更新日:2023/08/08
この記事のまとめ
事務職は書類管理や電話対応、データ入力などの事務作業を担当する仕事です。事務職は残業が少なく、ワークライフバランスを整えやすいことから女性に人気があります。しかし求人への競争率は激しく、転職を成功させるのは容易ではありません。
そこでこの記事では事務職への転職を検討している女性に向け、転職を成功させるコツを5つ紹介します。また事務職への転職で求められるスキルや有利になる資格も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
事務職は未経験であっても転職可能です。しかし一口に事務職といっても、人事事務では労務の知識、経理事務では簿記の知識など、働く環境によって必要なスキルは異なります。また、年代によって求められる経験やスキルも異なるため、転職のしやすさも変わってくるでしょう。ここでは、事務職の転職難易度について解説します。
事務職は未経験でも転職可能ですが、人気の職種であるため転職を成功させるのは簡単とはいえません。求人数がどのくらいあるのかを確かめる指標に「有効求人倍率」があります。有効求人倍率とは、応募者ひとりに対して何件の求人があるのか示すものです。
たとえば、有効求人倍率が1.0であれば、応募者数と求人数がほぼ同じであることを意味します。一方、有効求人倍率が2.0であれば、応募者数に対して求人数が2倍あることを示し、人材が不足している状況であるといえます。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、事務的職業の有効求人倍率は0.49であり、求人数は応募者数の半分以下しかありません。それほど事務職の人気が高いが分かるでしょう。
参照:一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について | 厚生労働省
20代の場合、社会人経験が少ないため高いスキルが要求されにくい傾向にあります。選考時には将来性や熱意を評価されやすく、ポテンシャル採用が狙えます。しかし、事務職は一定のPCスキルを要求されるのが一般的です。Microsoft WordやMicrosoft Excelなどのオフィスソフトを扱うスキルは身につけておいたほうがよいでしょう。また、一定の速度でタイピングできるように練習する必要があります。
30代、40代と年齢が上がるにつれ、転職時には一定のスキルや経験を求められるのが一般的です。20代のようなポテンシャル採用は狙いにくくなり、即戦力であることを重視される可能性が高くなります。事務職で重要視されるスキルは、PCスキルやコミュニケーションスキル、スケジュール管理能力などです。異業種からの転職であっても、これらのスキルをきちんとアピールすれば転職は可能です。
事務職が人気の理由は、ワークライフバランスを整えやすいことやライフスタイルが変わっても働きやすいといったメリットがあるためです。ここでは、女性が事務職へ転職するメリットについて詳しく解説します。事務職への転職を悩んでいる場合は、ぜひ参考にしてみてください。
事務職は他職種と比べても残業が少ない傾向にあるため、比較的プライベートな時間を確保しやすい点が特徴です。また、基本的に休日は暦どおりのため、家族や友人とのスケジュールを合わせやすいのもメリットです。ワークライフバランスを重視したい方は、事務職に向いているといえるでしょう。
事務職は職場環境や労働環境が整っていることが多く、男女にかかわらず結婚や出産によりライフスタイルが変わっても育休や産休を活用して働きやすいのがメリットです。一時的に休職しても、パートとして再就職するケースもよくあります。また、パートであれば未経験でもチャレンジできるなど、比較的間口が広い点も事務職のメリットといえます。
一口に事務職といってもその種類はさまざまであり、働く業界によって必要な資格や役立つ資格は異なります。実務を通じて資格を取得すれば、今後のキャリアアップや転職の土台になります。資格の勉強方法は通学講座から独学まで複数あり、自分に合ったやり方で無理なくチャレンジできるのもメリットです。
事務職には魅力的なメリットがありますが、少なからずデメリットもあります。入社後のミスマッチを防止するためには、メリットだけでなくデメリットもきちんと知っておくことが大切です。ここでは、事務職へ転職するデメリットを2つ紹介します。
事務職は書類整理やデータ入力といったルーティンワークがメインで、営業職や技術職などと比べると評価されにくい仕事です。ノルマや成果は求められませんが、インセンティブや歩合がなく、努力しても給与アップにつながりにくいといえます。しかし、勤続年数に応じて昇給は可能です。真面目に業務に取り組む姿勢が評価されることもあるでしょう。
事務職は基本的に決められた仕事をこなすことが多く、人によっては飽きてしまったりモチベーションを保つのが難しかったりするでしょう。クリエイティブな仕事がしたい方や会社の売り上げに貢献するような仕事がしたい方にとっては、物足りないと感じる場合があります。しかし、淡々と作業をこなすのが好きな方には向いているといえます。
事務職への転職を成功させるためには、業務に求められるスキルを把握し、事前に身につけておくことが大事です。事務職は人気の職業であるため、ライバルが多くいます。スキルアップすればほかの応募者よりも優位に立て、採用を勝ち取れるでしょう。ここでは、事務職で求められる5つのスキルを紹介します。
事務処理は正確性とスピードが大切です。事務職は間口が広い分、差をつけるのはこうした処理能力が肝になります。ケアレスミスを極力減らし、優先順位をつけて素早く対応するスキルが必要です。
PCスキルが高ければ高いほど、事務処理をスピーディーに行うことができ、情報処理のスペシャリストとして活躍できるでしょう。
事務職はほかの部署から依頼されて対応する仕事も多いため、多くの人とのやりとりが発生します。スムーズに事務処理を行うには、相手の要望を的確に把握してミスを防ぐコミュニケーション能力が大切です。
事務処理は月末・月初に集中することが多く、確実にミスなく対応するためには期日までにきちんと完了させるスケジュール管理能力も欠かせません。必ずチェック期間を設けるなどして抜け目ないスケジュールを立てられる人は重宝されます。
IT化が進んでコンピュータでの自動処理ができる事務仕事も増えてきましたが、急な変更など臨機応変な対応が求められるケースも多く、周囲と連携しながら最適な処理を取捨選択すべきときもあります。マニュアル対応だけでなく、臨機応変な対応力も身につけましょう。
事務職で必須とされる資格は基本的にありませんが、資格を取得することで一定の知識やスキルをアピールでき、転職活動を有利に進められるようになるでしょう。また、履歴書には資格取得に向けて勉強中であっても記載できるため、熱意を示す意味でも資格の取得はおすすめです。ここでは、事務職で有利になりやすい資格を3つ紹介します。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)とは、Microsoft Word、Microsoft Excel、Microsoft PowerPointなどの利用スキルを証明する資格です。一般的なPCスキルを有している証明になり、事務職に重要なスキルともいえます。
文書情報管理士とは、文書管理エキスパートであることを証明する資格です。書類の電子化や個人情報の保護方法、文書の重要性などを学びます。事務職は文書管理を行うことが多いため、この資格を有していると転職時に評価されやすくなります。
TOEICは英語が母国語ではない人の英語コミュニケーション能力を検定するための試験で、日本語では「国際コミュニケーション英語能力テスト」と呼ばれます。資格ではなく試験であるため、点数が目安になります。IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)によると、2021年度の平均スコアは611点です。600点以下のスコアだと英語コミュニケーションが難しいとされているため、最低600点はクリアしたいところです。
参照:公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧|TOEIC Listening & Reading Test 公式データ・資料|【公式】TOEIC Program|IIBC
競争率の高い事務職への転職を成功させるには、コツを押さえて転職活動を進めることが大事です。しかし、転職経験が少ない方や事務職未経験者にとっては、どのような点を意識して転職活動を進めたらよいのか分からないのではないでしょうか。そういった方は、ここで紹介する事務職への転職を成功させるコツを参考にしてみてください。
キャリアプランが明確ではない方は、転職を機に作成することをおすすめします。キャリアプランとは、自分の将来の理想像に向けたキャリア計画のことです。キャリアプランを練ることで、転職先選びに軸が生まれ、「何をすべきか」「どのような企業を選ぶべきか」が明確になります。
キャリアプランは数十年先のライフイベントも考慮して練ってみましょう。たとえば、「結婚しても正社員として働く」「出産後はパートとして働く」「50代になったら引退する」などです。
スムーズに転職先を決めるためには、自分にとって働きやすい職場の条件を決めておくことが大事です。条件を明確にすることで、入社後のミスマッチを防げる企業選びにも役立ちます。
しかし希望条件をすべてかなえられる転職先はそう簡単には見つけられないため、条件に優先順位をつけ、どうしても譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておきましょう。
なお、働きやすい職場の例としては「残業がない」「子育てに理解がある」「ダイバーシティ(多様性)を推進している」などが挙げられます。
事務職は競争率の激しい職業です。正社員で入社するのが難しいと感じた場合は、パートや契約社員、派遣社員などとして働いてみるのもおすすめです。パートや派遣社員として働くことで、事務職としての経験を積めます。また、「正社員登用制度」を設けている会社であれば、企業の評価基準に応じて正社員になれる可能性があるでしょう。
事務職未経験者はアピールできる経験が少ない場合があるため、資格を取得して一定の知識・スキルをアピールするとよいでしょう。たとえばマイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)を取得すれば、事務職に不可欠なPCスキルを有していることを客観的に証明できます。ほかにも、志望先企業に有利となる資格がないかを調べ、取得を目指すとよいでしょう。
転職するにあたって何から着手すればよいのか分からない方は、転職エージェントサービスを利用してサポートを受けながら履歴書・面接対策をしましょう。転職を成功させるコツや進め方を教えてもらえるため、効率的に転職活動を進められます。
事務職はワークライフバランスを整えやすく、ライフスタイルが変わっても働きやすいことから女性に人気の職業です。しかし、人気があるゆえに競争率が激しいため、きちんと対策を練って転職活動を進める必要があります。
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