インサイドセールスとは?注目度上昇中の営業について徹底解説|求人・転職エージェント

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更新日:2022/07/06

営業職

インサイドセールスとは?注目度上昇中の営業について徹底解説

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一般的に、外回りのイメージが強い営業職。しかし、最近では必ずしもそうとはいえません。近年、顧客のもとに出向かない新しい営業手法「インサイドセールス」に注目が集まっており、求人も増えているからです。

なぜ今、インサイドセールスのニーズが高まっているのでしょうか。その特徴や既存の営業との違い、必要とされるスキルなどについてご紹介します。

目次

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インサイドセールスとは

インサイドセールスとは内勤営業ともいわれ、電話やメール、Web会議システムなどのコミュニケーションツールを使い、顧客と直接対面する以外の方法で行う営業手法のことです。従来型の対面での訪問営業が「フィールドセールス」または「アウトサイドセールス」と呼ばれているのに対して、こう呼ばれています。

インサイドセールスは、元々リーマン・ショック以降のアメリカで広まり、その後日本でも取り入れられました。本家のアメリカでは急速に成長を続け、いまやインサイドセールスに携わる営業職の数は、訪問営業のそれを抜いたともいわれています。

インサイドセールスのニーズが高まっている理由

1.営業の効率化につながる

インサイドセールスでは、地理的な事情にかかわらず、優先順位の高い顧客に時間を割くことができます。移動時間などがなくなる分、効率のいい営業ができ、アプローチできる顧客数が増えることがメリットといえます。

2.コストダウンにつながる

客先への訪問を行わなければ、当然その分の交通費も発生しません。また、移動時間や出張の手配をする時間などもなくなるため、時間の削減にもつながります。特に日本より国土が広く、訪問営業に費用や時間のかかるアメリカの場合は、コストダウンの効果は大きいでしょう。

3.顧客の購買プロセスの変化

最近ではインターネットの普及により、顧客が自分で情報を収集し、比較・検討した上で製品を購入するのが当たり前になってきました。

その結果、従来型の「営業職が顧客のもとへ足を運び、製品やサービスの情報を届ける」手法では時代に合わなくなり、新しい営業方法が求められるようになっているのです。

4.労働者の減少と人材獲得競争

日本では、若い労働者の絶対数が減少し、転職が一般的になってきたことで、きつい外回りのイメージがある営業職は人材を集めにくくなっています。そこで、人数は据え置きのまま生産性を高めるべく、営業の在り方を見直す企業が増えています

5.働き方改革

客先に出向かず、オフィスや在宅で仕事ができるインサイドセールスは、訪問営業に比べて多様な働き方が可能になります。そのため、企業の働き方改革に合わせて、インサイドセールスが導入される事例もあります。

フィールドセールスとの違い

電話やメール、Web会議システムなどのツールを活用し遠隔で営業活動をおこなうインサイドセールスに対して、営業担当者が客先に直接訪問する対面での営業活動は「フィールドセールス」と呼ばれます。

営業活動とは主に以下のフェーズで成り立っています。

  • 見込み客のリストアップ
  • 電話やメールでのアポイント取り
  • 訪問、商談
  • 提案、見積もり
  • クロージング
  • 成約
  • フォローアップ

従来はこれらすべてを一人の営業担当者が担うのが一般的でした。しかし、現在では多くの企業で、それぞれの特性を踏まえてインサイドセールスとフィールドセールスを使い分けるようになってきています。

インサイドセールスの特徴

一口に営業といっても、その仕事は見込み客の発掘から提案、成約、成約後のフォローアップと多岐にわたります。これらのうち、どの部分にインサイドセールスが取り入れられているかは、アメリカと日本では少々異なります。

アメリカのインサイドセールスは、多くの場合、見込み客・潜在顧客へのアプローチから提案、成約までのすべてを担い、営業の主力として機能しています。顧客とコミュニケーションをとるツールとしては、主にWeb会議システムが使われ、そのまま商談までインサイドセールスで行うのが一般的です。

一方、日本のインサイドセールスは、主に電話やメールといったツールを使って見込み客・潜在顧客にアプローチし、訪問営業に引き継ぐことを目的とする場合が大半です。あくまで営業支援としての位置付けであり、インサイドセールス自体で成約を取ろうというものではありません。

今のところ、インサイドセールスを行う目的は「訪問営業の担当者に、成約する可能性が高そうな商談の機会を提供すること」です。アポイントを取った後、訪問営業の担当者が訪問し、面談した上で成約というのが、一般的な取引きの流れです。

日本のインサイドセールスの守備範囲としては、主に次の3つが挙げられます。

  • 新規顧客の開拓
  • 潜在顧客への情報提供
  • 既存顧客のフォロー

日本では今のところ、Web会議システムは社内会議で使われるのが一般的であり、顧客との商談に使うツールとしてはあまり普及していません。

しかし、今後顧客とのコミュニケーションツールのひとつとして普及すれば、アメリカのようにインサイドセールスの仕事の幅が広がる可能性は十分にあると考えられます。

営業プロセスにインサイドセールスを組み込むメリット

日本では、営業プロセスの一部にインサイドセールスを取り入れることが主流です。これは、営業のすべてのプロセスを既存の訪問営業で行う場合に比べて、次のようなメリットがあります。

営業の効率化

インサイドセールスに新規顧客の開拓・潜在顧客への情報提供を任せることで、訪問営業担当者は成約率の高い見込み客だけに時間を割くことができるため、効率的な営業が期待できます。

分業により営業プロセスが可視化される

営業担当が1人ですべての営業プロセスを担っている場合、その成果は各人の能力に頼りがちになります。しかし、分業を前提にすることで、潜在顧客へのアプローチからアポイントの獲得、受注・契約まで、営業プロセスが可視化され、現状の整理・分析がしやすくなり、より効率的な営業活動につながります。

データの共有が可能になる

営業が個人からチームのものになることで、各人がどのような行動をしているかがデータとして共有されます。
同僚の得意分野を知ったり、ノウハウを学んだりすることで、チーム全体の営業成績アップが期待できます。

一方、インサイドセールスも万能ではなく、扱う商材によって向き・不向きが少なからず存在します。たとえば、車や住宅といった高価で商談も複雑になりがちな商材は、顧客側に「面談して決めたい」という気持ちが強く働くため、インサイドセールスに向いているとはいえません。

企業が自社の営業のどの部分をインサイドセールスに任せ、どの部分を訪問営業に任せるかは、扱う商材も含めて考える必要があるのです。

インサイドセールスにデメリットはある?

インサイドセールスのデメリットとしては、主に2つのことが考えられます。

まずは、インサイドセールスとフィールドセールスの間で密に連携を取り、抜け漏れのない情報共有体制を取ることが必要な点です。

前述のとおり、従来は一人の担当者が各フェーズを一貫して担う営業スタイルが主流でした。その場合、細かいコミュニケーション内容や言語化が難しい感覚的な部分などに関しては、営業担当者本人さえ把握できていれば支障はありませんでした。

しかし、インサイドセールスを導入すると営業のフェーズによって担当者の入れ替わりが発生するため、担当者同士の十分な連携と情報共有が欠かなくなります。

2つ目は、上記に伴って顧客情報管理のための設備やさらなる人員の投入が必要になる場合がある点です。

法律が厳格化されるなど個人情報の取り扱いに細心の注意を払う必要性が高まる中、インサイドセールスとフィールドセールスで多くの情報を共有する際には、情報を安全に、かつ漏れなく一元管理するシステムの導入が欠かせません。場合によってはシステムを扱う人材の確保も必要となるケースがあるでしょう。

インサイドセールスの流れ

インサイドセールスを導入するにあたっては、まず運用の形を見定める必要があります。導入の程度により組織の在り方が大きく変わるためです。

その後は、インサイドセールス実施の目標やKPI、営業シナリオの設定をおこないます。そして、その目標を実現するために必要であればツールの導入も進めましょう。

上記まで完了したところで初めて、インサイドセールスの本格運用が見込めるようになります。

インサイドセールスに求められるスキルと資質

インサイドセールスを担当する営業職に求められるスキルには、訪問営業の営業職と共通するところも多くあります。

まず、顧客と直接相対する仕事であることに違いはありませんから、顧客のニーズを聞く力や、相手の立場に立って考える力、顧客の望みを察知して提案する能力、約束を必ず守る誠実さなどは、どちらの営業職にも求められる資質です。

一方、インサイドセールスは主にメールか電話でやりとりを行うため、より集中して相手の話を聞き、的確な質問を投げかける対応力が要求されるでしょう。また、インサイドセールスは訪問営業に比べて担当案件が多くなりがちなので、情報を整理するスキルも必要です。

加えて、短期間に個人で営業成績を伸ばすよりも、中長期的にチームとして結果を出すことに重点が置かれるため、真面目にコツコツと仕事に打ち込める気質や、コミュニケーション能力などが重視される傾向があります。

インサイドセールスのやりがいや辛いといわれる理由

インサイドセールスで最も大きなやりがいを感じられる場面は、やはり営業活動が受注につながった瞬間でしょう。受注という結果は、時間や労力をかけ、見込み客との関係性をコツコツと構築した、その成果が現れたことを意味しています。

「自分やチームがやってきたことは間違っていなかった」

「自分たちの製品やサービスがお客様のお役に立てた」

と感じることができ、自信にもつながるはずです。

一方、辛さを感じてしまうポイントは、インサイドセールスの運営が安定化するまで一定期間を要する点です。自社ならではのノウハウが十分に蓄積するまでは思い通りの成果が得られにくいかもしれません。腰を据えて長いスパンで営業活動に取り組む意識が必要となります。

まとめ

日本のインサイドセールスはまだ始まったばかりであり、今後さらに発展していく可能性が十分にあります。

基本的に個人戦である訪問営業とはまた違った魅力があるため、チームを組んで成果を上げる仕事に興味があれば、ぜひ転職を検討してみましょう。

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鍛治本 聖

株式会社マイナビ所属。転職エージェント歴13年、理系大卒。経験領域として、いちアドバイザーとしても管理職としてもオールジャンルを経験(Web広告、商社、消費財、医療、不動産、IT(Web・SIerNIerとも)、製造業メーカー(電気・機械・化学とも)、職位もメンバーから役員クラスまで)。法人営業担当、キャリアアドバイザー双方の経験を活かした、双方にとってベストなアドバイスを心がけています。

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