更新日:2024/10/22
この記事のまとめ
意欲的に働きつつ、プライベートも充実させて人生を楽しむためにはワークライフバランスを意識することが大切です。ワークライフバランスを改善したいと思い、転職を考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、適切なワークライフバランスを維持しやすい業界・企業の特徴や転職で意識したいポイントを詳しく解説します。激務で悩んでいるなどの理由で転職したいと考えている方は、自分に合った転職先を見つけるためにもこの機会にひととおりチェックしておきましょう。
目次
ワークライフバランスは「仕事と生活の調和」を指す言葉です。具体的には、仕事で求められていることをきちんと果たしつつ、プライベートにおいても自分が望む生活が可能な状態です。ビジネスとプライベートのバランスを適切に保つことで人生の満足度を高めやすくなるため、多くの人が注目している概念です。
適切なワークライフバランスを保つには、働き方とプライベートの両面を見直し、日々の生活を楽しめるようにすることが求められます。
多くの人がワークライフバランスを重視するようになったこともあり、社会全体でもさまざまな動きが見られます。しかし、多くの課題が残っているのも事実です。以下では、社会全体で適切なワークライフバランスを実現するためにどのようなことが行われているのか、課題は何かを紹介します。
企業によっては、適切なワークライフバランスを実現するのが難しいこともあります。主な原因としては「長時間労働が常態化している」「労働時間や就業場所の柔軟性が低い」などが挙げられます。
また、ワークライフバランスが正しく認識されていない問題もあります。以前はワークライフバランスというと、「仕事や働くことを重視しない」「プライベートを優先させる」といった印象を想起させ、嫌厭する企業も少なくありませんでした。
しかし、働き方改革が注目されたことで、ワークライフバランスを改善する取り組みが進んでいます。ワークライフバランスの実現を望む働き手にとっては、いまが転職のチャンスといえるかもしれません。
労働基準法が改正されたり働き方改革関連法が制定されたりと、社会全体でワークライフバランスを改善する取り組みが進んでいます。人々の意識の高まりを受け、ワークライフバランスを重視して意欲的に働ける職場環境を整える企業もあります。
そのため、ワークライフバランスを改善したいと考えているのであれば、転職する際に企業ごとの取り組みに注目してみるとよいでしょう。事前に詳しくリサーチすることで、転職後のミスマッチを予防できます。
転職によってワークライフバランスの改善を目指す際に、重要なポイントを紹介します。ここでは、特に転職先を選ぶ際にチェックしたい事柄を4つピックアップしました。転職してから後悔しないためにも、転職先の企業を選ぶ段階で常に意識しておくことが大切です。
「調和」と聞いて想像するライフスタイルは、人によって異なります。つまり、自分が望んでいるワークライフバランスを実現させるには、自身と向き合って深く考えることが大切です。そのためには、どのスタイルを選択すると充足感が生まれるのか考えてみましょう。
具体例を挙げると、上記のとおりです。まずはできるだけ具体的にイメージし、現状の働き方と向き合ってみましょう。
残業時間は、ワークライフバランスを実現させるためにチェックしておきたい項目です。募集要項を確認したうえで「該当企業に勤める知人に実情を聞いてみる」「転職関連の口コミサイトを参照する」「転職エージェントに直接聞いてみる」などの方法で、残業時間の有無や残業の程度をチェックしましょう。
なお、募集要項に「みなし残業」の記述がある場合、実際に働いてみたら残業の頻度や時間が多かったというケースが見受けられます。また、年俸制なのか裁量労働制なのかについてもチェックしておきましょう。
積極的にワークライフバランスに取り組んでいる企業は、独自の制度を設けていることがあります。具体的な例を挙げると「休暇制度」「短時間勤務制度」「在宅勤務制度」「時差出勤・フレックスタイム制度」などがあり、制度の種類は企業ごとに多種多様です。
該当企業の募集要項や公式HPを確認して、自分に適した制度を設けているか否かを基準に企業を選ぶのもよいでしょう。また、転職エージェントを利用している場合は、あらかじめ「適切なワークライフバランスを重要視する企業を積極的に検討したい」といった旨を伝えておくことがポイントです。
積極的にワークライフバランスを改善する取り組みを行っている企業は多数存在します。「ワークライフバランスを重視したいと伝えたら、面倒くさい奴だとか、より好みする奴だとか思われてしまわないかな」などと心配する必要はありません。
また、「こういう事情があるのでワークライフバランスを重視した働き方をしたい」と最初に明言していたほうがスムーズに転職先を探せます。
業種や職種によっては定時退社したり、好きなときに休日を取ったりするのが難しい場合もあります。これまでのキャリアや業界にこだわるのではなく、いま一度自分自身に合ったワークライフバランスを考慮したうえで、自分が望む業種や適した職種を考え直してみましょう。
また、先に制度やワークライフバランスへの取り組みに積極的な企業を選び、そこから職種を選んで探すのもひとつの方法です。
企業選定の基準となる「転職軸」をしっかりと定めることは、転職を成功させる近道です。ただし、ワークライフバランスを転職の第一条件にする場合、いくつか注意したいポイントがあります。ここでは、企業選定において気をつけたい部分を紹介します。
ワークライフバランスに比重を置きすぎると、後悔する結果を招くケースもあります。たとえば、「勤務時間を減らしすぎたので生活が苦しくなった」という事態に陥るのはよい結果とはいえません。
ワークライフバランスを最優先に転職先を選ぶとしても、それ以外の条件も意識する必要があります。転職活動は疲れますが、投げやりになって必要以上に妥協しないよう注意しましょう。「業務内容」「年収」「労働環境」など、ほかの条件とも照らし合わせたうえで、冷静に判断することをおすすめします。
ワークライフバランスの改善を主目的として転職先を探すとしても、その仕事に「やりがい」があるのかを考える必要があります。というのも、ワークライフバランスの実現に重点を置くあまり、自分の価値観を無視して転職すると後悔しかねないためです。
転職先を決める前に「現職で培った仕事観を整理する」のが、満足度の高い転職を実現するポイントです。理想のワークライフバランスを実現できても、その仕事にやりがいを感じられなければ、また転職を考えてしまう結果になるでしょう。
適切なワークライフバランスを実現しやすい業界・企業には、どのようなものがあるのでしょうか。以下では、特におすすめの業界・企業を3つピックアップして紹介します。ただし、紹介するのはあくまでも業界全体の傾向です。特定の企業に就職すると適切なワークライフバランスを実現できることを意味するものではない点に注意が必要です。
製造業の最前線で活躍している大手メーカーは、ワークライフバランスを取りやすい傾向にあります。分業化が進んでいることもあり、一人ひとりが担当する業務の範囲が明確化されているためです。いつまでに何をしたらよいのかが明確であれば、スケジュールを管理しやすいでしょう。
一口にメーカーといっても、鉄鋼メーカーや化学メーカー・電子部品メーカーなどさまざまです。自分の興味・関心がある分野やこれまでに培ったスキルを活かせる分野から応募する企業を探してみましょう。
大手IT企業もワークライフバランスを実現しやすい傾向にあります。管理体制がきちんと整っており、リモートワークやフレックスタイム制度を導入している企業も少なくありません。
上記のような企業に転職すれば、よりワークライフバランスを保ちやすいでしょう。ただし、IT企業の中には長時間労働が常態化しているところもあります。転職先によって働きやすさが大きく異なるため、徹底的な企業研究が大切です。
銀行や証券会社をはじめとした金融業も、労働環境がきちんと整備されている企業が多い傾向です。そのため、金融業に関連するスキルや経験を有しているのであれば、大手銀行や証券会社への転職を目指してみてもよいでしょう。
金融業は休日数が比較的多く、柔軟に働ける体制が整っている傾向にあります。営業時間が細かく決まっていて、一人ひとりが担当する分野がきちんと決まっているのも一般的です。そのため、業務内容が明確でスケジュールを立てやすいのもメリットといえます。
意欲的に働きつつ良好なワークライフバランスを保つには、企業だけでなく職種にも意識を向ける必要があります。以下では、比較的ワークライフバランスを保ちやすい3つの職種についてチェックしていきましょう。自分の経験やスキルを活かせる職種が含まれているのであれば、積極的に転職を検討してみることをおすすめします。
事務職には一般事務や経理事務、営業事務などのさまざまな職種が含まれますが、いずれも比較的ワークライフバランスを取りやすい傾向にあります。仕事内容や業務時間が明確化されているため、スケジュールを管理しやすい点もポイントです。
また、事務職は厳しいノルマを課せられたり長時間の時間外労働を求められたりするケースが少ないのも特徴です。まずはどの分野の事務職を目指すのかを考え、求人をチェックしてみることをおすすめします。
ITエンジニアとして比較的ワークライフバランスを保ちやすい環境で活躍したいと考えているのであれば、社内SEを目指すとよいでしょう。
社内SEは、自社で使用するシステムの設計・開発や運用を担当する職種です。自社が開発するシステムのみに携わるため、受託開発を手掛ける企業で働くITエンジニアに比べて働きやすい傾向にあります。ITエンジニアとして活躍していて激務に悩まされているのであれば、社内SEへの転職を検討してみるとよいでしょう。
Web系の職種はリモートワークを推進していたり、フレックスタイムを導入していたりする企業が多い傾向です。そのため、プライベートをより重視するワークライフバランスを実現したいのであれば、Webエンジニアへの転職を検討することをおすすめします。
ITエンジニアの経験がある方なら、比較的転職しやすいでしょう。Web業界で求められるスキルを習得しつつ、自分に合った企業を探すことが大切です。Webエンジニア以外のITエンジニアにも似たような傾向にあるため、併せてチェックしてみるとよいでしょう。
企業が応募者に志望動機を聞く目的のひとつは、志望度の高さを見極めることです。「なぜこの企業を選んだのか」という質問は、企業側が自社で活躍する人材か判断するために必要といえます。ここからは、ワークライフバランスを実現したいと伝えつつ、応募先企業で活躍できることもアピールする志望動機の書き方を解説します。
志望動機を作成する際には、「なぜワークライフバランスを実現させたいのか」に目を向けましょう。適切なワークライフバランスの意味合いが一人ひとり異なるように、ワークライフバランスの先にある「理想の環境」にも違いがあります。
志望動機では「ワークライフバランスを実現してどうしたいのか」、つまり転職で得たい最終目的を伝えることが重要です。ネガティブな目的は印象ダウンにつながるため、内容によってはポジティブな言い回しに変換しましょう。
説得力のある志望動機にするには、現職ではかなえられないものの「転職先でなら実現できる」事柄を含めることが大切です。「現職でも実現できるのではないか」という印象を与えると、会社を変えれば何とかなると考えている他責的な人材だと思われかねません。
「時短勤務制度があるものの、申請しても取り合ってもらえない」「柔軟な働き方を提案したが、上司に拒否された」などワークライフバランスを実現するために努力したことを伝えましょう。1日の作業量や超過勤務の時間など具体的な数字で示せる事実があると、「プライベートを重視したいだけなのでは」といったマイナスイメージを払拭できます。
どの企業も「自社で活躍できる人材」を採用したいと考えています。つまり、採用担当者が見るのは「この人材を採用すると自社の利益向上につながるか」という点です。志望動機がワークライフバランスの場合、「働く意欲が低いのでは」「仕事よりプライベートを重視する人材なのでは」と懸念される恐れがあります。
そういった懸念を払拭するために、「この企業ならワークライフバランスを実現できる」と思った理由を述べつつ、自分のスキルや経験を発揮できる環境であることを伝えましょう。応募した職種の特徴に言及しつつ、なぜスキルや経験を発揮できるのかを伝えます。
併せて企業が設けている制度に触れたり、事前にリサーチした残業時間の平均を例に挙げたりして、「御社でなら適切なワークライフバランスを保ちつつ力を発揮できる」と伝えるのがポイントです。
たとえワークライフバランスを改善できる企業を発見したとしても、選考に通過しなければ入社できません。採用を勝ち取るには、選考対策を徹底することが重要です。
以下では、ワークライフバランスの改善を目指している場合に意識したい選考のポイントについて見ていきましょう。マイナス評価を避けつつ自分の経験やスキルをアピールするためにも、選考に臨む前にチェックしておくことをおすすめします。
「ワークライフバランスの実現」という志望動機は、伝え方によって企業からの評価が下がる恐れがあります。理解度の高い企業もありますが、その一方で「やる気がない」と捉える企業があるのも実情です。ワークライフバランスの実現を伝えたい場合には、事前に懸念点を理解したうえで、言葉を選ぶ必要があります。
たとえ本心であったとしても、「年収が高いから」「家で過ごす時間が一番だから」「残業したくないから」など、ネガティブな印象を与えるワードの使用は避けましょう。企業が自分を採用するメリットをしっかりと伝えることが大切です。
長い職業生活において意欲的に働き続けるには、早い段階でキャリアプランを明確にしておくことが必要です。そのため、転職を考え始めた段階で5年後や10年後にどのようなキャリアを築いていたいかを考えましょう。
そのうえでどのような経験を積めばよいかを確認し、転職で目指す業界・職種を決めるのがおすすめです。ある程度業界・職種を絞り込んだ段階で適切なワークライフバランスを維持できる職場を探すことで、転職活動をスムーズに進められるようになるでしょう。
経験豊富なキャリアアドバイザーと二人三脚で転職活動を進められるのが、「転職エージェント」を利用するメリットです。ワークライフバランスの実現を望む方にとって、メリットが多い転職活動の進め方といえます。
転職エージェントを利用すると、ワークライフバランスの実現に取り組む企業を簡単に見つけられるほか、「制度が実際に運用されているか」といった重要な部分も把握できます。
面談によるキャリアの棚卸しやキャリア形成のサポートを受けられるのも、転職エージェントの強みです。企業選定後には書類添削や面接対策、年収交渉なども依頼できるため、スムーズに転職活動を進めたい方にも最適といえます。
転職でワークライフバランスの改善を目指すのであれば、業界研究・企業研究を徹底して転職先を決めることが大切です。また、やりがいやキャリアパス、自分とのマッチング度合いといったワークライフバランス以外のポイントにも目を向ける必要があります。
自分ひとりで上記の要素を考慮しつつ転職活動を進めるのが難しいと感じているのであれば、早い段階でマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントでは、各業界の様子を熟知した経験豊富なキャリアアドバイザーが一人ひとりのキャリアプランや転職目的をヒアリングし、転職成功に至るようにサポートします。
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