更新日:2024/03/13
この記事のまとめ
事務職は人気が高い職種のひとつです。中には未経験から事務職へ転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。ただし事務職といってもさまざまな種類があり、仕事内容もそれぞれ異なるので、転職を目指す際にはどの分野で働きたいのかを明確にすることが大切です。
そこでこの記事では、未経験で事務職に転職するコツや取得しておきたい資格、志望動機を書く際のポイントを解説します。未経験でも事務職への転職は可能なため、事務職として実現したいキャリアが明確に定まっているのであれば積極的にチャレンジするとよいでしょう。
目次
事務職には一般事務や営業事務などさまざまな種類があり、特別な資格や専門的な知識がなくても活躍できる職種もあります。業界を問わずどの企業にも事務職は必要であるため、求人数が多い傾向にあるのも特徴です。
そのため、未経験者でも事務職に転職することは可能といえます。実際に事務職への転職を検討している方は企業ごとにどのような仕事を担当するのかをリサーチし、自分に合っているかどうかを確認するとよいでしょう。
事務職は日々さまざまな仕事を担当します。具体的な仕事内容は企業によって異なるものの、以下の4つは多くの企業で担当することになるでしょう。それぞれの仕事内容と必要なスキルを簡単に紹介します。転職を検討している方はこの機会に仕事内容をひととおり確認し、事務職が自分に合っている仕事なのかを考えるとよいでしょう。
事務職は、さまざまなデータを指定されたファイルやデータベースに入力する仕事を担います。具体的には、伝票や顧客データなどの入力です。
ほかにも、銀行に振替データを送信したり会計ソフトに取引内容を入力したりすることもあります。企業によって扱うデータに違いがあるものの、データ入力は事務職の代表的な仕事です。
契約書や見積書・請求書といった書類を作成するのも事務職の仕事です。作成する書類は多種多様で、企業によっては輸出入の手続きをするための書類や会議の議事録を作成することもあるでしょう。
さらに、受領した書類を処理するのも重要な仕事です。契約書や発注書などの書類を受け取ったら、書かれている内容にしたがって手配したり、担当している部署やスタッフに引き継いだりします。
ビジネスでは多くの書類を扱うため、適切に整理してファイリングしなければ必要に応じて参照するのが難しくなります。社内にある書類を種類別や取引先別などの定められたルールに基づいて分類・整理するのも、事務職の重要な仕事です。
受け取った書類はPDF化して指定されたフォルダに格納するなど、細かくルールが決まっていることもあります。
多くの企業においては、事務職が電話やメール・来客の一次対応をしています。電話やメールが入ったら内容を確認して指定の部署に取り次ぎます。来客があったら応接室に案内するのが一般的です。場合によっては緊急の連絡が入ることもあります。内容に応じて柔軟に対応するスキルが求められます。
事務職にはさまざまな種類があるため、自分に合った分野を選ぶことが大切です。ここでは、事務職の代表的な種類を4つ紹介します。未経験から事務職への転職を検討しているのであれば、それぞれの職種の違いを正しく理解したうえで、自分に向いているかどうかを確認してみましょう。
データ入力や書類作成・来客対応といった広範な業務を担当するのが一般事務です。企業によっては、備品の管理やオフィスの清掃、社員のサポートを担当することもあります。
多くの方が事務職と聞いてイメージする分野といえるでしょう。一般事務として活躍するには、事務処理スキルだけではなくコミュニケーションスキルや細かい変化に気づく観察力が求められます。
営業を担当する部署に所属し、営業職の仕事をサポートするのが営業事務の主な仕事です。営業活動に必要な資料を準備したり、商談の進行状況に合わせて見積書や契約書・納品書といった書類を作成したりします。営業職の仕事を効率化するには、営業事務の仕事が欠かせません。営業事務は企業の利益向上に欠かせない職といえます。
経理事務は、事務職の中でも伝票の整理や帳簿の作成、給与の計算といった経理業務を専門に扱う職です。銀行に振込データを送信したり、取引先からの入金を確認したりするのも経理事務が担当します。
一般事務や営業事務とは異なり、経理に関する専門的な知識がある程度必要です。経理事務を目指すのであれば、日商簿記検定試験やビジネス会計検定試験などの資格を取得しておくとよいでしょう。
診療所や歯科クリニック、病院をはじめとした医療機関に勤務し、受付や医療費の計算・請求、レセプトの作成を担当するのが医療事務です。来院する患者とのコミュニケーションも重要で、事務処理スキルに加えて高いコミュニケーションスキルも求められます。
専門性が高い職のひとつであることを考えると、医療事務を目指すのであれば医療事務技能審査試験などの資格を取得するとよいでしょう。
ここでは、事務職が向いている人の特徴を6つ紹介します。未経験から事務職への転職を検討しているものの、自分が向いているのかが分からずに不安を抱いている方は、以下のポイントに自分が当てはまっているのかを確認してみてください。自分に事務職への適性があると判断できたら、積極的に転職活動に臨みましょう。
日々の業務では、データ入力や書類作成といった定型業務の合間に、電話・メール対応や来客対応などのイレギュラーな業務が入るときがあります。オフィスで何らかのトラブルが発生し、そちらに対応しなければならなくなる場合もあるでしょう。
そのため、事務職として活躍するには状況に応じて適切に対応し、マルチタスクを効率的に処理するスキルが求められます。限られた時間を有効に使うため、業務に優先順位を定めて順番に処理することが大切です。
事務職として働いていると、同じ作業を長時間繰り返すことが多々あります。そのため、長時間の単純作業を苦痛と感じない方に向いているといえるでしょう。
データ入力や伝票の処理などは、長時間繰り返す単純作業の代表例です。業務中はミスを防ぐために集中力を維持することが求められます。ひとつの作業を長時間繰り返すことについて、自分がどのように感じるかを考えてみましょう。
限られた業務時間で必要な作業を終えるには、業務を素早くかつ正確に処理する必要があります。書類やデータの提出期限が決まっていたり、その日のうちに済ませなければならない業務があったりするのが通常です。
そのため、事務職は細かい作業をミスなくスピーディーに処理できる方に向いています。段取りよく仕事を進められる方にも同様の理由で向いているといえるでしょう。
事務作業をしている際には緊急の業務が入るときもあります。取引先からの突然の電話対応を求められたり、社内の別部署から書類の作成を求められたりするケースもありがちです。
そのようなときには、各業務の重要度を考えて優先準備を定め、順番に処理することが求められます。イレギュラーな事態が発生したときにも慌てることなく、臨機応変に対応できる方は事務職に向いています。
複数の業務を同時に進める都合上、高度なスケジュール管理スキルが求められます。一例として、午後から会議に参加してその後議事録を作成するという予定が入っている場合、午前中に普段の業務を済ませる必要があるでしょう。
上記の状況では、限られた時間内でどのように進めれば効率よく業務を完了できるかを考える必要があります。自分が担当している業務と処理スピードを考慮し、適切なスケジュールを立てられる方は事務職に向いているでしょう。
事務職として働いていると、他者とコミュニケーションを取る機会も多くあります。電話対応や来客対応などが代表的な例です。ほかにも、営業事務であれば自社の営業職と、貿易事務であれば船会社の社員や税関職員などとコミュニケーションを取る機会があるでしょう。
そのため、日々の業務をスムーズに進めるには、十分なコミュニケーションスキルが欠かせません。他者とコミュニケーションを取るのが苦痛でない方は事務職への適性が高いといえます。
経理事務や営業事務など、一般的な事務職に就職する場合に必須とされる資格はありません。しかし、未経験から転職したいと考えているのであれば、自分のスキルをアピールする目的で資格を取得しておくとよいでしょう。
ここでは、事務職への転職に役立つ5つの資格を紹介します。取得することでどのようなスキルを証明できるのか、なぜ事務職向きなのかを見ていきましょう。
MOSはMicrosoft Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookに関するスキルを証明する資格です。事務職として働くときには、日々の業務でこれらのMicrosoft Office製品を扱います。
MOSを取得することで、Microsoft Office製品を扱うのに必要な一定のスキルを有していることを証明可能です。基本的なPCスキルを有していることを示せば、未経験であっても転職活動を有利に進められるでしょう。
MOSは一般レベルと上級レベル(エキスパート)の2段階にレベルが分けられています。初めて取得する方は、一般レベルから挑戦してみましょう。
簿記検定にはさまざまな種類がありますが、経理事務への転職を目指すなら日商簿記検定試験がおすすめです。試験は1級~3級・簿記初級の4段階に分かれています。転職を有利に進めることが目的であれば、2級の取得を目指しましょう。1級は難度が高く合格するには相応の学習時間が必要なため、事務職への転職段階で取得を目指すのは現実的ではありません。
簿記2級に合格するには、商業簿記・工業簿記に関する高度なスキルが求められます。経理が不要な企業はないため、取得すれば多くの企業から求められる人材になれるでしょう。
効率よく仕事を進め、ほかの社員をサポートするのに必要なスキルを問うのが秘書検定です。相手が高いパフォーマンスを発揮するにはどのようにサポートすればよいのか、好印象を与えるために何ができるのか、効率よく業務を処理するにはどのようにしなければならないのかを学べます。
事務職として働くうえで欠かせないコミュニケーションスキルや基本的なビジネスマナー、業務処理スキルを証明できる資格です。広範な業務を担当する一般事務を目指す方には特に向いています。
どのような職種で働くとしても欠かせない基本的なビジネスマナーを有していることを証明できる資格が、ビジネス実務マナー検定です。ビジネスパーソンとして活躍するうえで習得しておきたい資質や基本的な業務スキル、コミュニケーションスキルなどを総合的に測定します。
電話対応や文書作成といった事務職にとって欠かせないスキルも問われます。これから事務職への転職を考えているのであれば、まずは3級の取得を目指すとよいでしょう。
企業に存在するさまざまな文書を安全に管理するためのスキル・知識を証明するのが文書情報管理士です。資格の取得に向けて勉強を進めることで、文書の作成から廃棄までの流れや、文書の電子化の進め方、情報漏えいの防ぎ方などを学べます。
どのような企業にとっても文書の適切な管理は欠かせないため、資格を取得していれば転職時のアピール材料として役立つでしょう。ただし、資格取得後は5年ごとに更新する必要がある点に要注意です。
転職活動において希望している企業に入社するには、選考に突破できるように入念に準備することが欠かせません。未経験から事務職に転職する場合、選考で重視される要素のひとつが応募書類に記す志望動機です。ここでは、自分の魅力を伝える志望動機を書くために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
志望動機を書くときには、転職することで何を実現したいのかを忘れずに盛り込みましょう。将来のキャリアプランに言及するのも効果的です。
「経理事務として働いて経験を積みつつスキルアップし、いずれは税理士資格を取得してより専門性が高い分野で活躍したい」のように具体的に伝えましょう。
なぜ自分が応募した企業に入社したいと思っているのかのアピールを忘れないようにしましょう。企業の公式サイトを隅々までチェックし、経営ビジョンや扱っている商品・サービスなどをチェックすると魅力的なポイントが見えてきます。
「常に試行錯誤を繰り返して個性的な商品を生み出している貴社の営業事務として、販路拡大に貢献したい」などのように記すと効果的です。ビジネススタイルや商品の特徴に言及すると説得力が高まります。
選考に突破するには、入社後に活躍している姿をイメージしてもらうことが欠かせません。そのため、志望動機を通じて業務に活かせるスキルをアピールしましょう。企業が求めているスキルは、求人情報やWebサイトからある程度推測できます。
自動化を進めている企業であれば「前職で培ったGASのスキルを活かして業務効率化に貢献したい」など、企業が求めているスキルと有しているスキルの共通点に言及しましょう。
ここからは、未経験者が事務職に転職する場合を例にして効果的な志望動機の例文を紹介します。選考が控えているものの、志望動機の書き方が分からず困っている方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。職種によって求められるスキルやアピールポイントが異なるため、以下では代表的な4職種を例にして紹介します。
【例文】
私は現職では人事部で社員の採用・評価を担当しています。日々の業務の中では書類作成や電話対応といった事務を担当することもあります。
その中で試行錯誤して事務作業を効率化し、限られた時間を有効活用する取り組みに挑戦してきました。この経験を通じて事務職を志望するようになり、この度貴社に応募いたしました。貴社は他社が思いつかないような商品を次々に生み出しており、その企画力の高さに魅力を感じています。
入社後はこれまでの経験を活かして業務効率化・生産性向上に取り組みつつさらなる成長に貢献したいと考えています。
事務職の経験がないとしても、現職で事務作業を担当した経験があればアピールできます。入社後に発揮できるスキルにも言及することが大切です。
【例文】
私は、現職で金融商品の営業職として個人営業を担当しています。日々の業務を通じて、スケジュール調整や事前準備を担当する営業事務の重要さを実感し、転職を検討するようになりました。
この度貴社の求人情報を拝見し、これまでの営業経験を活かせる無形商材を扱っていること、営業事務の裁量が大きく業務効率化の取り組みや資料作成も任されていることに魅力を感じて応募いたしました。
入社後はスケジュール管理や資料管理の効率化を進め、営業パーソンがより活躍できる環境を提供することで売り上げの拡大に貢献したいと考えています。
営業事務は営業パーソンをサポートする職です。そのため、自分の経験やスキルをどのように発揮してサポートできるかにフォーカスしましょう。営業職ではなく営業事務を目指す理由も明確に伝えます。
【例文】
私は、現職では工場で原材料の仕入れや在庫管理を担当しています。日常業務の中では原価計算や経費の精算などの事務作業を担当することもあります。この経験を通じて、経理分野でさらに活躍したいと思うようになり、この度応募いたしました。
貴社はAIを活用したシステムを開発するなど、最新技術を積極的に活用しています。挑戦的な貴社に貢献したいと思っております。経理事務は未経験ですが、スキルを習得するための学習に励んで日商簿記検定試験2級に合格しました。
現職の経験に経理に通じる部分があれば、積極的にアピールしましょう。簿記などの資格を取得しているのであれば強力な武器になるため、忘れずに盛り込みます。
【例文】
私は、現職ではコールセンタースタッフとして電話対応やデータ入力を担当しています。お客様と接する中で感謝の言葉をいただくことがやりがいでしたが、電話越しではなく直接お客様と関わり、より多くの方の役に立つ仕事がしたいと思い、医療事務職を志すようになりました。
以前、家族が貴院を受診したときに、丁寧に対応していただいたことが心に残っており、この度応募いたしました。医療事務は未経験ですが、必要なスキルを習得するために医療事務技能審査試験を取得しています。
医療事務はある程度専門的なスキルが求められます。経験者と同じフィールドで戦うことを考えると、事前にきちんと勉強したうえで資格を取得し、そのことをアピールするのがおすすめです。
未経験から事務職を目指す段階では、さまざまな疑問が思い浮かぶものです。そこでここでは、疑問を抱きやすいポイントと回答を2つ紹介します。以下で紹介するポイントについて不安を感じているのであれば、事前にチェックしておくとよいでしょう。
事務職として働くうえで、パソコン操作は必須のスキルです。タイピングやMicrosoft Word・Excelの基本スキルは習得しておいたほうがよいでしょう。一般事務であればMicrosoft Word・Excel・PowerPointがメインです。
経理事務であれば上記に加えて会計ソフトを扱うスキルが、貿易事務であれば貿易管理システムを扱うスキルが求められます。企業によって使用しているソフトが異なるため、求人情報でどの程度のスキルが必要かチェックしておきましょう。
パソコン操作に自信がない方は、転職活動をスタートする前にスクールに通うなどしてある程度習得するのがおすすめです。
未経験者を積極的に採用している企業が多い金融・保険業界やIT業界・製造業界がおすすめです。未経験で事務職への転職を検討している方は、必要なスキルや資格を習得したうえで上記の業界への転職を目指すとよいでしょう。
求人を探すときには、「未経験者歓迎」と明記されているものを中心に検討することをおすすめします。上記以外の業界でも未経験者を積極的に採用している企業があるため、併せてチェックしてみましょう。
未経験から事務職への転職を成功させるには、早い段階で転職エージェントに相談するのがおすすめです。担当のキャリアアドバイザーと相談しながら転職活動を進めれば、自分のスキルや経験をどのように事務職で活かせるか、何をアピールすればよいかを教えてもらえます。
さらに、客観的な視点から自分に合った企業を紹介してもらえるのも魅力です。マイナビエージェントでは、業界を問わず事務職の求人を多く取り扱っています。ヒアリングを通じて一人ひとりの転職目的やアピールできるスキルを可視化し、適した企業を紹介します。
ひとりで転職活動に取り組むよりも転職成功率を上げられるため、ぜひ早めにマイナビエージェントにご相談ください。
未経験者でもきちんと対策を講じて転職活動に取り組むことで、事務職への転職が可能です。ただし事務職といっても一般事務や経理事務など多種多様なため、それぞれの業務内容を正しく理解したうえで自分に合った職種を選びましょう。
マイナビエージェントでは事務職の求人を豊富に扱っています。各業界を熟知したキャリアアドバイザーが転職サポートを提供しているため、ひとりで転職活動を進めるより効率的です。理想の転職を実現するためにも、転職を決断したら早めにマイナビエージェントにご相談ください。
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