポイントを5つ紹介します。

30代特有の強みをアピールする

30代が20代と同じように選考対策するのは効果的とはいえません。一定の社会人経験を積んできた30代には年齢ならではの強みがあり、それを活かした選考対策が重要です。たとえば、30代は部下を管理してきたマネジメントスキルやビジネスマナーが強みとして挙げられます。ほかにも、豊富な社会人経験による適応力もアピールできるでしょう。

次の仕事に活かせる資格を取得する

社会人経験が豊富な30代であっても、未経験の業種に転職する場合には、経験者に比べてアピールできる経験やスキルが多くありません。しかし、資格を取得すれば、一定の専門知識やスキルを有していることを証明できます。

資格取得によってアピールポイントを増やせば、選考を有利に進められるでしょう。「資格を取得する熱意」を評価され、入社意欲の高い人材であることも示せます。

複数の求人にまとめて応募する

転職活動を効率的に進めるには、複数の求人にまとめて応募するのがポイントです。複数の応募先から内定をもらえれば、企業を比較して自分に合った転職先に入社できます。

しかし複数の求人に応募すると、スケジュール管理が難しくなる点に注意が必要です。「面接の日程が被ってしまった」といった事態にならぬよう、複数の求人に応募する際は自分が管理できる数までにとどめておきましょう。

働きながら転職活動をする

転職活動は長期化する可能性があるため、可能であれば働きながら転職活動をするのがおすすめです。退職してから転職活動を始め、万が一長引いてしまった場合は長期の離職期間が生じてしまいます。また、転職先が決まらないことに焦りを感じたり、経済的な余裕がなくなったりする可能性も否めません。

とはいえ、「現職で大きなストレスを抱えている」「転職活動をする余裕がない」といった場合は、退職して心身ともにリフレッシュしてから転職活動をするとよいでしょう。

条件を厳しく設定しすぎない

30代は実績や経験がある程度充実していることから、転職によってキャリアアップや年収アップを狙うことも可能です。しかし条件を厳しく設定しすぎると、転職先が思うように見つからなくなる場合があります。

転職活動が長期化しないよう、希望する条件に優先順位をつけたり、妥協できる条件を決めたりするのがおすすめです。たとえば、「土日が休みであれば残業は20時間超えてもよい」などです。

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30代未経験におすすめの転職先

30代であっても、未経験の業種に転職することは可能です。ここでは、30代におすすめの転職先を、「未経験可」「将来性が高い」といった観点から5つピックアップして紹介します。気になる仕事があれば、ぜひ挑戦してみてください。

営業職

顧客に自社の商品やサービスを提案して、成約につなげるのが営業職の役割です。営業職は、30代の豊富な社会人経験で培ったビジネススキルやコミュニケーションスキル、適応力を活かせる職種といえます。

営業の仕事は、成果に応じて給与やボーナスがアップする「インセンティブ制度」が導入されていることが多く、高収入を目指せるのが魅力です。幅広い業界で営業職の需要があるため、前職の経験が活かせる転職先を見つけて応募してみてください。

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ITエンジニア

ITエンジニアは、システムやアプリケーションの開発・設計をする技術職です。IT業界は年々発展していて将来性が高い一方で、人手不足が深刻化しています。未経験者にも幅広く門戸を開いている企業が多いため、異業種からの転職も可能です。

IT業界には多様な職種が存在し、キャリアパスも豊富に用意されています。ITエンジニアとしてスキル・技術を磨けば、より高収入の職種へのキャリアアップも目指せるでしょう。

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介護職

介護職は、高齢者や障がい者の身の回りのお世話やケアを担当する職種です。高齢化社会の進展により、介護職の需要は高まっています。介護職は力を使う仕事も多いことから、30代の若くて体力のある人材は重宝されるでしょう。

介護職は資格がなくても働けますが、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を取得すれば、キャリアアップも可能です。人と関わるのが好きな方は、ぜひ目指してみてください。

ドライバー

ドライバーには、人を目的地まで送り届ける「タクシードライバー」、荷物をさまざまな場所に届ける「配送ドライバー」、引っ越しを手伝う「引っ越しドライバー」などがあります。

ドライバーの仕事はロボットに代替される心配が少なく、安定して働ける点が魅力です。また、ネットショッピングを利用する人が増えていることから、需要も高まっています。

サービス業

飲食店や小売店、宿泊施設などのスタッフとして働くのもおすすめです。サービス業では、過去の仕事で培ったビジネスマナーやコミュニケーションスキルが活かせます。

サービス業の魅力は安定した需要があり、転職しやすい点です。また、飲食店や小売店などで経験を積めば、店長やエリアマネージャーになれる点もおすすめのポイントです。キャリアアップするにつれて、マネジメントスキルや経営のノウハウなども身につけられるでしょう。

マイナビエージェントが30代の転職を親身にサポート！

転職はひとりで進めることも可能ですが、膨大な求人の中から自分に合う仕事を探すのは容易ではありません。また、転職経験が少ない人の場合、選考対策も不十分になりやすい傾向にあります。

働きながら転職活動をしたい方、転職経験が少ない方は、マイナビエージェントの利用がおすすめです。転職ノウハウに精通したキャリアアドバイザーが、あなたにおすすめの求人を紹介します。ほかにも、応募書類の作成や内定後の条件交渉などの手厚いサポートも行っているので、転職を成功させたい30代の方はぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

「30代の転職は厳しい」という意見も少なからずありますが、30代で転職を成功させている人は多くいます。自分に合う転職先を見つけ、選考対策を入念に行えば、転職の成功確率を大幅に上げられるでしょう。

「自分に合った求人を紹介してほしい」「選考対策が分からない」といった方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントは、30代の転職支援実績が豊富にあります。相談からの利用も可能なので、お気軽にお問い合わせください。